「借金まみれの自分ではいつまでも結婚できないのではないか」「結婚相手に借金のことを話しにくい」というように、借金問題を抱えていることが原因で不安なく「結婚」などの人生プランを歩めないという債務者は少なくありません。
なかには、「借金があることを結婚相手に伝える必要はない。相手に隠したままでも上手に返済しつづければいつか借金生活を終わらせられるはず」と考える人もいます。確かに、現段階でまったく滞納問題を生じておらず、近い将来確実に借金を完済できる状態なら、わざわざ結婚相手に借金の存在を伝える必要はないでしょう。
ただその一方で、「いつまでも完済できる見通しがない」「結婚後の生活費を満足に用意できるか不安」「滞納癖があるので頻繁に消費者金融から連絡がくる」などの事情を抱えているなら、結婚相手に借金があることを隠し通すのは難しいはず。なぜなら、借金があることが結婚後の生活に数々の支障を生みだすからです。つまり、結婚相手に借金があることを誠実に伝えて、夫婦協力して借金問題に向き合う覚悟をもった方がスムーズな解決を目指せる状況もあるということです。
そこで今回は、借金をしたまま結婚するべきか、結婚前に債務整理を利用するべきかについて解説します。あわせて、パートナーに借金を隠したまま結婚するコツ・リスクについても紹介するので、最後までご一読ください。
目次
借金があっても結婚できる!ただし相手に伝えた方が円満に物事が進む
自分ひとりの力だけではどうしようもない「借金問題」。相手の立場・気持ちも考える必要がある「結婚問題」。
どちらも自分のことだけを考えて解決できる問題ではありませんし、一定の社会的責任も発生する出来事であるため、債務者を悩ませるのは当然です。
債務者が最初にするべきなのは、結婚・借金の2つの課題へ向き合う気持ちを作ること。ひとつずつ状況を整理して、冷静に状況を判断できる態勢を整えましょう。
借金があっても結婚できる
まず、借金を抱えたまま結婚することは合法だという大前提を押さえましょう。婚姻に必要な要件は、「①当事者間の婚姻意思の合致・②婚姻届の提出」だけなので、「借金を抱えていること」が結婚を妨げる事情にはなりません。
ただし、「法律的に問題がないこと」と「道義的に許されること」とを同一視してはいけない、という点には注意が必要です。
これについては、「借金を隠されていた側」の立場で考えれば想像に難くないはず。「こんなはずではなかった」「結婚しなければよかった」「不誠実な人とは離婚したい」というように、相手の気持ちを裏切ることになるのは明らかでしょう。
したがって、「借金があるから結婚してはいけない」と思いつめる必要はありませんが、「借金があることを相手が知ったらどう感じるのか」ということをしっかりと想像して今後の対処法を検討するべきだと考えられます。
「結婚相手を嫌な気持ちにさせないために借金を隠す」のは間違い
「結婚相手が借金まみれで経済力に不安がある」とパートナーが知ったとき、おそらく相手はネガティブな感情を抱くはずです。
では、結婚相手に嫌な気持ちをさせないために、「借金を隠したまま結婚して相手に気付かれないうちに完済を目指す」という道を選ぶのは適切でしょうか。これは状況次第で判断が分かれます。
まず、結婚後短期間で借金問題を解決できる確証があるのなら、わざわざ借金があることを伝える必要はないでしょう(もちろん、「絶対にバレない」と断言できる問題ではないので、常に相手を傷つけてしまうリスクと隣り合わせだということはご理解ください)。「自分の借金問題は自分だけで清算する」「相手には迷惑をかけずに借金を完済する」というのは、ある意味においてひとつの理想形ともいえるでしょう。
ただし、借金問題はそこまで単純なものではありません。ここまで長期間借金返済生活を送ってきた債務者自身がもっともよく理解しているはずですが、ある程度の生活レベルを維持しながら自分の収入の範囲内で借金完済を達成するのは困難な道のりです。
しかも、結婚生活は相手と財布が同じになるので、ひとり暮らしの頃ほど柔軟に返済生活を送ることはできません。将来のために貯金をする必要もあるでしょうし、借金がバレたときのリスクも考慮すると、結婚相手に借金問題を隠して自力で完済を目指せるのはかなり特殊なケースだけだと考えられます。
そもそも、借金問題を隠したいのは、結婚相手のためでしょうか。「隠し事がバレるのが嫌だ」「嫌われるのが怖い」など、本当は自己保身の気持ちが強いはず。それに、結婚相手にとっても、借金問題が深刻な状態になるよりも早い段階で相談してもらった方が建設的な解決法を話し合いやすいでしょう。
したがって、結婚相手との幸せな生活を手にするためには、今の段階で借金問題を打ち明けて双方の未来にとって最善の方向性を見出すべきだと考えられます。
なお、家族に借金がバレる代表的な原因については以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
借金が家族や会社にばれる原因は何がある?誰にもばれずに借金問題を解決する方法を紹介結婚相手に借金のことを伝えるときの5つのポイント
借金を抱えている本人がツラい気持ちを抱えているのは理解できますが、借金の存在を打ち明けられた相手はさらに不安な気持ちを抱く可能性が高いです。
