借金の督促電話を無視するとどうなる?放置することで起こり得る5つのリスクとは

借金の督促電話を無視するとどうなる?放置することで起こり得る5つのリスクとは

借金の滞納をしていると、債権者から借金返済を求める督促電話がかかってきます。正直「電話に出たとことで支払えないよ…。無視してしまおう」と思っている方は、少なくないはずです。

もしかすれば「○月○日(数日後)には支払えるから、それまでは一切無視しておこう」と思っている方がいるかもしれません。

借金の返済は当然しなければいけませんが「無い袖は振れない」のが本音でしょう。返済したくてもないものはない。電話に応対したところで、払えないものは払えないから放置する。これに徹する方が多いのも事実です。

しかし、多くの債権者では支払えない事情等を相談することで、一時的に支払いの猶予をしてくれたり、借金返済の新たな提案をしてくれたりします。

この記事では、借金の滞納によってかかってくる「督促の電話」無視するとどうなるのか?についてお伝えするとともに、どうしても借金の返済が厳しいときに実行すべき、督促電話の対応方法についてお伝えしています。

現時点で借金督促の電話がかかってきている方や、借金返済の目処が立っていない方はぜひ参考にしてください。

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この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

借金の督促電話を無視するのはNG!起こり得る5つのリスク

借金の督促電話を無視していると、下記のようなことが起こり得ます。

  • ①自宅宛に督促状が届く
  • ②自宅まで借金の取り立てに来られてしまう
  • ③借金の一括返済を求められる
  • ④強制執行により財産を差し押さえられる
  • ⑤信用情報にキズがつく

通常、借金の返済に遅れてしまうと、登録先の電話番号へ電話がかかってきます。当初は、引き落とし(もしくは直接の返済)の確認ができていませんが、お忘れではないでしょうか?のような内容の電話です。

このときすぐに「支払いを忘れていました。すぐに支払います」と伝えれば、すぐに問題が解決します。

しかし、債権者からの電話等に一切反応しなければ、債務者本人と連絡を取る手段が限定されてしまうため、上記のようなデメリットが発生するでしょう。まずは、借金の督促電話を無視し続けているとどうなるのか?についてお伝えします。

①:自宅宛に督促状が届く

借金の滞納が始まって以降、債務者本人と連絡が取れないときには、登録された住所宛に借金返済を求める督促状が送付されます。

通常、債権者から債務者に対して郵送物を送付することは少なく、やむを得ず送付するときは債務者本人に確認を取るのが一般的です。とくに最近では、郵送物でのやりとりを0にしたままお金を借りたり返したり、クレジットカードを発行したりできるようになっています。

その大きな理由は、債務者本人の情報を守るためです。たとえ家族であっても、借金をしている事実を隠しておきたい方は少なくないでしょう。債権者として、できる限りの配慮をすべき、郵送物は必要最低限にしています。

そのため、あなたが借金の返済を滞納してしまっても、まずはあなたの個人電話番号へ確認の電話をします。滞納後数日であれば、債権者としても「もしかして、返済日を忘れていたのかな?誤認していたのかな?」と思えるため、あまり強くは出てきません。

しかし、再三の電話を放置し続けていると「この債務者はわざと無視をしている」もしくは「何らかの事情で携帯を確認できていないのかもしれない」と思うため、別の手段を用いて、あなたに対して支払いを促します。

自宅に督促状が届いてしまうと、家族に借金の事実や借金を滞納していることがバレてしまう可能性が高いです。

とくに、家族に内緒のままで借金をされている方は、家庭に多くの影響をあたえる恐れがあるので注意してください。

②:自宅まで取り立てに来られる

債務者に対して電話で督促をし、郵送物で督促をしてもなお一切の反応がないときは、最終手段として自宅へ訪問します。

債権者としても、電話に出てしっかり対応してくれるのであれば、そのままで済ませたいのが本音です。しかし実際には、電話のみで対応してくれない方が多いため、郵送物で支払いを促します。

電話や郵送物を用いてもなお、一切の反応がなければ様々な状況を鑑みて、あなたの自宅宛に取り立てに行くでしょう。順番としては「電話」→「郵送物」→「自宅への取り立て」です。

自宅へ取り立てに来られてしまうと、周囲からの目が気になってしまいます。自分が特別悪いことをしているわけではないのに、周囲の人に嫌な目で見られてしまう可能性も考慮しなければいけません。

