もうお金を借りられない時の対処法とは?根本的な借金問題の解決方法も解説

もうお金を借りられない時の対処法とは?根本的な借金問題の解決方法も解説

もうどこからもお金を借りられないと、本当にどうすれば良いのだろう?どこか貸してくれるところはないだろうか?と、すごく不安な気持ちになってしまうことでしょう。

明日の食事をどうしよう。来週の支払いをどうしよう。など、お金がないことによって、さまざまなことを考えるため非常にストレスが溜まってしまっていることでしょう。もしも、あなたにお金を貸してくれる人がどこにもいないならば、この先どうすれば良いのでしょうか?

今回は、もうお金を借りられないときでも、もしかしたら借りられるかもしれない行政の制度や、借りられないときの対処法についてお伝えします。

また本記事では、もうお金を借りられなくても絶対に避けるべき借入先についてもお伝えしています。余裕がない今だからこそ、冷静さを失っていることでしょう。もしも、消費者金融や行政以外からお金を借りようとしているならば、本記事を参考にしてください。

借りられないときの対処法や、怪しいところからお金を借りるリスクについてお伝えしています。もうお金を借りられない今だからこそ、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

もうお金を借りられないときはどうすれば良い?

もうお金を借りられないけど、借りなければ生活が苦しいときには下記の方法を検討してください。

  • 生活福祉資金貸付制度を利用
  • 生活サポート基金へ相談をする
  • 債務整理をして毎月の返済負担額を軽減する
  • 生活保護制度の利用を検討

まずは、生活が苦しいけどお金を借りられない。そう悩まれている方でもお金を工面できる方法、生活を立て直すための方法についてお伝えします。

生活福祉資金貸付制度を利用する

もうお金を借りられなくて、生活費が足りない方は生活福祉資金貸付制度の利用を検討してください。生活福祉金貸付制度とは、都道府県社会福祉協議会貸付制度であり、経済的に困窮されている方を対象にさまざまな貸付を行っています。

たとえば、失業等で収入がなくなってしまった方に対しては、生活支援費や一時生活再建費等の貸付を行い、経済的にサポートを行います。他にも、緊急的に生活資金が不足する場合なども、緊急小口資金貸付でサポートを行うため、安心して相談をしてください。

生活福祉資金貸付制度はあなたが失業者ではなくても、経済的に困窮しており、他から借りられない状況ならば利用できる可能性は高いです。

【生活福祉資金貸付制度の貸付要件】

  • 低所得者世帯であること(市町村民税非課税程度)
  • 公的な書類で本人確認ができること
  • 住居がある、もしくは生活福祉資金貸付制度の利用で住居の確保が確実に見込めること
  • 社会福祉協議会やハローワーク等関係機関とから継続的な支援を受けることに同意している
  • 生活福祉資金貸付制度の利用によって生活再建や自立を見込めること、返済を見込めること
  • 他の公的給付や公的貸付の利用が困難であること

参考:政府広報オンライン|生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は収入要件として「低所得者世帯であること(市町村民税非課税程度)」があります。そのため、一般的な収入世帯の方は原則利用できません。ただし、なんらかの事情で大幅に収入が減ってしまった等の事情があるときは、利用できる可能性があるのでまずは相談をしてください。

一般的な世帯年収で生活福祉資金貸付制度を利用できない人の特徴は、借金や浪費等私的な事情による生活困窮者です。たとえば、多重債務者が借金の返済をした結果、生活費が不足した場合等が該当します。

上記のようなケースでは、「債務整理等で借金を解決すれば生活できるでしょ?」となるため、基本的には借り入れができません。お金がなくて債務整理ができない等の事情がある方は、法テラスを勧められるでしょう。

生活福祉資金貸付制度を利用できるのは、あくまでも何らかの事情で失業したり収入が減ってしまったりした方が対象と思っておいてください。収入がなければ、消費者金融等からも借り入れができないため、生活福祉資金貸付制度の利用を検討すれば良いでしょう。