したがって、結婚相手に借金の話をするときには、次の5つのポイントを押さえて丁寧に伝えましょう。
- 借金をした原因・経緯を嘘偽りなく伝える
- 現在の借金総額・毎月の返済状況についても隠し事をしない
- 完済の見通し・今後の返済計画について具体性をもって説明する
- 結婚前に借金を清算しきるのか、結婚後に借金が残っても良いのかについて、相手の考えをしっかり聞く
- 借金問題の解決手段として「債務整理」を利用しても良いのかについて意見を求める
結婚相手に借金の存在を打ち明けるなら、「少しでも現状を良く見せたい」「バレそうにないことは隠し通したい」などの逃げ道は作ってはいけません。細かく追及されるとどこかで綻びが出ますし、隠し事をしていたうえに嘘までついていたとなると信用回復が遠ざかるだけだからです。
借金と無縁な生活をしてきた人にとっては、「借金があること」自体が正体不明の不安要素でしかありません。なぜ借金したのか・今どのような状況なのか・今後どうすれば良いのかなど、結婚相手が「借金問題の過去・現在・将来」について正確に情報を整理して自分たちが置かれた状態を理解しやすいように努めましょう。
どうしても結婚相手に借金の存在を打ち明けられないときの考え方
「結婚相手に借金のことを伝えた方が良い」とはいっても、債務者が抱える事情次第ではどうしても結婚相手に借金の話ができないこともあるでしょう。たとえば、ギャンブルや浪費が原因で借金が増えてしまった、「借金だけは絶対に止めて」と言われていた、などの事情があると、相手に話したくても話せないという気持ちになるのも当然です。
ここで、借金問題を抱える債務者が結婚を考えるときに取り得る選択肢を整理してみましょう。
- 今すぐ結婚相手に借金の存在を話して二人で協力して借金問題解決に向き合う → 理想の形。自力完済or債務整理を選択する。
- 結婚相手に借金の存在を隠して借金問題に向き合うことも止める → 借金問題が深刻化して改善不可能に。相手にもバレて信用失墜。
- 結婚相手に借金の存在は隠すが借金問題解決に向けて動き出す → 自力完済を目指すのは現実的に難しいので、相手にバレにくい債務整理を選択する。
「①が理想、②は絶対にやってはいけないこと、③が現実的な妥協点」というイメージです。ただし、③を選択しても結婚相手にバレる可能性を完全にゼロにはできない点に注意しなければいけません。
ただ、結婚相手に借金の存在を伝えるか否かにかかわらず、借金問題を解決するために具体的な対処法に踏み出す必要があることには変わりません。つまり、冷静に物事を判断するためには結婚と借金のことを切り分ける視点も重要だということです。
特に、借金問題を結婚相手に伝えられない状況なら、自分ひとりで借金に向き合うしかありません。たとえば、債務整理などの現実的な対処法に踏み出せば今後の返済計画に一定の展望が見出せるでしょうし、借金まみれから抜け出す目安が見えれば「結婚」についても前向きな気持ちで考えやすくなるはずです。
相手・タイミングがあることなので断言するのは簡単ではありませんが、今債務者自身が何を最優先に取り組んでいきたいのか、誰と何をどうしていきたいのかについて、明確な希望をもつことが大切でしょう。
借金を隠したまま結婚してもリスクしかない
借金を抱えていることが後ろめたく、「何とか完済まで隠し通したい」と考えるのは人として自然な感情です。
ただ、結婚相手に借金を隠し通すのは不可能に近いですし、バレたときのリスクが非常に重いという現実から目を背けるべきではないでしょう。
借金を隠したまま結婚すると、次のようなリスク・負担を強いられつづけます。
- 借金がバレると離婚問題に発展する
- 督促がきっかけで結婚相手にバレるのではないかと不安になる
- 月々の返済が家計を圧迫して生活が苦しくなる
- 住宅ローン・カーローンを組めないので人生設計が上手く進まない
- 子どもの教育資金に充てるお金が用意できない
- 借金を残したまま死亡すると相続人に迷惑がかかる
- 結婚で苗字が変わっても借金問題からは逃げられない
それでは、結婚相手に借金問題を隠しつづけることによって直面する7つのリスクについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
結婚後に借金がバレると離婚問題に発展しかねない
結婚後に借金の存在がバレると離婚問題に発展しかねません。
離婚には、当事者間の合意によって成立する「協議離婚」だけではなく、調停離婚・裁判上の離婚という方法も認められています。つまり、債務者本人が離婚に前向きでなかったとしても、配偶者が法的措置に踏み出した場合には離婚を拒絶できない可能性があるということです。
現在、法定の離婚事由としては次のようなものが存在します(民法第770条)。
- 配偶者に不貞行為があった
- 配偶者から悪意で遺棄された
- 配偶者の生死が3年以上明らかでない
- 配偶者が強度の精神病に罹って回復の見込みがない
- 婚姻を継続し難い重大な事由がある