ただし、債権者の取り立てすべてが許されるわけではありません。あなた自身が少しでも怖い思いをしたり、近所に迷惑をかけたりする行為は絶対に許されません。

万が一、あなたや近所に迷惑をかけるような債権者が現れたときは、迷わず警察もしくは弁護士へ相談してください。

参考:e-gov|貸金業法(第21条)

③:借金の一括返済を求められる

借金の督促電話を無視し続けていると、最終的には借金の一括返済を求められます。

通常、借金の返済は分割払いが認められています。これは「期限の利益」を有しているためです。たとえば、あなたが100万円の借金を抱えていたとすれば、毎月○万円の返済で良いですよ。とするのは、債務者本人が有する期限の利益によるものです。

しかし、一度でも約束を破ってしまう(返済日に遅れる)ことで、債権者側は債務者に対して期限の利益の喪失を主張することができます。

期限の利益を喪失することで、本来認められていた分割払いの権利を失います。

よって、一括請求がされてしまった時点で返済方法は一括払いのみです。借金をする際に交わした契約書の中にはかならず「期限の利益の喪失」に関する事項が掲載されているため、一括請求に不満な方は確認してください。

参考:e-gov|民法(第136条・第137条)

④:強制執行により財産を差し押さえられる

再三の督促電話を無視し続けていると最終的には強制執行をされてしまいます。強制執行が開始されると、債務者本人が持つ財産がすべて差し押さえの対象なり、換価処分されてしまうでしょう。

換価性の高い預貯金から順番に差し押さえされ、まず初めに「銀行口座の凍結問題」が発生します。各種料金の引き落とし口座に指定されている方は、未払金が発生する恐れがあるので差し押さえが開始されたときは注意してください。

そして、預貯金を差し押さえてもなお借金の回収が難しいときは、債務者の給与も差し押さえます。借金をしている事実や借金を滞納している事実が会社にバレてしまうため、自分が会社にいづらくなるなどのことが発生し得るでしょう。

なお、給与を差し押さえるときは最大で「手取り金額の1/4まで」と定められています。仮にあなたの手取り給与が20万円なら、差し押さえをしても良いのは5万円までです。そして、借金の完済までしばらくの間差し押さえは継続することになるでしょう。

※手取り給与が44万円を超えている方は、33万円を超えた部分がすべて差し押さえの対象になります。生活が一変する可能性が高いので注意してください。

参考:裁判所|差押可能な給料の範囲

⑤:信用情報にキズがつく

借金の返済に数日程度遅れてしまうだけで、督促の電話がかかってきます。このときすぐに対応していれば、信用情報への事故情報掲載は避けられるでしょう。

しかし、再三の督促を放置し続け、借金の返済も行わずにいると信用情報に異動情報が掲載されてしまいます。

異動情報とは、いわゆるブラックリストのことを指し、滞納解消後も一定期間ローン契約の締結ができないなどのことが起こり得ます。

異動情報が掲載される時期は約束の返済日から61日もしくは3カ月経過したときです。つまり、61日以上督促電話を無視していると、ブラックリストに入っている可能性が非常に高いと思っておいてください。

なお、61日未満の滞納であっても「約束の返済日に返済がなかった」として、マイナスな情報が掲載されてしまいます。今後のローン契約等にも少なからず影響を与える恐れがあるので注意してください。

参考:CIC|信用情報開示請求書の見方

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借金の督促電話に対する正しい対処法は?

借金の督促電話がかかってきたときはつい「どうせ支払えないから…」と思って放置してしまう方がいるでしょう。しかし、督促電話を無視していると多大な影響が発生するとのことでした。

では、督促電話がかかってきたときはどのように対応すべきなのか?その答えは下記の2つです。

  • かならず電話に出る(出られないときは折り返す)
  • 借金の返済が難しいときは弁護士へ相談しても良い

次に、督促電話に対する正しい対処法についてお伝えします。

かならず電話に出る(折り返す)

いますぐに借金を返済できる目処が立っていなくても「支払う意思」を見せることはとても大切です。しかし「電話に出たら返済を求められるのではないか?」と不安を抱えている方が大半でしょう。

借金の返済ができないにも関わらず電話に出る意味があるのか?と思われている方も多いはずです。実際、電話に出たり折り返したりすれば、借金の返済を求められます。しかし、債権者もない袖を無理に振らせようとはしません。

いますぐに支払えないならいつなら支払えるのか?分割なら支払えるのか?どうすれば支払えるのか?など、債務者に可能な範囲で寄り添い返済を求めます。

多くの方が思っているような「何がなんでも絶対に返済しなさい」などと言われることはほとんどありません。何らかの事情で返済できない理由があるなら、電話に出て正直に話すことも大切です。

借金の返済が厳しいときは弁護士に相談を

借金の返済が厳しいときは弁護士へ相談することも検討してください。詳しくは後述しますが、債務整理という方法を利用すれば、電話での督促を止められるのみならず借金の減額も可能です。

借金の返済が厳しいときや債権者と返済に関する話がまとまらないときなどは、積極的に弁護士へ相談されてみてはどうでしょうか。債務者に寄り添った借金の解決方法を提案してくれます。

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借金の督促電話を止めるためにはどうすれば良い?

