個人再生は、現在ある借金を大幅に減額する債務整理手続きです。必ず借金が残る点が最大のデメリットです。他にも、個人再生特有のデメリットがあり、内容を把握しておかなければ手続き後に後悔することになるでしょう。
今回は、個人再生に伴うデメリットやその他の選択肢について詳しく解説しています。借金の返済が苦しいと感じている人、借金を減額したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
個人再生による5つのデメリット
個人再生を行うことにより、債務の大半が返済免除となります。ただ、メリットばかりではなく、いくつかのデメリットもあるため注意しなければいけません。
まずは、個人再生を行うことによって生じる5つのデメリットについて詳しく解説します。
1:借金全てが免責になるわけではない
個人再生は、すべての借金が免責(返済免除)になるわけではありません。最低でも100万円以上の借金の返済義務は残ります。最終的に残る借金のことを「個人再生の最低弁済額」と言います。
個人再生の最低弁済額は、行う手続きの種類や再生手続きを行う人の資産状況などによって異なるため、以下を参考にしてください。
- 最低弁済額基準
- 清算価値保障原則
- 可処分所得基準
上記をそれぞれ詳しく解説します。
【最低弁済額基準】
最低弁済額基準とは、民事再生法によって定められている最低弁済額です。借金の額に応じて最低弁済額が定められており、具体的な金額は以下のとおりです。
借金額 | 最低弁済額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円以上500万円未満 | 100万円 |
500万円以上1500万円未満 | 借金額の1/5 |
1500万円以上3000万円未満 | 300万円 |
3000万円以上5000万円未満 | 借金総額の1/10 |
つまり、借金総額が100万円以下の人は、減額できる部分がないため個人再生手続きを行う意味がありません。
その他、たとえば借金総額が150万円であれば100万円まで減額できます。3000万円ある人であれば、300万円まで減額できます。5000万円の借金がある人であれば、500万円が最低弁済額となるため、借金を4500万円減額できる計算です。
【清算価値保障原則】
清算価値保障原則とは、財産を残しておきたい場合にその財産額が最低弁済額となるものです。
そもそも、個人再生手続きを行う場合は、原則すべての財産を換価処分(お金に変えて債権者へ分配)しなければいけません。しかし、どうしても手放したくない財産がある場合、手元に残しておくことができます。この時の最低弁済額となるのが「清算価値保障原則」です。
たとえば、亡くなった父親から受け継いだ500万円相当の腕時計を持っていたとしましょう。本来であれば、私情関係なしに売却して借金を返済しなければいけません。しかし、どうしても手元に残しておきたい場合は、最低弁済額が500万円以上になるということです。
以下の例を参考に具体的な内容をみていきましょう。
【例】
借金総額:1000万円
資産・財産:父親の肩身である腕時計(500万円)
上記の場合、最低弁済額基準で見ると最低弁済額は200万円となります。しかし、清算価値保障原則基準で見ると、資産額である500万円が最低弁済額です。
個人再生では、いずれか高いほうが最低弁済額となるため、上記例では500万円が最低弁済額となります。つまり、減額できる借金額は本来であれば800万円、財産を残す場合は500万円です。
【可処分所得基準】
可処分所得基準とは、可処分所得の2年分が最低弁済額となる基準です。
可処分所得とは、収入から社会保険料や各種税金などを差し引いた手取り部分を指します。たとえば、年間可処分所得が300万円の人であれば、600万円が最低弁済額となります。
他の基準と比べて可処分所得基準の最低弁済額は、高額となる可能性が高いです。ただし、可処分所得基準が選択されるのは稀です。
そもそも個人再生手続きを大きく分けると以下の2種類になります。
- 小規模個人再生
- 給与所得者等再生
可処分所得基準は「給与所得者等再生」の場合に適用される基準です。給与所得者等再生は、会社員などの給与所得者もしくは給与所得者に準じた安定した収入がある場合に利用できる手続きです。
しかし、実務上は給与所得者かどうかに関わらず多くの事例で小規模個人再生が適用されます。よって、可処分所得基準が適用されることは稀です。