たとえば、借金が原因で家庭に生活費を入れてくれない、ギャンブルが原因で借金を繰り返して生活が成り立たない、結婚後に高額の借金があることが判明したので相手のことを信頼できなくなってしまった、借金だけではなくDVやモラハラが横行している、などの事情がある場合には、裁判所によって離婚が認められる可能性が高いでしょう。
法的な問題はさておき、順風満帆な結婚生活を送るためには、当事者間の信頼関係が大前提です。そして、借金問題は夫婦間の信頼関係を根底から覆しかねない爆弾のようなもの。「借金がバレると離婚を言い出されるかもしれない」という不安を抱えたままでは、あなた自身も明るい気持ちで結婚生活を過ごすことができないでしょう。
したがって、できるだけ早いタイミングで結婚相手に借金の事実を打ち明けるか、可能な限り結婚相手にバレにくい対策をとったうえで債務整理に踏み出すのが現実的な解決策だと考えられます。弁護士・司法書士に相談すれば、結婚相手にバレずに借金問題を解決できるか否かについても検討してくれるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
借金の請求書・督促が原因で結婚相手にバレる可能性が高い
借金返済生活を完済まで順調にやり遂げるのは簡単なことではありません。特に、結婚後も借金返済生活がつづくとなると、自由に自分のお金を使えなくなる結果、滞納問題が生じる可能性が高まるでしょう。
借金を滞納すると次のような事態が発生するため、結婚相手に借金の存在がバレるリスクが生じます。
- 携帯電話に何度も着信がある
- 電話を無視すると自宅固定電話にも問い合わせがある
- 自宅に督促状・催告書などの郵便物が届けられる
- 債権者の本気度によっては取り立てのために担当者が自宅訪問する可能性もある
- 長期滞納が原因で強制執行が実行されると自宅などの財産が差し押さえられる
たとえば、会社から帰宅後、夕食時に債権者から電話がかかってくることもあるでしょう。パートナーの手前、電話に出ずにやり過ごしているうちに、自宅に直接電話がかかってくる・直接訪問されるなどの方法で督促形態が深刻化する可能性もありますし、そうなるとどこかのタイミングで結婚相手に借金を隠すのは難しくなるはずです。
このように、「結婚相手に借金の存在を隠さなければいけない」というプレッシャーを抱えた状況では、債権者からの問い合わせに対して誠実に対応することもできません。結婚相手・債権者のどちらにも中途半端な対応をとると、結果的にどちらも失いかねない状況に追い込まれるということです。
したがって、結婚後にも借金が残ってしまった場合には、自力で滞納状況を克服するのは不可能に近いので、できるだけ早期に弁護士・司法書士に相談をして適切な生活再建方法を提案してもらいましょう。
なお、債権者からの督促電話を無視するリスクについては以下のリンク先で詳しく解説しているので、あわせてご一読ください。
借金の督促電話を無視するとどうなる?放置することで起こり得る5つのリスクとは借金が原因で結婚後の生活費が苦しくなる
借金返済義務を抱えたまま結婚生活に突入すると、月々の返済負担が原因で生活費の捻出が難しくなるリスクが発生します。毎月の給与明細・生活費・預貯金額などをチェックされると、借金返済にお金を使っているのがバレるのも時間の問題でしょう。
そもそも、消費者金融などの貸金業者からの借入では債務者にとって不利な利息条件が課されているのがほとんどです。契約書通りに返済をつづけているだけでは、いつまでも元本が減らずに借金生活が終わらないという状況に追い込まれかねません。
また、借金返済中に滞納が生じた場合には、延滞日数に応じて遅延損害金が発生する点にも注意が必要です。遅延損害金は利息よりも厳しい利率で算出されるのがほとんどなので、一度でも滞納問題を抱えてしまうと借金地獄の泥沼から抜け出せなくなります。
家計のひっ迫は、返済状況の悪化だけではなく、結婚生活自体の先行きも暗くするものです。たとえば、「任意整理」を利用すれば利息・遅延損害金の返済を免除したうえで元本のみの分割払い計画を作り直せるので、結婚相手に過度な負担を強いることなく借金問題解決を目指せるでしょう。
なお、生活費不足を身近な人に相談できないときには、行政などに相談するのも選択肢のひとつです。以下のリンク先で相談できる窓口などを紹介しているので、参考にしてください。
借金問題の悩みはどこに相談する?各相談先のメリット・デメリットを詳しく解説借金があるとローンを組めない可能性が高い
結婚生活では、マイホーム・マイカーを購入するために高額ローンを組む必要性に迫られることがあるはずです。
しかし、隠れて借金を背負っている状態では、希望するローンを組めずに人生設計が狂う可能性があります。なぜなら、ローン審査時には債務者の信用情報がチェックされて他社からの借入状況が審査に影響するのを避けられませんし、借金滞納歴が原因で信用情報にキズがついていると「ブラックリスト登録者」を理由に住宅ローン等の審査に落ちる可能性が高いからです。
マイホームやマイカーを購入できないとなると、結婚相手から原因を追究されるのも当然でしょう。「自分たちの住宅を購入しよう」という夢に踏み出そうとしたタイミングで借金の事実が露見するのは最悪の事態といっても過言ではありません。
