結婚を検討している彼氏に借金が発覚した場合、相当なショックを受けていることでしょう。「借金=悪」と考えている人が多いことから、「このまま結婚を検討していて良いのだろうか?」と考える人も多いでしょう。
お金で苦労するのを避けたい人からすれば、「彼とは結婚をしたいけど、お金の苦労は嫌だな…」と悩んでしまうのも当然です。
結婚をするもしないも当人同士の自由であるため、「結婚をしたい」と前向きに考えているのであれば、借金問題を2人で解決していく方向で考えるべきでしょう。
そこで今回は、彼氏に借金が発覚した場合の対処法や結婚をする際の注意事項などについて詳しく解説します。今後、結婚を検討されているのであれば、本記事で解説している内容をぜひ参考にしてください。
彼氏の借金が発覚した場合の4つの対処法
結婚を検討している相手に借金が発覚した場合、「このまま結婚しても良いのだろうか?」と悩んでしまうこともあるでしょう。また、同時にショックを受けている人も少なくはありません。
もし、結婚を検討している彼氏に借金が発覚したのであれば、一度冷静になり、これから紹介する対処法を検討してください。きっと、解決へ向けた糸口を発見できるでしょう。
借金の件数・金額などの詳細を把握
まずは、借金の件数や金額などの詳細を把握しましょう。具体的に把握すべき事項は以下のとおりです。
- 借入の件数
- 借入先
- 借入先別の金額
- 借入先別の返済金額
どこからいくら借りているのかを初めに把握します。また、毎月の返済金額についても把握しておきましょう。今後、結婚をした際の支出や家計への影響を確認するためです。
結婚を考えているのであれば、2人でよく話し合い上記のことすべてを洗い出しておきましょう。
借金の原因を把握する
次に、借金の原因を把握しましょう。一口に「借金」といっても、今の時代では借金をしていない人のほうが少ないです。
たとえば、クレジットカードの利用や自動車ローンなどなんらかの借金を抱えている人のほうが多いです。とはいえ、「クレジットカードのショッピング枠」を借金と認識して利用している人は少ないでしょう。
そのため、「彼氏の借金が発覚した…」と悩まれている人は、おそらく消費者金融からの借入等なのではないでしょうか。仮に、消費者金融等からの借入であったとしても、「何のためにお金を借りたのか?」を把握しておかなければいけません。
たとえば、彼氏が学生なのであれば学費や生活費で借りざるを得ない状況だったかもしれません。社会人であっても、急な出費等でどうしてもお金を用意しなければいけない状況であった可能性も考えられます。
そのため、「何のためにお金を借りたのか?」について、あらかじめ把握しておく必要があります。
もしかすると、ギャンブルや浪費など今後の結婚を考えざるを得ない事実が発覚するかもしれません。今後の対応を検討するためにも、内容を把握しておくことはとても大切です。
金銭感覚のすり合わせを行う
今後もお付き合いを続け、結婚を視野に入れていくのであれば、金銭感覚のすり合わせも必要です。
借金をしている人の多くは、自分の支出が収入を上回っていることが原因です。なんらかの欲望を抑えられずに借金を抱えているため、その部分を改善していかなければいけません。
そのため、そもそも生活水準が高くなってしまっている可能性があります。たとえば、収入に合わない賃貸物件に住んでいる、普段から外食が多い、日用品等良いものを使っているなど、自分に見合わないものを使って生活している可能性です。
上記のような感覚を持っている人と結婚をすると、経済的な部分で必ず苦労します。また、借金を借金と認識せず、「魔法のカード」のように認識している可能性もあるため注意しなければいけません。
簡単にお金を借りられるため、つい「自分のお金である」と勘違いをしてしまいます。そのため、結婚を考えているのであれば、できるだけ早い段階から金銭感覚のすり合わせを行なっておいたほうが自分たちのためになるでしょう。
