Paidyの利用代金を滞納しているとどうなる?起こり得るリスクと今後の対処法を解説

Paidyの利用代金を滞納しているとどうなる?起こり得るリスクと今後の対処法を解説

後払い決済サービスPaidyは、3回払いや翌月1回払いなどさまざまなサービスを提供しており、利便性も高いことから利用している方も多いのではないでしょうか。しかし、利用していれば必ず訪れる支払日に返済費用を用意できず、滞納をしてしまう人も少なくはありません。

Paidyは、個人信用情報期間に加盟しているため、通常のクレジットカード同様のリスクが発生する可能性があります。

今回は、Paidyの滞納によって起こり得るリスクや支払いが難しい時の対処法について解説します。Paidyの支払いを滞納している人や滞納してしまいそうな人は、ぜひ本記事で解説している内容を参考にしてください。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

【時系列】Paidyを滞納するリスクとは

Paidyの支払いを滞納した場合に起こり得るリスクについて時系列で詳しく解説します。

滞納開始〜1カ月:Paidyからメールや電話による督促・遅延損害金の発生

Paidyの滞納が始まると、初めにメールや電話による督促が開始されます。

Paidyの毎月の返済日は10日までであるため、基本的には10日までに入金の確認ができなかった場合は督促が始まると考えておいて良いでしょう。また、口座引落にて支払いをしている方は、毎月12日ですが入金確認ができるまでに4営業日程度かかります。そのため、引き落とし日プラス4営業日程度で支払いが確認できなければ、督促が開始されます。

Paidyから届く初めの督促の内容は「支払いが確認できていないため、◯月◯日までに支払いを完了させてください」といった内容です。実は、初めに届くメールは、数日間の猶予が与えられています。たとえば、12日に口座引落でその後、4営業日経過して入金が確認できなかった場合(仮に16日とします)、「19日までにお支払いください」など、数日の猶予が与えられます。

それでもなお支払いが確認できなかった場合は、また数日以内に返済を求めるメールが届きます。また、同時にPaidyから電話による督促が行われる可能性があります。もし、支払いができなければ上記の状態が1カ月程度続くと思っておいてください。

滞納1〜2カ月目:手紙が届き始める・Paidyの利用停止

Paidyの滞納が1カ月以上になると、督促方法がメールに加えて電話や手紙などに増えていきます。また、督促の頻度もだんだんと上がってくるため、早急に返済をできなければ相当なストレスを抱えることになるでしょう。

また、滞納期間が1〜2カ月程度の長期間になるとPaidyが利用できなくなる可能性があります。仮に、利用可能枠がまだ残っていたとしても利用できません。そのため、サブスクリプションの引き落とし先に登録している方などは、引き落としが完了せずにサービスの利用を停止されてしまう可能性もあるので注意してください。ただし、Paidyの利用代金さえ支払ってしまえば、改めて利用できるようになります。

なお、滞納期間が長期間になりPaidyからの信用がなくなってしまった場合は、支払いを完了させても利用できなくなったり強制解約になったりする可能性もあるので注意してください。できるだけ早めに返済をするようにしたほうが良いでしょう。

滞納2〜3カ月目:個人信用情報へ異動情報が登録される

滞納が2〜3カ月の長期間になった場合は、個人信用情報機関に事故情報(異動情報)が掲載されてしまいます。事故情報とは、いわゆるブラックリスト入りのことを指し、今後は以下のような影響が出始めるでしょう。

  • クレジットカードの作成が難しくなる
  • 各種ローン契約の締結が難しくなる
  • 既存のクレジットカードの利用停止・強制解約となる可能性がある
  • 今後の賃貸借契約に影響が出る
  • スマートフォン割賦契約の締結が難しくなる

個人信用情報に事故情報が掲載されてしまうことによって、「この人は過去に重大な事故を起こしている」ということが明らかになります。その結果、個人信用情報を確認して融資可否を判断する各社の審査に通過するのが難しくなる可能性があります。

また、既存のクレジットカード等であっても定期的に顧客の信用情報を確認しているため、事故情報が掲載されてしまった時点で影響が出る可能性もあるでしょう。最悪の場合は、利用停止や強制解約といった対応を取られてしまう可能性があるため、注意してください。

滞納3カ月目以降:法的手続き移行の可能性

滞納が3カ月以上の長期になった場合は、最終手続きとして法的手続きへ移行されてしまう可能性があります。法的手続き移行後は、最悪の場合に財産の差し押さえが行われます。

差し押さえの流れは、まず預貯金の差し押さえを行い、それでもなお不足する場合は給料を差し押さえられてしまいます。給料の差し押さえは、第三債務者(給料支払い者)に対して行われてしまうため、Paidyの借金を滞納していることが勤務先の経理担当者などに知られてしまうでしょう。

