エステローンを払えない場合はどうする?払わない場合のペナルティを解説

エステローンを払えない場合はどうする?払わない場合のペナルティを解説

「高額な美容サービスでも分割払いなら払えそう」という動機でエステローンに手を出して支払いに困る人が増えています。

脱毛サロン・エステティックサロンで提供されるサービスは高額なものが多いため、各社が顧客獲得のためにエステローン商品を展開していますが、エステローンは借金でしかありません。そもそも安易に手を出してはいけませんし、払えない状況になったらすみやかに対処法に踏み出すべきでしょう。

そこで今回は、エステローンが払えないときの対処法について解説します。あわせて、エステローン滞納時に生じる深刻なペナルティについても紹介するので、最後までご一読ください。

MEMO
エステローンが独自に販売しているローン商品(自社割賦)の場合、総量規制・利息制限法などの規制が及ばないこともあるため、消費者金融などからの借入よりも厳しい返済を強いられる可能性もあります。「エステ会社が提供しているローンだから便利に活用できるのでは?」と勘違いする人も少なくはありませんが、実態は厳しい利息条件が課された借金(エステ会社は手数料を搾取して収益を上げることを目的としています)。生活費などの工面に困るような状況に追い込まれる前に弁護士・司法書士までご相談ください。
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この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

エステローンを払えないときの3つの対処法

エステローンは、「痩せたい」「綺麗になりたい」という消費者心理につけこんで販促される商品です。

「毎月〇万円ずつ支払うだけで高額エステに手が届くなら」とエステローンを契約したものの、いつまでも終わらない支払いに疲弊して家計がひっ迫するということも少なくありません。

エステローンを払えないと深刻なペナルティが発生するので、次の3つの対処法をご検討ください。

  1. クーリングオフする
  2. 中途解約する
  3. 債務整理を利用する

それでは、エステローンを払えないときの3つの対処法について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

MEMO
「契約したから最後まで支払わなければいけない」と考える必要はありません。エステサービスを本当に必要としているのならまだしも、不必要なエステに対してエステローンでの支払いをつづけると最終的には利息がかなり高額まで膨れ上がってしまうからです。
注意
エステローンの支払いのために他社からの借入を頼るのは厳禁。なぜなら、他社からの融資で補填しても借金総額は減らないですし、借入先が増えると多重債務リスクに晒されるからです。自分の収入の範囲で利用できないサービスを抱えてしまった場合には、すみやかに債務整理などの方法を検討するべきでしょう。

1:エステローンをクーリングオフする

まず、エステローンを契約して8日以内なら「クーリングオフ制度」で契約自体をなかったことにできます

クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。

引用元:クーリング・オフ – 独立行政法人 国民生活センターHP

特定継続的役務提供契約であるエステローンについてクーリングオフを利用する要件は次の通りです(特定商取引に関する法律第48条)。

①契約期間が1カ月超・契約金額が5万円超のエステ契約
クーリングオフ対象になるためには、契約期間・契約金額が考慮される。ただし、1カ月ごとに契約更新するようなエステ提供商品についても実質的に1カ月を超える契約が前提とされているようなケースであればクーリングオフの対象になる。また、入会金・消費税・関連商品の代金などを含んだ金額が5万円を超えればクーリングオフの対象からは除外されない。
②契約書交付日から8日以内に書面を郵送すること
クーリングオフは無制限に主張できるものではなく、契約書面の交付を受けた日から8日以内に契約解除・取消し等を主張しなければいけない。8日以内にクーリングオフ制度の利用を宣言すれば、その間に施術を受けていたとしても全額の返金を受けられる。なお、悪質な業者のなかには契約書の交付義務を怠るケースも散見されるが、この場合には「8日」の起算点が存在しないためいつまででもクーリングオフを主張できることになる。
③クーリングオフを利用する旨を書面で通知すること
電話やメールで主張するとエステサロン側からクーリングオフの有効性を争われるリスクがあるため、特定記録郵便・簡易書留などの発信記録が残る方法を選択するのがポイント(コピーを手元に残しておく)。クレジットカード払いを指定した場合には、販売会社とクレジット会社双方に対して通知を発すること。書面における記載内容は次の通り。
・表題(タイトルとして「クーリングオフの通知書」などと記載)
・契約年月日
・ハガキを作成した年月日
・商品名や契約内容、契約金額など
・返金を求める旨もしくは商品等の引き取りを求める旨
・あなたの氏名や住所

