「リボ払いでも過払い金が戻ってくるって本当?」「よくリボ払いで決済しているのでお金が戻ってくるなら助かる」など、リボ払いの支払いで苦境に立たされている人にとっては、過払い金返還請求は救世主のようなもの。過払い金で増えつづけたリボ残債を解決できるなら、ぜひとも過払い金返還請求に踏み出したいと考えるのは当然のことです。
ただ、リボ払いについて過払い金返還請求をするためには、いくつかクリアすべきハードルが存在します。つまり、誰でもリボ払いで発生した過払い金を取り戻せるというわけではないということです。
そこで今回は、リボ払いで過払い金が発生する場合の条件や、リボ払いについて過払い金返還請求をする際の手続きの流れ・注意点について分かりやすく解説します。あわせて、過払い金返還請求ではリボ残債の返済を解決できない場合の対処法についても紹介するので、リボ払いで苦しい家計状況に追いこまれている人は最後まで参考にしてください。
目次
- 1 リボ払いで過払い金返還請求する5つの条件
- 2 リボ払いで過払い金返還請求する3つのデメリット・注意点
- 3 リボ払いで過払い金返還請求する方法
- 4 リボ払いで増えた借金を過払い金返還請求で解決できないときの2つの対処法
- 5 リボ払いの過払い金請求など借金のお悩みは司法書士に相談するのがおすすめ
リボ払いで過払い金返還請求する5つの条件
リボ払いを利用している人すべてが過払い金返還請求でお金を取り戻す・リボ残債を減額できるわけではありません。
まずは、「次の5つの条件を充たした場合にはじめて過払い金返還請求のスタートラインに立つことができる」という点を理解するとことからはじめましょう。
- キャッシングリボ払いであること
- 消費者金融・クレジットカードのリボ払いであること
- リボ払いの条件が利息制限法に違反していること
- 消滅時効が完成していないこと
- 債権者が倒産していないこと
それでは、リボ払いについて過払い金返還請求をするための5つの要件について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
過払い金返還請求の条件1:キャッシングリボ払いであること
最初に押さえておくべきポイントは、過払い金返還請求できるリボ払いは、キャッシングリボ払いに限定されるという点です。つまり、ショッピングリボ払いについては過払い金返還請求は不可能だということを意味します。
まずは、ショッピングリボ払い・キャッシングリボ払いの違いについて確認しましょう。
- キャッシングリボ払いの特徴
- キャッシングリボ払いとは、カードのキャッシング枠で借入れたお金をリボ払いで返済すること。つまり、債権者に対する借金です。高い金利条件が設定されているのが一般的。
- ショッピングリボ払いの特徴
- ショッピングリボ払いとは、物・サービスの購入代金をリボ払いの形式で支払うこと。つまり、店舗に対してカード会社等が立て替え払いをしてくれた金額をリボ払いという月額方式で支払うことを意味します。キャッシングリボ払いよりも低い金利条件が設定されているのが特徴です。
理屈を説明すると、キャッシングリボ払いは金銭消費貸借契約に基づく借金及び利息の返済であるのに対して、ショッピングリボ払いは割賦販売法における立て替え分の支払い及び手数料の支払いという位置づけということ。
過払い金返還請求で取り戻すことができるのは、「借金について払い過ぎていた利息」だけなので、ショッピングリボ払いは過払い金返還請求の対象にはなりません。
したがって、リボ払いについて過払い金返還請求を検討する際には、増えつづけたリボ残債の原因がキャッシングリボ払いであることを最初にご確認ください。
過払い金返還請求の条件2:消費者金融・クレジットカードのリボ払いであること
一般的に、キャッシングは、サービスを提供する主体によって消費者金融系・信販系・銀行系の3種類に区別されます。サービスを提供する金融機関に着目した違いです。そして、リボ払いについて過払い金返還請求を検討する際には、どこのキャッシングリボサービスを利用したかをチェックする必要があります。
具体的には、消費者金融・クレジットカード会社のキャッシングリボ払いなら過払い金が発生している可能性はありますが、銀行系カードローンなどのサービスの場合には過払い金返還請求の可能性はゼロ。
なぜなら、後述するように、過払い金返還請求をするためには利息制限法に違反した金利条件での返済履歴がなければいけないところ、銀行系カードローンでは2010年の貸金業法改正以前に遡っても利息制限法に反する商品を流通させたことがないからです。
