借金30万円は自力で返済できる?30万円を完済するための返済シミュレーションの作り方

借金30万円は自力で返済できる?30万円を完済するための返済シミュレーションの作り方

「30万円の借金を返済できるのかな?」と不安に感じている方、安定した収入があれば確実に完済を目指せるので安心してください。

30万円であれば、毎月8,000円程度ずつ返済できれば、5年以内での完済が可能です。

万が一、8,000円程度の返済すらも難しいのであれば、借入状況等に問題がある可能性が高いでしょう。

借りてしまった以上は返済しなければいけないお金であるため、どうにかして完済を目指さなければいけません。

そこで今回は、30万円の借金を抱えて不安な方に向けて、自力での借金完済は可能か?について、返済シミュレーションとともにお伝えします。返済が厳しい方への対処法もお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

30万円の借金は自力で返済できる?

借金総額が「30万円」なら、自力での完済も目指せます。中には「借金の返済が厳しいから…」と言って債務整理を検討される方がいるかもしれませんが、30万円の借金で債務整理をするのはおすすめできません。

まずは、借金30万円は自力で完済できるのか?なぜ、30万円の借金のために債務整理がおすすめできないのか?についてお伝えします。「借金額は少額だけど返済が厳しい」と少しでも感じている方は参考にしてください。

収入がある方であれば確実に完済を目指せる借金額

毎月安定した収入がある方は、しっかりとした返済計画を立てられれば30万円の借金を完済できます。

そもそも、30万円の借金を1か月間(30日)借りたときの利息(年率18%で計算)は「4,438円」です。最低でも5,000円ずつ返済できれば確実に完済が目指せます。

ただ、毎月5,000円しか返済できないのであれば、そのほとんどが利息に充当されてしまうため「元金が減らない…」ということにもなってしまうでしょう。そのため、借金30万円であれば、最低でも毎月1万円は返済したいところです。

今の生活水準の中で、1万円を捻出することすら難しいのであれば、今の生活スタイルを見直してください。少しの節約を意識するだけで、1万円程度であればすぐに捻出できるはずです。

また、現在の収入を上げてしまうのもひとつの手段です。お家で出来る副業も少しずつ増えてきているので、それらを検討してみるのも良いでしょう。

30万円返済のために債務整理はおすすめできない

借金の返済が厳しくなると、つい「債務整理で楽になりたい」と思う方がいるかもしれません。借金問題を解決する手段のひとつとして、債務整理を検討するのはとても有効です。

しかし、30万円の借金を債務整理するのだけは、決しておすすめできません。

その訳は下記の3つです。

  • 経済的メリットがない
  • 債務整理で得られるメリットよりデメリットのほうが大きい
  • 交渉に応じない可能性が高い

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

経済的メリットがない

債務整理には下記の3種類あります。

  • 将来の利息や遅延利息などをカットできる任意整理
  • 借金を大幅に減額できる個人再生
  • 借金を免責(0に)できる自己破産

30万円の借金を抱えている方であれば、どれも魅力的に感じてしまうでしょう。少しでも、借金額を軽減できるのであれば、ぜひ債務整理をしたい!そう思う気持ちはわかります。

しかし、債務整理をするには当然「費用」が発生します。債務整理を弁護士に依頼したときの平均相場は下記のとおりです。

債務整理の種類 弁護士費用
任意整理 1社あたり4万円+減額の10%
個人再生(民事再生) 40万円程度~
自己破産 30万円程度~

個人再生や自己破産を選択すると、費用と借金額が同等もしくは、弁護士費用のほうが大きくなります。仮に、任意整理を選択したとしても、減額できる金額は9万円程度です(借金30万円を年率18%、3年間で完済しようとしたときの利息をカットした場合)。

費用が4万円~ですので、まったくと言って良いほど債務整理をするメリットがありません。

ただ、現在も借金の延滞が続いていて、遅延損害金が膨れ上がっている方や今すぐに取り立てを止めたい方は任意整理が有効です。

借金が少額であることを理由に「債務整理は絶対に無駄」ということはありません。自分の状況次第では、債務整理の依頼を検討してください。

債務整理で得られるメリットよりデメリットのほうが大きい

すべての債務整理に共通しているのが「信用情報にキズがつく」という点です。債務整理後5年~10年程度は、あらたなローン契約等の締結が難しくなるでしょう。

一方で、債務整理をすることによって得られる経済的メリットは、ほんのわずかです。メリットデメリットを天秤にかけたとき。ほとんどのケースでは「メリット<デメリット」になるでしょう。