エステローンについてクーリングオフを利用すれば、最初から契約を締結しなかったことになります。

具体的には、クーリングオフによって次のような効果を手にできるということです。

  • 契約解除によって支払い済みの代金を全額返金してもらえる
  • 施術と合わせて購入した商品(化粧品・脱毛機器などの関連商品)などについても契約解除が成立する(ただし、消耗品を開封したり使用が認められたりする場合にはクーリングオフの対象外)
  • 返品コストなどもエステサロン負担
  • 違約金等も請求されない
  • 契約から8日以内に実施した施術費用等も返金対象になる

つまり、「その場の気分で流されてエステ契約をしてしまったけれどもお金を払えるか不安だ」「冷静になって考えてみると自分にはエステローンを払うだけの経済的な余力がない」というように、ローン契約直後にもう一度エステ施術の必要性を顧みる機会があればクーリングオフで契約をゼロに巻き戻せるということです(債務整理等を実施する必要なくエステローンをめぐる金銭トラブルから解放されます)。

ただし、悪質なエステサロンのなかには、クーリングオフ妨害行為をしたり返金対応を遅らせたりする企業も少なくはないので、スムーズにエステサロンとの関係を断つには、お近くの消費生活センターに相談するか、弁護士・司法書士に依頼をしてクーリングオフ通知書面を作成してもらうことをおすすめします。

2:エステローンを中途解約する

エステローンを契約して8日以上が経過するとクーリングオフ制度は利用できませんが、8日以上経過後でも「中途解約」を実施してキャンセルするとエステサロンとの関係を断つことができます

ただし、クーリングオフ制度が客側の金銭的負担はゼロに巻き戻せるのとは異なり、中途解約では一定のサービス対価・違約金などの支払いが求められるために注意が必要です。

エステローンの中途解約をするためには次の要件充足が求められます。

①契約期間が1カ月超・契約金額が5万円超のエステ契約
クーリングオフ制度と同じように、中途解約をするためには「特定継続的役務提供契約」であることが求められる。
②契約期間内に中途解約を主張すること
エステ契約期間が満了してしまうと「中途解約」を観念することができない(全施術を受けているので対価の支払いは必須)。なお、悪質なエステサロンのなかには「中途解約を禁止する旨」を契約書に記載している場合があるが、中途解約の禁止は違法なので争うことができる。
③中途解約する旨をエステサロンに通知する
クーリングオフとは異なり、中途解約の通知方法は書面には限られない(サロン側に対して口頭で伝えることも可能。ただし、トラブル回避を狙うなら内容証明郵便などを送付する方が確実)。サロンによっては中途解約理由などを執拗に問い合わせてくる場合があるが、「中途解約を妨げられている」と感じた場合には消費生活センターに相談すると円満に解約しやすい。
④違約金・解約手数料の支払い
契約書所定の違約金・解約手数料を支払う必要がある。サロンによって違約金等の設定方法は異なるが、「2万円もしくは残りの施術費用の10%のうち低額な方」などが一般的(詳細はお手元の契約書をご確認ください)。
⑤中途解約時に滞納が生じていないこと
すでに滞納が生じている場合には、未払い代金の清算を求められるために円滑に中途解約できない可能性がある。中途解約によって戻ってくるお金で相殺できなければ金銭トラブルを引き起こす可能性が高いので、すみやかに弁護士・司法書士に相談して債務整理に切り替えるのがおすすめ。

参照:エステの契約をしたが、途中で解約できるか – 独立行政法人 国民生活センターHP

つまり、「施術サービスを複数回受けているが思っていたより効果が得られない」「エステローンを最後まで払えない気がする」という場合には、中途解約によってエステサロンとの関係を断てるということです。

なお、エステローンの中途解約をご希望の方のなかには、「無理矢理契約を迫られてしまった」「説明を受けた内容とは異なるサービスを提供されている」という事情を抱えている人もいらっしゃるでしょう。

