クレジットカードの一括請求が支払えない!一括返済が難しいときの対処法を解説

クレジットカードの一括請求が支払えない!一括返済が難しいときの対処法を解説

クレジットカードの利用代金を支払えずに滞納していると、2カ月〜3カ月経過したあたりで一括請求をされてしまいます。突然来た一括請求に驚かれている方も多いでしょう。

もし、一括請求を支払えなかったらどうなるのか?一括請求は一括返済しか認められないのか?たくさんの不安を抱えている方も少なくないです。

そこで今回は、クレジットカードの一括請求が支払えないと起こり得るリスクや、一括請求の返済方法についてお伝えします。一括返済が難しい方も、高確率で分割払いにできる方法をご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

クレジットカードの一括請求を支払えないとどうなる?起こり得る4つのリスク

クレジットカードの一括請求が支払えないと、下記のようなリスクが発生します。

  • 信用情報機関に事故情報が掲載される
  • 多額の遅延損害金が発生する
  • 自宅訪問・会社への連絡は避けられない
  • 強制執行により、給料や財産の差し押さえが開始される

概要だけを見てもいまいちピンとこない方も多いでしょう。「クレジットカードの一括請求はなんとなく危険」そう感じている方は多いですが、実際、自分に降りかかるデメリットやリスクを把握されている方は少ないです。

まずは、クレジットカードの一括請求がどれほど危険なのか、今後起こり得るリスクについてお伝えします。

1:信用情報に事故情報が掲載される

クレジットカードの一括請求がきてもなお、返済が難しければ、信用情報機関に事故情報が掲載されてしまいます。通常、クレジットカードの利用代金を支払えず、滞納してしまった場合にも、信用情報にキズがついてしまいます。

しかし、一括請求による事故情報と滞納による事故情報は、まったく違うので注意してください。

単なる滞納による掲載方法は「A・B・C」いずれかのマークが掲載されます(CICの場合)。

CIC入金状況

出典:CIC|入金状況

この後、すぐにでも滞納を解消し、返済を続けていけば「少しマイナスな情報が掲載されている」程度で済むでしょう。しかし、クレジットカードの一括請求は、2カ月〜3カ月を超える滞納によって初めて行われます。

つまり、一括請求が来ている=2カ月〜3カ月以上クレジットカードの利用代金を滞納している。ということになるため、マークではなく【異動】という文字が掲載されてしまい、重大事故として認められてしまいます。

異動の文字は61日以上もしくは3カ月以上の滞納によって掲載されるため、クレジットカードの一括請求タイミングと同じです。つまり、一括請求がきた=異動情報が掲載された。ということになるでしょう。

この【異動】について、各信用情報機関によって掲載方法が異なりますが、意味や内容はまったく同じです。万が一、異動情報が掲載されてしまうと、今後のローン契約等に甚大な影響を及ぼすため、注意しなければいけません。

異動情報は単なるマークとは異なり「重大事故情報」であり、ほとんどのローン会社やクレジットカード会社等が審査で否決します。よって、異動情報の掲載が消えるまでは、各種ローン契約の締結がほぼ100%難しくなるでしょう。

いわゆるブラックリスト入りを指し、この状態から抜け出すためには債務整理から5年経過(10年の場合あり)もしくは、滞納解消から5年経過するしかありません。一方、マークなら連続していない限り、今後のローン契約等にあたえる大きな影響は少ないでしょう。

たとえば、$(約束通り返済されている)マークが続いている中で、1カ月だけA(未入金情報)があったとしても、ほとんどの場合「忘れていたのかもしれない」で済みます。

マーク 危険度 後の影響
A・B・C 連続しない(極端に多くない)限り影響は少ない
異動 ☆☆☆ 異動情報が消えるまでは、ローン契約等がほぼ100%不可能

よって、クレジットカードの一括請求がされた時点で、早めに対処しておかなければ、今後の生活等にも影響をあたえる恐れがあるでしょう。

また、異動情報を掲載されていると、賃貸借契約時に影響をあたえる恐れもあります。最近では、家賃滞納リスクを懸念して、クレジットカード払いや保証会社の保証を義務化している大家・管理会社が多いです。

