親に借金があると言いにくい?親に借金がバレてしまうケースと解決方法を解説します

親に借金があると言いにくい?親に借金がバレてしまうケースと解決方法を解説します

親に「実は借金がある…」と言えなくて悩んでいる方は、どのように伝えれば伝わるのだろうか?と悩まれている人も多いのではないでしょうか。また、親に借金があることを打ち明けるべきなのだろうか?と悩んでいる方も多いはずです。

そもそも借金は個人で行うものであるため、親が保証人や連帯保証人ではない限り迷惑をかけることはありません。ただ、何らかの事情で借金をしている事実がバレてしまった場合、親は「子に借金がある」とショックを受けたり、なぜ借金をしたのか?など、問い詰められる原因にもなり得ます。「そのような状況になる前に自分から話をしておきたい」そのように考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、借金が親にバレる理由や借金があることを親に言うべきかどうか、仮にいう場合はどのように伝えるべきなのかについて詳しく解説します。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

親に「借金がある」と言えなくてもバレる理由

親は子から「借金がある」と打ち明けられなくても、さまざまな理由によってその事実を把握することができます。まずは、親に「借金がある」と伝えていなくてもバレてしまう理由について解説します。

自宅宛に電話や手紙届く

親に借金がバレる原因のひとつとして考えられるのは、「自宅宛に電話や手紙が届く」です。最近の借金などは自宅宛に書類が届いたり電話が来たりするケースは少ないです。しかし、以下の場合には自宅宛に手紙もしくは電話が来る可能性があります。

  • 支払いに遅れた場合
  • 主な連絡先を「自宅」にした場合
  • 利用明細書の送付

たとえば、支払いに遅れてしまった場合は自宅宛に督促の手紙が届く可能性があります。また、登録してある携帯電話番号に電話をかけてもなかなかつながらない場合に、登録してある自宅宛に電話をかけられてしまう可能性があるでしょう。親と同居している場合、親が手紙を見たり電話を取ったりすることによって、借金がある事実がバレてしまいます。

また、滞納をしていなくても主な連絡先を「自宅」にしていた場合は、自宅に電話がかかってくる場合があるでしょう。たとえば、契約前に行う本人確認の電話や、各種案内の電話がかかってくることが考えられます。申込者本人が電話に出られれば良いですが、親が電話を取ってしまった場合は、借金をしようとしていることが知られてしまうでしょう。

なお、主な連絡先を携帯にしている場合であっても、申込時等に誤った番号を入力してしまっていた場合、確認のために自宅宛に電話がかかってくる可能性もあるので注意してください。

最後に、クレジットカードなどの借金をする際、利用明細書の確認方法を「自宅への郵送」と選択している場合が考えられます。この場合、自宅宛に利用明細書が送付されるため、親に借金を知られてしまう可能性が高いです。また、クレジットカード以外であっても利用明細書や請求書などの書類が届く場合もあるので注意してください。

クレジットカードなどの利用明細書は電子発行が可能です。親にバレたくない人は電子発行を希望しましょう。

親を保証人にしている

親を保証人にして借金をしている場合は、以下のときに電話等がかかってくる可能性があります。

  • 借金を滞納したとき
  • 契約を締結するとき

主契約者である子が借金を滞納した場合は、保証人である親に請求されます。そのため、滞納をしている場合は借金をしている事実が親に知られてしまうでしょう。

また、契約を締結する際に親の名前を記載していると、親に確認の電話が行われます。そのため、親に秘密で保証人にしようとしている場合などはかならずバレるので注意してください。

お金使いでバレる

親は子のお金の使い方などを注視しています。そのため、お金を借りて極端にお金使いが荒くなると「借金をしているのではないか?」と疑われてしまう原因になり得るでしょう。

借金があることを親に言わずに解決する方法

借金があるからといって、その事実を親に言う必要はありません。しかし、現状で「借金の返済が苦しい…」と感じているのであれば、親に相談をして解決するのもひとつの手段です。

次に、借金があることを親に言わずに解決する方法について解説します。

自力で完済を目指す

借金があることを親に言わずに解決する方法として、もっとも有効なのは「自力で完済を目指す」です。自力で完済を目指すことができるのであれば、親に迷惑をかける心配もありません。また、滞納などによって自宅宛に書類が届く心配もないため、親に借金がバレてしまうといったリスクも少ないでしょう。