借金の解決方法について話し合いを行う
今後、結婚することを検討しているのであれば、借金の解決方法について話し合っておく必要があります。借金の解決方法として有効な手段は、以下のとおりです。
- 返済専用として2人で協力して完済を目指す
- 親などに相談をする
- 債務整理で解決をする
まず検討すべきは、2人で話し合って今後は借金をしないと約束し、完済を目指す方法です。確実に返済をしていけば、数年程度で完済を目指せるはずです。もちろん、借金返済に伴って家計を圧迫することは目に見えています。
しかし、毎月コツコツと返済を継続することで2人の絆も深まっていくかもしれません。また、余裕がある月は積極的な返済を繰り返すことで、早期の完済も可能です。まずは、2人で話し合って完済へ向けた返済計画を検討しましょう。
次に検討すべきは、親に相談をして借金の立て替えを検討してもらうことです。親に良い顔をされることはありませんが、一度リセットをする意味合いから、親に相談をしてみるのも良いでしょう。
最後は、債務整理です。債務整理とは、借金を減額したり免責(返済義務の免除)したりすることで、返済の負担を軽減して完済を目指す方法です。家計への影響、家族への迷惑等を考える人からするともっとも有効な借金解決方法であるといえます。。
債務整理は早期解決の近道
借金解決方法の中でも、債務整理はとくに早期解決が可能です。債務整理の具体的な方法は以下のとおりであり、彼氏自身に合った選択をすることができます。
- 借金の「利息部分」をカットできる任意整理
- 借金を大幅に減額できる個人再生
- 借金のすべてを免責にできる自己破産
いずれの手続きも、彼氏自身に影響が出ます。しかし、影響は長くても10年でなくなります。そのため、今後の長い人生を考えるのであれば、債務整理で確実に借金を完済しておいたほうが良いです。
自分たちで無理をして完済を目指し、挫けてしまえば悪影響が先延ばしになってしまいます。
結婚をして将来は家を買いたい、車を買いたいなどの夢を持っているのであれば、早期に債務整理をして解決しておいたほうが良いです。債務整理による解決をすれば、早ければ5年後、遅くても10年後にはローン等を組めるようになります。
彼氏が借金を抱えたまま結婚するとどうなる?
彼氏に借金があったとしても、考え方次第では結婚ができます。しかし、結婚後も借金が残っていたり、新たな借金を繰り返すような人である場合、さまざまな可能性が発生するでしょう。
次に、もしも借金を抱えている彼氏と結婚したら、どういった影響が発生するのか?について詳しく解説します。
生活が圧迫する可能性
まず、借金がある彼氏と結婚をすると生活を圧迫する可能性が高いです。
そもそも、借金を抱えたまま結婚をすると独身時代に作った借金を返済していかなければいけません。数千円、もしかすると数万円単位のお金を返済に充てなければいけないかもしれません。
結婚をして女性が家計管理を行うとなると、借金によって生活を圧迫し、苦労する未来が待っているでしょう。
仮に、夫婦財布別で生活を送るとしても、彼氏が借金を抱えていることによって女性側の負担が増える可能性が考えられます。いずれにせよ、影響が出るため注意してください。
今後の計画を立てられない
結婚後の計画を立てられない点に注意してください。たとえば、結婚後に子どもを産みたい、マイホームを購入したいなどの夢や目標を持っている人は多いでしょう。しかし、借金の返済をしている間は、支出が多くなってしまうためなかなか計画を立てられません。
ただし、借金をしていても、無理なく確実に返済をできていて早めに完済を見込める場合は大きな影響はないでしょう。そのため、まずは早期の完済を目指しましょう。
信用取引が行えないことによる影響
借金があることを理由に信用取引が行えない、といった影響が出る可能性があります。日常生活で必要な信用取引は、以下のとおりです。
- 携帯電話の割賦契約
- クレジットカード
- 賃貸借契約
