借金はいくらからやばい?危険な借入額の基準や返済できない場合の対処法を解説

借金はいくらからやばい?危険な借入額の基準や返済できない場合の対処法を解説

借金はいくらからやばいのか?明確な基準はありません。自分自身が「借金の返済が苦しい」と感じたその金額がやばい金額と言えるでしょう。

その金額が10万円なのか100万円なのか、それ以上なのかは各債務者の状況によっても大きく異なります。そのため「〇〇万円以上の借金はやばい」ということができません。

今回は、借金がやばいと感じるボーダーラインや借金の返済が苦しいときの対処法についてお伝えしています。現在借金を抱えており、返済が苦しいと感じている方、このままで返済ができるのか?不安を抱えている方は、これからお伝えすることをぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

借金はいくらからやばい?基準を解説

借金はいくらからやばいのか?明確な基準はありません。強いて、基準を設けるのであれば「自分が借金の返済が苦しい」と感じた時点で相当危険でしょう。

一般的には100万円を超えると危機感を覚える方が多いのではないでしょうか。やはり、6桁の借金と7桁の借金では、「大台に乗ってしまった感」があるため、やばいと感じる方が多い印象です。

しかし、まったく借金をしない方からすれば、「1円でも借金をしていること自体がやばい」と感じる方もいます。つまり、「借金はいくらからやばいのか?」に対する答えの正解はありません。

まずは、一般的に借金がやばいと感じる基準について、下記の通りお伝えします。

  • 「〇〇万円からは危険」という明確な基準はない。自分次第
  • 年収の1/3を超えているとかなりやばい
  • 「返済が苦しい…」と感じているのはかなりやばい
  • 一般的には100万円を超えているとかなりやばい

「〇〇万円からは危険」という明確な基準はない

借金はいくらからがやばいのか?という明確な基準はありません。

たとえば一般的に見て「1億円の借金はやばい」と感じる方が大半でしょう。しかし、企業が設備投資のために行う借金であれば、1億円は当たり前の世界です。

一般個人であっても、住宅ローンを組むために数千万円単位の借金をする方もいます。中には、車を購入するために数百万円の借金を抱えている方もいるでしょう。このように、借金とはいってもどのような借金なのか、誰が借りている借金なのかによっていくらからやばいのか?という基準は大きく異なります。

また、世の中には「絶対に借金をしない」という確固たる意志を持っている方がいます。そのような方からすると、たったの1円でも借金をしていること自体がやばいと感じます。

そのため、人によって「1円でもかなりやばい」と感じる方もいれば、「数億円でもとくに問題はない」と感じる方がいます。

よって、「〇〇万円以下の借金だから安心」とか「〇〇万円以上の借金は危険」などと基準を設けることはできません。強いていうのであれば、自分自身が「借金の返済が苦しい」と感じている場合は危険なラインを超えているということになるでしょう。

年収の1/3を超えているとかなりやばい

借金の危険性で判断をするのであれば、年収の1/3を超えている場合は、とても危険であると判断をしたほうが良いでしょう。

そもそも、総量規制という法律によって、年収の1/3以上の借り入れをすることができません。これは、過度な借り入れから消費者を守るためにある法律です。つまり、法律によって「年収の1/3を超える借り入れは相当危険」と判断をしているわけです。

仮にあなたの年収が440万円なのであれば、140万円を超える借金は非常に危険なラインと判断することができます。ただし、総量規制はあくまでも「貸金業者からの借り入れ」を規制するためのものです。

借金とはいっても銀行のカードローンやクレジットカード、自動車ローンなどさまざまな種類があります。しかし、これらはすべて総量規制の対象にはなりません。つまり、年収の1/3以上の借り入れは危険であると言われているにもかかわらず、実際には年収の1/3を超える借金が可能な状態です。

もし仮にあなたが、クレジットカードやその他の借り入れを含め、年収の1/3を超える借り入れがあるのであれば、相当危険な状態です。

人によって年収は異なるため「いくらからやばい?」とは言い切れません。しかし、年収の1/3といえば、自分の年収を考えればいくらからがやばいのかわかるでしょう。

注意
年収の1/3を超える場合は危険であると判断できますが、年収の1/3以下だから安心・安全ということではありません。年収の1/3以下の借り入れであっても、各世帯の状況次第で危険性は異なります。間違っても「年収の1/3以下だから大丈夫」などと勘違いをしないようにしてください。