結婚相手と一緒に希望する将来像に向かっていきたいのなら、できる限り早期に返済状況を改善して信用情報をホワイトに戻すための対策が不可欠です。たとえば、「長期延滞」が原因でブラックリストに登録されている債務者が債務整理に踏み出せば約5年~10年で事故情報を抹消できるので、人生をやり直すタイミングを前倒しできるでしょう。
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
なお、自分の信用情報がどのような状態であるかについては、各信用情報機関に対して開示請求を実施すれば判明します。開示請求の方法や信用回復に向けたポイントについては以下のリンク先で詳しく解説しているので参考にしてください。
借金があると子どもの学費にも影響が出る
結婚生活のなかでは、子どもに恵まれることもあるはずです。ただ、結婚後に借金を残して返済期間が長引くと、子どもの教育費用を十分に用意できないリスクが生じます。たとえば、家の経済事情が原因で希望する学校を選べない、大学進学を諦めざるを得ないなど、子どもの人生を左右することにもなりかねません。
多くの家庭で、結婚をすると早期の段階で学資保険に加入したり別口座で積み立てを開始するものです。しかし、収入から月々の返済額を用意して生活費がギリギリの状態だと、預貯金に回すだけの余裕を作ることができません。
また、借金の滞納履歴などが原因でブラックリストに登録されている場合には、子どもの奨学金借入時に連帯保証人になることができない点にも注意が必要です。機関保証制度を利用することによって奨学金制度を頼ること自体は可能となりますが、返還時に手数料が発生するために、「親の借金が原因で子どもが余計な金銭的負担を強いられる」という事態も発生してしまいます。
結婚生活は「今」だけのことを考えるものではなく、向こう何十年の未来も想定しながら少しずつ歩みを進めるもの。子どもが健康・健全に成長できる土台を作るためには、親の借金問題はできるだけ早い段階で解決するのが賢明です(この観点で考えると、「結婚相手に借金の事実を告げるのが怖い」などの不安は些細な問題と感じる人も少なくないでしょう)。
借金を残したまま死亡すると結婚相手に返済義務が相続される
結婚後にも借金が残っている場合に注意を要するのが、債務者が死亡した場合に結婚相手・子どもが借金返済義務を相続するという点です。
「借金生活が苦しいから命を絶ってしまおう」と思いつめる債務者も少なくはありませんが、債務者本人が借金問題から逃げられるだけ。借金自体はゼロにならず相続人に承継されるので、遺された家族に迷惑がかかります。
もちろん、相続人が一方的に借金返済義務を押し付けられるということはなく、相続放棄(民法第915条)・限定承認(民法第922条)の制度を利用すれば、親・配偶者の借金返済義務を回避することは可能です。ただし、相続放棄・限定承認をするには、借金以外の財産も放棄しなければいけないなどのデメリットも存在するので、「相続放棄・限定承認できるから家族に迷惑はかからない」などと判断してはいけません。
したがって、借金を隠したまま結婚するということは、結婚相手・子どもに借金返済義務を押し付けるリスクがあるということです。可能であれば相続問題が生じる余地のない結婚前に、遅くとも結婚後間もない時期には解決策の方向性を決めて、自分の責任において借金問題を片付けましょう。
結婚で苗字が変わっても借金からは逃れられない
結婚で苗字が変わっても借金返済義務はそのままです。なぜなら、借金返済義務を負担しているのは「あなた」という法的主体であり、氏名の変更は法的主体性に何の影響も与えないからです。
また、結婚前から取引をしている金融機関には、債務者の戸籍の附票・住民票等を調査する権限が認められているので、苗字変更によって借金から逃げるのは不可能でしょう。
むしろ、結婚によって苗字・住所等に変更があった場合には債務者から債権者に対して自主的に情報提供する必要があり、この義務を怠った場合、債務者が期限の利益を喪失して残債を一括請求される可能性が高いので、返済状況が急激に悪化するおそれも生じます。
したがって、結婚を契機として借金自体が消滅するということは一切期待できないので、「結婚を控えているからこそ借金問題と真正面に向き合う」という覚悟をもつのが重要です。弁護士・司法書士に相談すれば、「結婚相手にバレたくない」「できるだけ短期間で借金問題を解決したい」などの希望を反映して適切な債務整理手続きを提案してくれるので、できるだけ早いタイミングでご相談ください。
結婚前に借金問題を清算する方法は3つ
ここまで紹介したように、結婚を控えているのならできるだけ早いタイミングで借金問題を解決するに越したことはないです。
借金問題の深刻化を防ぐため、順調な結婚生活を送るために、次の3つの方法をご検討ください。
- 借金残債を自力で一括返済する
- 返済工夫を凝らして完済予定日を前倒しする
- 債務整理で返済内容を大幅に改善する
それでは、借金問題を早期に解決する3つの方法について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
