任意整理はデメリットだらけ?知っておきたい影響やよくある勘違いを詳しく解説

任意整理はデメリットだらけ?知っておきたい影響やよくある勘違いを詳しく解説

任意整理は、「債権者と交渉をして借金を減額する債務整理手続き」です。借金を減額するため、当然さまざまなデメリットや影響がでます。そのため、中には「任意整理はデメリットしかない」と勘違いをされている人も多いです。

確かに、何らの影響やデメリットもなしに借金を減額できることはないため、「デメリットだらけ」と思われても仕方ありません。

そこで今回は、任意整理のデメリットのみを詳しく解説していこうと思います。これから任意整理を検討されている人は、今後、自分が受ける可能性がある影響であると考えながら参考にしてください。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

任意整理に伴う7つのデメリット

債務整理の中でも比較的簡単に手続きを行える任意整理は、借金に悩まされている多くの人に選ばれている選択肢です。

任意整理には、他の債務整理にはないメリットがある一方でいくつか注意しなければいけないデメリットがあります。まずは、任意整理に伴う7つのデメリットについて詳しく解説します。

必ず減額できるとは限らない

任意整理は、必ず減額ができるとは限りません。そもそも、任意整理とは「債権者(お金を貸す側)と交渉をして利息等をカットする債務整理手続き」です。

他の債務整理手続きとは異なり、法的手続きではありません。つまり、裁判所を介さないため、強制力がなくあくまでも債権者と債務者(お金を借りている側)との間で行われる交渉次第です。

そのため、債権者は「任意整理に応じない」と言うこともできます。もし、応じてもらえなければ、当然に任意整理は成立せず借金を減額することができません。つまり、「そもそも任意整理を行うことができない」ということが起こり得ます。

中には「どういった条件でも任意整理に応じない」という姿勢をとる業者もいます。また、「〇〇の条件を付加しなければ任意整理には応じない」といった姿勢をとる業者もいるため、その態様はさまざまです。

とくに任意整理に応じてもらえない人の特徴は、以下のとおりです。

  • 取引期間が極端に短い
  • 安定した収入がない
  • 完済できる見込みがない

まず、取引期間が極端に短い場合は、任意整理に応じてもらえなかったり条件が付加されたりします。たとえば、消費者金融等はお金を貸して利息を得て利益をあげています。

そのため、たとえば借入から1度も返済をせずに滞納しているような場合は、消費者金融は1円も儲けがありません。この場合は、任意整理に応じず利息を含めた満額の支払いを請求、もしくは利息を引き下げる形での交渉となるケースが大半です。

その他、安定した収入がない人や一定期間内で返済できる見込みがない人は、任意整理を断られてしまう可能性があります。

減額できる金額が比較的少ない

任意整理は、他の債務整理と比較して減額できる借金額が少ないです。任意整理以外の債務整理と減額できる可能性がある金額は以下のとおりです。

  • 個人再生:最大借金総額の1/10まで減額
  • 自己破産:借金の全額を免責

対する任意整理は、交渉次第ではあるものの良くて利息の全額です。元金は満額残るため、他の債務整理と比較して圧倒的に減額できる金額が少ないです。

毎月の返済額が減るとは限らない

任意整理をすることにより、借金の「総支払い金額」は大幅に減額されます。しかし、「毎月の返済額」で見ると、必ずしも減額されるとは限りません。

たとえば、消費者金融から100万円の借入があり、毎月25,000円の返済をしていたとしましょう。仮に、任意整理による和解交渉が成立して元金100万円を3年(36か月)で完済することになったとします。

上記の場合、毎月の返済額は27,777…円となるため、毎月の返済金額はむしろ高くなってしまいます。任意整理の交渉次第では、こういったことが起こり得ます。

ただし、総支払い金額で見ると任意整理をしたほうがお得です。なぜなら、元金100万円のみの返済で済み、利息の返済が免除されるためです。

つまり、任意整理はあくまでも「総支払い金額を軽減するもの」である点に注意しなければいけません。「毎月の返済額を軽減したい」と考えている人は、大きなデメリットになり得ます。

各種ローン契約の締結が難しくなる

任意整理をすると、各種ローン契約の締結が難しくなります。なぜなら、任意整理をすることによって、個人信用情報にキズがつき、いわゆるブラックリスト入りしてしまうためです。

実際にブラックリストというリストは存在しませんが、個人信用情報にキズがつくことによる影響を「ブラックリスト入り」と表すことがあります。この状態になると、多くの人が認識しているとおり、各種ローン契約等に影響が出ます。