「返済が苦しい…」と感じているのはかなりやばい

借金はいくらからがやばいのか?明確な基準はありませんが、借金をしている本人が「返済が苦しい…」と感じている場合は相当やばい状態です。極端な話ですが、借金総額が10万円でも無職になってしまい、返済が苦しいと感じているのであれば相当危険な状態と言えるでしょう。

返済が苦しいということは、借金の返済ができない状態、あるいはギリギリの状態であることを意味します。万が一、このままの状態が続けば、遅かれ早かれ借金返済不能状態に陥るでしょう。

また、現状でギリギリ借金の返済ができている方であっても、下記に該当する方は借金返済不能状態と同じです。

  • 自転車操業状態に陥っている場合
  • 利息の返済しかできない状態

合わせてどのような状態が借金返済不能状態なのか?についてもお伝えします。自分がおかれている状況を考慮し、危険性を把握しておいてください。

自転車操業状態は返済不能状態と同じ

借金ありきで生活をしている方は非常に危険です。とくに、借金を返しては借りてを繰り返す、自転車操業状態は返済不能状態に陥っていると考えて良いでしょう。

そもそも、借金を返済してまた借りる状態が続いていれば、事実上、利息の返済しかできていない状態です。このような状態が続けば、万が一、借金をできなくなった場合に破綻します。

毎月、借金をあてにした生活を繰り返している状態ならば、相当やばい状態と言えるでしょう。早急に対応しなければ、今以上に苦しい未来が待っていることは間違いありません。

利息の返済しかできない場合は返済不能状態

毎月、利息程度の返済しかできていない方は、返済不能状態です。

利息の返済しかできていないということは、債権者をただただ儲けさせているだけの状態です。元金が減らないため、一生、債権者に利息を支払い続ける状態になるでしょう。

「かろうじて返済をできている」と勘違いをされている方がいるかもしれませんが、返済はできていません。利息だけを支払って、債権者からの取り立てを止めているだけの状態です。

今後、生活が改善して元金分も返していける見込みがあるのであれば、利息のみの返済を継続すれば良いでしょう。しかし、今後も返済できる見込みがないのであれば、早急に対処しなければいけません。

一般的には100万円を超えているとかなりやばい!?

借金がいくらからやばいのか、危険なのかについて明確な定義はありません。ただ、桁が変わる100万円を超えていると相当やばいと判断したほうが良いです。実際「100万円の借金がある」という言葉のインパクトはとても大きく感じるでしょう。

とはいえ、自動車ローンを組んでいる方や奨学金を借りている方、住宅ローンを抱えている方の100万円はやばいとはいえません。ここで「やばい」と判断する借金は、あくまでも消費者金融からの借り入れや、クレジットカードの分割払いやリボ払いです。

100万円の借入に対する利息

100万円を超える借金がやばいと言われる理由のひとつとして、高額な利息支払いがあげられます。利息とは、あなたが債権者に対して毎月支払う手数料のようなものです。

契約時にあらかじめ定められた利率によって利息を計算し、支払いをします。そして、毎月返済しているお金は、利息→元金の順番に充当されます。つまり、100万円の借金を抱えている場合は、相当金額の返済をしなければなかなか完済を目指すことができません。

たとえば、100万円の借金を年率15%で借りていた場合、1日で発生する利息は約411円です。1カ月(30日)で発生する利息は約12,328円です。つまり、100万円の借金に対して最低でも12,328円以上の返済を継続しなければいけません。

とはいえ、ギリギリの支払い金額を継続していると、いつまで経っても元金が減らないため完済を目指すことができません。たとえば、あなたが100万円の借金に対して毎月、15,000円しか返済をできなければ、完済までに約12年かかります。

また、総支払い金額は2,161,651円です。よって、利息として債権者に支払う金額は1,161,651円ということになります。実際に借り入れした元金を上回る利息を支払わなければいけません。