また、給料の差し押さえはPaidyの滞納代金を全額完済するまで続きます。たとえば、毎月の給料の差し押さえ可能金額は手取り給料の1/4です。仮に20万円だった場合は、5万円が差し押さえ可能です。そして、Paidyの滞納学が30万円だった場合、毎月5万円ずつ半年間に亘って差し押さえが続きます。

手取りの1/4も差し押さえられてしまうことによって、自分自身の生活が苦しくなる可能性もあるでしょう。そのような事態に陥らないためには、早急に対応しておくことが大切です。また、実際に法的手続きに移行されても、以下の流れで差し押さえが行われるため、何度か異議申し立てを行うチャンスがあります。

  1. Paidyが裁判所へ申立て
  2. 裁判所から支払督促状が届く
  3. 2週間の異議申立て可能期間があり、その間に異議申立てを行わなかった場合は次のステップへ
  4. 裁判所から仮執行宣言付支払督促状が届く
  5. 2週間の異議申立て可能期間があり、その間に異議申立てを行わなかった場合は次のステップへ
  6. 支払督促状の確定、Paidyは差し押さえの申立てが可能になる

上記の通り、ステップ3および4で異議申し立てを行うチャンスがあります。異議申し立てでは、「支払いについて相談をしたい…」といったことも可能です。ただ、「返済できないから…」といって放置をし続けるのだけは絶対に避けましょう。

また、仮に最終ステップである6まで行ってしまったとしても、すぐに差し押さえが行われるわけではありません。その後にPaidyが裁判所に差し押さえの申し立てを行い、債務者の財産調査を行ったあとに始まります。そのため、仮に最終段階まで行ってしまったとしても、全額を返済すれば差し押さえは避けられます。

ただ、ステップ6まで行ってしまった場合は、支払いの相談をしても分割払い等に応じてもらえる可能性は低いです。なぜなら、Paidyはもうすぐで強制執行(差し押さえ)によって確実に借金の返済を受けられるためです。わざわざ交渉に応じる必要はありません。そのため、遅くても2回目の異議申立て可能期間中に対応してください。

Paidy滞納に伴うその他のリスク

Paidyの利用代金を滞納していた場合は、以下のようなリスクも起こり得ます。

  • 商品の引き上げ
  • 債権回収会社への債権譲渡
  • 強制解約

上記のようなことが起こらないようにするためには、できるだけ早い段階で対応しておくことが大切です。Paidyは、支払い方法の相談をすることで、柔軟に対応してもらえる可能性があります。そのまま放置をするのではなく、誠意を持った対応を心がけてください。

Paidy滞納に伴うリスクを回避する方法

Paidyの滞納に伴うリスクを回避する4つの方法について解説します。

Paidyへ相談をして支払日を約束する

Paidyの支払いが厳しい場合は、滞納をする前に相談をしてみましょう。また、滞納をしてしまったあとであっても、かならずPaidyに相談をしましょう。数日以内に返済できる見込みがある場合であって、Paidyに支払日の約束をできる場合は支払い期日を延長してもらえる可能性があります。

ただし、滞納から長期間経過していて信用を無くしている人や、これまでに何度も支払いの約束を破っている人は返済日の相談に乗ってもらえない可能性があります。そのため、支払いができないと分かった時点、もしくは滞納してしまった時点で早急に相談をするように心がけてください。

なお、相談をしたところで100%の確率で支払いを待ってもらえるとは限りません。あくまでも、個人の信用や約束の支払い期日を考慮した上で相談に乗ってもらえると考えておきましょう。また、支払い期日の相談は可能であっても、支払い金額の相談は難しいので注意してください。たとえば「一括もしくはPaidyの3回払いでの支払いは厳しいため、複数回の分割払いにしてほしい」といった相談には応じてもらえません。

返済費用を工面する

Paidyは一律の利用可能枠を設定していませんが、ほとんどの人が数万円〜数十万円以内といった少額枠である可能性が高いです。そのため、返済費用を工面することも決して難しいことではありません

仮に数十万円程度の利用可能枠が設定されており、満額使用していたとしましょう。それでも、Paidyの3回払いを利用することによって数万円程度まで返済金額を減額できるはずです。数万円程度であれば、親兄弟や友人に相談をしたり、終業後や休日を利用してアルバイトをしたりすることで返済費用は工面できるでしょう。

とくにPaidyの場合は数日〜数週間程度であれば支払い期日の相談をすることも可能です。そのため、まずは支払い期日を延長してもらい、その間に親兄弟に相談をしたりアルバイトなどで返済費用を工面したりすれば良いでしょう。

