借金の元金が減らない原因とは?元金を効率よく減らして完済する方法を解説します

借金の元金が減らない原因とは?元金を効率よく減らして完済する方法を解説します

毎月の返済額は利息から充当され、利息を超えた部分が元金に充当されます。そのため、「なかなか元金が減らない…」と悩まれている人の多くは、利息を支払い過ぎている可能性が高いです。

では、どのように利息の負担を軽減すれば良いのでしょうか?どのように返済をすれば、効率よく元金を減らしていけるのでしょうか?このような疑問を抱えている方も多いです。

そこで今回は、借金の元金が減らない理由と確実に減らしていけるための対処法、最後には毎月の返済額と完済までの期間がどのように影響しているのかについてシミュレーションを紹介しています。借金の元金がなかなか減らないと悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

借金の元金が減らない3つの理由

元金がなかなか減らない主な原因は以下の3つです。

  • 毎月の返済金額が少ない
  • 借入金額が高くて利息負担が大きい
  • 複数者から借入をしている

元金が減らなければ借金の完済を目指すこともできません。まずは、借金の元金が減らない3つの理由について詳しく解説します。

1:毎月の返済金額が少ない

毎月の返済金額が少ない場合は、なかなか元金を減らすことができません。

そもそも、毎月返済しているお金は利息から充当されて利息を超えた部分が元金に充当されます。そのため、返済金額が少なければなかなか元金を減らすことはできません。

たとえば、年率15%で100万円を30日間借りていた場合、利息のみで12,328円です。仮にあなたが毎月15,000円しか返済しなかった場合、元金に充当される部分はわずか2,672円です。自分の収支で見るとマイナス15000円ですが実際に元金に充当されている金額は3,000円も満たしません。

また、返済後の残高は997,328円であるため翌月はこの金額に対して利息が発生します。同じく15%で30日後に返済したと仮定すると、12,295円が利息になります。仮に、15,000円しか返済しなかっら場合はわずか2,705円しか元金に充当されません。

2カ月で合計30,000円を返済しているにも関わらず、元金に充当されている金額はわずか5,377円です。このように、毎月の返済額が少なければ少ないほど元金を減らすスピードが遅くなり、結果的に元金がなかなか減らないといった現象が起こり得ます。

2:借入金利が高くて利息負担が大きい

借入金利が高い場合は利息の負担額が大きくなる可能性が高いです。たとえば、100万円の借入金を年率15%で借りている場合と20%の場合では、1日あたり139円の差が発生します。仮に、借入期間が30日と仮定した場合は4,170円の差が発生するでしょう。

主に、高金利が適用される原因は以下の通りです。

  • 遅延損害金の発生
  • リボ払い

とくに注意するべきは遅延損害金です。遅延損害金とは、約束の返済日までに支払わなかった場合に請求されるお金です。遅延損害金に伴う金利は、利息制限法や出資法という法律によって最大20%までと定められています。逆に言えば、借入金額に関わらず最大で20%の金利で計算・請求ができるということです。

そのため、支払い期限を超過している場合は、結果的に高額な利息が請求されてなかなか元金が減らないといったことにもなり得るので注意してください。

また、クレジットカードのリボ払いを利用されている方も多いのではないでしょうか。リボ払いは、毎月の支払額が一定になるため、返済計画を立てやすいのがメリットのひとつです。

しかし、借入金額に対する金利が高く、さらに毎月の返済額も少額で良いことからそのほとんどが利息に充当されます。実際、リボ払いを使用している方の大半が「なかなか元金が減らない…」と悩まれているのではないでしょうか。

たとえば、10万円の利用金額に対してリボ払いの支払い金額が毎月3,000円だった場合、仮に年率15%借入日数30日で計算をすると1,232円が利息に充当されてしまいます。その結果、元金充当分はわずか1,768円となるため、なかなか元金が減らない現象が起こり得るでしょう。

3:複数社から借入をしている

複数社から借入をしている方は、金利が高くて支払っている利息金額も高額になっている可能性が高いです。なぜなら、利息制限法という法律によって上限金利を以下のように定められているためです。

借入額が10万円未満の場合 年率20%まで
借入額が10万円以上100万円未満の場合 年率18%まで
借入額が100万円以上の場合 年率15%まで

参考:利息制限法|第1条(利息の制限)