万が一、クレジットカードも持てず、保証会社の審査にも通らないとなれば、限られた選択肢の中から住居を探さなければいけません。保証会社によっては、信用情報を参照しないところもありますが、保証料が高額になるためデメリットは多いでしょう。

2:多額の遅延損害金が発生し続ける

クレジットカードの利用代金支払いに遅れてしまうと、通常は滞納発生日から遅延損害金が発生します。遅延損害金は、滞納に対するペナルティのようなもので、クレジットカードの場合は14.6%前後で設定されているケースが多いです。

クレジットカード会社の中には、期限の利益を喪失したとき(一括請求が来たとき)から遅延損害金が発生することもあります。どちらにせよ、一括請求が来るまでクレジットカードの利用代金を滞納していたなら、高額な遅延損害金が発生するでしょう。

【人気クレジットカードの遅延利率一覧(ショッピング枠)】

クレジットカード会社 遅延利率/年率 注意事項
楽天カード 14.6% 金利変動の可能性あり
三井住友カード 14.6% 一括請求(期限の利益喪失の時点)時点から請求
dカード 14.5% 遅延損害金は2カ月後に請求
JCBカード 14.6% 支払日の翌日から遅延損害金が発生

仮に、あなたがクレジット利用代金50万円を2カ月〜3カ月滞納し続け、一括請求されてしまった場合、遅延損害金のみで12,000円(60日の場合)〜18,000円(90日の場合)発生します。

遅延損害金は一括請求が支払えない状態のときも発生し続けています。一括での返済が難しいなら、早めに対応しなければ遅延損害金の金額が恐ろしく膨れ上がるでしょう。

なお、クレジットカーのキャッシング枠を利用されていて、一緒に一括請求されている方、遅延損害金は20%(ほとんどのクレジットカード会社)になるので注意してください。

仮に、キャッシングで50万円借りていて、2カ月〜3カ月滞納したときの利息は16,438円(60日の場合)〜24,657円(90日の場合)発生します。遅延損害金はショッピング・キャッシング別々で利息が発生するため、合計28,438円〜42,657円以上が加算されて請求されるでしょう。

MEMO
遅延利息20%は利息制限法に違反しない
通常、利率は借入金額に応じて15%〜20%以内で定めなければいけません(利息制限法)。50万円のキャッシングに対しては最大で18%まで。と定められていますが、遅延損害金は1.46倍(26.28%)まで許されることになっています。よって、遅延利息の20%は利息制限法に違反しません。

参考:利息制限法|第1条(利息の制限)・第4条(賠償額の予定の制限)

3:自宅訪問・勤務先への連絡の恐れ
クレジットカードの一括請求が支払えないことを理由に放置していると、自宅への訪問による取り立てや会社への連絡は避けられません。一括請求を支払えずに悩まれている方の中には、「どうせ分割も無理だし、無い袖は振れないので放置しよう」と思われている方もいます。

しかし、クレジットカード会社も債権を回収するために躍起になります。本人と連絡が取れなければ、直接自宅へ訪問したり、会社へ連絡をしたりすることもあるでしょう。

正直、会社に連絡が来たり自宅まで直接来られたりして、良い気持ちをする方は少ないです。ほとんどの方が「嫌だな…」と思うでしょう。一括請求が支払えないなら、放置をするのではなく、債務整理等の根本的な解決が必要不可欠です。

放置しても状況が改善されるどころか、悪化する一方なので、自分がどのように行動するべきか?今一度考えてみるべきでしょう。

なお、自宅への訪問による取り立て、会社への連絡があっても、債務者(あなた)に対する最大限の配慮は行うので安心してください。ドラマで見るような取り立てを行う業者は闇金(違法業者)くらいです。

クレジットカード会社として営業をしている業者は、決められた範囲で取り立てを行うので安心してください。万が一、取り立て時に怖い思いをした。嫌な思いをした。という事実があるときは法律の専門家に相談してください。