したがって、キャッシングリボ払いについて過払い金返還請求を検討する場合には、消費者金融・クレジットカード会社のサービスを利用していることを確認しましょう。
過払い金返還請求の条件3:リボ払いの条件が利息制限法に違反していること
当然のことながら、過払い金返還請求をするためには、過払い金が発生していることが大前提です。
つまり、利息制限法の上限金利規制に違反する融資条件でのリボ払い実績があることが求められます。
利息制限法の上限金利規制について
引用:5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です – 日本貸金業協会HP
利息制限法の上限金利規制は次の通りです(利息制限法第1条)。
- 元本の金額が10万円未満のとき:年利率20%
- 元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき:年利率18%
- 元本の金額が100万円以上のとき:年利率15%
つまり、キャッシングリボ払いの手数料条件がこの規制を超える場合には過払い金が発生していると考えられるので、過払い金返還請求でお金を取り戻すことができます。
利息制限法違反の融資条件で貸付けが行われていた背景
引用:5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です – 日本貸金業協会HP
現在、少なくとも合法に貸金業等を営んでいる金融機関は、リボ払いについて利息制限法の上限金利規制に反する融資条件を設定していることはありません。違法な取引条件を利用者に課していることが発覚した場合には、貸金業登録等を取り消されるおそれがあるからです。
では、なぜリボ払いについて利息制限法違反の融資条件という違法状態が発生するのでしょうか?それは、2010年6月18日以前は利息制限法と出資法という2つの法律の間で借金の利息にかんする取扱いにズレがあったからです。
改正前出資法では、年利率29.2%を超える融資条件を設定しない限り、刑事罰の対象にはなりませんでした。つまり、利息制限法の上限金利規制を超えるが改正前出資法の範囲内である融資条件(いわゆる”グレーゾーン金利“)が、「刑事罰の対象にならないから」という理由で横行していたということです。
ただ、法規制の矛盾・乖離が問題視され、2010年6月18日以降は利息制限法違反の融資条件にも刑事罰・行政処分が課されるように法改正が実施。そして、「支払い済みのグレーゾーン金利も過払い金として債務者が取り戻すことができる」という運用に変更されました。
以上のような背景から、利息制限法違反での貸付けが実在し、過払い金返還請求が債務者の生活再建方法として活用されることになります。
キャッシングリボ払いで利息制限法違反の融資条件を課していた具体例
それでは、キャッシングリボ払いについて過払い金が発生している可能性がある企業・商品について具体的に見ていきましょう。
現在展開されている利息条件とは異なるため、お手元に契約書が残っている場合にはご確認ください。
- リボ払いで過払い金が発生している可能性がある消費者金融
- アイクカード・アイフルカード・アコムカード・アプラスカード・セディナカード・ゼロファーストカード・プロミスカード・レイクカード・Lカードなど
- リボ払いで過払い金が発生している可能性があるクレジットカード
- アコムマスターカード・アメックスカード・イオンカード・エネオスカード・エポスカード・オリコカード・オリックスカード・ケーシーカード・セゾンカード・セブンカード・そごうカード・ダイナースカード・ポケットカード・丸井カード・ライフカード・楽天カード・りそなカード・ワイジェイカード・伊勢丹アイカード・高島屋カード・三井住友トラストカード・三菱UFJニコスカード・DCカード・JCBカード・NTTグループカード・UCカードなど
たとえば、エポスカードでは2007年まで年利率27%、セゾンカードでは24%~29%、イオンカードは29%と高利率です。
ここに挙げた消費者金融・クレジットカード以外でもリボ払いの過払い金返還請求が可能なケースは多くあるので、詳しくは司法書士などの専門家までお問い合わせください。
過払い金返還請求の条件4:消滅時効が完成していないこと