なお、この制度は返済を前提としていますが返済方法は柔軟に対応してくれます。連帯保証人をつければ原則無利子で借り入れが可能ですし、連帯保証人がいなくても年率1.5%で借りられます。一般的な消費者金融と比較しても雲泥の差です。

もうお金を借りられない方、一時的に資金を工面できれば生活を立て直せる方は、生活福祉資金貸付制度の利用を積極的に検討してください。

生活福祉資金貸付制度一覧
生活福祉資金貸付制度の相談先「全国の社会福祉協議会」※各市区町村で対応可能

生活サポート基金へ相談

生活福祉資金貸付制度の借り入れを検討できない方は、生活サポート基金への相談を検討してください。生活サポート基金とは多重債務者等によって経済的に困窮されている方が利用できる制度であり、生活再建のための融資を受けられる可能性があります。

【貸付内容】

  • 債務整理費用
  • 公共料金や家賃を支払うための費用
  • その他の生活資金

上記の通り、生活が困窮している方に対して融資を行う制度です。消費者金融やクレジットカードとは異なり、何か欲しいものがあるからお金を借りたいなどは不可能です。基本的に、生活資金や生活を立て直すための費用を借りられると思っておきましょう。

ただ、生活福祉資金貸付制度と比較して、利率や条件が厳しいため、まずは生活福祉資金貸付制度の利用を検討してください。

【貸付条件】

利率 12.5%以内(遅延利率は14.6%)
担保 原則連帯保証人を1人その他動産・不動産

生活サポート基金では、経済的困窮者を対象としているため信用情報等に関係なくお金を借りられます。ただし、審査結果によっては借りられない可能性もあるため、まずは相談をされてみることをおすすめします。

生活サポート基金はこちら

MEMO
生活サポート基金は総量規制の対象

生活サポート基金は非営利目的で営業を行っていますが、貸金業社であるため総量規制の対象になります。よって、年収の1/3以上の借り入れがあり、もう借りられない上記ようの方は生活サポート基金を利用できません。

債務整理で毎月の返済負担額を軽減する

消費者金融等からの借り入れが原因でもうお金を借りられないならば、債務整理を検討してください。一般的な貸金業者では総量規制という規制によって年収の1/3以上の貸付を行いません。

銀行のカードローンは総量規制の対象外ですが、銀行等も自主規制を行っているため原則借り入れは不可能。さらに、クレジットカードも対象外ですが、返済能力が低い方にお金を貸すことはしないでしょう。

よって、生活福祉資金貸付制度の利用ができない以上、本当にもうお金を借りられない状況です。

もしも、お金を借りられなくて生活費が足りないならば、債務整理をして借金の返済負担を軽減する努力をしてください。債務整理には下記の3種類あり、自分に合った整理手続きを検討できます。

任意整理
任意整理とは、債権者(あなたにお金を貸している人)に対して借金の返済が困難であることを伝え、借金の減額交渉を行う手続きです。任意整理の和解が成立することによって、原則元金のみを3年(長くても5年程度)で完済を目指せるようになります。

ただし、任意整理は返済を前提としているため、最低限の支払い能力がなければ利用できません。働いていない方や収入が著しく減ってしまっている方は、対象から外れる可能性もあるので注意してください。

なお、任意整理を行うことで毎月の返済負担額を軽減できるため、お金を借りられなくても今の生活を維持できるようになるかもしれません。債務整理の中でも比較的簡単に進められる手続きなので、ぜひ検討してください。

個人再生
個人再生とは、あなたが現在抱えているすべての借金を大幅に減額する債務整理手続きです。任意整理とは異なり、元金の部分も含めて減額できるため、経済的効果は任意整理以上自己破産未満です。

個人再生の特徴は、住宅ローンを残しておけることです。住宅を残したままその他の借金を大幅に減額できるため、生活を守りながら借金を減額できるという部分で大きなメリットを感じられるでしょう。

なお、個人再生も原則として借金が残ります。しかし、今以上に返済負担額は軽減されるため、生活に余裕はまれるでしょう。マイホームを所有されている方は、個人再生を検討されてみてはどうでしょうか。