上記金利はあくまでも、ひとつの借金に対する上限であるため複数社から借入している場合は、100万円の借入金で年率18%ということもあり得ます。たとえば、消費者金融A・Bからそれぞれ50万円ずつ借入をしていた場合、それぞれで上限金利の18%を適用される場合が多いです。

結果的に100万円の借入れ金額に対して年率18%という現象が起こり得て、発生する利息金額も高額になるので注意しなければいけません。

本来であれば100万円を超える借入金の場合は年率15%が上限です。仮に、年率15%で100万円を30日間借りた場合、利息金額は12,328円です。しかし、年率18%で100万円を30日借りた場合は、14,794円です。わずか3%の差ですが借入れ期間を30日で見ると2,000円以上の差が発生していることがわかります。

このように、複数社から借入をしている方は金利が高くなっていて支払利息も高額になっている可能性が高いため、借入状況の見直しや必要に応じて対処法を検討したほうが良いです。

借金の元金を効率よく減らすための方法

借金の元金を効率よく減らすためには下記の方法が有効です。

  • 返済金額を増やす
  • 借り換えを検討する
  • 借金の一本化をする
  • 借入可能枠を増やして金利を引き下げる
  • 任意整理で利息をカットする

次に、効率よく元金を減らしていく方法について詳しく解説します。

返済金額を増やす

毎月の返済額を増やすことで元金を効率よく返済することができます。たとえば、年率15%で100万円借りていた場合の総支払い金額や総利息等、返済期間は以下の通りです。

総支払い金額 総利息 返済期間
2,163,337円 1,163,337円 12年1カ月

上記のように返済期間は12年を超え、利息金額も100万円を大幅に超えます。その理由は、借入金額に対する返済金額が少なすぎるため、返済当初はほとんどが利息に充当されるためです。

仮に、同条件(年率15%で100万円の借入れ)に対して、倍額の3万円を返済した場合でみていきましょう。

総支払い金額 総利息 返済期間
1,301,674円 301,674円 3年8カ月

毎月の返済額を倍に増やした場合は、利息や返済期間も半分になるのではないか?と考えていた方も多いのではないでしょうか。しかし実際は、すべてが1/3以下に抑えられています。その理由は、借入れ当初から返済金額を増やして確実に元金を元金を減らしている為です。

実際に、毎月の返済額が15,000円の場合と3万円の場合でどのように元金が減っていくのかについて比べてみましょう。

返済額15,000円の場合

返済回数 残高
1回目 997,328円
29回目 913,246円
58回目 788,864円
87回目 610,537円
116回目 354,877円

返済額3万円の場合

返済回数 残高
1回目 982,328円
9回目 834,387円
18回目  649,181円
27回目 442,069円
36回目 210,455円

上記の通り、1回目から残高に大きな差が発生しています。その後、3万円返済の場合は27回目の返済で元金を半分以上減らしているのに対し、毎月15,000円の返済を続けた場合は29回し払っても10万円すら返済できていません。

このように、毎月の返済金額を増やすだけでも確実に元金を減らしていくことができます。普段の生活を見直して数千円程度でも多めに返済できないか検討されて見てはどうでしょうか。

借り換えを検討する

元金を効率よく返済するために、借り換えを検討されてみてはどうでしょうか。借り換えとは、現在抱えている借金を他社から借り直すことを言います。たとえば、消費者金融Aからの借入金をBに借り換えることを言います。借り換えによるメリットは、借入れ金利を引き下げられる可能性がある点です。

たとえば、消費者金融Aの場合は年率15%だけど、地方銀行Bに借り換えたら年率10%に抑えられるようになったということがあり得ます。仮に、数%程度でも金利を抑えられれば、効率よく元金を減らしていけるようになるでしょう。

実際、年率15%で100万円を借りていて、毎月3万円ずつ返済した場合の返済期間や総支払い金額は以下の通りです。

総支払い金額 総利息 返済期間
1,301,674円 301,674円 3年8カ月

これを借り換えによって年率10%まで金利を引き下げられたとしましょう。

総支払い金額 総利息 返済期間
1,176,396円 176,396円 3年4カ月

わずか5%程度の差ですが総支払い金額や利息は10万円以上減額できる上に、返済期間は4カ月も短縮されます。

借り換え条件や金利の引き下げの詳細は各金融機関によっても異なりますが、一般的には銀行系からの借り換えがお得になりやすいです。また、普段給与を受け取っている銀行の場合は、優遇を受けられる可能性があるのでぜひ、検討されてみてはどうでしょうか。