1:借金残債を一括返済する
借金残債を一括返済すればその時点で借金生活は終了します。借金との関係を断つもっとも手早い方法といえるでしょう(結婚相手にも知られずに解決できる可能性が高いです)。
とはいえ、借金返済中の債務者にとって、いきなり残債を一括返済するのは簡単ではないはず。たとえば、次のような方法で資金を調達して返済額を用意できるかご検討ください。
- 定期預金
- 自分の親に相談する
- 高価ブランド品・電化製品・ゲーム機器などを売却する
- 自動車を手放す
- 賃貸物件に居住中なら実家に戻って家賃などを節約する
借金の一括返済を最優先に考えればこれらの方法は効果的ですが、たとえば、いきなり自動車を手放してしまうと結婚相手に不信感を抱かれる可能性もあるので注意が必要です。
どこまでの範囲なら結婚相手にバレずに上手に言い訳ができるかを吟味しながら、自力完済の可能性を検討しましょう。
2:返済工夫を凝らして完済予定日を前倒しする
借金の一括返済はハードルが高いかもしれませんが、返済方法に工夫を凝らして完済予定日を大幅に前倒しする方法なら実践できる債務者も増えるはずです。
たとえば、短期間で借金の完済実現に役立つ方法として、次のような方法が挙げられます。
- 繰り上げ返済
- 毎月の返済額を増額
繰り上げ返済
繰り上げ返済とは、毎月の支払い額とは別に、まとまった金額のお金を翌月分の返済に充てる方法です。
翌月分以降の返済分として支払ったお金は全額借金元本に充当されるので、利息発生総額を大幅に減額・返済期間を短縮できるというメリットが手に入ります。
最低返済額(いくらから繰り上げ返済できるのか)・繰り上げ返済時に発生する手数料については、金融機関によって異なる基準が定められているので、お手元の契約書をご確認ください(貸金業者によっては1円~でも繰り上げ返済できる場合もあるので、借金返済負担軽減に役立てましょう)。
毎月の返済額を増額する
たとえば、消費者金融などの会員専用ページに入れば、月々の返済額の設定金額を上げることができます。月々の返済額を増額すれば、利息負担総額の減額・返済期間の短縮化を実現可能です。
たとえば、借金総額100万円(年利率15%)について、毎月の返済額でどれだけ利息総額・返済期間が違ってくるのかについて確認してみましょう。
月々の返済額 | 利息発生総額 | 返済回数 |
---|---|---|
2万円 | 579,052円 | 79回 |
2万1千円 | 528,926円 | 73回 |
3万円 | 301,674円 | 44回 |
5万円 | 157,936円 | 24回 |
8万円 | 94,238円 | 14回 |
10万円 | 75,025円 | 11回 |
わかりやすい例を挙げると、毎月の返済額を2万円から2万1千円に増額しただけで、返済期間は半年短縮・利息負担総額を約5万円節約できます。もちろん、結婚を控えていて完済予定期間が79カ月から73カ月に短縮したところで意味がないと感じる人もいるはずです。
それならば、思い切って毎月の返済額を5万円まで増額してみましょう。返済期間は2年まで短縮できますし、利息負担総額も40万円以上の節約になります。現在の家計レベルで2万円から5万円に増額するのは簡単なことではないかもしれませんが、家賃を節約したり副業をスタートしたり、結婚前に借金問題を解決するために色々な工夫を凝らすことをおすすめします。
もちろん、抜本的に現在の生活環境を変えることによって「借金返済最優先」の生活を作り出して、毎月10万円ずつ返済するのも有効です。1年以内に借金がゼロになるので、「結婚前に借金問題を解決する」ことが現実的になってくるでしょう。
以上のように、毎月の返済額を少額でも上乗せすれば、債務者にとって有利な状況を作り出せるのは間違いありません。結婚を控えて焦っている債務者の多くは「大きな結果を一度に手にすること」に執着してしまいがちですが、日々の細やかな努力が借金問題解決には大きな役割を果たすものだということを覚えておきましょう。
【注意!】おまとめローンは借金返済生活が長期化するリスクを避けられない
複数の金融機関から同時に借入をしている「多重債務者」にとって返済状況改善を目指す際に有効な手段としてよく挙げられるのが「おまとめローン」「借金の一本化」と言われる手法です。
おまとめローンとは、複数の借入先への借金を1社にまとめてしまう金融商品のこと。各金融機関が多様なおまとめローンを販売していますが、基本的には、①返済先を1社にまとめられるので返済管理が楽になる、②毎月の返済額が今よりも低くなるので家計に余裕が出る、③現状よりも利息条件が緩和される、というメリットが得られるものです。
ただ、「結婚前に借金問題を解決したい」と考えている債務者にとって、おまとめローンへの借り換えは逆効果になる可能性があるという点にご注意ください。なぜなら、おまとめローンに借り換えると返済期間が長期化して最終的に発生する利息総額が増えることもあるからです。