給与所得者等再生による個人再生手続きを行うケースは、小規模個人再生が適用できなかった場合です。
小規模個人再生は、債権者の半分以上の反対がある場合や債権金額の半分以上の反対がある場合は利用できません。たとえば、以下のような場合が該当します。
【例】
借入状況
消費者金融A:100万円
消費者金融B:100万円
銀行A:300万円
銀行B:500万円
上記借入状況の場合、2社以上の反対がある場合もしくは銀行Bが反対をしている場合は、小規模個人再生は不可能です。
小規模個人再生が不可能な場合は、給与所得者等再生による手続きを行わなければいけません。給与所得者等の場合は、債権者の同意を必要としないため、裁判所の判断で借金の減額が可能です。
ただし、最低弁済額基準、清算価値保障原則基準、可処分所得基準のなかでもっとも高い金額が最低弁済額となります。
2:今後数年はローンが組めない
個人再生手続きを行った場合、個人信用情報機関にその情報が登録されます。個人信用情報機関とは、顧客のクレジットカードや各種ローンなどの利用履歴を登録し、必要に応じて開示するなど、信用情報を管理している機関です。
ローンなどの滞納をすると「ブラックリスト入りする」といったことを聞いたことがある人も多いでしょう。実際にブラックリストというリストは存在しませんが、信用情報機関にキズが付いてしまうことにより、審査等に影響が出ます。このことを「ブラックリスト入り」と表しています。
個人再生を行った場合も、個人信用情報機関にキズがつくためいわゆるブラックリスト入りの状態になります。ただ、一生涯事故情報が登録されているわけではありません。
信用情報機関によっても詳細は異なりますが、完済から5年〜10年はその記録が残り続けます。よって、この期間はローン契約等に通りにくくなってしまう点がデメリットです。
なお、「ブラックリスト入りすると絶対にローン契約等ができなくなる」と言われることもありますが、決してそんなことはありません。一定期間が経過し、情報が消えれば各金融機関はその情報を知ることができないため、ローン審査には比較的通りやすくなります。
また、個人信用情報機関にキズが付いている状態であっても、クレジットカードやローン審査に通る可能性はあります。
審査を行うのは、あくまでも申込を受けた金融機関等であるため、その金融機関独自の審査で通る可能性はあるでしょう。ただ、何らキズがない人と比較すると、通りにくくなるのは事実です。
3:すべての債務が対象になる
個人再生は、すべての債務が対象となります。特定の債務のみを選んで整理手続きできない点に注意しなければいけません。
たとえば、以下のような債務があったとしましょう。
【債務状況】
自動車ローン:300万円
消費者金融の借入:200万円
クレジットカード:200万円
上記例の場合、たとえば「自動車を残しておきたいから、クレジットカードと消費者金融だけ個人再生」と考えるかもしれません。しかし、それは不可能です。自動車ローンも含めてすべてを個人再生の対象としなければいけません。
仮に、自動車ローンも含めて個人再生を行った場合、自動車はローン会社に引き上げられてしまいます。つまり、自動車を失います。
自動車をローンで購入している場合、使用者は購入者本人の名前が記載されていますが、所有者はローン会社となっています。これを「所有権留保」と言い、個人再生等のように債務不履行があった場合は、留保していた所有権を取得できる仕組みです。
上記のことから、自動車ローンが残っている場合は、個人再生と同時に自動車を引き上げられてしまう可能性があると考えておいたほうが良いでしょう。ただし、その後に自動車を購入しても問題はありません。手続き完了後に改めて検討しましょう。
なお、基本的にはすべての債務が対象となる個人再生ですが、住宅ローンの場合は残しておくことができます。個人再生の際に住宅ローンを残すことを「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」と言います。
いくつかの要件はあるものの、基本的には自宅を失わずにその他の借金を減額することができる制度です。この点は、個人再生を選択する際のメリットになり得るでしょう。
4:合計で3回官報に情報掲載
個人再生手続きを行う場合は合計で3回、官報にさまざまな情報が掲載されてしまいます。
官報とは、国の機関誌であり国の情報などを国民へ広く知らせるためにあるものです。官報は、誰でも購入したりインターネットで閲覧したりできるため、あなたが個人再生をした事実が広く知られてしまう可能性があり、デメリットになり得ます。