- 各種ローン契約
基本的に、「借金がある」という事実のみで影響が出る可能性は低いです。しかし、借金の額が極端に多い場合や多重債務になっている場合、過去もしくは現在進行形で何度も返済に遅れている場合は、影響が出る可能性が高いです。
たとえば、スマートフォンなどの割賦料金を滞納している人は、他社でも契約ができません。結婚後は女性が専業主婦となるケースも多く、男性側の名前で家族分の携帯電話を契約することも多いです。そのため、今後の生活に影響が出る可能性があります。
また、クレジットカードを作れないと基本的にはすべて現金払い、もしくは口座引落しになります。大きな影響はないものの、支払い忘れのリスクが高まってしまう点に注意が必要です。
そして、結婚を機に同棲を開始するカップルも多いでしょう。このとき、やはり男性の名前で契約を締結するケースが多いです。
しかし、最近の賃貸借契約は保証会社による保証を求めるケースが多く、個人信用情報が非常に重要です。もし、個人信用情報にいわゆるキズがあり、保証を受けられなければ部屋を借りることができません。
結婚後や子どもの出生など、さまざまなタイミングで引っ越しを検討する機会があるでしょう。その度に影響を感じることになり得るでしょう。
また、各種ローン契約を締結できない可能性があります。過去や現在に支払い遅延情報がなくても、借入状況が悪ければローン契約が難しいです。とくに、自動車ローンや住宅ローンのような大きな買い物は難しくなるでしょう。
最悪の場合は財産・給与を差し押さえられる
借金を抱えている彼氏と結婚をするということは、今後、財産や給与を差し押さえられる可能性がある点に注意してください。
毎月、確実に返済をしている人であれば、差し押さえられることはありません。しかし、今後、何らかの事情で返済ができなくなってしまう可能性はあり得ます。
たとえば、病気や怪我で長期間入院せざるをえない状況となり、返済が滞ってしまう可能性があります。借金は、いかなる事情があろうとも必ず返済をしなければいけません。
もし、返済できなければ最終的に財産や給料の差し押さえとなる可能性があります。そうなると、著しく家計を圧迫することになります。借金をしているということは、何らかの事情があったときに、差し押さえの可能性があるということであるため、十分に注意しましょう。
借金のある彼氏との結婚は非現実的?今後の注意事項
借金のある彼氏と結婚をすること自体、非現実的ではありません。法律で禁止されていることではないため、当人同士が良いと思うのであれば何ら問題はないでしょう。しかし、いくつか注意しておいたほうが良いこともあります。
次に、借金のある彼氏と結婚をする際に注意すべきことについて、詳しく解説していきます。「結婚を考えている…」という人は、これから解説する注意事項を守ったほうが良いでしょう。
家計管理の徹底
まずは、家計管理の徹底を心がけましょう。
結婚後は、女性側が家計管理を行うことを約束し、徹底的な管理を行います。過去に借金をしていた事実がある男性が家計を管理すると、「不足した場合は借金をすれば良い」といった考えがあるため、同じことを繰り返します。
そのため、女性側が管理を行なったほうが良いでしょう。また、夫婦で財布を別にするといった選択肢もありますが、基本的には生活費として毎月費用をもらい、その中で女性側がやりくりをするなどの工夫をしたほうが良いでしょう。
婚前に借金の清算を行う
彼氏の借金は、結婚をする前に清算をしてしまったほうが良いです。借金を抱えたまま結婚をすると、家計への影響があり、間接的に全く関係のない女性側にも影響が出ます。
婚前に借金の完済が難しいのであれば、債務整理を検討して早期の完済を目指すなどの工夫や努力を検討したほうが良いでしょう。
ローン契約等の影響期間に注意
債務整理等を行った場合、一定期間はローン契約等に影響が出ます。基本的には、完済もしくは整理手続き完了後5年後、もしくは10年後に個人信用情報から事故情報が消えます。