ただ、現時点で「自力での完済が難しい」と感じている場合は要注意です。以下の方法で自力完済をできないか確認してみましょう。

収支確認を徹底する

「自力での完済が難しい」と感じているのであれば、初めに収支確認を行ってください。収入と支出のバランスを確認し、改善できる部分がある場合は積極的に改善していきましょう。収支確認で主にチェックするべきポイントは以下の通りです。

  • 固定費
  • 無駄遣い(コンビニやついで買いなど)
  • 交際費
  • 趣味・娯楽費用

初めに固定費の削減を検討しましょう。携帯電話を格安SIMに変えたり、生命保険料の削減をしたりライフラインの基本料金見直しをしたりなど、毎月かならず発生する金額の部分を改善するだけで収支が改善されます。

また、普段からコンビニを利用する機会が多い人や、レシートを見直して「ついで買いが多いな…」といった場合は意識して改善していくことも大切です。

そして、交際費や趣味・娯楽費用は借金を返済してもなお余裕がある場合に使うようにしましょう。「借金を親に言えない、言いたくない」と考えているのであれば、初めに借金の返済をするべきです。

上記のことをすべて行うことによって、収支状況は大きく改善されるはずです。余裕資金で積極的に借金の返済をしていければ親に借金があることを言えなくても問題はないでしょう。

収入を増やす

収入を増やして借金の返済を継続するのもひとつの手段です。たとえば、副業をしたり普段より残業や休日出勤を増やしたりすることによって収入は増やせます。

もし、現時点で失業していて借金の返済が苦しいと感じているのであれば、親に相談をするのもひとつの手段になり得ます。しかし、今後少しでも収入を増やすことによって借金の完済を目指せるのであれば、「いかにして収入を増やすか?」に注力されてみてはいかがでしょうか。

注意
最近はSNSなどを介してアルバイトの募集を行う人が増えています。募集されているアルバイトは大半が健全なものですが、中には犯罪行為をさせるものまであります。そのため、「裏バイト」「簡単に稼げる」「誰でも可能」「高単価」などといった言葉ある際は注意してください。

不用品を売却する

何らかの事情で一時的に借金の返済が困難な場合は、手元にある不用品を売却して返済費用を工面する方法もあります。たとえば、普段あまり使用しないブランド物や過去に使用していたスマートフォンなどは意外と高値で売却できることがあります。

ただ、不用品の売却はその場しのぎの対処法でしかありません。長期的に支払いが困難である場合は、その他の方法を検討したほうが良いでしょう。また、親と同居している場合は高価なものが減っていることに気づき、勘繰られてしまう可能性もあるので注意してください。

状況次第では売却ではなく、質屋に預けるといった方法も検討したほうが良いかもしれません。質屋の場合は、借りたお金と利息を返済すれば預け入れたものは返ってきます。ただ、万が一返済できなかった場合は質流し(預け入れたものが流れる)となる可能性もあるため、事前に返済計画を立てておくと良いでしょう。

注意
借金の返済が苦しくても、同居している家族の物を売ったり質屋に入れたりするのは絶対に避けましょう。質屋に預け入れても取り返せる見込みがある場合であっても、何らかの事情で質流しとなる可能性も否定できません。そのため、不用品の売却や質入れを検討する場合は、自分のものに限定しましょう。

債務整理を検討する

借金があることを言わずに解決する方法として、債務整理を検討されてみてはいかがでしょうか。

債務整理とは現在抱えている借金の一部を減額したり、すべての返済義務を免除(免責)にしたりできる法的手続きです。債務整理を行った場合、無理なく借金の完済を目指せたり返済の必要がなくなったりするため、親に借金があることを言う必要はありません。

【債務整理の種類】

  • 利息部分をカットして元金のみを原則3年程度で完済する「任意整理」
  • 借金を最大で1/10まで減額できる「個人再生」
  • 非免責債権(税金、罰金など)を除くすべての債務を免責にできる「自己破産」

債務整理をすることによって借金が減額されるため、不安が解消される可能性は高いです。ただし、債務整理をすることによって個人信用情報機関にその情報が登録されてしまいます。その結果、以下のようなことが起こり得ます。

  • クレジットカードを作れない
  • ローンが組めない
  • 入居審査に通りにくくなる
  • 就けない職がある(自己破産を選択した場合で破産手続き開始決定〜免責許可決定までの間)

個人信用情報機関に債務整理をした情報が掲載されると、その情報が消えるまでは上記のようなことが起こり得ます。そのため、債務整理後に親などに「なぜクレジットカードを作れないの?」などと問われる可能性があり、結果的に知られてしまう可能性もあるので注意しなければいけません。