MEMO
各種ローン契約は、100%通らないものではありません。審査を行うのは各ローン会社であるため、任意整理をした事実があっても審査に通る可能性はあります。ただし、一般的には相当難しいのが現実です。

なお、任意整理による影響は、新規ローン契約のみではありません。既存のクレジットカードやローン契約にも影響が出る可能性があります。

たとえば、任意整理は特定の債務のみを整理手続きできるのが特徴です。たとえば、消費者金融AとクレジットカードBを所有していたとしましょう。借金の返済が苦しくなり、Aのみを任意整理したとします。

この場合、当然に消費者金融Aは利用停止・強制解約となり、今後は利用できなくなります。また、Aの任意整理に伴い、新規契約締結も難しくなります。しかし、任意整理を行った時点でBには何ら影響がありません。

そのため、「任意整理をしたけど、今後もクレジットカードBは利用し続けられる」と、考える人も多いです。しかし、多くの場合は途上与信で利用停止、強制解約となる可能性がある点に注意しなければいけません。

MEMO
途上与信とは?
途上与信とは、カード会社や消費者金融等が定期的に顧客の信用情報や利用履歴を確認することを言います。入会審査とは異なりますが、契約中に行われる継続審査と考えれば良いでしょう。

途上与信の結果、顧客の信用情報が著しく悪化していることが発覚した場合は、利用停止や強制解約となる可能性があります。この事実は、各カード会社の利用規約にも記載されているため、ご確認されてみてはいかがでしょうか。

なお、途上与信の結果も必ず利用停止・強制解約となるわけではありません。あくまでも、各社の判断によります。また、「任意整理をした場合は、クレジットカードやカードローンなどの契約を行ってはいけない」などの法律もなく、カード会社の判断によります。

返済できる見込みがなければ利用できない

任意整理は、返済できる見込みがなければ利用できません。任意整理の仕組みは、「債権者と交渉をして元金を3年〜5年以内に完済を目指す」ものです。そのため、元金を返済できる能力がなければ、そもそも任意整理をすることができません。

たとえば、無収入の人や収入が著しく低くて借金の整理を行いたいと考えている人、生活保護を受給している人などが該当します。

上記のような人たちは、個人再生や自己破産といった整理手続きを選択しなければいけません。

(連帯)保証人に残債の請求される可能性がある

借金に保証人もしくは連帯保証人がついている場合は、任意整理をした時点でその人たちに債務が移行する可能性があります。

そもそも、保証人・連帯保証人とは主債務者が借金の返済をできなくなった場合に、主債務者に変わって返済義務を負う者です。そのため、任意整理をした時点で「返済できなくなった」とみなされて債務が移転する可能性があります。

なお、保証人と連帯保証人は以下の点で異なります。

  • 債務の抗弁権
  • 検索の抗弁権
  • 分別の利益

まず、債務の抗弁権とは債権者から保証人・連帯保証人に対して債務の請求が行われた場合、「まずは、主債務者に対して請求を行ってください」と言える権利です。この権利は、保証人にしかありません。

つまり、連帯保証人は請求された時点で返済義務を負い、「まずは、主債務者に対して請求を行ってください」と言うことができません。そのため、主債務者が任意整理をした場合であっても、保証人であれば「主債務者に請求をしてください」と言うことができます。

ただし、最終的に回収ができなくなった場合は、保証人が弁済義務を負うことになるため注意してください。

検索の抗弁権とは、「主債務者の財産状況を確認した上で請求してください」と言える権利です。この権利も、保証人にしかありません。よって、連帯保証人は「主債務者の財産状況を確認した上で請求してください」と言うことができず、弁済義務を負います。

つまり、主債務者が任意整理を行い、保証人に請求が行われた場合であっても、保証人が「主債務者は財産を持っているため、私は払いません」と拒否しても良いです。なお、任意整理を行った主債務者は、財産の処分は必要ありません。

分別の利益とは、保証人が複数いる場合に分別して返済義務を負うことです。連帯保証人の場合は、請求された金額を全額支払わなければいけませんが、保証人であれば分別することができます。

たとえば、主債務者が200万円の借金を抱えており、保証人が2人いると仮定しましょう。保証人であれば、「もう一方の保証人にも半分請求してください」と言うことができますが、連帯保証人の場合は言うことができません。

よって、任意整理を検討している債務に連帯保証人がついている場合は、慎重に検討したほうが良いです。

MEMO
任意整理は特定の債務を選んで手続きを行えます。そのため、保証人等へ迷惑をかけたくないと考える場合は、保証人がついていない債務の整理手続きを検討されてみてはいかがでしょうか。