このようなケースでは、「中途解約」という手法ではなく、「消費者契約法に基づく契約無効」を主張することによって全額の返金を求められる可能性もあります。

したがって、エステローンの支払い方法だけではなく、エステサロンのサービス内容等に対する不信感がある場合には消費者問題に強い弁護士・司法書士に相談をして、可能な限り金銭的負担を軽減しながらエステローン契約トラブルを解決する道を模索するべきでしょう。

MEMO
エステローンの中途解約を狙う場合には、残りのサービス回数が多いほど客側の金銭的負担は少なくなるということです。迷っている間にもどんどん手元へ戻ってくるお金が減っていくので、エステローンへの猜疑心が高まっているのならすみやかに中途解約を主張するべきだと考えられます。

3:エステローンを債務整理する

エステローンについてクーリングオフ・中途解約を主張できないケースでも、「債務整理」を利用すればエステローンの支払い状況を改善できます

債務整理とは、国が認めた借金救済制度のこと。エステローンの支払いや消費者金融などの借入に対して、合法的に返済義務の内容を軽減できる救済措置です。

たとえば、「エステローンの支払いが負担で家賃・食費で困っている」「エステローンを滞納中でカード会社からの取り立てをストレスに感じている」という場合に債務整理を利用すれば、現在の窮状から脱することができるでしょう。

そして、債務整理を利用する際には、次の3つの手続きからご自身の状況に適した方法を選択しなければいけません。エステローンの支払いだけではなく、キャッシングやクレジットカードの支払い状況なども一緒に改善を目指せるので、各債務整理手続きの詳細についてご確認ください。

MEMO
エステローンについて債務整理を利用した場合、「エステ契約自体は解約になる」という取扱いが一般的です。ただし、すでに前払い済かつ未施術サービスが残っている場合には当該回数分の施術を受けられるケースもあるので、契約書をご確認のうえエステサロン側までお問い合わせください。

任意整理でエステローンの利息負担をカットする

任意整理とは、エステローンなどの高額利息の支払い義務を免除してもらい、借入元本のみを3年~5年で分割払いする完済計画を作り直せる債務整理手続きのことです。

たとえば、エステローン契約時には年利率15%~18%の利息負担を強いられていることが多いですが、任意整理によってこの利息負担から解放されます。

任意整理の特徴・エステローンを払えないときに任意整理が向いている人は次の通りです。

任意整理の特徴
・将来利息をカットできる
・3年~5年の分割払い計画に引き直せる
・裁判所を利用せずに簡便に分割交渉を進められる
・整理対象の借金を自由に選べるので連帯保証人への迷惑を避けられる
任意整理が向いている人
・エステローンの利息負担がなければ借入元本を返済できる
・エステローンの長期滞納が原因で残債を一括請求されたが分割払いに戻したい
・エステローンの滞納を家族などに知られずに解決したい

なお、任意整理のメリット・デメリットについては以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

任意整理とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説 任意整理とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説

自己破産でエステローンの支払い義務の免責を狙う

自己破産とは、エステローンの支払いなどを含めて現在抱えているすべての借金返済義務の免責を狙える債務整理手続きのことです。

エステローンを払えない債務者のなかには、キャッシング・カードローンなどの負債も抱えていて返済に行き詰っている人も少なくないでしょう。

自己破産で免責許可を得られた場合にはその時点で借金返済生活を終了させられるため、「債務整理をきっかけに抜本的に人生をやり直したい」という人におすすめです。

ただし、「借金生活の終了」という大きなメリットを手にするためには、それ相応の代償を受け入れる必要があります。次で紹介する自己破産の特徴を参考に、自己破産を利用するべきか否かを慎重にご判断ください。

自己破産の特徴
・裁判所を利用して借金返済義務を免責できる(税金などの「非免責債権」を除く)
・無職、フリーター、専業主婦などの収入面に不安がある人でも問題なく利用できる
・債務者名義の財産・預貯金などが一定範囲で処分される
・破産手続き中は職業制限・郵便物の管理制限・移動制限などのペナルティが発生する
エステローンの滞納は「免責不許可事由」に該当する可能性が高いので破産手続きの難易度が高くなる(管財事件&裁量免責)
自己破産が向いている人
・自分名義の財産をほとんど所有していない(財産処分を免れられるので)
・明らかに自分の収入では完済できない借金総額を抱えている
・借金返済生活を継続する精神的な余裕がない