しかし、官報はコンビニなどで購入できるものではなく、手軽に入手できるものではありません。また、記載されている情報も小難しく、一般の人で見る人はほとんどいません。あくまでも「誰でも見ることができる」というだけです。
ただ、家族や知人が「官報を絶対に見ない」といった確証はないため、不安が残るのも事実です。中には、興味本位で普段から官報を見ている人がいるかもしれません。周りにそういった人がいる場合は注意したほうが良いでしょう。
なお、個人再生で官報に情報が掲載されるタイミングは以下のとおりです。
- 再生手続き開始決定時
- 再生計画案の決議書面決議または意見聴取のとき
- 再生計画認可決定のとき
上記時に漢方へ情報が掲載されます。掲載される情報はそのときによって若干異なりますが、大まかな内容は以下のとおりです。
- 事件番号
- 債務者の名前
- 債務者の住所
- 管轄の裁判所
- その他、必要事項
債務者の名前や住所が掲載されることにより、闇金業者からDMが届く可能性もあります。個人再生にはそういったデメリットもある点に注意してください。
なお、官報へ債務者の情報を掲載する目的は、債務者に対する罰則や戒めではありません。お金を貸している債権者に対して、「〇〇(氏名)が再生手続きを開始しました」「〇〇(氏名)の再生計画認可決定されました」と知らせるためです。
裁判所や債務者が自ら債権者へ連絡をしません。そのため、債権者は官報などを確認しながら現状を確認し、必要な手続きを進めていくためです。
5:返済額が高額になるケースがある
個人再生は、先述したとおり最低弁済額が定められています。
最低弁済額基準であれば、最低100万円まで借金を減額できます。しかし、清算価値保障原則基準や可処分所得基準の場合、返済額が高額となる可能性があり、デメリットです。
個人再生以外にもさまざまな債務整理手続きはあります。自身の状況に合わせてその他の方法も選択肢に入れたほうが良いかもしれません。
今後の手続きが不安な場合やどうしたら良いかわからない場合は、司法書士などの専門家へご相談ください。
個人再生以外の選択肢
個人再生とは、個人が抱えている債務を大幅に減額する債務整理の1種類です。個人再生には、先ほど解説したとおりさまざまなデメリットがあります。
たとえば、「特定の債務のみを整理したい」や「借金の額が少なく、個人再生をしても減額できる金額が少ないため、他の方法を検討したい」といった人にとって、個人再生はデメリットです。
もし、上記のような悩みを持たれているのであれば、個人再生以外の債務整理も選択肢に入ります。次に、任意整理や自己破産の概要とそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
利息のみをカットする「任意整理」
任意整理とは、特定の債務の利息のみをカットする債務整理手続きです。
たとえば、年率15%で100万円を借りている人が5年で完済しようとした場合、総支払い金額は「1,427,240円」です。元金が100万円で利息が427,240円となります。
お金を借りていたりサービスを受けたりすれば、当然に発生する利息です。しかし、この利息部分をカットすることができる債務整理があります。その手続きが「任意整理」です。
任意整理のメリット・デメリット
簡単に任意整理のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 任意整理のメリットは、以下のとおりです。
- 比較的簡単・スムーズな手続きが可能
- 特定の債務のみを整理できる
- 安価で手続きができる
任意整理は、債権者と直接交渉を行う債務整理手続きです。個人再生とは異なり、裁判所を介する必要がないため、比較的簡単かつスムーズに手続きを進められるのが魅力です。
また、任意整理を司法書士等に相談した時点で、解決するまでは債権者からの取り立てが一時的に止まります。これは、個人再生と同じですが、一度取り立てを止めた上で個人再生と任意整理を比較検討できる点も良いです。
そして、任意整理は特定の債務のみを整理手続きできます。たとえば、消費者金融とクレジットカード、自動車のローンがあったとしましょう。この場合、「自動車は残しておきたいから、債務整理をしたくない」というケースがよくあります。
そういった場合は、消費者金融もしくはクレジットカードのみといった選択をすることができます。自動車ローンは対象にならないため、このまま自動車に乗り続けることができるでしょう。