借金ごとに手続き・費用が発生する

任意整理は、債務ごとに手続きを行います。そのため、複数の債務を任意整理する場合は、手続きや費用がそれぞれ発生します。

たとえば、消費者金融AとクレジットカードB、自動車ローンCの契約をしていたとしましょう。仮に、AとBを任意整理する場合、任意整理にかかる費用は2社分となります。また、手続きの進め方もそれぞれ異なります。

たとえば、手続きを進めていく中でAはスムーズに和解が成立しましたが、Bは和解が成立しなかった、ということもあり得る点に注意してください。

任意整理以外の選択肢とデメリット

任意整理は、借金の利息部分を減額して元金のみを原則3年〜5年程度で完済を目指す債務整理手続きです。任意整理には、先ほど解説したとおり、さまざまなデメリットがあります。そのため、その他の債務整理も選択肢が入る人は少なくないでしょう。

次に、その他の債務整理である個人再生と自己破産の概要とデメリットについても詳しく解説します。

借金を大幅に減額できる個人再生

個人再生とは、借金を大幅に減額できる債務整理手続きです。たとえば、1000万円の借金を抱えている人であれば、1/5である200万円までの減額が可能です。任意整理と比較しても減額できる金額はとても大きいのがわかります。

しかし、任意整理にはなく、個人再生にあるデメリットがいくつかあります。具体的なデメリットは以下のとおりです。

  • 費用が高額
  • 官報への掲載
  • すべての債務が対象になる
  • 原則として所有財産を処分しなければいけない

個人再生に伴うデメリットは上記のとおりです。まず、任意整理と個人再生の費用には大きな差があります。前者は数万円程度〜整理できる一方で後者は40万円前後以上の費用が必要です。

また。個人再生を行った場合は合計で3回、官報(国の広報誌・広告紙)に個人情報等が掲載されてしまいます。官報を普段から閲覧している一般人は少ないものの、知人や家族に知られてしまう可能性は任意整理と比較して高まります。

その他、任意整理は特定の債務を整理できる一方で、個人再生は原則すべての債務が対象となります。たとえば、消費者金融AとクレジットカードB、自動車ローンCを契約していた場合、いずれか1社のみを整理手続きといったことができません。

よって、A・B・Cすべてを個人再生による対象としなければいけません。その結果、自動車ローンCで所有していた自動車は、当然ローン会社に引き上げられてしまうため失ってしまう可能性があります。

また、個人再生を行う場合は原則すべての財産を処分しなければいけません。個人再生の場合は、財産を残しておくことも可能ですが、その場合は清算価値保障原則に従って最低弁済額が増加する可能性があります。

清算価値保障原則とは、残しておく財産の価額が最低弁済額となるものです。たとえば、500万円相当の財産を所有している場合は、最低弁済額が500万円以上となります。そのため、必然的に財産を処分しなければいけなくなります。

上記が任意整理にはなく、個人再生にはあるデメリットです。一方で、減額できる借金の額が任意整理と比較して圧倒的に多い点がメリットです。

借金のすべてを免責にできる自己破産

自己破産は、非免責債権を除くすべての債務を免責(返済義務の免除)にできる債務整理手続きです。債務整理手続きの中では、圧倒的に経済的メリットが大きいですが、以下のデメリットがあります。

  • 費用が高額
  • 官報への掲載
  • すべての債務が対象
  • 原則としてすべての財産が対象
  • 資格制限がある
  • 免責不許可事由に該当すると免責されない

自己破産に伴うデメリットは、個人再生とほとんど変わりありません。任意整理と比較して費用が高額であること、自己破産の場合は合計で2回官報に個人情報が記載されること、すべての債務が対象となることがデメリットです。

さらに、任意整理や個人再生にはないデメリットがいくつかあります。たとえば、自己破産は破産手続き開始決定〜免責許可決定までの間、資格制限を受けます。制限を受ける資格は、各関連法律によって定められおりさまざまです。

具体的には警備員や士業(弁護士・司法書士・税理士など)、生命保険募集人などさまざまな職種の人が該当します。資格制限に該当する場合は、制限を受けている間はその職種に就くことができません。

また、自己破産はすべての人が免責できるわけではありません。免責不許可事由に該当した場合は、自己破産できずに借金は残り続けます。免責不許可事由に該当するケースとして挙げられるのは、ギュンブルや浪費、財産を意図的に隠した場合などが該当します。