そもそも、おまとめローンに借金を一本化したところで、債務者が負担している借金総額が減ることはありません(ABC3社からの借金を全額D社に乗り換えるだけなので)。そして、毎月の返済額を今よりも低く抑えられるというメリットは、返済期間長期化のリスクを招くというデメリットの裏返しです(さらに、返済スケジュールの組み方次第では、低利息条件でも返済期間長期化によって利息総額が増えるということです)。
「結婚前に借金問題を解決する」という目標を掲げたとき、返済期間の長期化は何としても避けたい事態のはず。したがって、おまとめローンへの借り換えを検討材料に含める場合には、借金を一本化するだけではなく、毎月の返済額の増額・積極的な繰り上げ返済を同時並行的に実施するべきだと考えられます。
なお、おまとめローンの詳細については以下のリンク先でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
借金一本化にはどんな手段がある?おまとめローンだけではない借金一本化の方法を紹介3:債務整理を利用する
債務整理とは、返済内容を合法的に見直すことができる国が認めた借金救済制度のこと。借金地獄から抜け出せない債務者でも生活再建のチャンスをつかめる救済措置です。法律で定められている合法の制度なので、決して怪しいものではありません。
そして、借金・結婚について次のような悩みを抱えている債務者は、債務整理を利用して現状を根本的に見直すのがおすすめです。
- 借金問題が深刻になり過ぎて結婚どころではない
- できれば結婚相手に隠したまま借金問題を片付けたい
- 結婚前に借金をなくしたい
- 結婚後に借金が残っても良いから返済状況を可能な限り楽にしたい
それでは、債務整理によってどのような減額効果が得られるのか、結婚相手に知られずに借金問題を解決するにはどうすれば良いのかについて、具体的に見ていきましょう。
・任意整理
・自己破産
・個人民事再生
結婚相手にバレずに借金問題を解決するなら「任意整理」がおすすめ
「結婚相手にバレずに借金問題を解決すること」を最優先に考える債務者におすすめの方法が「任意整理」です。
任意整理の具体的なイメージ・得られるメリットについては次の表を参考にしてください。
- 任意整理の特徴
- ・裁判所を利用しない手続き
・将来利息をカットして元本のみの分割払い計画を作り直せる
・原則として3年~5年程度の分割払い計画になることが多い
・整理対象の借金を自由に選べるので連帯保証人・担保提供者に迷惑をかけずに済む
・ブラックリストの登録期間は約5年間 - 結婚との関係
- ・裁判所から通知が届かないので結婚相手にバレにくい
・自己破産、個人再生と比べると短期間で手続きが終了するのでバレにくい
・分割払い期間中は返済生活がつづくので家計への影響は避けられない
・結婚相手の収入を含めた方が有利な和解案を作成できる可能性がある
たとえば、消費者金融から借金100万円を抱えている債務者の場合、任意整理を利用すれば利息負担がゼロになるため、元本100万円だけを返済しきれば完済とみなされます。月々の返済額を2万円にしても50カ月で、5万円なら20カ月で、10万円なら10カ月で借金生活を終わらせられます。
つまり、多少無理をすれば結婚前に借金を完済することは不可能ではないでしょうし、結婚後に借金が残ったとしても返済負担の根本原因である「利息」からは逃れられるので、家計に与える影響を大幅に軽減することが可能です。
ただし、一定期間は返済生活がつづくので、完済前に結婚することになると結婚相手に借金がバレる可能性があります。とはいえ、裁判所を利用せずに手続きを完了できる点で結婚相手にバレるリスクは大幅に軽減できるため、「結婚相手に借金を隠したい」という債務者にとって最適な方法であることは間違いないでしょう。
なお、任意整理については以下のリンク先で詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
任意整理とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説結婚相手にバレる可能性は高いが借金免責を狙える「自己破産」
自己破産とは、消費者金融などからの借入について借金返済義務の免責を狙える債務整理手続きのことです。
裁判所を利用して手続きを進める必要があり、また、手続き上のデメリットが多いことから、「結婚相手にバレたくない」という希望を叶えるには不向きな方法ですが、自己破産が成功すれば借金返済生活を終了できるので、「結婚を機に人生をやり直したい」という債務者におすすめの債務整理手続きだと考えられます。
自己破産の具体的なイメージ・得られるメリットについては次の表を参考にしてください。
- 自己破産の特徴
- ・裁判所を利用して返済義務の免責を狙う
・ギャンブルや浪費など、借金の原因次第では手続きの難易度が高くなる(管財事件・裁量免責)
・債務者名義の財産が処分される(「自由財産」は手元に残せる)
・破産手続き中は、移動制限・郵便物の管理制限・職業制限などのペナルティが生じる
・税金や保険料の滞納は自己破産では解決できない(いわゆる「非免責債権」)
・ブラックリストの登録期間は約10年間 - 結婚との関係
- ・借金返済が家計に与える影響をゼロにできるので、結婚相手に迷惑をかけずに済む