取り立て行為は貸金業法という法律によって厳しく定められています。債務者を脅したり怖い思いをさせたり、直接金銭を要求する行為があったときは違法です。警察は原則民事不介入なので、暴力行為等無い限りは介入しません。

何かあったときは、法律の専門家に相談すれば良い。介入して助けてくれる。ということも合わせて覚えておくと良いでしょう。

参考:貸金業法|第21条(取り立て行為の規制)

4:強制執行(給料や財産の差し押さえ)を開始される

クレジットカードの一括請求が支払えないと、最終的には強制執行が行われます。強制執行とは、強制的にあなたの財産を差し押さえることを言い、対象は金融資産等に限らず給与債権も対象です。

万が一、あなたの口座等を差し押さえてもなお、債権のすべてを回収できなければ、給料の差し押さえも始まります。給料が差し押さえられてしまえば、当然会社にもクレジットカードの滞納や一括請求の事実がバレます。

「さすがにそこまでするクレジットカード会社は少ないのではないか?」と思われている方も多いですが、よほどでは無い限り強制執行をするでしょう。

中には、消滅時効を目指している方がいるかもしれません。しかしその実情はとても難しいです。安易的な考え方をしていると、かならず痛手を追うことになるでしょう。

強制執行までの流れは3ステップ

強制執行が開始されるまでの流れは下記の通り、わずか3ステップです。

ステップ 起こること 期間
1(滞納開始〜) クレジットカード会社からの督促 滞納日から
2(督促状無視〜) クレジットカード会社から一括請求 滞納から2カ月〜3カ月
3(一括請求支払わない〜) 法的手続き(強制執行の準備・強制執行)の開始 一括請求後2カ月〜3カ月(カード会社により異なる)

上記の通り一括請求が来ている方は、法的手続き(強制執行)間近です。万が一、クレジットカード会社が法的手続きに移行すると、下記の流れで強制執行に至ります。

  1. 裁判所から「督促状」が届く
  2. 裁判所から「仮執行宣言付督促状」が届く
  3. 債権者から差し押さえ可能になる

つまり、一括請求の次の段階である法的手続きに移行されてしまうと、強制執行開始まで時間がありません。

また、法的手続き開始後に強制執行を回避したいなら、債務整理手続きを検討するしかありません。とは言っても、法的手続きに移行している時点で、任意整理という選択肢はほぼなくなります。

なぜなら、この後、強制的に財産を差し押さえできる手続きを開始しているため、交渉に応じる必要がないからです。法的手続き移行前なら、任意整理という選択肢も残されているでしょう。

クレジットカードの一括請求が支払えないなら、早めに対応したほうが自分のためになるでしょう。

強制執行の影響は甚大なので要注意

強制執行によって起こり得るリスクは下記の通りです。

  • 給料の差し押さえによって会社に滞納事実がバレる
  • 裁判所等から書類が届いて同居家族に心配をかける・バレる
  • 口座を一時的に凍結されてしまう
  • 財産を差し押さえられる

給料を差し押さえられてしまうと、第三債務者である会社に書類が届きます。内容は、あなた宛に支払う給料の一部を債権者(クレジットカード会社)に支払ってください。というもの。ほぼ100%、会社に借金滞納の事実がバレてしまうでしょう。

また、自宅へも裁判所からの書類等が届きます。差し押さえが決定すれば、債権差押通知書が届くでしょう。家族に心配されたり、不安な思いにさせたりしてしまいます。

また、強制執行が開始されると口座内の預貯金等も差し押さえの対象になるため、銀行系のクレジットカードを持たれていた方は要注意です。たとえば、楽天銀行一体型クレジットカード等を持たれていた方は、強制執行と同時に口座が凍結します。

万が一、携帯料金や給料受け取り等の指定口座にしていた場合、引き落としができない、引き出すことができないなどのトラブルが発生します。そうなる前に、口座の変更等を行わなければいけなくなるでしょう。

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クレジットカードの一括請求は一括返済のみ?分割払いへの変更は不可能?