このように、100万円を超える借り入れ金額は、生活を圧迫しかねない返済金額を求められてしまいます。非常に危険であり、「借金の返済ができない…」という事態に陥ってしまう方もいるでしょう。

また、100万円の借金を複数社から借りている場合は、利率が18%程度になっている恐れもあるので注意しなければいけません。たとえば、同じ「借金額100万円」でも、1社から100万円借りている方と複数社から合計で100万円を借りている方では、利率に差が発生します。

というのも、利息制限という法律によって、利率の上限を下記の通りに定めています。

借入金額 利率上限
10万円未満 20%/年
10万円以上100万円未満 18%/年
100万円以上 15%/年

参考:利息制限法|第1条(利息の制限)

つまり、1社から借りている場合の利率上限は15%ですが、複数社から借り入れをしている場合は、18%になり得るということです。もしもあなたが、100万円の借金を複数者から借りている場合は、毎月の返済金額や総支払い金額も非常に高額になるでしょう。

借金はいくらからがやばいのか、明確な定義こそありませんが、複数者から合計で100万円を超える借金を抱えている方は、非常に危険な状態と言えるでしょう。

少額借入でも危険!?数十万円の借金でもやばい理由

借金はいくらからがやばいのか?そこに明確な定義はないと、何度もお伝えしています。ただ、ひとつのボーダーラインとして、桁が変わる「100万円」を超えると返済不能に陥る危険性が高まるとのことでした。

では、数十万円程度の借金であればやばくはないのか?といえば、そうではありません。次に、数十万円の借金でも危険な理由を下記の通りお伝えします。

  • そもそも借金をしていること自体がやばい
  • 借金をしなけれヴァいけない時点で生活が破綻している
  • 数十万円のリボ払いはなかなか完済できない

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

そもそも借金をしていること自体がやばい

クレジットカードの通常利用(一括払い)や住宅ローンなどの借金を除く借金は、借金を抱えていること自体が相当やばい状況と言えるでしょう。そもそも、単身世帯で借金を抱えている人の割合は、17.6%、2人以上の世帯で借金を抱えている人の割合は42.9%です。

非常に少数であるうえに、この割合の中には住宅ローンによる借入金も含まれています。実際、借金の理由割合を確認すると、単身世帯で12.5%、2人以上の世帯で66.6%が住宅の取得費として借り入れをしています。

また、日常の生活費として借金をしている人の割合は、借金をしている単身世帯のうち44.9%、2人以上の世帯で13%です。

参考:知るぽると|金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」

つまり、住宅ローンを含む借金をしている人は半数以下、単身世帯に限っては5人に1人以下です。さらに、生活費の補填として借り入れしている人の割合は、借金をしている人のさらに少数であるといえます。

あなたがどのような事情で借金を抱えているかは不明ですが、そもそも住宅ローンやクレジットカードの通常利用以外で借金をしている。この事実が相当やばい状況と言えるでしょう。

実際、上記データをみてもわかるように借金をしている人は少数です。どのような事情があるにせよ、本来は自分が得られる収入の範囲内で生活を行うべきです。

「借金はいくらからやばいのか?」などと考える以前の問題です。「そもそも借金をしていること自体がやばい」と考えておいたほうが良いでしょう。

借金をしなければいけない時点で生活が破綻している

先ほどもお伝えしたように、そもそも借金をしていること自体がやばい状況です。なぜなら、借金をしなければいけない時点で生活が破綻しているためです。

本来であれば自分や世帯が得た収入の範囲で支出を管理して生活をします。そのため、そもそも「生活費が不足する」ということが発生すること自体がやばい状況と言えるでしょう。

とはいえ、さまざまな事情から収入が途絶えてしまったり、減ってしまったりすることがあります。たとえば、病気やケガで収入が著しく減ってしまうこともあるでしょう。中には、自分の欲望に勝つことができずに借金を繰り返してしまう方がいるかもしれません。