借金の督促電話はしつこいです。あなたが電話に出るか借金の滞納を解消しない限りは何度でも電話がかかってくるでしょう。そんなしつこい電話を「いますぐに止めたい」と思われている方は下記を参考にしてください。

  • 借金の滞納を解消する
  • 債務整理で借金の根本的な解決を図る

最後に、しつこい督促電話を止める方法についてお伝えします。

借金の滞納を解消する

借金の滞納を解消すれば、当然督促の電話を止められます。とは言っても、返済から入金確認までの間にタイムラグが発生している恐れがあるため、返済直後は電話がかかってくることがあります。

ただこのときは、電話に出て「○月○日に支払いが済んでいます」と伝えれば、その後の電話による取り立て等を止められます。

もちろん、電話を止める目的で返済をしていないのに返済をしましたなどと言うのは絶対にやめてください。思わぬトラブルに発展する可能性もあるため、実際に返済が済んだときのみ、その旨を伝えてください。

債務整理で借金を根本的に解決する

借金の返済が厳しい方は、債務整理で根本的な解決を図るのも有効です。債務整理には下記の3種類ありますが、いずれの手続きでも弁護士や司法書士等へ相談した時点で一切の督促を止められます。

  • 将来の利息等をカットできる「任意整理」
  • 借金を大幅にカットできる手続き「個人再生」
  • 借金を免責(0円に)できる「自己破産」

貸金業法では債務者が弁護士や司法書士等に債務の解決を依頼した時点で、取り立てをしてはいけないと定めています。

つまり、債務者であるあなたが弁護士に債務整理を依頼することで、債権者はあなたに電話出の督促を含む一切の取り立てができません。

通常は、弁護士が債権者宛に送る「受任通知」で介入を認識し、取り立てを止めます。しかし実際にはあなたが債権者に対して「〇〇法律事務所に相談しています」と伝えるだけで、取り立てを止められます。

いますぐに電話を止めたいけど、借金の返済をできるお金がないと悩まれている方はまず弁護士へ相談されてみてはどうでしょうか。

弁護士費用の準備が難しい方は、法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、費用立替も可能です。債務者が費用面で不安を抱え、弁護士に相談できない。などのことが起きないように準備されています。安心して弁護士へご相談ください。

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まとめ

今回は、借金の督促電話を放置したらどうなるのか?についてお伝えしました。今回お伝えしたことをまとめると下記のとおりです。

  • 借金の督促電話を放置し続けていると、多くのリスクやデメリットが発生する。良いことはひとつもなく、自分で自分の首を絞める結果になるので要注意
  • 借金を返済できる見込みがなくてもとにかく「電話に出る、折り返す」ことがもっとも大切。どうしても電話に出たくないのであれば、弁護士へ相談するのが良い
  • 借金の督促電話を止めるためには滞納を解消もしくは、弁護士などの専門家を介入させるしか方法はない。いますぐに電話を止めたいけど、返済できる資力がないならとりあえず弁護士に相談してみるのも良い

借金の滞納が始まると、数日程度で返済漏れに関する確認の電話等がかかってきます。「電話に出ても支払えないから」と言って放置してしまう方もいますが、督促電話を放置しても良いことはひとつもありません。むしろ、多くのリスクやデメリットが発生してしまいます。

督促電話がかかってきたときはしっかり電話に出て対応し、事情があるときにはその事情を説明することお大切です。どうしてもいますぐ借金の返済をするのが難しいなら、返済日を確約することで待ってもらえる可能性もあります。

どうしても返済ができず、今後も借金の返済をできる見通しが立っていないのであれば、弁護士へ相談して借金の根本解決をしてください。

督促に関する電話は非常にストレスです。いますぐに電話を止めたいと思われている方がほとんどかと思いますが、正しい方法・手段で確実に督促を止める努力をしてください。

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