クレジットカードの一括請求が来た時点で、原則は一括返済のみです。ただ、一括請求が来るまで滞納していた方のほとんどが、一括返済はできないでしょう。

では、どうすれば良いのか?一括返済もできない。だけど、一括返済をするしかない。あなたに残された選択肢は、債務整理一択でしょう。このまま放置していても状況が改善されるわけではありません。

次に、なぜ一括請求=一括返済なのか?債権者へ交渉したところで無駄に終わってしまうのか?についてお伝えします。

一括請求後は原則、一括返済のみ

クレジットカードの一括請求をされてしまった時点で、原則一括返済をするしかありません。なぜなら、期限の利益の喪失をしているからです。

あなたが一括請求されているクレジットカード契約締結時、契約書の中にかならず「期限の利益の喪失」に関する事項が記載されていたはずです。おそらく、ほとんどの方が流し読みをしているため「?」と思われているでしょう。

MEMO
期限の利益の喪失とは
あなたがクレジットカードを利用しても、その利用代金の支払いは毎月決まった日にちで良いことになっています。これは、クレジットカードを利用されている方なら当たり前のことですが、「期限の利益」によるものです。

要するに、「即時決済ではなく、決まった日時に決まった金額支払ってくれれば良いよ!」という信用取引。契約書では、「万が一債務者に契約違反があったとき、もしくは返済が遅れたときは期限の利益を喪失できる」との記載があります。

「期限の利益の喪失=あなたに対して残債の一括請求」です。期限の利益を喪失する理由として、クレジットカード会社の契約に違反したり、支払いに遅れてしまったりしたことが挙げられます。

たとえば、クレジットカード会社の1つ、楽天カードでは期限の利益の喪失について下記のように記載しています。

第21条(期限の利益喪失)
1.会員は、次のいずれかに該当する場合には、何らの通知、催告を受けることなく当社に対する一切の未払債務について当然に期限の利益を喪失し、その債務全額を直ちに支払うものとします。
(1) 会員が1回払のカードショッピング又はカードキャッシングを利用した場合において、当該支払金の支払を1回でも遅滞した場合。(但し、カードキャッシングの利息については、利息制限法第1条第1項に規定する利率を超えない範囲内においてのみ効力を有します。)
(2) 商品や指定権利の購入又は役務の受領取引において、会員が支払日に分割払の分割支払金、ボーナス払の支払分又はリボルビング払の弁済金の支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかった場合。
(3) 商品や指定権利の購入又は役務の受領でない取引及び割賦販売法第35条の3の60第1項に該当する取引において、会員が分割払の分割支払金、ボーナス払の支払分又はリボルビング払の弁済金の支払を1回でも遅滞した場合。
(4) 会員が自ら振出し若しくは引受けた手形、小切手が不渡りになった場合、又は一般の支払を停止した場合。
(5) 会員が差押、仮差押、保全差押、仮処分の申立を受けた場合。(但し、信用に関しないものは除く。)
(6) 会員が滞納処分又は銀行取引停止処分を受けた場合。
(7) 会員が破産手続開始、民事再生手続開始、特別清算開始、会社更生開始の申立を受けた場合、又は自らこれらの申立をした場合。
(8) 会員が債務整理のための和解、調停等の申立を受けた場合、又は自らこれらの申立をした場合。
(9) 当社が会員について債務整理のため弁護士等に依頼した旨の通知を受けとった場合。
(10)会員が購入した商品(権利を含む)の質入、譲渡、賃貸その他当社の所有権を侵害する行為をした場合。
(11)当社が会員資格を取消した場合。
2.会員は、次のいずれかに該当する場合には、当社の請求により当社に対する一切の未払債務について期限の利益を喪失し、その債務全額を直ちに支払うものとします。
(1) 会員が本規約上の義務に違反し、その違反が本規約の重大な違反となる場合。
(2) カードの債務とは異なる会員の債務の保証を当社がしているときに、当社が保証先に保証の中止若しくは解約の申入れをした場合又は保証先から保証債務履行の請求を受けた場合。
(3) 相続が開始した場合。
(4) その他会員の信用状態が著しく悪化した場合。
(5) 会員が当社の発行するカードを複数所持している場合において、その1枚のカードについて本条に記載した事項のいずれかに該当する事由が生じた場合。