借金の一本化をする

複数社から借金をされている方は、ひとつにまとめることで金利を引き下げられる可能性があります。

利息制限法の金利上限は先ほどお伝えした通りですが、適用される上限金利はひとつの契約に対するものです。そのため、100万円の借入金に対して年率18%という状況があっても不思議ではありません。

万が一、利息制限法に従えば正常な金利で利息を請求されるような場合、借金の一本化をおすすめします。一本化は、消費者金融等でも相談および契約が可能です。

MEMO
一本化の金融商品は「おまとめローン」という商品名で販売されていることが多いです。大手消費者金融でも取り扱いがあるため、相談をされてみてはどうでしょうか。

現在取引をしている消費者金融などに借金の一本化を相談することで、借入れ可能枠を増枠してくれる場合があります。当然、他社の完済証明書の提出を求められることにはなるため、借入金はかならず返済に充てなければいけません。しかし、結果的に一本化をした借入先によって適用金利が引き下げられる場合があるのでメリットは大きいでしょう。

注意
おまとめローンを利用した場合、その契約は返済専用になるため改めての利用はできません。そのため、おまとめローンを活用するのか、他社の解約を前提として借入れ可能枠を増枠してもらうのかについてよく検討されたほうが良いです。

借入可能枠を増やして金利を引き下げる

借入れ可能枠を増やして金利を引き下げるのも有効です。そもそも、上限金利は利息制限法という法律によって定められているため、借入れ可能枠すら引き上げてしまえば金利を引き下げることができます。

たとえば、借入れ可能枠が100万円以下の場合は年率18%を適用される場合が多いです。しかし、借入と返済を繰り返して信用を積み重ねることで、借入可能枠が100万円以上になり結果的に金利が年率15%になる場合があります。

また、借入先との信頼関係を構築することによって、金利を優遇してもらえる可能性があります。もし、契約期間が長く信頼関係が構築できていると感じている場合は、金利引き下げの打診も併せて検討されてみてはいかがでしょうか。

注意
借入可能枠を増やすことによって金利が引き下げられて、元金を効率よく減らしていける可能性があります。しかし、新たに借入できる金額が増えるということにもなるため、借り過ぎには十分注意してください。

任意整理で利息をカットする

任意整理は債務整理手続きのひとつであり、利息部分をすべてカットして元金のみを原則3年程度で完済できるよう債権者と交渉を行います。

任意整理の注意点として、あくまでも債権者との交渉であるためすべての利息をカットできない場合や、そもそも交渉が成立しない場合が考えられます。また、債務整理であるため個人信用情報にも影響が出る点に注意しなければいけません。

とはいえ、任意整理をすることによって利息の支払いを免れるため、「元金が減らないけど毎月の返済金額を増やすのも難しい…」と感じている人は任意整理を検討するタイミングでしょう。

実際、任意整理によって利息をカットすることで返済期間を大幅に短縮することができます。たとえば、年率15%で100万円借りている場合であって、毎月15,000円の支払いしかできなかった場合は、完済までに12年以上かかり利息金額も100万円を超えることは、先ほどお伝えした通りです。

しかし、任意整理をすることによって毎月の支払額が15,000円でも5年7カ月で完済ができます。また、実際に支払う金額は元金のみの100万円であるため、負担も大きく軽減されることになるでしょう。

【借入金額別】元金を確実に減らすための最低返済額シミュレーション

これまで、元金がなかなか減らない理由や効率の良い減らし方について詳しく解説してきました。次に、実際の借入額別でさまざまな金利を設定して毎月いくらずつ返済をしていくことで、元金を効率よく減らしていけるのか?について解説します。

実際の借入金額に近いところで、元金の減っていく流れをぜひ参考にしてください。

借入金額50万円の場合

まずは、借入金額が50万円の人が効率よく元金を減らしていくための流れについて解説します。

年率18%の場合

50万円の借金を年率18%で借入していた場合、1日あたりの利息金額は246円です。仮に、初回の返済期限が借入の30日後だった場合は、利息金額は7,397円になります。よって、毎月最低でも7,397円以上の返済をしなければ元金を減らすことはできません。