さまざまな事情がある中で、借金を抱えてしまう方がいるのは当然です。

ただ、本来であれば収支確認を徹底して、収入の範囲で支出を管理するべきです。たとえ数万円、数十万円の借金であっても「生活費のために借金をした」という事実が相当やばい状況であると思ったほうが良いでしょう。

数十万円のリボ払いはなかなか完済できない

クレジットカードのリボ払いを利用されている方は、たとえ数十万円の借金だったとしても、非常にやばい状況と言えるでしょう。というのも、リボ払いは毎月の支払額が一定になる支払い方法であり、「カードを使い過ぎた」という感覚を感じられません。

また、リボ払いの利率は15%前後であるうえに、毎月の返済額が少ないため、なかなか元金が減らない現象が起こり得ます。

たとえば、リボ払いで30万円利用されていた場合、仮に利率が15%だったとすると、1日あたりの利息は約123円です。返済日が30日後だと仮定すると、約3,698円の利息が発生します。

そのため、あなたが30万円のリボ払いに対して、毎月5,000円程度しか返済できなければ、元金に充当される金額はわずか1,302円です。このような状態が続くと、いつまで経っても完済できません。

とくにリボ払いは、毎月の利用金額にかかわらず支払いが一定になります。そのため、自分がいくら使ったのか?を把握しにくい側面があります。

そのため、ただただ請求通りに返済を続け、何を考えるでもなくいつも通りにクレジットカードを利用する。このような状態が続くと、債務者であるあなたが一生損をし続ける仕組みになるでしょう。

たとえ数万円、数十万円の借金であってもリボ払いを利用されている方は、相当な危機感をもったほうが良いです。

MEMO
リボ払いと分割払いはまったく異なるので注意してください。リボ払いとは、毎月の利用金額にかかわらず支払い金額が一定になる支払い方法です。一方、分割払いとは特定の商品、特定の買い物のみを複数回払いに変更する支払い方法です。

借金返済がやばいときに検討するべき9の対処法

借金はいくらからやばいのか?に明確な基準はない、ということは何度もお伝えしている通りです。なぜなら、「やばい」と感じる借金額はその人の収入や支出、環境、借金の借り入れ状況によって大きく異なるためです。

そのため「借金の返済が苦しいかもしれない…」とか「借金がやばいかもしれない…」と感じている方は非常に危険です。自分で「やばいかもしれない…」と感じているということは、とてもやばい状況です。

そう感じる借金の額が10万円なのか、500万円なのかは人それぞれです。「借金はいくらからやばいのか?」を決めるのは自分自身です。あなたが、やばいと感じているならば、今の借金額がやばい金額と言えるでしょう。

もしも、借金の返済が苦しいと感じているのに今の状況が続くと、最悪の場合には信用情報にキズがついたり強制執行(財産や給料の差し押さえ)をされたりするでしょう。そうならないようにするためには、「やばい…」と感じた時点で早急に対応することです。

次に、借金の返済がやばいときに検討すべき対処法について、下記の通りお伝えします。

  • 借金の内容・理由(原因)を把握する
  • 借金に対する意識を改善する
  • 収支確認を行って返済計画を立て直す
  • 固定費の削減をする
  • 積極的に繰り上げ返済を行う
  • 家族からお金を借りて借金を一括返済する
  • おまとめローンや借り換えを検討する
  • 収入を増やして借金の完済を目指す
  • 司法書士や弁護士に相談をして借金の減額・免責を目指す

借金返済が苦しいときに検討するべき9つの対処法について、詳しく見ていきましょう。

1:借金の内容・理由(原因)を把握する

「借金の返済がやばい…」と感じたときは、真っ先に借金の内容と理由(原因)を把握してください。借金の総額はいくらなのか、なぜ借金をしたのか、このままの状態が続くとどうなるのか?まずは、すべてを考えて紙などに書き出しましょう。

とくに借金の内容を把握する際には下記のことをすべて洗い出してください。

  • 借入先の数
  • 借入先の名称
  • 借入利率
  • 各借入金額
  • 毎月の返済額

不明な点があれば契約書を確認したり、債権者に問い合わせたりすることで把握できます。これらすべては、これからお伝えする対処法の中でもかならず必要となる情報です。

借金を確実に返済するためにも必要になるため、かならずすべてを把握しておいてください。

そして、あなたはなぜ借金をしなければいけなかったのか?について自分自身で考え、把握しておかなければいけません。なぜなら、借金の根本的な原因を把握し、改善する努力をしなければ同じことを繰り返すためです。