リボ払いについて過払い金返還請求をする際に注意しなければいけないのが、消滅時効について。実は、過払い金返還請求はいつまでも実行できるわけではなく、消滅時効というタイムリミットが設定されています。
過払い金返還請求の場合、消滅時効は10年で完成するのがルールです。つまり、最後の取引(完済日)から10年が経過している場合には、原則としてキャッシングリボ払いの払い過ぎた手数料を取り戻すことはできません。
同一金融機関との間で完済・借入を繰り返している場合には10年以上前でも過払い金返還請求できる
本来なら10年以上前の過払い金は取り戻すことができませんが、例外的に、同一金融機関との間で完済・借入を繰り返している場合には過払い金返還請求の可能性は残されています。
なぜなら、取引が連続している場合には、すべてをまとめて”一連の取引”と評価できるからです。つまり、10年以上前のリボ払いについても、追加融資との連続性が認められる限りにおいて、今現在の過払い金返還請求の対象に含めることができます。
ただし、取引の連続性については、法的な立証が複雑です。請求するとしても債権者側が争うことが想定されるため、かならず司法書士・弁護士などの専門家にご依頼のうえ、主張の基礎を固めましょう。
過払い金返還請求の条件5:債権者が倒産していないこと
リボ払いについて過払い金返還請求でお金を取り戻すためには、請求相手である債権者が存在しなければいけません。つまり、債権者が倒産している場合には、請求自体が不可能になってしまいます。
たとえば、武富士は2010年9月28日に倒産しているため、現在過払い金返還請求でお金を取り戻すことはできません。また、武富士の場合、トータルで抱えた過払い金返済義務がかなり高額だったため、債務者全員に満額の返済が行われなかったという実情があります。つまり、請求できたとしても満足な返還率での還元を受けられないリスクもあるということ。
もっとも、過去に取引をしていた金融機関が現在消滅していたとしても、吸収合併や事業承継などで別会社が業務を継続している場合には、そちら側に過払い金返還請求を実行することは可能です。
債権者がすでに倒産している場合には、取引履歴の調査も難航するのが一般的。過払い金返還請求の可能性を探るのなら、司法書士などの専門家への依頼が不可欠でしょう。
リボ払いで過払い金返還請求する3つのデメリット・注意点
キャッシングリボ払いについて過払い金返還請求が成功すれば、過払い金(及び遅延損害金)を取り戻すことができるので、現在の返済状況を大幅に改善できるというメリットが生じます。
もっとも、過払い金返還請求にはメリットだけではなく、デメリット・注意点が存在するということを忘れてはいけません。具体的には、以下3点のデメリットが発生する場合があるので注意が必要です。
- 信用情報に傷が付く可能性がある
- 会員資格を生涯失う
- 自分で手続きを進めるのはハードルが高い
それでは、リボ払いについて過払い金返還請求をする際の注意点・デメリットについて、具体的に見ていきましょう。
リボ払いの過払い金返還請求のデメリット1:信用情報に傷が付く可能性がある
今現在、借金問題を一切抱えていない人は、過去のリボ払いについて過払い金返還請求をしても何のデメリットも被りません。
また、現在リボ払いを支払い中の債務者についても、過払い金返還請求で取り戻せるお金が残債よりも高額な場合には、その時点でキャッシングリボの返済生活は終了するので、デメリットは考えにくいでしょう。
これに対して、リボ払いについての過払い金がリボ残債よりも少額な債務者は信用情報の観点で注意しなければいけません。なぜなら、過払い金返還請求を実行した時点で信用情報機関(KSC・JICC・CIC)に事故情報が登録されて、ブラックリストとして扱われることになるからです。
- 完済済みの元債務者:信用情報への影響なし
- 返済中&【過払い額≧リボ残債】の債務者:信用情報への影響なし
- 返済中&【過払い金<リボ残債】の債務者:信用情報に傷が付く
つまり、過払い金返還請求を利用したにもかかわらずリボ残債の返済が残る場合には、相殺後の残債についての返済生活が残るということ。この時点で、任意整理を利用したとみなされるため、信用情報機関への事故情報登録を避けられません。
ブラックリストに登録されると、クレジットカードが使えなくなる・賃貸物件の入居審査への悪影響・新規ローン契約不可などのデメリットが生じます。