自己破産
自己破産は、あなたが持っているすべての借金を免責(免除)する債務整理手続きです。免責許可決定を受けることによって、あなたが抱えている借金のすべてがなくなるため、借金返済をする必要がなくなります。

借金をすべて精算してリスタートしたいと考えている方は、自己破産を検討されてみてはどうでしょうか。

債務整理手続きはいずれも借金を減額したり免責にしたりできます。あなたの生活が苦しくてもう借りられないのであれば、すぐにでも検討されてみてはどうでしょうか。

債務整理をすることで、毎月の返済負担額は軽減されるため、お金を借りられなくても、生活に余裕が生まれるでしょう。生活が苦しいからといって、かならずしも借金を増やすことが正解ではありません。

また、お金がなくて債務整理費用を捻出できない方は、法テラスの民事法律扶助制度の利用を検討してください。この制度は、経済的に困窮されている方であっても、安心して法律相談や法的手続きを利用できるようにするための制度です。

国が設置した公的な法律の相談センターであり、債務整理をされたい方は費用の建て替えをしてもらうことができます。

法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、下記の条件を満たす必要はありますが、経済的に苦しい方は相談をしてみる価値は十分にあるでしょう。

  • 資力が一定以下であること(※)
  • 勝訴の見込みがないとは言えないこと
  • 民事法律扶助制度の趣旨に適すること

※資力は月収及び保有資産が一定である必要があります。

民事法律扶助制度を利用するためには、資力のほか、勝訴の見込みがあることが条件です。債務整理の場合は、任意整理によって借金を減額できる可能性があること、自己破産の場合は免責不許可事由に該当しないことなどが条件になるでしょう。

また、民事法律扶助制度は法律によって紛争等を解決することを目的にしています。よって、報復目的や宣伝目的の利用はできません。

債務整理の場合は、「借金を減額、あるいは免責(免除)することが目的」であるため問題はないでしょう。

民事法律扶助制度の利用は全国の法テラスから相談が可能です。もうお金を借りられなくて生活が困窮されている方は、ぜひ無料相談を検討してください。

全国の法テラスの相談先はこちら

生活保護制度の利用を検討

失業等を理由に経済的に困窮し、もうお金を借りられずに悩まれている方は生活保護制度の利用を検討してください。

生活保護制度とは、あなたの困窮度に応じて経済的な支援・保護を行う制度です。あなたが実際に経済的に困窮しているならば利用できる可能性は非常に高いです。

ただし、一般的な収入あるいは最低限度の生活を送れる程度の収入を得ているにも関わらず、借金の返済によって経済的に困窮されている方は対象になりません。あなたが債務整理等をすることによって通常の生活を取り戻せるならば、債務整理をするよう促されるでしょう。

一方、あなたが何らかの事情で失業し、経済的に困窮している場合は利用できる可能性は十分にあるので安心してください。あなたがまだ働ける年齢、体力があっても現状で困窮しているならば利用できます。

【生活保護申請から受給前の流れ】

  1. あなたが住む地域を所轄する福祉事務所の窓口へ申請
  2. あなたの資産状況調査
  3. 審査後生活保護の支給・不支給を決定

まずはあなたが住む地域の福祉事務所にある生活保護課へ相談をしてください。このとき相談をしても「まだ働けるから申請できません」と言われるのではないか?と不安を抱えている方がいるかもしれません。

しかし、生活保護制度では、申請された生活保護はいかなる理由があろうとすべて受理して調査いや審査を行わなければいけません。万が一、受理してもらえなかった際は、第三者(弁護士等に相談)に相談をしてください。生活保護申請の不受理は違法であるため、積極的に相談をして良いです。

生活保護申請が受理された後は、あなたの資産状況の調査を行い、実際にどの程度経済的に困窮しているのかを確認します。具体的には、あなたの自宅内に換価処分できるものはないだろうか?保有資産は?預貯金は?等々です。

あなたの経済的困窮が認められれば、最終的に生活保護支給が決定します。支給額はあなたの収入や住んでいる地域、家族構成によっても異なります。最低限、生活できる資金は受け取れるので安心してください。