・自己破産のデメリットは大きいので、結婚相手に隠し通すのは難しい
・「自己破産を経験した」という事実だけでも社会的評価を下げる可能性がある
自己破産で借金問題を解決する場合、「借金返済が結婚生活に悪影響を与えることはないが、自己破産を利用した影響で結婚生活に支障が生じるおそれがある」という視点をもつことが大切。なぜなら、自己破産では借金生活を終わらせられるという絶大なメリットが手に入る反面、相応の代償を支払う必要があるからです。
ただし、少し考え方を変えれば、自己破産のデメリットを感じる状況ではないのなら、結婚相手にバレずに借金問題を解決できる可能性もあるということ。たとえば、現在ほとんど自己名義財産を所有しておらず、また、職業制限などを受ける仕事に就いていないのなら、自己破産によって生じるデメリットはほとんどありません。つまり、自己破産で借金問題を清算してから結婚生活を迎えるということが可能となります。
したがって、自己破産は結婚相手にバレる可能性が高いですが、状況次第では結婚相手に完全に隠しきって借金問題を解決することも不可能ではないということです。債務者の状況によって判断が分かれるので、すみやかに弁護士・司法書士に相談をして自己破産の可否を検討してもらいましょう。
なお、自己破産については以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
自己破産とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説結婚相手にバレる可能性は高いが借金元本自体を大幅減額できる「個人民事再生」
個人民事再生とは、裁判所を利用して借金元本自体を減額してもらう債務整理手続きのことです。自己破産のような過大なデメリットが生じることはありませんし、その一方で、任意整理以上の借金減額効果を手にすることができます。
したがって、個人民事再生は、大幅に借金総額を減額すればスムーズに完済を目指せるという債務者におすすめの生活再建方法だといえるでしょう。
個人民事再生の具体的なイメージ・得られるメリットについては次の表を参考にしてください。
- 個人民事再生の特徴
- ・裁判所を利用して借金元本自体の減額を狙う
・借金総額に応じて減額率が異なる(最大1/10)
・借金総額が100万円以上なければ減額効果を得られない
・減額後は原則3年の分割払い計画が作成される
・住宅ローン特則を利用すればマイホームを手元に残せる
・ブラックリストの登録期間は約10年 - 結婚との関係
- ・裁判所を利用するので結婚相手にバレる可能性が高い
・返済生活が3年つづくので家計への影響を避けられない
たとえば、結婚前に500万円の借金を抱えている債務者が個人民事再生を利用すれば、借金総額を100万円に減額できるので返済負担を大幅に改善できるでしょう。返済計画のこなし方次第では、結婚前に借金問題を清算しきることも不可能ではありません。
また、結婚後に借金が残った場合でも、夫婦で購入したマイホームを手元に残しながら減額効果を手にすることができる点は大きなメリットといえるでしょう。ただし、裁判所における手続き負担が重いため、パートナーに隠したまま手続きを完遂するのは現実的ではありません。
したがって、個人民事再生は、「100万円以上の高額の借金を抱えている」「夫婦で購入したマイホームを手放したくない」「元本減額によって結婚生活と返済生活をの両立を目指したい」という債務者におすすめの債務整理手続きだと考えられます。
なお、個人民事再生については以下のリンク先で詳しく紹介しているので、あわせてご一読ください。
個人再生とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説専門家に相談すれば結婚相手に隠したまま借金問題を清算しやすい
以上のように、借金問題を抱えながら結婚を目指す債務者・結婚生活に借金を残してしまった債務者が活路を見出すために「債務整理」は有効な手段ですが、同時に、「どの債務整理手続きを利用するのが効率的なのか分からない」という悩みを抱える債務者も少なくはないでしょう。
確かに、債務整理には借金救済制度という側面があるものの、手続きを利用する債務者側が主体的に方向性を決める必要があるため、法律の素人には容易に判断できないという問題が存在します。
そこで、結婚・借金の課題を抱えている債務者が債務整理に踏み出す場合には、弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。なぜなら、法律の専門家に相談することによって、次の4つのメリットが手に入るからです。
- 専門家に債務整理を依頼すれば債権者からの取り立てが停止する
- 借金問題に強い専門家に相談すれば自分に適した債務整理手続きが分かる
- 専門家に依頼すれば債務整理手続き遂行を代理してくれる
- 専門家に相談すれば債務整理手続き利用後の生活の注意点をアドバイスしてくれる
それでは、結婚問題でお悩みの債務者が弁護士・司法書士に相談する4つのメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