「なんとかなる」と思っているかもしれませんが、かならず借金の理由を把握しておかなければ、どのような対処法を行っても失敗します。

たとえば、あなたがギャンブルで借金を作ってしまったとしましょう。「ギャンブルさえやめれば借金は返済できる」と思うかもしれません。ですが、「ギャンブルさえやめれば」というところがポイントになります。

そもそも自分の意思で抑制できる人ならば、借金をしてまでギャンブルを行うことはありません。つまり、「ギャンブルさえやめられない」ため、かならず同じことを繰り返します。

自分が借金をしてしまった原因を知り、見つめ直して改善を図る努力をしなければ、対処法にはなりません。たとえばあなたがギャンブルが原因で借金を作ったのであれば、自分の意思はもちろん、通院による治療も必要になるでしょう。

借金の理由や原因を知り、そのことを止めるための努力を怠らないことも、必要な対処法のひとつです。

2:借金に対する意識を改善する

現状を変えるために、借金に対する意識を改善しましょう。

先ほどもお伝えした通り、そもそも借金を抱えていること自体が普通ではありません。ましてや、借金をして生活費を補填したりギャンブルをしたりすることは、とてもやばい状況です。

もちろん、人によって病気や怪我による収入減など、さまざまな事情を抱えていることでしょう。そのため、借金を抱えている事実に関して、真正面から否定することはできません。

しかし、借金に対するハードルが低くなっているのであれば、意識を改善する必要はあるでしょう。借金はするものではない、と思うことによってどうすれば現状を変えられるか?に意識が向くようにもなります。

3:収支確認を行って返済計画を立て直す

借金状況を改善するために、収支確認の徹底を行ってください。毎月いくらの収入があり、毎月いくらの支出があるのか?について、1円単位まで把握することが大切です。

もしも、収支確認ができないのであれば、現在使用しているクレジットカードの利用を一旦停止することも検討するべきでしょう。

収支確認ができないと、借金の管理ができずにいずれは借金返済不能状態に陥ります。

毎日の買い物や毎月の固定費をすべて1円単位で洗い出し、その月の収入から差し引き、最終的に残った金額を積極的に返済してください。ただし、収支確認を行った結果、借金の返済金額すらも支払えないのであれば、債務整理を検討するべきタイミングです。

現状を知り、正しい借金返済計画を立てるためにも、まずは収支確認の徹底から始めてみてはどうでしょうか。

4:固定費の削減をする

毎月の収支確認を行った結果、どのような結論に至ったにせよ、固定費の削減を目指してください。とくに削減しやすい固定費は下記の通りです。

  • 家賃
  • 携帯利用料金(通信費)
  • 保険料
  • サブスクリプション
  • 車両関係費用

固定費を削減することで、毎月数万円単位のお金が余るようになります。そのお金をすべて、借金返済に充てることで、確実に借金の完済を目指せるようになるでしょう。それぞれ、どのように固定費を削減できるのか?についても詳しくお伝えします。

家賃

家賃相場は、月収の25%〜30%程度以内が理想的と言われています。仮に、あなたの月収が35万円なのであれば87,500円〜105,000円以内が理想です。

とはいえ、多額の借金を抱えており、借金の返済が苦しいと感じているのであれば改善の余地は十分にあるでしょう。少し離れた場所に引っ越すだけでも、家賃を下げたまま同じ広さの部屋を確保できるでしょう。

また、少し妥協をして狭い部屋、立地の悪い場所に引っ越すなどして、固定費の削減を目指しても良いです。

注意
固定費の削減を目的に引っ越し、結果的に余分な交通費等が発生する場合は要注意です。他の部分で固定費が上がる恐れがある場合は、その固定費も考慮したうえで検討するべきでしょう。

携帯利用料金(通信費)