自己破産利用時に特に注意を要するのが「免責不許可事由」との関係です。実は、自己破産は手続きを申し立てれば誰でも免責が認められるというものではなく、「免責不許可事由がないこと」が条件として掲げられています。

そして、エステローンが原因の困窮状態は、「浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」(破産法第252条1項4号)に該当する可能性が高いため、免責不許可事由が存在するとして免責許可決定をスムーズに獲得できないおそれが生じます。

もちろん、エステローンが原因で借金を背負ったからといって自己破産が全否定されるわけではありません。救済措置として、「“管財事件”という自己破産手続き類型で手続きを進めて、”裁量免責”という枠組みで借金返済義務の免責を狙う」という道が用意されているので、エステローンについても返済義務を免責してもらうことは可能です。ただ、裁判所における免責審尋(担当裁判官による面談)などが求められるため、ある程度手続き進行における負担に耐えなければいけないということです。

したがって、エステローンについて自己破産を利用する際には、「自己破産によって生じるデメリット」に注目するだけではなく、「自己破産手続きの負担を受け入れられるか」という点についても考慮する必要があると考えられます。

MEMO
なお、弁護士に自己破産を依頼した場合には、「少額管財事件」という負担の少ない手続き類型を選択することが可能となります。弁護士に依頼をすれば複雑な自己破産手続きの大部分を任せたうえで免責審尋などのアドバイスももらえるので、ぜひご相談ください。

なお、自己破産のメリット・デメリットについては以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

自己破産とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説 自己破産とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説

個人民事再生でエステローン元本自体の減額を目指す

個人民事再生とは、借入総額に応じて借金元本自体を減額したうえで原則3年の分割払いを作り直せる債務整理手続きのことです。

たとえば、高額エステローンのなかには100万円以上の商品も存在するところ、個人民事再生を利用すれば、住宅ローンを除く借金総額に応じて次の表のように減額を受けられます(個人民事再生には「最低弁済額が100万円」というルールが存在するため、エステローンを含むすべての借金総額が100万円に満たない場合には個人再生の元本減額効果を感じることはできません)。

借金総額(住宅ローンを除く) 最低弁済額(減額割合)
100万円未満 借金元本(減額なし)
100万円~500万円未満 100万円まで減額
500万円~1,500万円未満 借金総額を1/5まで圧縮
1,500万円~3,000万円未満 300万円まで減額
3,000万円~5,000万円未満 借金総額を1/10まで圧縮

たとえば、200万円のエステローンを払えない状況で個人民事再生を利用すれば元本を100万円まで減額できます。また、エステローンを含む借金総額が600万円に及ぶなら120万円まで圧縮可能だということです(しかも原則3年での分割払いが可能です)。

このように、個人民事再生を利用すれば自己破産のような手続き負担を回避しながら借金返済義務の内容を大幅に軽減できるため、以下の表を参考に、個人民事再生の適否をご判断ください。

個人民事再生の特徴
・借金総額に応じて一定割合で元本自体を減額できる(任意整理よりも減額効果が大きい)
・住宅ローンの特則を利用すれば自己名義のマイホームの処分を免れられる
・裁判所の許可を得るためには、安定した給与を得ている必要がある(専業主婦やパートタイマーでは難しい)
個人民事再生が向いている人
・自己所有財産が多いので自己破産を利用しにくい
・元本自体を減額できれば完済を目指せる
・会社勤めなど安定した給与を得ているので3年の分割払いに耐えられるだけの資力がある

なお、個人民事再生のメリット・デメリットについては以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。

個人再生とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説 個人再生とはどんな手続き?他の債務整理との違いやメリット・デメリットを解説
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エステローンを払えないときに生じる5つのデメリット

「エステサロンと契約した取引だからお得に利用できるのでは?」「エステローンと借金とは違うから少しくらい滞納しても問題は生じないはず」など、エステローンに対する誤解を抱いている債務者は少なくありません。

繰り返しになりますが、エステローンは実質的に借金と同じです。つまり、エステローンを払えないままの状態がつづくと、次のように借金滞納時と同じようなペナルティが科されます。