もし「債務整理をして借金を減らしたいけど、親には言えない…」と悩まれている場合は、司法書士などの専門家へご相談ください。可能な限り親に知られないように手続きを行い、アドバイスをします。状況次第では難しい場合もありますが、可能な限りのサポートを行います。

【注意】同居している場合はバレる可能性がある

以下に該当する人は、親に借金の事実を言わなければいけない可能性もあるので注意してください。

  • 自己破産をする場合
  • 同居家族がいて生計を一にしている場合

自己破産をする場合は、同居家族の収支状況まですべて報告しなければいけません。そのため、破産手続きを進める中で同居家族の収入や、細かな支出を聞かなければいけないため、ほぼ100%の確率で「借金がバレる」と思っておいたほうが良いでしょう。ただし、親と別居している場合や同居していても世帯が別(生計が別)の場合は、収支を報告する必要はないため、知られる可能性は低くなります。

もし、上記項目に該当する場合であって「親に借金を知られたくない」と考えているのであれば、任意整理や個人再生による解決を検討したほうが良いかもしれません。

MEMO
債務整理手続きの中で裁判所等から家族に連絡をしたり訪問したりすることは基本的にありません。そのため、上記項目に該当しない場合は、過度に心配する必要はないでしょう。もし、不安を感じている場合は専門家へご相談ください。

債務整理費用は分割・法テラスの民事法律扶助制度の利用が可能

債務整理費用はその手続きの種類によって、数万円〜数十万円程度かかる場合があります。親に言えない、親を頼れない人はこの金額を用意するのも容易ではないはずです。そのため、各法律事務所に債務整理の相談をした際に費用の分割払いを相談してみると良いでしょう。ほとんどの法律事務所では複数回の分割払いを認めてくれます。

また、司法書士などの専門家に債務整理を依頼し、専門家が債権者に対して受任通知を送付した時点で取り立てや借金返済義務は一時的に停止します。そのため、今まで借金返済に充てていた費用を債務整理の分割費用に充当することも可能です。

また、どのような方法を検討しても債務整理費用の用意ができない場合は、法テラスの民事法律扶助制度の利用ができます。この制度を利用することによって、公的に債務整理費用を立て替えてもらえます。最終的には返済が必要となりますが、支払い金額や返済期間など柔軟に対応してもらえるため、ぜひ利用をご検討ください。

借金があることを親に言うべき?

借金があることを親に言えないと悩んでいる人は、なぜ「親に言わなければいけない」のでしょうか。親に対して何かを求めている場合は言うべきかもしれませんが、そもそも親を頼れない場合や自力での借金返済が可能な場合は、言う必要はありません。

次に、借金があることを親に言ったほうが良いケースと言わなくても良いケースについてそれぞれ詳しく解説します。

親に言ったほうが良いケース

親に「借金がある」と言ったほうが良いケースは以下の通りです。それぞれ詳しく解説します。

自力で借金の返済が困難である場合

自力での借金返済が困難な場合は、親に「借金があって…」と打ち明けるべきでしょう。その上で何をして欲しいのか、親に何を求めているのかについてしっかりと伝えるべきです。

ただ、本心として「できれば親に言いたくない」と考えているのであれば、自力で返済ができないだろうか?と考えたほうが良いかもしれません。たとえば、収入を増やしたり収支確認を行って改善したり、あるいは債務整理を検討するのもひとつの手段でしょう。

上記のようなことを考えてもなお、親に相談するべきだと考えた場合はすぐに相談をしたほうが良いかもしれません。

親に借金の返済を肩代わりしてもらう場合

親に借金の返済を肩代わりしてもらおうと考えている場合は、しっかりと「借金が返せないから肩代わりしてほしい」と伝えるべきでしょう。

親が経済的に余裕があり良好な関係を築けている場合

親が経済的に余裕があり、現在良好な関係を築けている場合は相談をしてみても良いでしょう。ただ、親と疎遠でしばらく会っていない場合や、親との関係があまり良くない場合は、相談方法を検討したほうが良いかもしれません。

あくまでも、良好な関係であって経済的に余裕がある場合に相談をしてみると良いでしょう。それでもきっと、叱られたり厳しい言葉をかけられたりする可能性はあります。その覚悟で相談をされてみてはいかがでしょうか。

親と同居している場合

借金の返済が困難な場合であって、なおかつ親と同居している場合は、関係性などに関わらず借金があると伝えたほうが良いです。なぜなら、借金を返済できなくなってしまった場合、自宅宛の手紙などから借金をしていることが知られてしまうためです。