引用元:楽天カード|カード会員規約

実際、カードを契約する際に滞納や一括請求を想定されている方はいません。ほとんどの方が流し見もしくは読んですらおらず、上記の内容を理解されていないでしょう。

すべてのクレジットカード会社では、上記のように期限の利益の喪失(一括請求)に関する事項を記載しています。そして、上記内容に納得をして契約締結している以上、一括請求=一括返済一択です。

なぜなら、あなたが自分で「万が一のことがあった場合には貴社に一括で返済をします」ということに了承して、サイン(契約締結)をしているからです。実際、その状況になったときに「聞いていません」とか「知りませんでした」は通用しません。

一括請求された時点で交渉は難しい

一括請求をされたあともわずかな可能性に賭けて、債権者に相談される方もいます。実際、相談して分割になるケースも珍しくはありません。しかし、個人が債権者に相談をしてうまくいくケースは、下記に該当していることがほとんどです。

  • 取引履歴が長く、債権者から少なからず信用がある
  • 誠心誠意対応していた実績がある
  • 一括請求が来た時点で直ちに対応をした

クレジットカードの一括請求は、今まで再三の督促を受け取っていたのに放置をしていた結果です。クレジットカード会社からすれば、あなたに対する信用は一切ありません。

その中で、債権者と交渉を行うなら自分が持つ手札が必要です。まったく何もない状態なら、門前払いを受けることになり得るでしょう。

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一括請求では支払えない!分割支払いに変更できる方法とは?

クレジットカードの一括請求が来た時点で、原則一括返済しか認められません。あなたが、クレジットカード会社に相談をしても、手遅れである可能性が高いです。

とは言っても、「一括返済ができるほどの資力があるなら、一括請求が来るまで放置はしていない」というのが債務者の本音でしょう。

一括返済はできないけど分割払いも認められない。払えないものは払えない。八方塞がりでどうすれば良いのか?と悩まれている方は多いです。

どうしても一括返済が難しいなら、唯一、高確率で分割払いにできる「任意整理」を検討すれば良いでしょう。万が一あなたが、分割払いの返済も厳しい状況に置かれているなら、任意整理以外の債務整理を検討してください。

次に、クレジットカードの一括請求が支払えないときの対処法、分割払いへの変更方法についてお伝えします。

任意整理なら分割払いへの変更が可能

任意整理なら高確率でクレジットカードの一括請求を分割に変更できます。任意整理は債務整理手続きの一種であり、弁護士等の専門家が債権者(クレジットカード会社)と交渉を行い、借金の減額(利息分程度)+分割払いに変更できるよう持ちかけます。

一括請求された時点で原則、一括返済しか認められない借金がなぜ、任意整理によって分割払いに変更できるのか?それは、弁護士や司法書士を介入させることによる効果と言えるでしょう。

まず、債務者(あなた)が司法書士や弁護士に任意整理を依頼すると、債権者はあなたに借金の請求・取り立てをできなくなります(貸金業法21条取り立て行為の規制)。つまり、債権者(カード会社)は嫌でも弁護士や司法書士の話を聞くしかありません。

そして、債権者は少しでも債権(借金)を回収するために、和解交渉に応じざるを得ない状況に陥ってしまうのです。

債権者は、クレジットカードの契約者であるあなたに直接請求できないため、和解しなければ借金を回収することができません。逆に言えば、ある程度の譲歩をしたうえで和解条件を飲み込めば、債権を回収できるのです。

これが任意整理によって一括請求を分割に変更できる仕組みです。

もし、この交渉がうまくいけば、あらゆる利息をカットできる可能性もあるため、経済的なメリットが大きいのも特徴。たとえば、滞納によって発生した遅延損害金や、今後発生し得る利息をカットして、元金のみの返済を続けていけるようになるでしょう。