任意整理後も、数年は新規クレジットカード発行等の審査に通りにくくなってしまうため、合わせて注意が必要です。
任意整理のメリット3つ目は、比較的安価で手続きを進められる点です。
個人再生の場合は、40万円〜50万円程度の費用が発生します。一方で任意整理の場合は、数万円程度で済むケースが大半であるため、経済的な部分でも相談しやすいのがメリットです。
デメリット
- 任意整理のデメリットは以下のとおりです。
- 減額できるかどうかは交渉次第
- 減額できる金額が少ない
任意整理は、裁判所の手続きが必要ありません。債務者(お金を借りている本人)と債権者(お金を貸している側)の双方が交渉を行い、和解を目指す手続きです。基本的には、司法書士などの専門家が間に入って交渉を行い、和解を目指していく流れです。
ほとんどの場合、任意整理の交渉はうまくいきますが、中には交渉に応じないもしくは厳しい条件を提示するといった債権者がいます。そのため、必ずしもうまくいく手続きではない点がデメリットです。
大手消費者金融の中でも、「任意整理は一切耳を傾けない」といった対応のところもあります。具体的な内容は、債務整理を担当している専門家であれば把握しているため、専門家と相談をして整理手続き方法を検討していくと良いでしょう。
任意整理2つ目のデメリットは、減額できる金額が少ない点です。
任意整理によって減額できる部分は、基本的に利息部分のみです。よって、元金部分は必ず残ると思っておいたほうが良いです。個人再生と比較した場合、任意整理の減額幅が著しく低い可能性もあるでしょう。
また、任意整理はあくまでも交渉手続きであるため、債権者次第ではすべての利息をカットしてもらえない可能性があります。たとえば、借入期間が短い人や信用がない人は、一部利息を残す形で和解が成立することもあるため注意してください。
個人再生の場合は、裁判所の判断で減額可能ですが、任意整理は「交渉」である点が大きな違いであり、デメリットです。
すべての債務を免責にする「自己破産」
自己破産とは、債務者が抱えているすべての債務を免責(返済義務を免除すること)にする債務整理手続きです。個人再生とは異なり、原則として一切の債務がなくなるのがメリットです。
自己破産のメリット・デメリット
簡単に任意整理のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 自己破産のメリットは以下のとおりです。
- 原則すべての債務がなくなる
- 官報に掲載される回数が2回で済む
- 費用が個人再生とほとんど変わらない
- ギャンブル等で作った借金も免責可能
自己破産は、非免責債権を除くすべての債務を免責にできる債務整理手続きです。そのため、必ず残債が発生する個人再生と比較して、経済的なメリットが大きい点がメリットです。
なお、自己破産の非免責債権とは、罰金や租税公課(税金等)、損害賠償金などが該当します。非免責債権の基準は、「免責するに相応しくない債務」です。たとえば、何らかの罰金はその人に対する罰であるため相応しくありません。
納税は全国民の義務であるため、免れないのは当然です。また、損害賠償もその人に帰すべき事由があるため、免責にすることはできません。しかし、それ以外の債務は基本的に免責にできるため自己破産の経済効果は大きいです。
2つ目のメリットとして挙げられるのは、官報に掲載される回数が2回で済む点です。個人再生の場合は3回であるため、自己破産のほうが1回だけ少なく済みます。その分、身内等に知られてしまう可能性を抑えられるでしょう。
また、個人が行う自己破産の費用は35万円程度〜であり、個人再生と大きな差はありません。ただし、管財事件(自己破産の種類)として扱われる場合は費用が高額になるため注意してください。
4つ目のメリットは、ギャンブル等で作った借金であっても免責にできる可能性がある点です。多くの人は「ギャンブルで作った借金は免責できない」と考えています。
実際、免責不許可事由として、ギャンブル等で作った借金が記載されているため、免責できないのは事実です。しかし、裁量免責といって、裁判所の判断で免責にできる場合があります。
各事情によりますが、多くのケースでギャンブル等で作った借金でも面積が認められています。そのため、「ギャンブルが原因の借金だから、自己破産はできない…」と諦めるのではなく、まずは専門家へ相談されてみてはいかがでしょうか。
デメリット
自己破産のデメリットは、以下のとおりです。
- 一定期間就けない職業がある
- すべての債務が対象となる
- 財産はすべて換価処分の対象