そのため、「結婚をしてマイホームを購入したい」などの目標がある人は、できるだけ早めに整理手続きを行っておいたほうが良いです。
また、個人信用情報から情報が消えると、一切の情報がないクリーンな状態(スーパーホワイト状態)になります。この状態になると、「過去に債務整理等を行ったのではないか?」と懸念される原因にもなり得ます。
とくに、ある程度の年齢の人がクレジットカードも持たず、ローン契約の情報も一切ないとなると、過去の事故を懸念されて審査に通りにくくなります。そのため、クレヒス(利用履歴)を作るためにも、できるだけ早めに復活できる環境を作りましょう。
結婚後によくある3つの勘違い
借金がある彼氏と結婚をすると、妻になる自分にも影響が出るのではないか?と考えている人もいます。確かに、妻となることによって、家計を圧迫するなどの影響が出る可能性はあるでしょう。
しかし、その他の影響はほぼないと考えて良いでしょう。次に、結婚後の影響でよくある勘違いについて詳しく解説します。
婚前の借金も妻になると返済義務を負う
借金を抱えている彼氏と結婚をすると、妻になった自分も返済義務を負うのではないか?と勘違いをされている人がいます。この勘違いの原因は、「夫婦の財産は共有財産である」と言われるためです。
夫婦の財産は共有財産となる点は正しいです。もちろん、財産には借金(日常家事債務)も含まれるため、一見すると正しいように見えます。
しかし、婚前の財産はあくまでも個人の財産として見なされます。これは、本当の財産(預貯金等)のみならず、当然借金も対象です。そのため、彼氏が婚前に作った借金はあくまでも彼氏個人のものであり、妻となる人は返済義務を負いません。
ただし、結婚した後に夫が作った借金であり、その借金の内容が日常家事債務であると認められるときは、妻も返済義務を負います。そのため、結婚後の借金については、十分に注意したほうが良いでしょう。
妻の財産も差し押さえられる可能性がある
婚前に彼氏が作った借金もしくは結婚後に夫が作った借金で、滞納をして差し押さえの対象となったとしましょう。このとき、妻である自分の財産も差し押さえられるのではないか?と勘違いをしてしまう人もいます。
しかし、借金はあくまでも「個人」の問題であるため、妻の財産は差し押さえの対象になりません。たとえば、妻名義の銀行口座に入っているお金や、妻が持っているブランドバックなどは差し押さえの対象にはなりません。
ただし、妻や子どもの口座等に入っているお金であっても、そのお金の出所が夫のものである場合は差し押さえの対象となる場合があります。たとえば、結婚後に妻が専業主婦となった場合で、夫の給料からコツコツとへそくりをしていたとしましょう。
この場合、実質的には夫の財産とみなされてしまうため、差し押さえの対象となることがあるので注意してください。ただし、妻が婚前に貯めた財産や働いて貯めた財産は差し押さえの対象になりません。
妻のローン契約等に影響が出る
夫婦になると、妻側にもローン契約等の影響が出るのではないか?と勘違いをしている人がいます。しかし、妻に影響が出ることはありません。あくまでも、妻のローンは妻の個人信用情報や収入等を総合的に判断します。
ただし、ペアローンを組む場合やクレジットカードの家族カードを発行する場合は、影響が出る可能性が高いです。
まとめ
今回は、彼氏に借金がある場合、結婚をしても良いのか?注意事項はあるのか?などについて解説しました。
彼氏に借金があったとしても、結婚をするか否かは当人同士の自由です。法律で「借金がある場合は結婚を禁止する」と定められているわけでもありません。よって、当人同士が良いと考えれば何ら問題はないでしょう。
しかし、借金があることによって、これからや結婚後にさまざまな影響が出ることが考えられます。そのため、事前にできることを検討し、今回解説した注意事項を踏まえて結婚へ向けた準備を進めていけば良いのではないでしょうか。