  1. 遅延損害金が発生する
  2. 電話・郵便物による督促が行われる
  3. エステローン残債を一括請求される
  4. エステローン滞納が原因で信用情報に傷がつく
  5. エステローン滞納が原因で財産などが差し押さえられる

それでは、エステローンを払えないときに生じる5つのペナルティについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

1:遅延損害金が発生する

エステローンを払えないと、滞納翌日から日割り計算で遅延損害金が発生します。

たとえば、総額200万円のエステローンを抱えている場合、延滞日数に応じた遅延損害金額は次の通りです(遅延損害金年利率は20%で計算)。エステサロンの甘い誘惑とは様相が異なることが分かるでしょう。

延滞日数 遅延損害金額
1日 約1,096円
1週間 約7,671円
1カ月 約33,973円
2カ月 約65,753円

このように、現在抱えているエステローン総額が多いほど、発生する遅延損害金も高額になります。場合によっては、毎月の返済額以上の遅延損害金を強いられることもあるでしょう。

遅延損害金の発生を抑えるためにはできるだけ早いタイミングで債務整理に踏み出す必要があります。対応が遅れるほど返済総額が増えるので、すみやかに弁護士・司法書士までご相談ください。

2:電話・郵便物による督促が行われる

エステローンを払えないと、滞納翌日から電話・郵便物などによる取り立てが実施されます。

エステローン滞納時に行われる主な取り立て方法は次の通りです。いずれの方法も、滞納状態に追い込まれた債務者にとって精神的なストレス要因となるでしょう。

  • 携帯電話に何度も電話がかかってくる
  • 自宅に督促状・催告書が郵送される

エステローン滞納時に実施される取り立てとの関係で注意を要するのが、「携帯電話への問い合わせを無視・着信拒否・折り返しの電話をかけない」という不誠実な対応をとってしまうとさらに厳しい取り立てが実施されるおそれが生じるという点です。

たとえば、自宅の固定電話・職場に問い合わせが行われたり、自宅・職場などに直接訪問されたりすると、エステローンの滞納問題が原因で家族・職場にも迷惑がかかってしまうでしょう。

したがって、エステサロン・クレジットカード会社などからの取り立てが深刻化するのを回避したいのなら、債権者からの問い合わせには真摯に対応したうえで、滞納期間が長期化する前に債務整理を実施するのが有効な手段だと考えられます(特に、弁護士・司法書士に債務整理を依頼すればその時点ですべての取り立てが停止します)。

なお、エステサロンやカード会社などからの督促を無視するリスクについては以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

借金の督促電話を無視するとどうなる?放置することで起こり得る5つのリスクとは 借金の督促電話を無視するとどうなる?放置することで起こり得る5つのリスクとは

3:エステローン残債の一括返済を求められる

エステローンを払えないと、滞納期間が2カ月を過ぎた時点でエステローン残債のを一括請求されます。

エステローン残債を一括請求されるのは、債務者が「期限の利益を喪失」したからです。滞納期間が長期に及ぶ債務者はもはや自主的に分割払いする気がないと判断されてしまうため、従来通りの分割払いは認められません。

毎月の支払いさえ苦しい債務者にとって、残債の一括請求に応えるのは簡単ではないはずです。

残債の一括請求を放置すると後述の強制執行が待っているので、すみやかに対処法に踏み出す必要があるでしょう。残債を一括請求された後でも債務整理に踏み出せば強制執行を回避できますし、任意整理・個人民事再生ならふたたび分割払い計画を作り直すことができるため、できるだけ早いタイミングで弁護士・司法書士まで適切な生活再建手法をご相談ください。

4:エステローン滞納を理由にブラックリストに登録される

エステローンを滞納すると、延滞期間が2カ月に達した時期を目安に信用情報に傷がつきます

これは、いわゆる「ブラックリストに登録された」状態のことです。

MEMO
各人の年収・勤続年数・ローン借入状況・返済履歴などの「信用情報」は3つの信用情報機関が管理をしています。消費者金融・カード会社・銀行などの金融機関は次のいずれかの信用情報機関に加盟しているので、各人の信用情報は信用情報機関を介してすべての金融機関に共有されているのが実情です。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)