その後、残った元金は原則3年以内(長くても5年以内程度)で返済を続けていくことになります。

ただし、任意整理はあくまでも交渉手続きです。クレジットカード会社が「任意整理には応じません!」という態度だと、任意整理による分割支払いは難しいでしょう。

ただ実際は、ほとんどのクレジットカード会社で任意整理に応じます。細かい和解条件等は、担当する専門家の腕次第と言っても過言ではありません。任意整理に強い弁護士や司法書士へ依頼すれば、自分の利益になり得るでしょう。

MEMO
和解条件は債務者の状況にもよる
和解条件は債務者と債権者の関係によっても大きく異なります。たとえば、契約後間も無く滞納・一括請求されてしまった方は、とても厳しい和解条件(分割期間が短い・利息のカットが少ない等)を提示されるでしょう。

個人交渉は応じてもらえない可能性が高い

「任意整理(交渉)でもうまくいくなら、個人交渉でも分割にできるのではないか?」と思われている方がいるかもしれませんが、現実は難しいでしょう。

クレジットカード会社も「一括請求前」なら、分割払い等の相談に乗ってくれた可能性は十分にありました。しかし、一括請求されてしまうまでカードの利用代金を滞納していたなら、あなたに対する信用は一切ありません。

そのような状況で、あなたがカード会社に「分割払いを認めてもらえませんか?」と相談しても、とても難しいです。カード会社によっては、ダメもとで相談してみる価値もありますが、確実に分割を目指すなら専門家へ相談してください。

分割払いも難しいならその他の債務整理を検討

病気やケガ、失業等によって大幅に収入が減少し、たとえ分割払いに変更してもらっても返済が難しいという方は、任意整理以外の債務整理を検討してください。

債務整理の種類

任意整理
一括請求されたクレジットカードの残債を分割払いに変更できる手続き。交渉次第で利息のカットが可能
個人再生
借金の返済が難しいことを裁判所に申し立て、すべての借金を最大で100万円まで減額してもらう法的手続き。残った借金は原則3年程度で返済計画(再生計画)を立てる
自己破産
借金の返済が困難であることを裁判所に申し立て、クレジットカードの一括請求を含むすべての借金を免責(免除、0にしてもらうこと)する手続き

分割払いの返済が難しいなら、思い切って自己破産を検討してください。裁判所が認めれば、あなたが抱えているすべての借金をなくせます。

「借金を0にしてもう一度リスタートしたい」そう考えている方は、弁護士や司法書士等の専門家へご相談ください。

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債務整理以外に一括請求を解決する方法

「クレジットカードの一括請求は払えないけど、債務整理は避けたい」そう考えている方は、下記の方法を検討してください。

  • ダメもとでクレジットカード会社へ相談
  • 不用品の処分で返済資金を工面
  • 家族等に相談して返済資金を工面
  • 契約者貸付制度の利用を検討

結果的に債務整理で解決をしたほうが一括請求に対応しやすいでしょう。しかし、どうしても債務整理だけは避けたい。そう考えられている方も少なからずいます。

最後に、債務整理以外にクレジットカードの一括請求を解決する方法はあるのか?についてお伝えします。

ダメもとでクレジットカード会社へ相談

一括請求が届いている時点で、カード会社に分割の相談をしても応じない可能性のほうが高いです。ただ、少しの可能性にかけてダメもとで相談してみる価値はあるでしょう。

債務者(あなた)の取引実績等を踏まえた結果、もう一度チャンスをもらえる可能性があるかもしれません。

ただし、クレジットカード会社が法定手続きに移行もしくは移行準備をしていると、一切交渉に応じないのがほとんどです。法的手続き移行後は、任意整理による交渉ですらも応じないクレジットカード会社が多いので注意してください。

その理由は、強制執行によって債務者の財産を強制的に回収できる見込みがあるからです。本当に返済されるかどうかわからない残債を改めて、分割払いにさせるメリットが債権者にはありません。

ダメもとでクレジットカード会社に相談をするなら、とにかく早め早めの行動が大切です。万が一、個人交渉に応じなければ、早い段階で任意整理も検討してください。手遅れになってしまえば自分の選択肢がどんどん少なくなっていくだけです。