不用品の売却を検討する

数万円〜数十万円程度の利用金額であれば、不用品を売却することで返済費用を工面できるかもしれません。たとえば、ほとんど使っていないブランド物や、過去に使用していたスマートフォンなどは意外と高値で売却できる可能性があります。

また、Paidyに支払い期日を相談して返済日までに余裕がある場合は、フリマアプリを活用することでより高値で売却できる可能性があります。中古販売店は在庫コストや売れ残りリスク、販売店の利益などを考慮するため買取価格が低いのが特徴です。一方で、即金性があるといったメリットもあります。

対するフリマアプリは、売れなければお金に変えることはできませんが、売れた場合は中古販売店などよりも比較的高値で売却可能です。そのため、不用品を売却する場合は、時間的余裕がある場合はフリマアプリを活用し、時間的余裕がないときは中古販売店へ売却してすぐに返済費用の準備をするように心がけてください。

債務整理を検討する

Paidyの支払いが厳しい場合は、債務整理を検討しても良いでしょう。債務整理とは、現在抱えている借金の一部もしくは全部を大幅に減額したり、すべてを免責にしたりする法的手続きです。主に以下3種類の手続きがあります。

  • 特定の債務の利息のみをカットして原則3年程度で完済を目指す「任意整理」
  • すべての債務(住宅ローン以外)を最大100万円まで減額できる「個人再生」
  • 非免責債権(免責するに相応しくない債権)以外の借金返済義務を免責にできる「自己破産」

Paidy以外に多額の借金を抱えており、すべての借金をこの機会に清算したいと考えている人は、自己破産や個人再生といった方法を検討したほうが良いでしょう。ただ、他に借金がなくとりあえずPaidyのの支払いのみ対応できれば良いと考えている人は、任意整理を検討したほうが良いかもしれません。

しかし、任意整理は特定の債務の利息をカットして元金を原則3年以内で完済を目指す手続きです。Paidyはそもそも利息がかからないため、任意整理を行うことによって得られる利息カットの効果は得られません。また、Paidyの利用金額は多くても数十万円程度であるため、司法書士や弁護士といった専門家にお金を払って交渉をしてもらって得られる効果も少ないです。

そのため、Paidyの残債を任意整理するのはあまりおすすめできません。その他の借金がある場合は、その借金を任意整理することによって家計収支が改善され、Paidyの支払いができるようになる可能性もあります。

「Paidyの支払いが厳しい…」と感じている人はまず、司法書士などの専門家へ相談をされてみてはいかがでしょうか。現状を踏まえた上で、どのように改善をしていけば良いのかをサポートしてもらえます。

Paidy滞納に伴うよくある質問

Paidyの滞納に伴うよくある質問を紹介します。

Q .Paidyの代理人を名乗る弁護士から連絡があったのですが、詐欺ではないですか?

A .詐欺である可能性は低いです。

現在、Paidyの利用代金を滞納している場合は、弁護士事務所から連絡がきたり手紙が届いたりする可能性があります。そのため、Paidyの滞納をしている場合に弁護士から連絡がきたのであれば、詐欺である可能性は低いです。

また、現時点でPaidyの滞納を謳って弁護士事務所から連絡が来るといった詐欺は報告されていません。仮に、Paidyの支払い滞納に心当たりがない方や、そもそもPaidyを利用したことがない人で「Paidyの利用代金を滞納しています」といった内容の連絡がきた場合は、詐欺である可能性が高いです。Paidyを利用されている方はPaidyへ問い合わせをし、利用していない方は無視をしても良いでしょう。

なお、Paidyの滞納で連絡が来る可能性がある法律事務所は以下の通りです。

  • 市ヶ谷中央法律事務所
  • 原田国際法律事務所
  • 神田お玉ヶ池法律事務所

※その他の法律事務所などに債権回収を委託している場合があります。

Paidyの支払い滞納に心当たりがある場合で法律事務所から手紙が届いている場合は、早急に対応しなければしつこい督促や法的手続き移行の可能性があります。詐欺である可能性は低いため、できるだけ早い段階で法律事務所に連絡をするように心がけてください。

Q .Paidyを滞納していると本当に裁判になることはあるのですか?