ただし、先ほど解説した方法などで自力返済ができる場合は、言わなくても良いでしょう。自力で返済できている間は、親に借金を知られる可能性が低いためです。親に借金があることを相談し、何らかの対応を求めている場合は相談するべきですが、そうではないならば、今後のことを良く検討してから対応したほうが良いでしょう。

親に言わなくても良いケース

借金があることを親に会わなくても良いケースは以下の通りです。それぞれ詳しく解説します。

自力で借金を返済できる場合

自力で借金を返済できる場合は、親に相談をする必要はありません。そもそも親に相談をする目的は「遅かれ早かれバレる可能性がある」もしくは「親に何らかの対応を依頼したい」といった場合です。

自力で借金を返済できている場合は、親に借金がバレる可能性は低いです。また、自力で返済できているため、親を頼る理由がありません。以上のことから、自力返済できていて今後も難なく返済できる見込みがある場合は、親に借金がある事実を伝える必要はないでしょう。

親を頼れない場合

そもそも親を頼れない場合も親に言う必要はないでしょう。相談をしたところで何らかの対応を期待できないのであれば、伝えたところで意味はないでしょう。

ただ、アドバイスが欲しいとか、いずれバレるなら先に言っておきたいなど何らかの事情がある場合は、「借金がある」と言っておいても良いかもしれません。親との関係や期待していることなどを踏まえた上で、どのような対応をするか考えてみてはいかがでしょうか。

「借金がある」上手な親への伝え方

「借金がある」と、親に伝えなければいけない状況のとき、「どのように伝えれば良いのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。借金問題はネガティブなイメージが強いため、親に打ち明けることで叱られたり厳しい言葉を投げかけられたりする可能性は高いです。

次に、親に借金があることを伝える際にどのように伝えるべきなのか、伝えれば良いのかに着いて解説します。

すべてを正直に伝える

親に借金の事実を打ち明ける際は、すべて正直に伝えるようにしましょう。たとえば、借入額はいくらなのか、なぜ借金をしなければいけなかったのか、なぜ返済できなくなってしまったのかなど聞かれたことに対して嘘偽りなく伝えることが大切です。

その場しのぎの嘘をついたとしても、親との関係は一生続くためいずれはバレる可能性がありますし、一生嘘をつき続けることを不安に感じることもあるでしょう。

「ギャンブルで借金をしてしまったと言ったら怒られるから…」といって嘘をついても親ならきっと気づくでしょう。借入金額を少なめに申告したとしても実際に援助してもらう際にバレてしまいます。そのため、すべてを正直に伝えると言った気持ちで相談をしたほうが良いです。

何をして欲しいのか伝える

親に借金を打ち明ける場合、相手に何をして欲しいのかをしっかり伝えるように意識してください。子から突然「借金を抱えていて…」と打ち明けられても、最終的には「だから何?」と思われてしまいます。

そのため、親に借金をしている事実を打ち明ける際は、「借金があるけど返済ができないからお金を貸して欲しい(もしくは援助して欲しい)」など、具体的な要求を伝えるようにしてください。そうすることによって、借金の事実を聞いた親が今後どのように対応すれば良いか考えられるようになります。

ただ長々と「〇〇が原因で借金を作って、〇〇で返済が厳しくなって…」と話をしていても、話を聞くことしかできません。そのため、目的を明確にした上で親に相談をするようにしましょう。

直接会って話をする

親に借金を打ち明けて支援を希望する場合は、可能な限り直接会って話をしましょう。人は、電話やメールで話をするよりも直接顔を見て話をしているほうが思いが伝わりやすいです。借金をしてしまった後悔や反省なども親に見えやすいため、援助や貸付といったサポートをしてもらえる可能性が高くなります。ただ、遠方で直接会って話をするのが困難な場合は、電話などで相談をしてみると良いかもしれません。

借金のようなネガティブな相談はメールなどの文章のほうが言いやすいでしょう。しかし、相手の声色や表情を見ることができない文章は、思いのうちが伝わりにくいといったデメリットがあります。そのため、言いずらくても直接もしくは電話で相談をするように心がけてください。

親に「借金がある」と言えない場合によくある質問

親に「借金がある」と言えない場合によくある質問を紹介します。

Q .親は子の借金を返済する義務はありますか?