とはいえ、最低返済額ギリギリの8,000円しか返済をできなかった場合は、完済までに15年7カ月もかかります。総支払い金額は1,489,312円となり、利息金額は989,312円と約3倍になるでしょう。

仮に、毎月15,000円〜3万円ずつ返済した場合の返済期間は以下の通りです。

返済金額 支払い期間 総利息
15,000円 3年11カ月 198,327円
2万円 2年8カ月 131,374円
3万円 1年8カ月 79,706円

上記の通り、年率18%で50万円の借金を抱えている人は、最低でも毎月15,000円ずつ返済を継続することで効率よく元金を減らしていけるでしょう。最低返済額のみだと利息しか減らず、「元金がなかなか減らない…」ということになり得ます。

年率15%の場合

50万円の借金を年率15%で借りた場合、1日あたりの利息金額は205円です。仮に、初回返済日が30日後だった場合は、6,164円が利息(最低返済額)になります。その上で、毎月7,000円しか返済できなかった場合は、完済までに15年かかります。また、総支払利息は758,286円にもなります。

よって、50万円の借金を年率15%で借りている人が最低弁済額程度の7,000円しか返済できなかった場合は、なかなか元金が減らずに完済を目指すまでに気が遠くなってしまうでしょう。少し頑張って1万円〜3万円程度を毎月返済していった場合、以下のような返済期間および利息金額になります。

返済金額 支払い期間 総利息
1万円 6年7カ月 289,501円
2万円 2年7カ月 103,248円
3万円 1年7カ月 64,195円

上記の通り、毎月1万円のみの返済だと完済までの期間やそう利息金額が高いと感じる方が多いでしょう。毎月2万円を返済できれば、確実に元金を減らすことができて早期の完済を目指せます。2万円の支出が難しい方でも、1万円ちょっとを返済できれば完済期間も短縮できるでしょう。

年率10%の場合

借金50万円を年率10%で借入した場合、1日あたりの利息金額は136円です。仮に、初回の返済日が30日後だったとすると、4,109円が利息(最低弁済額)になります。最低でも5,000円程度の返済をしたいところですが、返済金額が少額であるため「なかなか元金が減らない」と感じることでしょう。

実際、年率10%で50万円を借りている方が、毎月5,000円ずつ返済した場合、完済までに18年かかります。また、総利息金額は579,238円です。そのため、多少無理をしてでも1万円以上の返済を継続したほうが良いでしょう。

返済金額 支払い期間 総利息
1万円 5年5カ月 149,448円
2万円 2年5カ月 63,000円
3万円 1年7カ月 40,547円

上記の通り、年率10%で50万円に借入金がある方は、最低でも1万円の返済を継続できれば5年5カ月で完済を目指せます。もう少し効率よく元金を減らし、早期の完済を目指したい場合は数千円程度でも追加して返済を検討されてみてはいかがでしょうか。

任意整理で利息をすべてカットした場合

任意整理をした場合は、基本的に利息はすべてカットされます。つまり、借入金に対する金利は0%になります。そのため、1,000円の返済を継続したとしても41年8カ月で完済できるということです。

しかし、実際は3年〜5年程度での完済を求められるため、任意整理をした場合は約8,500円(5年完済の場合)〜約14,000円(3年完済の場合)程度の支払いは求められるでしょう。

8,500円〜14,000円程度の返済の場合は借入金利率によっては完済までに数十年かかる場合があります。その点、任意整理であれば3年〜5年という短期間での完済を目指せるのがメリットです。少しでも「借金の返済が苦しい…」と感じている方は任意整理を検討したほうが良いかもしれません。

借入金額100万円の場合

次に、借入金額が100万円の人が効率よく元金を減らしていくための流れについて解説します。

年率18%の場合

利息制限法という法律によって、借入金額が100万円を超える場合は金利上限が15%以下と定められています。しかし、2社以上から合計100万円を借りている場合は、年率18%が適用される場合があるので注意してください。

年率18%で100万円の借入をしている人は、1日あたりの利息が493円発生します。仮に、30日間借りた場合は14,794円の利息が発生する計算です。そのため、元金を減らすためには最低でも15,000円程度の金額を支払わなければいけません。