エステローンを払えずに滞納が生じると、ローン会社が信用情報機関に滞納情報を提供。ローン会社からの情報提供を受けた信用情報機関は「事故情報(異動情報)」を掲載します。

注意を要するのが、事故情報が登録されてしまうと、延滞状況がつづく限りブラックリスト情報が残ったままだということ。事故情報を抹消しない限り、日常生活において次のようなデメリットが生じつづけます。

  • 現在発行中のすべてのクレジットカードが強制解約される
  • クレジットカードの付帯サービスであるETCカード・家族カードなども使用不可
  • クレジットカードの新規入会審査に通らない
  • 新規の借入・ローン契約を締結できない(カードローンなどだけではなく住宅ローン・カーローンなども)
  • 携帯電話の端末代金を分割払いできなくなる(一括で支払えば問題ない)
  • 信販系の家賃保証会社付きの賃貸物件の入居審査・更新審査に影響が出る
  • 子どもの奨学金の連帯保証人・保証人資格が認められない

ここから分かるように、エステローンを滞納しただけで、エステローンとは無関係な日常生活にも一定の支障が生じるということです。

債務整理を利用して延滞状況を改善すれば約5年~10年でブラックリスト情報は抹消されるので、ブラックリストから抜け出すタイミングを前倒しして建設的な人生を再スタートするためにできるだけ早期に債務整理に着手しましょう。

注意
エステローンの滞納期間が2カ月に満たない場合、まだ信用情報機関に事故情報が登録されていない可能性があります。つまり、この段階で安易に債務整理を利用すると「債務整理を原因としてブラックリストに登録される」という事態に追い込まれるため、安易に救済措置を頼るべきではないということです。債務整理を頼らずに自力でエステローンの滞納問題を解消すればブラックリスト登録を避けられますが、逆に、ブラックリストへの登録を避けたいがあまりに債務整理に踏み出すのが遅れると生活再建が難しくなるリスクもあるため、現段階でどのような生活再建手法を選択するべきかについて弁護士・司法書士の判断を仰ぐべきでしょう。

なお、ブラックリスト登録によって生じるデメリットの内容や、ブラックリスト登録期間における代替措置については、以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

ブラックリストって何?借金を滞納すると掲載される?掲載期間や今後の影響を解説 ブラックリストって何?借金を滞納すると掲載される?掲載期間や今後の影響を解説

5:エステローン滞納が長期化すると強制執行が実行される

エステローンを払えない状態がつづくと、延滞期間が3カ月を過ぎた時期から強制執行リスクが高まります

強制執行とは、自主的に借金などを返済しない債務者に対して実施される法的措置のこと。債権者が財産や給料などを差し押さえることによって、債権の回収を図ります。

強制執行によって差し押さえ対象になるモノの代表例は次の通りです。

①給与
毎月の手取り給与額の1/4が差し押さえ対象になる(債務者の手取り給与額が44万円超の場合には「33万円超」の金額が全額処分される)。
・給料差し押さえ手続きには会社が直接巻き込まれるため、エステローン滞納問題を抱えていることが会社にばれる
・エステサロンやカード会社からの請求額が満額回収されるまで毎月天引きがつづくので生活費にしわ寄せがくる。
・差し押さえを理由に会社をクビになることはないが社会的信用の失墜は免れられない。
②債務者名義の預貯金口座
・債権者に特定された預貯金口座残高が全額処分対象になる。
・口座残高が不足すると家賃・公共料金・携帯電話使用料金などの支払いができなくなる。
・銀行との間で締結しているローンがあると口座凍結リスクが生じる。
③債務者名義の財産
・動産、不動産問わずに差し押さえ対象になる。
・マイホームが処分されると家族にも引越し・転校などのデメリットが生じる。
・一定の差し押さえ禁止財産(生活に必要な家具・子どもの教材など)は手元に残せる。

どの財産等が処分対象にするかを決めるのは債権者で、差し押さえが実行されると余程の例外的な事情がない限り当該財産等を取り戻すことはできません

つまり、エステローンの滞納問題を放置しつづけると、債務者本人だけではなく家族にも迷惑がかかるということ。強制執行だけは何としても避けなければいけません。

強制執行が実行される前に債務整理を利用すれば、差し押さえを回避して返済内容を見直すことが可能となります。特に、エステローン残債を一括請求された債務者には強制執行までの時間が残されていないので、できるだけ早期に弁護士・司法書士までご相談ください。