専門家に依頼すれば債権者からの取り立てが停止する
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、債権者が「受任通知(介入通知・債務整理開始通知)」を受け取った段階から取り立てが停止します(貸金業法第21条1項9号)。
したがって、債権者からの督促が原因で結婚相手に借金の事実がバレるリスクを回避できるでしょう。この意味で、「結婚相手に隠したい」という希望を叶えるためには、専門家への依頼は不可欠だと考えられます。
専門家に相談すれば自分に適した債務整理手続きが分かる
弁護士・司法書士に相談すれば、自分の状況・希望に適した債務整理手続きが判明します。
たとえば、「自己破産のデメリットは大きい」と言われることが多いですが、債務者の現状次第では、実質的なデメリットが生じないことも少なくありません。にもかかわらず、あえて任意整理・個人民事再生を利用する実益は少ないと考えられます。
また、「結婚相手にバレずに債務整理をしたい」と希望して任意整理を選択したとしても、交渉によって作成された返済計画をこなせるだけの経済力がなければ和解契約を締結した意味がありません。借金総額があまりに高額な場合には将来利息のカットだけでは不十分なので、自己破産・個人民事再生を選択しつつ、結婚相手にバレるリスクを最大限抑える努力をするべきでしょう。
このように、専門家は債務者の状況を総合的に考慮して、結婚生活・借金問題解決にとって最適な手続きを提案してくれます。無料相談の機会を設けてくれている法律事務所も多いので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
専門家に依頼すれば債務整理手続きを代理してくれる
専門家に依頼すれば、債務整理手続きを代理してくれます。
たとえば、任意整理なら債権者との交渉、個人民事再生・自己破産なら裁判所とのやり取りなど、手続きの大部分を専門家が処理してくれるので、手続き負担が原因で結婚相手にバレるリスクを軽減できるはずです。
また、「結婚相手にバレたくない」という希望を専門家に伝えておけば、法律事務所からの連絡方法や打ち合わせのタイミングにも配慮をしてもらえます。平日の仕事帰りのタイミングで短時間の打ち合わせをしたり、法律事務所からの連絡方法はメールに限るなどの工夫をしてもらえるので、結婚相手にバレずに手続きを進めやすいでしょう。
専門家に相談すれば債務整理手続き利用後の生活上の注意点を解説してくれる
債務整理で借金問題の解決を目指す場合には、手続き終了後の生活にも一定の支障が生じる点に注意をしなければいけません。なぜなら、任意整理なら約5年間、個人民事再生・自己破産なら約10年間、手続き終了後はブラックリストに登録された状態がつづきますが、これによって結婚相手に借金トラブルを抱えていたことがバレる可能性があるからです(この期間経過後に信用情報は回復します)。
つまり、「債務整理を結婚相手に知られたくない」という場合には、債務整理後の生活の過ごし方にも万全の注意を払う必要があるため、弁護士・司法書士のアドバイスが不可欠だと考えられます。
たとえば、債務整理後の生活でバレる可能性があるポイント・その時の対応方法は次の通りです。
- マイホーム購入が話題になったとき
- 信用情報にキズがついていると住宅ローンを組めない可能性が高いのでマイホーム購入に影響が出ます。「今はマイホーム購入時の頭金のために貯金に集中しよう」「賃貸生活の方が融通が利きやすい」などの言い訳が効果的でしょう。
- マイカー購入が話題になったとき
- 住宅ローンと同じように、ブラックリスト登録期間中はカーローンを組むのも難しくなります。「今の車を乗り潰してから乗り換えよう」「維持費がかかるから必要なときはカーシェアで代用しよう」などの言い訳が役立つでしょう。
- クレジットカード発行が話題になったとき
- ブラックリスト登録期間中はクレカを所持できません。「デビットカードの方が家計管理が楽」「電子マネーが普及しているからそれを利用しよう」などの言い訳で対応可能です。
債務整理手続き終了までは借金トラブルがバレなかったのに、その後の生活面での支障がきっかけで過去の金銭トラブルがバレるというケースは少なくありません。
弁護士・司法書士に相談すれば、このような日常レベルの不安にも丁寧に回答してくれるので、生活再建を最後までサポートして欲しいとご希望ならばぜひ専門家の力を頼ってください。
結婚前に借金問題を解決するなら専門家にアドバイスを求めよう
借金が原因で将来的な結婚に不安を覚えるのは当然です。
ただ、借金問題の解決を先延ばしにするほど状況は悪くなるおそれがありますし、今の時点で動き出せば幅広い選択肢から生活再建方法を検討することができます。結婚相手にバレる可能性を最大限軽減したいなら、今のうちに具体的な施策に踏み出すべきでしょう。
弁護士・司法書士に相談すれば「結婚相手にバレたくない」「借金問題を解決したい」という希望のバランスをとりながら最適な生活再建方法を提案してくれるので、ひとりで悩みを抱えたままではなく、まずは第三者に相談することからはじめましょう。