ただ、毎月ギリギリの15,000円しか返済しなかった場合、ほとんどが利息に充当されてしまうため元金はほとんど減りません。仮に、年率18%で100万円を借りている人が毎月15,000円しか返済しなかった場合、完済までに40年かかります。総利息金額も620万円という金額になります。

そのため、仮にこの条件で15,000円しか返済できないのであれば、今すぐに任意整理を検討したほうが良いです。いつまで経っても元金が減ることはありません。少しでも返済できる金額を上げられる場合は、以下の期間で完済を見込めるでしょう。

返済金額 支払い期間 総利息
2万円 7年10カ月 862,137円
3万円 3年11カ月 396,689円
5万円 2年 197,815円

年率18%で100万円を借りている方は、最低でも毎月3万円ずつ返済できれば効率よく完済を目指せるでしょう。

年率15%の場合

年率18%で100万園を借りている方も借り換えや借金の一本化によって、年率15%まで引き下げられます。しかし、100万円という借入金額の中で年率15%は比較的高金利です。

実際、年率15%で100万円を借りていた場合は、1日あたりの利息が410円です。借入期間が30日の場合は12,328円です。そのため、毎月最低でもこの金額を支払わなければ元金を減らすことはできません。また、ギリギリの金額(13,000円)のみを継続的に返済した場合は、少しずつ元金を減らせますが完済までに21年11カ月かかります。総支払利息も1,480,507円ととても高額です。

毎月、2万円〜5万円程度返済できた場合の完済期間および利息金額は以下の通りです。

返済金額 支払い期間 総利息
2万円 6年7カ月 579,052円
3万円 3年8カ月 301,674円
5万円 2年 157,936円

上記の通り、最低でも2万円〜3万円程度の返済を継続することで効率よく元金を減らしていけるようになるでしょう。

年率10%の場合

年率10%で100万円を借りた場合は、1日あ273円の利息が発生します。借入期間が30日と仮定すると8,219円になります。毎月、9,000円程度しか返済できなかった場合は、26年2カ月かかって利息のみで1,821,804円という高額な金額が請求されるでしょう。

仮に、毎月2万円〜5万円程度の返済を継続した場合は以下の通りです。

返済金額 支払い期間 総利息
2万円 5年5カ月 298,939円
3万円 3年4カ月 176,396円
5万円 1年10カ月 98,476円

上記の通り、金利が低くなれば毎月の返済金額が少なくても確実に元金を減らすことができ、完済までの期間も短縮されます。無理のない範囲内で返済計画を立ててみてはどうでしょうか。

任意整理で利息をすべてカットした場合

任意整理は元金のみを3年〜5年程度かけて完済をする債務整理手続きです。そのため、毎月約17,000円〜28,000円程度の支払いで完済を目指すことができます。

これまで紹介してきた支払額を捻出できない場合は、任意整理で効率的に元金を減らすことも検討されてみてはいかがでしょうか。

借入金額150万円の場合

次に、借入金額が150万円の人が効率よく元金を減らしていくための流れについて解説します。

年率18%の場合

1社から150万円を借りている場合は、上限金利が15%です。ただ複数社から合計150万円を借りているような場合だと、年率18%ということもあり得ます。たとえば、消費者金融Aから70万円、消費者金融Bから80万円借りているような場合が該当します。

また、150万円の借入金に対して年率18%の金利が適用されている場合、非常に高金利で利息負担もとても重いです。実際、1日あたりの利息金額は739円です。借入期間が30日間だった場合、22,191円の利息が発生する計算です。

つまり、毎月最低でも22,191円の支払いをしなければ元金を減らすことはできません。とはいえ、少しの元金しか返済できなければ返済期間や総支払利息は高額になるでしょう。たとえば、毎月23,000円の返済を継続した場合、完済までに21年6カ月かかります。利息金額も4,413,098円という金額を支払わなければいけません。

そのため、毎月最低でも3万円〜5万円程度の返済は継続したいところです。実際に、その金額を支払った場合の完済までの期間および総支払利息は以下のとおりです。

返済金額 支払い期間 総利息
3万円 7年10カ月 1,293,252円
4万円 4年8カ月 721,003円
5万円 3年5カ月 507,721円

現実的に効率よく元金を減らしていくためには、最低でも4万円程度の返済は継続したいところです。3万円の返済継続でも7年10カ月程度で完済を目指せますが「なかなか元金が減らない…」と感じることが多いでしょう。