交渉に応じない可能性が高い

借金30万円を債務整理するのであれば、任意整理一択になるでしょう。ただ、任意整理は債権者との「交渉」なので、少額であることを理由に交渉・和解に応じない可能性が出てきます。

そうなると、選択肢は個人再生か自己破産になりますが、費用を考えればまったくメリットがありません。借金の返済が厳しいのであれば、弁護士へ相談してみるのも良いですが、30万円程度であれば自力で返すほうが良いでしょう。

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借金30万円の返済シミュレーション

これから、借金30万円を確実に完済するためのシミュレーションをお伝えします。毎月、自分がいくらずつなら返済できるのか、毎月◯万円返済したときは完済までに何年かかるのか?利息や総支払金額はいくらになるのか?についてお伝えします。

なお、年率はすべて18%で計算しているため、1か月間(30日)で発生する利息は4,438円です。よって、最低返済額を5,000円に設定しています。毎月自分が返済できる金額に最も近い金額のシミュレーションを参考にしてください。

※返済手数料は考慮せず、元利均等返済で計算しています。

毎月5,000円ずつ返済したとき

30万円の借金に対して、毎月5,000円しか返済できないときはそのほとんどが「利息」に充当されてしまうため、返済期間等が長くなります。

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
5,005円 12年10か月(154か月) 470,770円 770,770円

年率18%で30万円の借金を抱えている方が、毎月5,000円しか返済できなければ、完済までに12年以上の期間が掛かってしまいます。実際に支払う利息も47万円を超えるため、利息負担が非常に大きくなるでしょう。

実際、30万円の借金を1か月間借りたときの利息は「4,438円」であるため、5,000円返済しても、わずか「562円」しか元金に充当されません。返済を続けていたとしても、2か月目は299,438円(562円しか元金に充当されないため)に対して18%の利息が発生するため、5,000円を返済してもわずか「570円」しか元金に充当されません。

この状態がずっと続いてしまうため、返済期間もかなり長くなり、必然的に総利息金額や総支払金額も大きくなるでしょう。30万円の借金に対して、毎月5,000円しか返済できなくても間違いなく完済は目指せますが、状況はかなり厳しいと思っておいてください。

毎月1万円ずつ返済したとき

30万円の借金を抱えているのであれば、最低でも1万円は返済したいところです。仮に、1万円ずつ返済したときのシミュレーションは下記のとおりです。

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
10,216円 3年3か月(39か月) 98,424円 398,424円

毎月1万円を返済できれば、返済金額の半分以上が元金に充当されるため、3年3か月での完済が目指せます。今まで1万円以下しか返済できていなかった方でも、生活スタイルを見直したり副収入を得たりする努力をすれば確実に完済を目指せるでしょう。

無理のない範囲で返済をするのは当然ですが、30万円の借金に対しては最低でも1万円は返済しなければ、現実的な完済は難しいです。

毎月2万円ずつ返済したとき

毎月2万円の返済をできるのであれば、早期の完済も目指せます。

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
20,124円 1年5か月(23か月) 42,108円 342,108円

毎月2万円の返済が可能な方は、約1年半で完済を目指せます。利息金額も4万円少々と良心的です。

ただ、毎月2万円の借金返済が難しい方も多いでしょう。あくまでも自分の生活を優先させたうえで「余裕のある月は多めに返済する」程度に考えておいたほうが良いでしょう。

毎月3万円ずつ返済したとき

毎月3万円を返済できるのであれば、30万円の借金返済に悩む必要はありません。

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
29,788円 11か月 27,668円 327,668円

約1年間は返済に注力し、完済したあとは自分の生活スタイル等を見直し、借金をしなくても生活を送れるようにしていけば良いでしょう。30万円の借金を「簡単に完済できた」と思ってしまえば、いずれ借金地獄に陥る恐れがあります。

30万円の借金に対して約3万円の手数料(利息)を支払っていることを忘れずに、借金は損をするものだと思っておくと良いでしょう。

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借金30万円の返済が厳しいときに検討すべき3つの対処法

借金額が30万円なのであれば、債務整理等は検討せずに自力で完済を目指したほうが良いです。どうしても「借金の返済が厳しい」と感じることがあるのであれば、下記のことを検討してください。