なお、強制執行で差し押さえ対象になる可能性が高い「給与」の差し押さえ手続きについては以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

給料の差し押さえの条件は?差し押さえまでの流れと回避方法を解説 給料の差し押さえの条件は?差し押さえまでの流れと回避方法を解説
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エステローンを払えないときに専門家に相談する4つのメリット

エステローンを払えないときの代表的な対処法はクーリングオフ・中途解約・債務整理の3種類。このなかから、債務者の状況に照らし合わせて適切な手続きを選択することになります。

ただ、どの制度を利用するにも要件充足を判断しなければいけませんし、手続きを進めるためにも注意事項が存在するのはここまで紹介した通り。つまり、スピーディーな対応が求められるエステローン滞納問題への対処法を債務者個人だけで判断するのは簡単ではないということです。

そこで、エステローンを払えないときには弁護士・司法書士に相談するのがおすすめ。次の4つのメリットが得られるでしょう。

  1. エステローン滞納者の状況に適した債務整理手続きを選択してくれる
  2. エステローンなどの借金問題について債務整理以外の選択肢も検討してくれる
  3. エステローンの契約プロセスを見直して民事訴訟の可能性も視野に入れてくれる
  4. エステサロンやクレジットカード会社からの取り立てをすぐに停止できる

それでは、エステローンを払えないときに弁護士・司法書士に相談する4つのメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

MEMO
弁護士・司法書士のどちらに相談するべきかについては以下のリンク先をご参照ください。なお、先ほど紹介したように、特に自己破産での解決を望む場合には、「少額管財事件類型」を活用できる選択肢が広がる点からも弁護士に相談するのがおすすめです。
債務整理は弁護士・司法書士のどちらに依頼すべき?ケースごとに上手に使い分けよう 債務整理は弁護士・司法書士のどちらに依頼すべき?ケースごとに上手に使い分けよう

1:自分にぴったりの債務整理手続きを選択してくれる

弁護士・司法書士に相談すれば、自分に適した債務整理手続きを提案してくれます

そもそも、自己破産・個人再生・任意整理にはそれぞれ特有のメリット・デメリットが存在するもの。メリットだけに注目しては想定外のデメリットを被るおそれがありますし、逆に、教科書的に掲げられているデメリットばかりに注目しても債務整理に踏み出すタイミングが遅れるばかりです。

たとえば、「もうエステローンの支払いは嫌だ。自己破産で借金生活を終わらせたい。」と考えてメリット面だけに注目して自己破産を利用してしまうと、想定外の財産処分を被るおそれが生じます。どうしても処分を避けたい財産があるのなら個人再生・任意整理で返済計画を見直すべきでしょう。

これに対して、「自己破産はデメリットが多い債務整理手続きだ」という情報だけを頼りにしてしまうのも適切ではありません。現在無職で債務者自身に特筆するべき所有財産が存在しないのなら、実質的には自己破産のデメリットは生じ得ないからです。このようなケースでわざわざ任意整理を選択するメリットはないと考えられるので、躊躇なく自己破産を利用するべきでしょう。

このように、債務整理手続きを選択する際には、債務者の置かれた具体的な状況に照らし合わせて各手続きのメリット・デメリットを勘案する必要があります。

債務整理の実績豊富な弁護士・司法書士に相談をすれば無料相談などの機会だけでも自分の選択するべき手続きが簡単に判明するので、積極的に専門家へ意見を求めるべきでしょう。

2:消滅時効や過払い金返還請求の可能性も探ってくれる

エステローンを払えない債務者が弁護士・司法書士に相談をしたとしても、かならず債務整理を勧められるわけではありません。

債務者の置かれた状況次第では債務整理以外の選択肢が適切な生活再建手法の可能性もありますし、良心的な専門家に相談すれば幅広い選択肢から解決方法を提案してくれるでしょう。