金額次第では不用品の処分で資金を工面

数十万円程度の一括請求なら、不用品の処分で資金を工面できる可能性があります。たとえば、ブランド品や自分が所有者になっている車など。「何かあったときのために…」と思って貯めてある貯蓄があるときも、一括返済を優先してください。

ただ、クレジットカードの一括請求金額が高額だと、不用品売却での全額返済は難しいでしょう。

残債の一部でもまとめて返済できれば、債権者と交渉できる余地が出てくるかもしれません。たとえば、クレジットカードの利用代金50万円を一括請求された方が、20万円をまとめて支払い、残りは分割にできませんか?と相談をする方法です。

債権者としてもあなた(債務者)の誠意が見えるため、交渉に応じてくれる可能性は高いです。ただ、和解条件は厳しくなる恐れもあります。余程の事情がないなら、任意整理等を専門家へ相談したほうが良いでしょう。

経済的メリットや分割払いの交渉等を考慮しても、債務者目線で見れば任意整理の効果は絶大です。

家族に相談して資金を工面する

本来、借金を返済するために新たな借金を抱えるのは絶対におすすめしません。ただ、クレジットカードの一括請求金額が少なかったり今すぐにでも一括返済しなければいけない事情があったりするときは、どうにかして工面するしかありません。

一括請求が来ている時点であなたの信用情報には「異動情報」が掲載されているため、消費者金融等の借り入れはほぼ100%不可能です。そうなると、唯一借りられる場所は家族や友人等でしょう。

家族に叱咤されながらも、頭を下げ続けて返済資金を工面し、一括返済を目指してください。

ただその後、返済が難しくなれば家族関係の悪化にも繋がりかねません。無理のない範囲で返済計画をたて、相手にしっかり理解してもらうよう心がけてください。また、家族間であっても借用書の用意だけは忘れずにしておくことをおすすめします。

生命保険加入者は貸付制度の利用を検討

いわゆる貯蓄型の生命保険に加入されている方は、契約者貸付制度を利用できる可能性があります。この制度は、解約返戻金の8割程度を上限に借り入れができる制度です。

契約者貸付制度のイメージ

出典:契約者貸付制度(現金貸付) – 大同生命

生命保険契約の解約返戻金は、契約期間や契約内容によって、数百万円単位になっていることも珍しくはありません。クレジットカードの一括請求を返済できる程度の貯蓄があってもおかしくはないでしょう。

また、契約者貸付制度はあくまでも「貸付制度」ですが、最悪返済できなくなっても大丈夫です。保険契約は終了してしまいますが、現在のように一括請求をされたり、厳しい取り立てを受けたり、信用情報に事故情報が掲載されたりしません。

ただし、生命保険の支払い方法をクレジットカード払いにされていた方は、カードの強制解約と同時に支払いが滞っています。そう言った方は、保険会社が解約返戻金の中で立て替えを行っているため、解約返戻金の額が減少している可能性もあります。

思うように資金の準備ができなかったり、契約者貸付制度の利用ができなかったりなどのトラブルもあり得ます。まずは、保険会社へ相談されてみてはどうでしょうか。

MEMO
契約者貸付制度は貯蓄型保険なら可能
契約者貸付制度は、生命保険に限らず貯蓄型保険なら対応していうケースがほとんどです。最近では、医療保険やがん保険でも貯蓄型商品が販売されています。いわゆる掛け捨て方ではない限り、利用できる可能性があるので、保険証券を確認したり担当者に相談したりされてみてはどうでしょうか。
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まとめ

今回は、クレジットカードの一括請求が来るとどうなるのか?分割払いへ変更はできるのか?についてお伝えしました。

クレジットカードの利用代金を支払えずにいると、2カ月〜3カ月経過後に一括請求が来ます。一括請求=一括返済のみであるため、原則分割払いにはできません。

しかし、多額の資金を一括で返済できる方は、そもそも滞納はしていないでしょう。どうしても支払いが難しいなら、今回お伝えした債務整理等を視野に入れながら、根本的な解決を目指してください。

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