A .ありません。

法律上の親子関係にある場合であっても、この借金を親が背負う義務はありません。お金の貸し借りに対する契約は、当事者間の契約であるためです。ただし、以下の場合は親が返済責任を負う可能性もあるので注意してください。

  • 親が保証人になっていた場合
  • 子の財産を相続した場合

親が子の借金の保証人や連帯保証人となっていた場合であって、主債務者である子が借金返済不能となり、(連帯)保証人に請求が渡った場合は親に借金の返済義務が生じます。ただし、保証人の場合は主債務者に対して請求するよう要求することができます(催告の抗弁権)。一方で、連帯保証人の場合は、催告の抗弁権が認められていないので注意してください。

そして、子が借金を抱えたまま死亡し、親が子の財産を相続した場合は借金の返済義務が親に移ります。通常、子が死んでもその配偶者や子の子(親から見た孫)が財産を相続します。しかし、仮に子(孫)がいなかった場合は、直系尊属である親が相続をすることになります。

相続発生時は、いわゆるプラスの財産のみならず借金などのマイナス財産も対象となります。そのため、子が借金を残したまま死亡した場合は、親がその返済義務を負う可能性があるので注意してください。

ただし、親は相続放棄をできる権利があります。そのため、借金しかないことが明らかである場合は、家庭裁判所にて相続放棄の手続きを行うことによって返済義務を免れます。

Q .未成年が勝手に作った借金は親に借金返済義務はありますか?

A .親に返済義務はありません。

先の質問同様、親が保証人もしくは連帯保証人ではない限り、返済義務は生じません。

また、そもそも未成年者が親(法定代理人)の同意を得ることなく借金をすることは許されません。万が一、親の同意を得ることなく借金をした場合は、契約時にさかのぼって取り消すことができます。ただし、未成年者である子が「親の同意を得ている」と虚偽の申告をし、詐術によって契約を締結した場合は契約の取り消しはできません。なお、この場合であっても親に返済義務が移ることはないので安心してください。

注意
2022年4月より、成人年齢が18歳に引き下げられました。これに伴い、18歳の人でも親の同意を得ることなく借金などの契約締結ができるようになりました。これま「お金」や「借金」に関する勉強をしてこなかった子が借金をした場合、返済できなくなる可能性があります。生計を一にしている場合や同居している場合は、親が管理をしてあげたほうが良いでしょう。

Q .親に借金があることを言えなかったら最終的にどうなりますか?

A .とくに問題になることはありません。

借金は自己責任であり、親はまったく関係ありません。そのため、仮に「借金がある」と親に言えなくても、何らかの問題が生じることはありません。子が借金の返済をできなかったとしても、保証人や連帯保証人ではない限り親に請求がいくことはありません。よって、親に何らかの影響を与える可能性はとても低いです。

そのため、親に借金があることを言えなくても問題はないですし、言いたくないのであれば言わなくても良いでしょう。

ただし、親との関係性や親の性格上、「先に伝えておいたほうが良い」と考えているのであれば、前もって伝えておいたほうが良いのかもしれません。各家庭の事情によって判断をすれば良いでしょう。

なお、借金が返済できなかった場合は、以下のようなリスクが発生します。以下のリスクを回避するために親へ相談したいと考えているのであれば、早急に対応したほうが良いでしょう。

  • 借入先からの手紙・電話等による督促
  • 利用停止
  • 残債の一括請求
  • 個人信用情報への事故情報掲載
  • クレジットカードの作成が難しくなる
  • ローン契約が難しくなる
  • 入居審査に通りにくくなる

借金返済不能に伴うリスクや親との関係性を踏まえた上で、相談したほうが良いのかどうかを判断されると良いでしょう。

まとめ

今回は、親に借金があることを言えないとどうなるのかについて解説しました。

そもそも借金問題は個人の問題であるため、親に言う必要もなければ親に借金の返済義務もありません。そのため、「親に借金があることを言えない…」と悩む必要がありません。

ただ、借金の返済が困難で親に相談をして借金を肩代わりして欲しいと考えている場合は、早めに相談をしなければさまざまなリスクが発生します。そのため、親に借金を肩代わりしてもらいたいと考えるのであれば、伝わる伝え方を意識して「実は借金があって…」と相談をしたほうが良いでしょう。

親に借金をしていることがうまく伝わるようにするためには、直接もしくは電話によって話をし、すべて正直に何をして欲しいのかを端的に言うことが大切です。今回紹介した内容を踏まえた上で親に相談するかどうか、また相談をする場合はどのようにして話を進めていくのかをよく頭の中で整理をしておきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です