現在では格安スマホなど、多くの商品やサービスが販売されています。携帯電話料金を抑えながら充実したサービスを受けられる商品も多くあるため、比較検討されてみてはどうでしょうか。

また、自分が利用しているサービスと紐づけることで、ポイント還元やお得なサービスを受けられることがあります。その辺りも考慮して携帯電話料金の固定費を削減してみてはどうでしょうか。

保険料

医療保険やがん保険、生命保険などさまざまな保険商品が販売されていますが、借金をしてまで加入する必要はありません。もちろん、最低限の保障を受けられるようにはしておくべきですが、過剰保障になるような保険加入は必要ないでしょう。

何年も保険の見直しをおこなっていない方や、不要な保険へ加入されている方は、改めて見直しをして保険料の削減を目指してみてはどうでしょうか。

サブスクリプション

現在ではさまざまなサブスクリプションが販売されていますが、過去に登録をしたままのサービスがないか確認してみましょう。また、ほとんど利用していないサービスは退会しても良いです。

さらに、家族がサブスクリプションに加入している場合、同じアカウントでサービスを利用できることもあります。改めて不要なサービスはないか?確認されてみてはどうでしょうか。

車両関係費

車両関係費が高額なのであれば、車の乗り換えや駐車場の借り換えを検討するべきでしょう。また、毎日のように自動車に乗られる方は、燃費の良い車への乗り換えも検討してください。

そうすることで固定費を削減することができ、確実に借金の完済も目指せるようになるでしょう。

5:積極的に繰り上げ返済を行う

借金は積極的に繰り上げ返済をすることで、総支払い額を大幅に減額できます。なぜなら、利息を超えた分はすべて元金に充当されるため、効率よく元金を減らせるためです。

そして、利息は元金に利率をかけて計算、請求されるため、元金が少なければ少ないほど利息金額が少なく済みます。そのため、結果的に総支払い金額(利息部分)を大幅に減額できるでしょう。

ボーナスが入った月や、予定以上に余剰金が出た月は積極的に返済をしましょう。毎月、たったの5,000円を繰り上げ返済するだけでも大きな経済効果が発生します。

5,000円程度であれば固定費の削減やちょっとしたアルバイトで簡単に作れる金額です。「借金返済がやばい…」と感じているのであれば、今すぐにできることを行い、積極的に返済を行う努力をしてください。

ここで何も行動をできなければ、何も変えることができません。「借金を完済したい」「現状を打破したい」と思っているのであれば、すぐに行動しましょう。

6:家族からお金を借りて借金を一括返済する

家族や身内など親しい間柄でお金を借りられる方がいるのであれば、借りて借金を返済してしまうのも良いでしょう。なぜなら、家族などの親しい間柄であれば、返済方法も柔軟に対応してもらえる可能性が高いためです。

万が一返済が苦しいときは、相談をすることで猶予してもらえたり、利息をカットしてもらえたりすることがあるでしょう。もしも、借りられる方がいるのであれば、借りて借金をすべて完済してしまいましょう。

注意
家族(個人)からの借り入れであっても、利息を請求された場合は当然支払わなければいけません。しかし、あなたが利息を支払った場合は、利息を受け取った家族が利益を受けていることになるため、所得税や住民税といった税金の納税義務が発生します。「個人だから大丈夫」といったことはないので注意してください。

ただ、家族からの借り入れを夜雨速通り返済できなかった場合は、信頼関係に大きな影響をあたえる恐れがあります。確実に借金を返済できることを前提とし、相談をしてみると良いでしょう。

もし万が一、返済できる見込みがないのであれば、家族から借りるのではなく司法書士や弁護士に相談をして債務整理を検討しましょう。

7:おまとめローンや借り換えを検討する

複数社から借金をしている方や、借金総額が多い方、一般的にみて高金利で借りている方は、おまとめローンや借り換えを検討してください。

おまとめローンとは複数ある借金をひとつにまとめられる金融商品です。借り換えとは、金利の低い金融商品に借り換えることを言います。いずれの金融商品も、今より利率を下げられる可能性があります。