したがって、リボ残債と過払い金の大小関係、そして、「ブラックリストへの登録を受け入れてでも過払い金返還請求でリボ残債の状況を改善したいのか」について、事前にしっかりと判断してから過払い金返還請求するかを決めるようにしましょう。
なお、ブラックリストに登録される意味・デメリットの詳細については、以下のリンク先でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
ブラックリストって何?借金を滞納すると掲載される?掲載期間や今後の影響を解説リボ払いの過払い金返還請求のデメリット2:会員資格を生涯失う
リボ払いについて過払い金返還請求をすると、対象となったカード会社・消費者金融のサービスを今後利用できなくなります。
これは、信用情報機関に事故情報が登録されることとは関係なく、当該金融機関の内部データとして「過払い金返還請求の履歴がある会員」というデータが残ることが原因。過払い金を返済することは債権者側にとっては損な取引なので、会社に損害を与える会員との取引を拒絶するという意味合いです。
もっとも、クレジットカード会社は世の中に多数存在するので別のカードに切り替えれば良いだけですし、今後消費者金融と関わらずに生活できることは債務者にとってメリットのはず。借金をするという選択肢を強制的に排除できるので、むしろ歓迎すべきことでしょう。
リボ払いの過払い金返還請求のデメリット3:自分で手続きを進めるのはハードルが高い
キャッシングリボ払いについて過払い金返還請求する際には、いくつかの手続き上の注意点に配慮する必要があります。
債務者側がひとりだけで手続きを進めてしまうと、最悪の場合、過払い金返還請求が失敗に終わるリスクもあるので慎重さが求められるでしょう。
代表的な注意事項としては、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 取引履歴の開示請求の際に「過払い金返還請求の準備のため」という目的を伝えない
- 過払い金が戻ってくることを知りながらリボ払いを継続すると返還請求が失敗するリスクがある
- 債権者側からのゼロ和解に応じない
先ほども紹介したように、過払い金返還請求は債務者に経済的利益をもたらすもの、つまり、債権者側が損をする取引です。
すると、債権者側としては、できるだけ返済額を減額するため、債務者側の過払い金返還請求を困難にするために、いろいろな対抗策を繰り出してきます。
したがって、スムーズに過払い金返還請求を進めてリボ払いの返済状況を改善するためには、司法書士などの専門家にアドバイスを求めるのがおすすめです。
リボ払いで過払い金返還請求する方法
それでは、キャッシングリボ払いについて過払い金返還請求する際の手続きの進め方について具体的に見ていきましょう。
過払い金返還請求の大まかな流れは次の4ステップです。
- 取引履歴の確認(開示請求)
- 過払い金発生額を引き直し計算
- 債権者側との交渉
- 債権者側が交渉に応じない場合には訴訟を提起
なお、過払い金の調べ方については、以下のリンク先でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
過払い金がいくらあるか調べる方法は?戻ってこない場合の借金問題の解決方法リボ払いの過払い金返還請求の流れ1:取引履歴の確認(開示請求)
まずは、過払い金返還請求をするためのデータ集めです。
手元に入金明細・契約書などがすべてそろっているのなら問題ありませんが、10年近く前の取引について取引明細などがすべてそろっていることはまれでしょう。
手元に情報がそろっていない場合には、消費者金融・クレジットカード会社を相手に、取引履歴の開示請求を実施します。
ただし、開示請求には一定の費用が発生することが多いのでご注意ください(たとえば、アイフルでは開示請求1件につき1,000円の手数料が必要です)。
リボ払いの過払い金返還請求の流れ2:過払い金発生額を引き直し計算
取引履歴などのデータがすべてそろったら、実際にいくら過払い金が発生しているかを債務者側で調査する段階です。これを”引き直し計算“と呼びます。
引き直し計算をする際には、自分で計算方法などを調べて1つずつ金額を出していくのも良いですが、Webなどの簡易ソフトを活用すればスムーズです。
また、取引履歴の情報が不十分な場合には、”推定計算“で大まかな過払い金額を算出するだけでも問題ありません。債務者側で求めた過払い金額に間違いがある場合には、債権者側からかならず指摘が入りますし、その段階で請求額を変更すれば足りるからです。