年率15%の場合

年率15%で150万円を借りていた場合は、1日あたり616円の利息が発生します。30日間の借入で発生する利息は18,493円です。そのため、毎月最低でもこの金額以上を支払い続けなければ完済はできません。

仮に、毎月19,000円程度の返済をしていた場合、完済までにかかる期間は29年1カ月です。また、利息金額は5,120,896円であり元金の3倍以上の金額を請求されることになります。

そのため、毎月最低でも3万円以上の返済を継続したいところです。もし、3万円以上の返済が厳しいようであれば、金利の引き下げや任意整理といった対処法を検討されたほうが良いでしょう。

返済金額 支払い期間 総利息
3万円 6年7カ月 868,611円
4万円 4年3カ月 536,686円
5万円 3年2カ月 391,756円

少しでも効率よく元金を減らしていきたいと考えている場合は、3万円以上の金額を支払い続けたほうが良いかもしれません。自分の生活状況を考慮した上で、どのくらいの金額を返済するか検討されてみてはいかがでしょうか。

年率10%の場合

年率10%で150万円を借りていた場合、1日あたりで発生する利息金額は410円です。借入期間が30日の場合は12,328円です。そのため、毎月最低でもこの金額を支払わなければ元金を減らすことはできません。また、ギリギリの金額(13,000円)のみを継続的に返済した場合は、少しずつ元金を減らせますが完済までに21年11カ月かかります。総支払利息も1,480,507円ととても高額です。

そのため最低でも3万円〜5万円程度の返済を継続したいところです。実際、この金額を継続的に支払い続けた場合、完済までの期間と総支払利息は以下のとおりです。

返済金額 支払い期間 総利息
3万円 5年5カ月 448,426円
4万円 3年10カ月 306,008円
5万円 2年11カ月 233,301円

年率10%の場合は、比較的低金利であるため毎月の返済金額が3万円程度でも5年5カ月程度で完済を目指すことができます。このくらいの期間で完済を目指せる場合は、目に見えて元金が減っていくでしょう。

任意整理で利息をすべてカットした場合

任意整理をした場合は、すべての利息をカットできるため元金の150万円を原則3年〜5年程度で返済していくことになります。

仮に、3年で完済をする計画を立てた場合は、毎月の支払額は約42,000円です。5年での完済計画を立てた場合は毎月25,000円の支払いで済みます。利息が発生している場合と比較しても毎月の支払額が大幅に軽減される上に、早期の早期の完済も目指せるため「返済が苦しい…」と感じている方は任意整理をご検討ください。

借入金額200万円の場合

次に、借入金額が200万円の人が効率よく元金を減らしていくための流れについて解説します。

年率15%の場合

借金200万円を年率15%で借りていた場合、発生する利息は1日あたり821円です。仮に借入期間が30日だった場合、24,657円の利息が発生します。そのため、毎月最低でも25,000円程度の支払いをしなければ完済は目指せません。

ただ、毎月25,000円しか返済できなければ、元金充当金額は数百円しかないため、完済までに40年かかります。また、支払い金額のほとんどが利息に充当されてしまうため、利息金額は1,000万円になります。借入金額のちょうど5倍の金額が利息として請求されるということです。

そのため、毎月最低でも35,000円以上の返済を継続したほうが良いでしょう。もし、35,000円以上の返済が厳しい場合は、現実的に見て完済は難しいです。早急に任意整理などの対処法を検討したほうが良いかもしれません。

返済金額 支払い期間 総利息
35,000円 8年5カ月 1,529,553円
5万円 4年8カ月 789,895円
7万円 3年 489,779円

年率15%で200万円を借りている場合は、現実的に見ると最低でも35,000円、効率よく元金を減らしていくためには5万円程度の返済が必要になるでしょう。

年率10%の場合

年率10%で200万円を借りていた場合の利息は547円です。借入期間が30日だった場合は、16,438円になります。そのため、毎月最低でも17,000円程度返済できれば、数百円ずつでも元金を減らせるでしょう。