自己破産手続きを開始し、裁判所から破産手続き開始決定を受けるとその人は「破産者」となります。破産者は、特定の職に就けません。これを「資格制限」と言います。
資格制限は、それぞれの法律で定められており、とても多くの種類があります。万が一、資格制限を受ける職業についている人がいた場合、破産者となっている期間はその業務を行えません。
たとえば、警備員として働かれている人は、資格制限の対象です。この人は、破産者となった時点で資格制限を受けるため、警備に当たることができなくなってしまいます。
しかし、資格制限はいつまでも行われているわけではありません。免責許可決定を受けることにより、復権します。そのため、免責許可決定後はその職に戻っても良いです。
ただ、何らかの事情で免責不許可となった場合は、以下のことがない限りは復権しません。
- 10年経過した時点
- 借金の完済
- 再生計画認可決定
ほとんどのケースで免責許可決定は受けられるため、基本的には破産手続き開始決定から免責許可決定までの期間、と考えておけば良いでしょう。
2つ目のデメリットは、すべての債務が対象となる点です。個人再生の場合は、マイホームに限っては残しておくことができます。しかし、自己破産の場合は、マイホームを含むすべての債務が対象です。
そのため、マイホームを所有している人にすると、自己破産という選択肢はなくなるでしょう。
3つ目は、すべての財産を換価処分しなければいけない点です。個人再生の場合は、清算価値保障原則基準の適用を受ける前提として、財産を残しておけます。
しかし、すべての債務を免責にする自己破産の場合は、一切の財産を残してはおけません。私情で残したい財産があっても不可能です。
もし、財産を隠していた場合は、詐欺破産罪として刑事罰を受けるのみならず免責不許可となる可能性が非常に高いです。財産隠しは、一切のメリットがないため注意してください。
どうしても残しておきたい財産がある場合は、個人再生や任意整理といった債務整理手続きを検討されると良いでしょう。
個人再生が向いている人の特徴
個人再生にはさまざまなデメリットがあります。そのため、任意整理や自己破産といった選択肢の検討も必要です。
しかし、あえて個人再生を選択したほうが良い人、個人再生が向いている人の特徴もいます。最後に個人再生が向いている人の特徴について詳しく解説します。
住宅ローンを抱えている人
住宅ローンを抱えている人は、個人再生による借金の減額を目指したほうが良いでしょう。
債務整理の中で住宅ローンを残しておけるのは、任意整理と個人再生です。この2つを減額できる金額で比較した場合、個人再生のほうが良いです。
そのため、「借金を大幅に減額したいけど、マイホームを手放したくない」といった人は、個人再生を選択すると良いでしょう。なお、住宅ローンを含め、借金の返済が苦しいと感じている人は自己破産も検討したほうが良いでしょう。
残しておきたい財産がある人
残しておきたい財産がある人は、個人再生を選択すると良いでしょう。
財産を残せる債務整理は、任意整理と個人再生のみです。任意整理の場合は、利息分しか減額できないため、大幅な借金の減額を目指している人には向きません。その点、個人再生であれば財産を残したまま、大幅な借金の減額が可能です。
ただし、清算価値保障原則基準により、残した財産の価値が最低弁済額となります。その点だけは十分に注意してください。
自己破産ができない人
自己破産をできない人も個人再生を選択しましょう。
たとえば、資格制限の対象となる職業についている人、何らかの事情で免責不許可となってしまった人などです。
個人再生は細かいルールこそあるものの、自己破産をできなかった人でも借金を大幅に減額できる可能性があります。まずは、専門家へ相談をすることで、詳細を把握した上でどういった手続きが向いているか教えてくれます。
そのため、「自己破産ができるかどうか不安」といった人も、まずは司法書士などの専門家へご相談ください。
まとめ
今回は、個人再生のデメリットについて解説しました。
個人再生は、借金を大幅に減額する債務整理手続きです。必ず借金が残る点や、すべての債務が対象となってしまう点などさまざまなデメリットがあります。
債務整理には個人再生以外の選択肢もあります。今回紹介した内容を踏まえ、自分自身に向いている整理手続きを検討されてみてはいかがでしょうか。
また、「自分に向いている債務整理がわからない…」といった場合は、とりあえず専門家へご相談ください。状況を伺った上で、手続きの詳細をお伝えし、向いている債務整理手続きをご案内してくれるでしょう。