リボ払いの過払い金返還請求の流れ3:債権者側との交渉
過払い金発生額を算出できれば、債権者との交渉がスタートします。
電話などで連絡をするのではなく、次の内容を記載した過払い金返還請求書を送付するのが一般的。郵送したことを客観的に証明するために、内容証明郵便で郵送しましょう。
- 過払い金が発生していた取引履歴の詳細
- 発生した過払い金総額(請求額)
- 返済期限
- 返済に応じてもらえない場合の法的措置の告知
リボ払いの過払い金返還請求の流れ4:債権者側が交渉に応じない場合には訴訟を提起
通常、正確な取引履歴を前提に概ね正しい計算をしていれば、債権者側も交渉段階で返金に応じてくれます。
ただ、取引期間中に滞納期間があったり、取引の連続性に争う余地があったりする場合には、任意交渉では返金してくれない可能性も否定できません。
交渉ベースで過払い金返還請求が成功しなければ、通常裁判手続きで支払いを求めることになります。
訴状の提出・口頭弁論期日への出廷・証拠書類の提出などの手間がかかるので、このステージに進む場合には司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
リボ払いの過払い金返還請求は司法書士に任せるとスムーズに進む
以上のように、過払い金返還請求は債務者単独でも手続きを進めることができますが、司法書士に依頼をした方がスムーズに手続きを進められるでしょう。
過払い金返還請求を司法書士に依頼するメリットは次の4点です。
- 債権者側が交渉段階で応じてくれる可能性が高まる
- 引き直し計算や手続きの正確性が高まる
- 取り戻せる金額が増える可能性がある
- 過払い金返還請求後にリボ残債が残る場合の返済状況についても相談に応じてくれる
債務者にも生活があるはず。仕事や日常生活を送りながら過払い金返還請求手続きを進めるのは想像以上に大変です。
司法書士に任せれば、入金まで債務者がするべきことはほとんどなくなるので、手間をかけずに過払い金返還請求を終わらせられるでしょう。
なお、「いきなり司法書士事務所に問い合わせをするのは抵抗がある」という方は、借金減額診断(シミュレーター)がおすすめです。特別な個人情報の入力なしで今すぐ簡単に家計状況をチェックできますし、近日中に司法書士からの具体的な診断結果を知らせてくれます。借金減額診断(シミュレーター)の詳しい使い方については、以下のリンク先をご確認ください。
借金減額診断(借金減額シミュレーター)は怪しい?減額診断を使うと借金が減額出来るのか?徹底解説リボ払いで増えた借金を過払い金返還請求で解決できないときの2つの対処法
「過払い金返還請求を検討したが過払い金が発生していなかった」「リボ払い以外にも借金があるので家計は苦しいまま」など、過払い金返還請求によって根本的な解決に至らない場合もあるでしょう。
ただ、過払い金返還請求が功を奏しなかったとしても諦める必要はありません。なぜなら、リボ払いが原因で家計がひっ迫している債務者には、次の2つの生活再建方法が残されているからです。
- リボ払いをやめてリボ残債の完済を目指す
- 債務整理を利用してすべての返済状況の改善を目指す
それでは、債務者に残された生活再建方法について、具体的に見ていきましょう。
リボ払いをやめてリボ残債の完済を目指す
リボ払いの支払いで困っている債務者が生活再建に向けて最初に考えなければいけないことは、「リボ払いの危険性を理解してリボ払い(キャッシング・ショッピングの両方)をやめること」です。
確かに、毎月定額の支払いだけで済むリボ払いには、家計管理が楽になるというメリットがあります。決済額・借入額にかかわらず返済額が固定化される点を魅力に感じる人が多いのは当然です。
ただ、リボ払いには次のデメリットがあるため、利用するだけで債務者側が損をするような仕組みになっています。
- リボ払いのデメリット1:返済が長期化する
- 残高スライド方式・定額方式のいずれを利用したとしても、リボ払いは返済期間が長期化するというデメリットが生じます。いつまでも返済が終わらないというストレスだけではなく、長期間利息の支払いを強要されるので、生活再建はどんどん難しくなるでしょう。
- リボ払いのデメリット2:高い手数料が発生する
- キャッシングリボ払い・ショッピングリボ払いのいずれも、カード決済方法・返済方法のなかでもっとも高い利息条件が課されるのが一般的です。利息制限法の上限金利ギリギリに設定されているので、どれだけ返済をつづけても手数料の支払いに大部分が充てられてしまいます。