元金は同じでも利率が引き下がれば、総支払い金額や毎月支払う利息の差に大きな差が発生します。

たとえば、100万円の借金を年率15%で借りていた場合は、30日間で約12,328円です。ところが、おまとめローンや借り換えをして、10%まで引き下げられた場合は、約8,219円です。わずか5%の差ですが1カ月あたりの利息差は約4,000円にもなります。

金利の低い商品を発見でき、一桁%まで引き下げられればさらなる経済的メリットが発生します。

ただ、おまとめローンや借り換えはあくまでも金融商品であるため、あなたの個人情報に問題がある場合は利用できない可能性が高いです。しかし、とくに問題がないようであれば、年収の1/3(総量規制)を超える金額でも借り入れは可能です。

きっと、今以上に返済がしやすくなるはずであるため、前向きに検討されてみてはどうでしょうか。

8:収入を増やして借金の完済を目指す

借金を確実に返済するために、収入を増やすのは非常に効率的です。毎日の終業後の数時間、休日の数時間を利用するだけでも数万円程度以上の収入を得られるでしょう。実際に得た副収入のすべてを借金返済に充てることで、確実に借金の完済を目指せるようになるでしょう。

もしも、副収入を得ても借金の返済が苦しいのであれば、さらに収入を増やす努力をしてください。場合によっては、転職を検討しても良いかもしれません。とにかく収入を増やすためにはどうすれば良いのか?について考え、行動することが大切です。

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MEMO
副収入を得た場合には、金額に応じて税務申告や納税義務が発生するので注意してください。「知らなかった」や「面倒くさかった」などといって放置をしていると、追徴課税などのペナルティを受ける恐れがあるので忘れずにかならず義務を果たすようにしてください。

9:司法書士や弁護士に相談をして借金の減額・免責を目指す

借金の返済が苦しいときは、最終手段として司法書士や弁護士に相談をして、債務整理を行いましょう。債務整理をすることによって、今あなたが抱えている借金の一部もしくはすべてを減額できます。

借金を返済できないからといって放置をしていても、債権者からの取り立てに相当なストレスを感じてしまうでしょう。

放置をしていても良いことはまったくないため、最終的にはかならず、司法書士や弁護士に相談をして債務整理をしてください。なお、債務整理には下記の3種類があるため、自分に合った手続きを行ってください。

  • 利息をカットして元金のみを返済できる任意整理
  • 借金を大幅に減額できる個人再生
  • すべての借金の返済義務を免除にできる自己破産

債務整理には多くのデメリットも伴いますが、借金を払えずに放置するよりはマシです。借金の返済が苦しくて、自分の力だけでは改善できない場合には、最後の砦として司法書士や弁護士を頼ってみてはどうでしょうか。

なお、最後の砦ではなく、少しでも「借金の返済が苦しい」とか「このままだといずれは借金返済ができなくなる」「とにかく借金の取り立てを止めたい」などといった理由でも構いません。現状を変えるためにもまずは、専門家へご相談ください。

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まとめ

今回は、借金はいくらからやばいのか?についてお伝えしました。

借金の「〇〇万円を超えるとやばい」という基準はありません。というのも、借金を全くしない、借金をすること自体考えられないという人から見れば、1円の借金でもやばい状況と言えます。一方で、会社単位で見ると数億円を超える借金をするのは当たり前です。

つまり、誰が借金をしているのか?によって、〇〇万円という基準は変わってきます。もちろん、借金を抱えている人の収入や世帯状況、支出などを総合的に判断して危険性を判断することになるでしょう。

そして、今回は金額的な基準こそはないものの、自分が「借金の返済が苦しい」と感じた場合は相当やばいということをお伝えしました。

あなた自身が借金を抱え、「このままでは借金の返済ができない。苦しい…」と感じているのであれば、金額にかかわらず危険です。

借金の返済が苦しいのであれば、本記事最後にお伝えした対処法を参考にしていただき、改善を図る努力をされてみてはどうでしょうか。現状を打破するためには、債務整理の検討も視野に入れたほうが良いでしょう。

今回お伝えしたことを参考にしていただき、自分の借金と向き合い、解決へ向けて尽力されてみてはどうでしょうか。

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