ただ、毎月の返済額が17,000円程度だった場合は完済までに39年6カ月かかります。また、利息金額も6,051,364円かかります。そのため、現実的に見ると毎月35,000円以上の返済は継続したほうが良いでしょう。

返済金額 支払い期間 総利息
35,000円 6年6カ月 727,090円
5万円 4年1カ月 442,908円
7万円 2年9カ月 293,778円

年率10%で借入している場合は、最低35,000円程度でも完済を目指すことができます。

任意整理で利息をすべてカットした場合

任意整理をした場合は基本的に200万円(元金)のみを3年〜5年程度かけて関西を目指すため、毎月の支払額は以下のとおりです。

3年完済の場合は約56,000円、5年完済の場合は約34,000円です。利息が発生している場合と比較して、毎月の返済額および返済期間は大幅に軽減されます。「元金がなかなか減らない…」と悩まれている方は、任意整理を検討されてみてはいかがでしょうか。

借入金額300万円の場合

次に、借入金額が300万円の人が効率よく元金を減らしていくための流れについて解説します。

年率15%の場合

年率15%で300万円を借りている場合、1日あたりの利息は1,232円ととても高額です。借入期間が30日と仮定すると、36,986円の利息が発生する計算です。そのため、毎月最低でも38,000円程度の返済を継続しなければ元金は減りません。

ただ、毎月38,000円を返済したところで、返済当初は元金充当分が1,000円ちょっとであるためほとんど元金は減りません。実際、毎月38,000円のみしか返済できなかった場合は、完済までに29年8カ月かかります。また、総支払利息は10,244,431円という金額がかかります。

そのため、毎月最低でも45,000円ないし5万円程度の返済は継続したいところです。仮に、この金額を毎月返済した場合の完済までの期間と総支払利息は以下のとおりです。

返済金額 支払い期間 総利息
45,000円 12年1カ月 1,490,410円
5万円 9年4カ月 2,579,717円
7万円 5年2カ月 1,323,461円

上記の通り、45,000円〜5万円程度の返済でも完済は目指せます。ただ、完済までの期間が非常に長くなってしまうため、現実的に見ると7万円程度の返済は継続したほうが良いでしょう。

年率10%の場合

年率10%で300万円を借りている場合は、1日あたり821円の利息が発生します。30日間借入していたとすると24,657円が利息金額になります。そのため、毎月最低でも25,000円〜26,000円の返済を継続できれば少しずつ元金を減らしていけるでしょう。

ただ、ギリギリの返済(毎月26,000円)を継続していると、完済までに32年9カ月かかります。さらに、利息金額も7,206,053円という超高額な請求が発生します。

そのため、年率15%の場合同様に最低でも45,000円ないし5万円の返済を継続したほうが良いでしょう。実際に、その金額を継続的に返済した場合の完済までの期間と総支払利息は以下のとおりです。

返済金額 支払い期間 総利息
45,000円 8年2カ月 1,397,206円
5万円 7年 1,176,179円
7万円 4年6カ月 726,859円

元金を確実に減らしていく場合は、最低でも45,000円〜5万円程度の返済が必要です。また、少しでも早く効率よく完済を目指す場合は、毎月7万円程度の完済を継続したほうが良いでしょう。

任意整理で利息をすべてカットした場合

任意整理をした場合は、300万円の借入金を3年〜5年程度で完済をすることになります。よって、毎月の返済額は以下のとおりになります。

3年で完済をする場合約84,000円、5年で完済をする場合は50,000円です。利息が発生している場合と比較して、返済負担額や完済までの期間は大幅に短縮、軽減されます。また、借入金額が大きい分任意整理による効果は非常に大きいです。「元金がなかなか減らない…」と悩まれている方は、任意整理による解決を検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、借金の元金が減らない原因と対処法について解説しました。

毎月返済しているお金は、まず初めに利息に充当されます。利息を超過した分が元金に充当されるため、金利が高かったり毎月の返済金額が少なかったりすると、元金がなかなか減らないという状況になるでしょう。

少しでも効率よく元金を減らしていくためには、借入金利を引き下げることもしくは、毎月の返済金額を増やすことが大切です。いずれも難しいのであれば、任意整理も含めた対処法を検討されてみてはいかがでしょうか。

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