- リボ払いのデメリット3:滞納したときのペナルティが重い
- たとえば、ショッピングリボ払いでも、延滞した場合には借金滞納時と同じペナルティが課されます。年利率20%で計算される遅延損害金・繰り返される督促・残債の一括請求・ブラックリストへの登録・強制執行の実行というように、債務者本人だけではなく家族・職場への迷惑を避けられないでしょう。
なお、リボ払いを払えないときに生じるペナルティについては、以下のリンク先でも詳しく解説しています。自分が置かれている現状への危機意識を高めるために、ぜひご参照ください。
リボ払いを払えないとどうなる?払えない時のデメリットと返済するための救済制度を解説リボ残債の完済を目指すなら生活面で工夫をするのがポイント
リボ残債や現在抱えている借金の完済を目指すのなら、リボ払いをやめる以外にも工夫を凝らすのがポイントです。
たとえば、次に挙げる方法のなかで実践できそうなものがあれば、前向きに検討してください。
- 家計を適切に循環させるポイント
- ・家計簿をつけてお金の流れを細かくチェック
・固定費の見直し、無駄遣い・ギャンブル癖を直すなどして支出を節約する
・不用品を売却・副業へのチャレンジなどで収入を増やす - 借金生活をはやく終わらせるポイント
- ・まとまったお金が入ったときに一括返済・繰り上げ返済を実行する
・毎月の返済額を増額する
・低金利商品に借り換えて利息発生額の軽減・返済期間の短縮を狙う
なお、借金を早期に完済する方法については、以下のリンク先でも詳しく解説しています。ご参考のうえ、返済生活にお役立てください。
借金を早く返す方法は意外と簡単?どうしても返済できないなら債務整理を検討しよう債務整理を利用してすべての返済状況の改善を目指す
リボ払いを含め、現在抱えている借金を自力で完済できない場合には、すみやかに債務整理を利用することを強くおすすめします。なぜなら、返済日までにお金を用意できなければ、遅延損害金などの負担がどんどん増えてしまい、結果として生活再建が遠のくことになるからです。
債務整理とは、国が認めた借金救済制度のこと。本来は契約通りに返済しなければいけない借金・リボ払いでも、合法的に返済状況を改善できる例外措置です。
債務整理には、次の3種類の手続きが用意されています。自分の希望・状況に即した手続きを選択して、今後の生活再建を目指しましょう。
- 任意整理
- ・利息、手数料の支払い義務が免除される
・裁判所を利用せずに手続きを進められる
・3年~5年の元本のみの返済計画を作り直せる - 個人再生
- ・借金総額次第で最大1/10まで減額できる
・減額後の残債を3年で完済できる返済計画を作り直せる
・住宅ローン特則を利用すればマイホームの処分を免れられる - 自己破産
- ・借金返済義務の免責を狙える
・無職やフリーターでも手続きを利用できる
・財産処分・職業制限などのデメリットが大きいので注意が必要
なお、各債務整理手続きの詳細については、以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。また、自分にどの手続きが適しているのかイメージをつかみにくい方は、借金減額診断(シミュレーター)の活用を推奨します。
リボ払いの過払い金請求など借金のお悩みは司法書士に相談するのがおすすめ
リボ払いについて過払い金返還請求を検討する場合には、銀行系以外のキャッシングリボ払いであること・消滅時効にかかっていないこと・利息制限法の上限金利規制に反する支払い条件が課されていたことをチェックしてください。
過払い金が発生していることが判明した場合には、取引履歴を照会して引き直し計算。債権者にすみやかな返金を求めましょう。
その一方で、リボ払いをつづけていたにもかかわらず、過払い金返還請求をできないこともあるはず。その場合には、気持ちを切り替えて自力完済を目指すか、債務整理に踏み出して返済状況の大幅改善を狙うかをすみやかに決定すべきです。のんびりしている間にリボ残債はどんどん増え、いつの間にか完済できない状況に追いこまれかねません。
いずれにしても、まずは現在のリボ払いの返済状況・残債総額・収入額などを総合的に考慮して、債務者がどの方向性を向いて進むべきかを決定する必要があります。借金問題に強い司法書士に相談すれば適切な選択肢を提示してくれるので、まずはどうぞお気軽にお問い合わせください。