MEMO
免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判官の判断で免責にできる「裁量免責」があります。裁量免責が認められれば、借金を免責できるため、免責不許可事由に該当する場合であってもまずは専門家へご相談ください。

任意整理に伴うよくある勘違い

任意整理を行うことによって、利息部分の借金を減額できる可能性があります。

任意整理を検討している人中には、「何ら影響がなく借金を減額できるわけがない」と考えている人も多く、さまざまな勘違いをしてしまっている人がいるのも事実です。次に、任意整理に伴うよくある勘違いについて詳しく解説します。

一生涯ローン契約等ができなくなる

任意整理をすることによって「一生涯、ローン契約等ができなくなる」と考えている人がいます。しかし、これは勘違いです。

任意整理をすることによって、個人信用情報に傷がついてしまいます。結果的に、ローン契約等に影響が出る可能性はありますが、「一生涯」ではありません。

個人信用情報に登録されている情報は、契約終了もしくは完済をしてから5年間です。よって、遅くとも任意整理によって和解し、元金を完済して5年経過した時点で信用情報への事故情報は消えています。そのため、事故情報の原因による影響はありません。

ただし、一定期間ローン契約等がないため、一切の情報が記載されていないいわゆるスーパーホワイト状態になっている可能性があります。ある程度の年齢である人が、スーパーホワイト状態になっていると「過去に債務整理をしたのではないか?」などと警戒されます。

結果的に、審査等へ影響が出る可能性があるでしょう。しかし、任意整理直後よりはその影響は少ないと言えます。

高額な費用がかかる

「任意整理は高額な費用がかかるのではないか?」と勘違いをされている人もいます。

任意整理に伴う費用は、相談をする事務所によっても異なりますが、一般的には1社あたり5万円前後+成功報酬〜です。総額で見ても10万円台で収まるケースが多く、その他の債務整理と比較しても低額です。

ただし、任意整理に伴う注意点として「1社ごとの費用」であることに注意しなければいけません。整理する対象が増えれば増えるほど、費用は高額になります。そのため、まずは自分の借金状況を整理した上で専門家への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。

任意整理をした事実が公表される

「任意整理をした場合、広くその事実が公表されるのではないか?」と勘違いをされている人がいます。

こういった勘違いをされている人が多い理由は、「債務整理」という括りで見ているためです。債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産の3種類ありますが、任意整理を除く個人再生・自己破産は官報によって広く公表されます。

そのため、「任意整理をしても広く公表されるのではないか?」と勘違いをしてしまうのです。

そもそも、任意整理は債権者との交渉手続きであり、裁判手続きを介しません。そのため、官報への掲載はありません。官報へ情報を掲載する目的は、債権者に広くその事実を知らせるためです。よって、法的手続きではない任意整理は関係ありません。

官報には一般人を含め誰でもインターネットや誌面を介して閲覧できるものであり、個人の氏名や住所、事件番号などが詳細に記載されています。そのため、万が一、家族や知人等に見られてしまえばその事実が知られてしまいます。

そういったデメリットがない点は、任意整理のメリットであるとも言えるでしょう。

財産の一部もしくは全部を差し押さえられる

「任意整理をすると、財産の一部もしくは全部を差し押さえられてしまうのではないか」と勘違いをしている人がいます。

任意整理は、債権者との交渉によって借金の減額を目指す債務整理手続きであるため、差し押さえは行われません。ただし、他の債務整理手続きの場合、財産の処分が必要となるため注意しなければいけません。

たとえば、個人再生の場合は財産を残しておくことできますが、清算価値保障原則によって最低弁済額が高額となる可能性があります。そのため、基本的には財産の処分が前提となります。

自己破産の場合は、財産を換価処分するかわりにすべての借金を免責にする債務整理手続きです。よって、原則財産を残しておくことができません。

非正規雇用だと任意整理できない

「非正規雇用者は任意整理できない」と勘違いをしている人がいます。

任意整理は、原則元金のみを3年〜5年程度で完済する債務整理手続きです。よって、上記のような勘違いをしてしまっている人がいます。

安定した収入や支払い能力がなければいけないのは当然ですが、非正規雇用であっても交渉できる可能性はあるため安心してください。ただし、日雇いアルバイトで収入が安定しない場合や、休職中で収入がないもしくは少ない場合は交渉できない可能性もあります。

支払い能力がないことが原因で任意整理できない場合は、個人再生も不可能です。この場合の選択肢は、自己破産のみとなるため事前に専門家に相談をされてみてはいかがでしょうか。

任意整理に伴うよくある質問

任意整理に伴うよくある質問を紹介します。

Q.家族や会社にバレますか?