たとえば、債務整理以外の選択肢としては次の方法が挙げられます。

①家計を見直して自力でエステローンの完済を目指す
延滞期間が浅くて家計改善の余地がある場合には、わざわざ債務整理を利用しなくてもエステローンの滞納問題を解決できる場合がある。たとえば、家計簿をチェックして無駄な支出項目を減らす・日雇いのアルバイトなどで臨時収入を得るなどの方法で自力完済できれば債務整理のデメリットを回避できる(ただし、完済まで滞納なく返済継続するだけの経済的余力がない場合には早期に債務整理に切り替えた方がメリットは大きい)。
②消滅時効を援用してエステローンの支払い義務から逃れる
令和2年4月1日以前に締結したエステローン契約については、2年以上滞納状態が継続しているなら消滅時効を援用できる可能性がある。消滅時効を援用できれば債務整理を利用せずに借金問題を解決できるので弁護士・司法書士に要件充足の判断・援用手続きを依頼しよう。
③過払い金返還請求で払い過ぎたお金を取り戻す
高額エステローンの取引期間が長期に及んでいる場合には利息を払い過ぎている可能性も否定できない。過払い金返還請求によってお金を取り戻すことができれば負担を軽減してエステローン滞納問題を解決できるので、弁護士・司法書士に取引履歴をチェックしてもらおう。

債務整理の経験がある弁護士・司法書士は、エステローン以外の借金問題も総合的に考慮して解決策を提案してくれます。

たとえば、「エステローン以外の借金について任意整理を実施して家計環境を整える。エステローンは任意整理の対象外になるので、従来通りの返済を継続しながらエステの施術を受けられる。」というような変則的な生活再建方法も可能です。

生活再建手法に債務者の希望を最大限反映するためにも、すみやかに専門家にアドバイスを求めることを強くおすすめします。

3:民事訴訟の可能性も検討してくれる

弁護士・司法書士に相談すれば、エステローン契約時に存在する違法行為も見逃さずに最適な解決策を検討してくれます。

たとえば、エステローン契約時における勧誘方法に違法性がある・エステローンの宣伝手法が誇大広告の可能性がある・契約内容とは異なるサービスを提供されているなどの場合には、消費者契約法などの法規制に違反している可能性が高いです。

弁護士・司法書士は、エステ商品は消費者問題が頻発する領域だということを十分理解しているので、エステローンを払えない債務者が「被害者」的側面を有している場合には、債務整理ではなく民事訴訟などの方法によって解決を狙えるでしょう(事情次第では、エステサロンに支払ったお金を全額取り戻すことも可能です)。

4:エステサロンやクレジットカード会社からの取り立てが即時停止する

弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合に限り、エステサロン・クレジットカード会社からの取り立てが即時停止するというメリットを手にすることができます。

なぜなら、債務整理を受任した弁護士・司法書士が送付する「受任通知(介入通知・債務整理開始通知)」には債権者の取り立てを停止する効力があるからです(貸金業法第21条1項9号)。

債権者からの取り立てが停止すれば、電話がなるたびに嫌な気持ちになることもありませんし、家族や職場の人にエステローンの滞納トラブルを知られずに済むでしょう。

MEMO
債務者自身で債務整理手続きに踏み出した場合でも督促行為を停止することはできますが、停止のタイミングは「債務整理手続きを開始したとき」です。弁護士・司法書士に依頼をすれば「債務整理依頼時=債務整理の準備段階」から取り立てが停止して平穏な日常生活を取り戻せるので、エステサロン等からの督促を煩わしいと感じているのなら早期に専門家に依頼するのがおすすめです。
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エステローンを払えないままでは危険!ペナルティ発生前に専門家に相談しよう

エステローンを払えない状況がつづくと、消費者金融などからの借金を滞納したときと同じようなペナルティが科されます。

「綺麗になりたい」「コンプレックスを克服したい」という切実な気持ちが経済的な負担となって返ってくるのは不本意のはず。早期に対策に踏み出せば、ペナルティを軽減しながらエステローンの滞納問題と縁を切ることができます。

まず、エステ契約から間もないのなら、クーリングオフ・中途解約をご検討ください。大きな金銭的な負担を強いられることなく契約関係を解消できます。

これに対して、既にエステ契約が終了してエステローンだけが残っている状態なら、すみやかに債務整理を視野に入れてください。弁護士・司法書士に相談するタイミングが早いほど滞納ペナルティを軽減して生活再建を目指しやすいでしょう。

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