A .裁判になる可能性があります。

Paidyの滞納によって裁判まで発展した事例は現時点で報告されていません。ただ、Paidyが裁判を起こす可能性はあるので注意してください。

Paidyははじめに自社から何度も連絡を行い、回収困難であると判断した債権は弁護士事務所などに債権回収を委託します。その後、弁護士事務所から電話やメール、手紙といった方法で何度も連絡が来ることになるでしょう。

それでもなお、支払いをせずに無視や放置をし続けていると、最終的には法的手続きへ移行する可能性があります。法的手続きへ移行されてしまった場合は、最終的に強制執行(財産の差し押さえ)といったこともあり得ます。また、法的手続き移行後は支払いの相談に応じてもらえる可能性は低くなってしまいます。

そのため、法的手続き移行前にかならず連絡を取り、支払いに関する相談をするなどの対応を検討してください。

Q .Paidyの利用代金を踏み倒すことはできますか?

A .難しいでしょう。

Paidyの利用代金を踏み倒すためには、債務整理を行うもしくは消滅時効の援用を行うしかありません。

前者は、個人再生や自己破産といった法的手続きにより、Paidyへの支払い義務を免除(免責)されますが、借金がPaidyのみの場合はあまりおすすめできません。なぜなら、債務整理にはさまざまなリスクが伴うためです。Paidy以外の借金があり、すべてを清算したいと考えている場合は債務整理による手続きを検討しても良いでしょう。

消滅時効の援用はPaidy側から阻止をされる可能性が高く、現実的には難しいでしょう。

消滅時効の援用を行うためには、Paidyの支払い期日から5年長経過した時点で「消滅時効の援用をします」と伝えることで成立します。しかし、消滅時効を援用するまでの間に以下のことがあった場合は、期間がリセットされてしまいます。

  • 債務の承認
  • 裁判上の請求
  • 強制執行
  • 債権者からの催告「(時効援用可能期間を半年間延長)

たとえば、債務者(Paidyに借金をしている人)がPaidyに対して支払いを約束したり、実際に1円でも支払ったりした場合は債務の承認が成立して、その日から5年間は時効の援用ができません。その他、法的手続きに移行され、裁判上の支払督促を受けたり、強制執行を受けたりした場合は時効援用までの期間が更新されてしまいます。

また、Paidyから催告を受けた場合は、半年間延長されます。上記のことから、Paidyは消滅時効の援用条件を満たす前にあらゆる手段で阻止をしてくるでしょう。その結果、現実的に考えて利用代金の踏み倒しは不可能である可能性が高いです。

Q .お金がなくてどうしても支払いができません。どうしたら良いですか?

A .司法書士などの専門家へ相談をしてください。

お金がなくて支払いができない場合は、Paidyに相談をしても意味がありません。Paidyはお金を返してもらうためにさまざまな提案を行うことしかできないため、そもそも支払いができない人は、相談をしても現状が変わることはないでしょう。

しかし、司法書士などの専門家へ相談をされた場合は、現状を把握した上でどのように改善をしていけば良いのか、何をすれば良いのかといった部分でサポートを行います。必要に応じて債務整理等のサポートを行います。債務整理を行うことによって、支払い能力がない人であっても免責等によって返済義務を免れる可能性があります。

また、お金がなくて司法書士などの専門家へ相談するのが難しい人は、法テラスの民事法律扶助制度の利用をご検討ください。この制度を利用することによって、債務整理費用の立て替えが可能です。立て替えられた費用はすべてが解決した後に支払っていくことになりますが、柔軟な支払い方法に対応しているため、無理なく完済を目指せるでしょう。

Q .滞納分の支払いをしたら改めて使えるようになりますか?

A .Paidy次第です。

Paidyの支払いを長期間滞納した場合であっても、支払いを完了させたことによって改めて使用できるようになる可能性はあります。ただ、中には強制解約や利用限度枠の減額、利用停止といった措置を取られる可能性もあり、一概には言えません。支払い完了後に改めて利用可能になるかどうかは、Paidyの審査次第であるため誰にもわかりません。

ただし、滞納を繰り返して最終的に強制解約を受けた人は、Paidyの中で半永久的に情報が残り続けるため、2度と利用できない可能性が高いです。強制解約まで至っていない人は、支払いを完了させることで改めて利用できる可能性はありますが、利用可能有無に関わらず早急に支払いを完了させるようにしたほうが良いでしょう。

まとめ

今回は、Paidyの利用代金を支払えずに滞納した場合に起こり得るリスクなどについて解説しました。

後払い決済サービスであるPaidyは利便性も高く、多くの人が利用しているサービスです。しかし、いざ支払い期日を迎えて支払いができずにいると、支払督促や個人信用情報機関への登録など、さまざまなリスクが発生し得ます。

Paidyの支払いが厳しいときは、直接支払い期日の相談をしたり司法書士などの専門家へ相談をすることによって、解決できる可能性があります。今回紹介した内容を踏まえ、Paidyの滞納によるリスク発生する前に、相談すべきところへ相談するように心がけてください。

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