  • 生活スタイルの見直しを行う
  • 収入を増やして完済を目指す
  • 任意整理で利息をカットする

最後に、30万円の返済が厳しいときに行うべき対処法についてお伝えします。先程お伝えしたシミュレーションをもとに、自分がいくらくらいなら返済できるのか?いくらくらい返済できれば良いのか?についても考えながら参考にしてください。

①生活スタイルを見直して毎月の返済額を上げる

借金額が30万円と少額の方は、生活スタイルを見直して返済充当額を少し増やすだけでも変わります。

どれだけ頑張っても5,000円しか返済できない」などと思われている方は、自分の収支を1円単位まで把握できているでしょうか。

毎月の収支を調べて、使途不明金(何に使っているかわからないお金)を把握できているでしょうか。

おそらく、借金の返済が厳しいと感じている方は上記のことができていません。まずは、自分の収入と支出を把握すること。そのうえで「無駄」をすべてカットするだけでも、毎月の返済できる金額に余裕が生まれるはずです。

30万円の借金であれば、毎月の返済額を5,000円→8,000円に増やすだけでも効果は絶大です。

【5,000円返済の場合】

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
5,005円 12年10か月(154か月) 470,770円 770,770円

【8,000円返済の場合】

毎月の返済額 返済期間 総利息額 総返済額
8,049円 4年7か月(55か月) 442,695円 142,695円

毎月の返済額をたった3,000円増やすだけでもかなりの差が発生します。借金の返済が厳しい理由は、自分の生活スタイルが見えていないからでしょう。まずは、洗い出しから始めてみてはどうでしょうか。

②収入を増やして完済を目指す

毎月の収入を増やせば、返済も少しは楽になるでしょう。ただ、多くの方が会社に「給料を増やしてください」と伝えたところで増えません。1,000円でも良いので上げてくださいと伝えて、上げてもらえる方も少ないでしょう。

しかし、自分で毎月数千円程度のお金を稼ぐことはとても簡単です。毎月の返済が厳しい。現状をどうにかしたい。と少しでも思うのであれば、まずは自分が変わっていかなければいけません。

「できないから」と諦める前に、どうすればできるのか?を考え、行動することが大切でしょう。

③任意整理で利息をカットする

借金30万円で債務整理手続きのひとつである、任意整理をするのはあまりおすすめできません。任意整理をすることによって得られるメリットが非常に少ないためです。

ただ、30万円の借金返済ができていなくて、現在も遅延損害金が発生している方は、任意整理をするメリットがあるでしょう。多くの消費者金融等では、遅延損害金を「20%」に設定しています。

つまり、30万円の借金を1年間延滞していれば約6万円の利息をカットできます。

さらに、将来発生する利息もカットできるため、経済的なメリットは10万円を超えるでしょう。状況次第では、任意整理も視野に入れた根本解決であることを覚えておいてください。

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まとめ

今回は、30万円の借金を自力で返済できるのか?について、返済シミュレーションとともにお伝えしました。今回お伝えしたことをまとめると下記のとおりです。

  • 借金額が30万円なのであれば、自力での完済も可能。返済が厳しくてもただちに債務整理を検討することはあまりおすすめできない
  • 借金30万円の返済が厳しいのであれば、まず先に生活スタイルの見直しを行うべき。そのうえで、収入を増やしたり節約をしたりして返済金額を増やせば良い

毎月安定した収入がある方であれば、30万円の借金を自力で確実に完済できます。30万円の借金に対して、毎月1万円の返済しかできなくても、5年以内での完済が目指せます。仮に、8,000円程度しか返済できなくても、5年以内での完済は容易でしょう。

万が一、1万円の返済すらも難しい。生活スタイルの見直しを行ったけど返済ができない。というのであれば、そもそもの借入条件に問題があったはずです。

借りた以上は返済しなければいけませんが、弁護士へ相談して借金問題を解決することも検討してください。

基本的に、30万円の借金に対して債務整理を検討してもあまりメリットは得られません。しかし、少しでも負担を軽減できる可能性が高いので、返済が厳しいなら弁護士へ相談されてみてはどうでしょうか。

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