A.バレる可能性は低いです。

まず、任意整理は他の債務整理手続きと比較して、家族や会社の人にバレるリスクはとても低いです。その理由は、官報への掲載がないためです。

家族や会社の人に債務整理手続きを知られてしまう理由は、官報への掲載や裁判所へ提出する書類準備を行う場合です。任意整理の場合は、官報への掲載もなければ裁判所の手続きも必要ありません。よって、知られてしまう可能性は低いです。

また、司法書士等へ相談をした際に「家族や会社に知られたくない」と相談をしておくことで、配慮してくれます。たとえば、連絡する時間を考慮したり郵送物を控えたりするなどの対応が可能です。

Q.マイカーやローン等に影響はありますか?

A.影響が出る可能性があります。

任意整理をすることによって、個人信用情報に傷がついてしまいます。この時点で、いわゆるブラックリスト入りしている状態となります。

ブラックリスト入りしていると、途上与信(継続審査のようなもの)で引っかかってしまう可能性があるため、注意しなければいけません。もし、途上与信で否決となった場合は、マイカーの引き上げ、ローンの利用停止といったことが起こる可能性はあります。

ただし、実務上は当該ローンを滞りなく返済している場合は、そのまま継続となるケースが大半です。そのため、過度に心配する必要はないでしょう。

注意
任意整理後の各種ローン契約等は、個人信用情報に傷が付いている時点で相当難しいです。100%不可能とは言い切れませんが、ほぼ100%通らないと思っておいたほうが良いでしょう。

Q.任意整理とその他の債務整理、何がもっとも良いですか?

A.人によって異なります。

債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。この中でどの債務整理手続きがもっとも良いのかは、その人によって異なります。その人の借金状況や資産状況、返済能力などを総合的に判断しなければいけません。

そのため「借金を減額したい」や「自分に合った借金の整理方法がわからない」といった人は、初めに専門家への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。

Q.任意整理に伴うメリットは何ですか?

A.任意整理に伴うメリットは以下のとおりです。

  • 特定の債務のみを整理できる
  • 比較的安価
  • 手続きがスムーズ
  • 財産を処分する必要がない
  • 周りに知られることがない

上記のようなメリットがあります。上記はいずれも、個人再生や自己破産と比較した場合のメリットです。これから債務整理を検討されている人は、任意整理のメリットやデメリットを考慮した上で手続き方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

Q.いくらくらいで任意整理はできますか?

A.任意整理にかかる費用は、5万円程度+成功報酬10%程度です。

実際の費用は相談をする事務所によっても異なりますが、平均的な部分で見ると上記のような計算式となります。たとえば、任意整理によって50万円の減額ができた場合は、基本料金+成功報酬の合計額10万円(税抜)となります。

ただし、上記金額は1社あたりの金額であるため、任意整理をする対象が増えれば2倍・3倍と増える可能性があります。この場合、事務所によっては割引されることもあるため、事前に相談先へ費用をご確認ください。

Q.なぜ任意整理が成立するのですか?

A.債権者と交渉を行うためです。

任意整理を行うと、原則利息をカットするため債権者は相当な不利益を受けることになります。本来であれば受け取れるはずであった利益も受けられません。それでもなお、交渉に応じる理由は、「最低でも元金のみは返してもらおう」と考えるためです。

そもそも、債務者が司法書士等の専門家へ相談をして借金の整理を検討している時点で、「債務者は借金の返済が苦しい」という事実が明らかです。そのため、「このまま任意整理に応じなければ、返済できずに踏み倒されてしまうのではないか?」と懸念します。

上記のことから、「最低でも元金だけは返してほしい」と考え、交渉に応じるようになります。

また、債務者が司法書士等の専門家へ債務整理の相談をした時点で、債権者が直接債務者に連絡等をすることが禁止されています。そのため、必然的に債権者対専門家で話し合いをせざるを得ません。結果的に半強制的に交渉をできる状況を作れるためです。

まとめ

今回は、任意整理のデメリットについて詳しく解説しました。

任意整理にはさまざまなデメリットがあります。一方で、他の債務整理にはないメリットがあります。そのため、一概に「任意整理はデメリットだらけ」ということはできません。デメリットとメリットを比較した上で、よく検討する必要があります。

これから債務整理を検討されている人は、今回解説した内容を踏まえ、任意整理にするか他の債務整理にするかを決めていけば良いのではないでしょうか。どうしても悩まれる場合は、専門家へ相談をした上で検討していけば良いでしょう。

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