また、生活保護制度の申請と同時に生活福祉資金貸付制度による借り入れも検討されると良いでしょう。生活保護申請から実際にお金が支払われるためには、少し間が空いてしまうため少しでもお金を借りて生活の足しにしましょう。

生活保護費を受け取ってから返済をすれば良いため、現在で何らかの滞納がある方は借り入れして返済を済ませておきましょう。なお、生活保護制度の申請が通った場合には、申請した日からの保護費が支給されるので、生活福祉資金貸付制度を借りても無理なく返済できるはずです。

そして、生活保護制度を利用するにあたって、一点注意しなければいけないことがあります。それは、生活保護費で借金の返済をしてはいけないということです。借金の返済は許されませんが、借金の返済義務がなくなるわけではありません。

つまり、借金を抱えたまま生活保護の受給を開始すると、必然的に自己破産をしなければいけなくなります。生活保護受給開始後ならば、法テラスの民事法律扶助制度も利用できますが、「借金&生活保護受給=自己破産」となる点だけは十分に注意してください。

また、遅かれ早かれ自己破産をするならば、生活保護申請前に破産手続きを開始しようと思う方がいるかもしれません。その場合は、条件次第で民事法律扶助制度を利用できない恐れもあります。

借金を抱えていても生活保護の申請や受給は可能であるため、順番は生活保護の申請・受給→自己破産手続きが良いでしょう。

もうお金を借りられなくても絶対に避けるべき4つのこと

もうお金を借りられない状況になると、つい、「どうやってお金を工面しよう?」と考えるでしょう。消費者金融等からは借りられない、家族も頼れないとなると、おそらく下記のことを考えだしてしまうのではないでしょうか。

  • 闇金からの借り入れ
  • 友人等からの借り入れ
  • 個人間融資
  • 給与ファクタリング

もうお金を借りられない状態になり、本当にギリギリの状態になれば「どこから借りれば良いのだろう…」ということに頭を悩ませてしまうはずです。

しかし、今の状態のあなたがお金を借りられないのは、信用的な問題や収支バランス的な問題があるためです。つまり、今のあなたの状態でお金を貸し出してくれる相手は、危険性が高いと思ってください。

次に、もうお金を借りられなくなっても、絶対に避けるべき借り入れ先についてお伝えします。

闇金からの借り入れ

もうお金を借りられない状況になっても、闇金からの借り入れは絶対にやめてください。闇金は違法な業者であり、法律に違反して営業を行っています。そのため、あなたに対して法外な利息を請求することも考えられます。

いわゆるトイチ(10日で1割の利息)やトサン(10日で3割)、トゴ(10日で5割)の利息は当たり前です。あなたがほんの軽い気持ちで10万円を借りた場合は、10日で1万円〜5万円の利息がつく計算です。

通常の借金返済は1カ月に1回であるため、30日借り入れしていた場合は3万円〜15万円の利息を請求される恐れがあるでしょう。さらに言えば、闇金業者によって「複利」で請求をすることもあります。

複利とは、利息にも利息がつくことを言い、驚くほどのスピードで利息金額が膨れ上がっていくでしょう。

当初は10万円を借りただけのつもりが、返済できずにいるとどんどん利息が膨れ上がり、返済不能に陥ります。利息すらも返済できない状況になれば、さらに借金総額は膨れ上がるでしょう。

闇金業者からの借り入れは蟻地獄のようなもので、一度入ってしまえばほぼ確実に抜け出すことができません。

闇金業者からのお金を返せなければ、厳しい取り立てを受けたり嫌がらせを受けたりすることもあるでしょう。今以上に状況が悪化するだけなので、たとえお金を借りられなかったとしても闇金からの借り入れは絶対にやめてください。

なお、闇金の定義は下記の通りです。いずれかに該当する場合は闇金認定されるので、絶対に関わらないでください。

  • 貸金業登録を行っていない
  • 利息制限法や出資法に違反した利息で貸付を行っている

反復継続的に貸金業を行う者は、貸金業登録をしなければいけません。仮に貸金業登録を行わずに営業をしていた場合は、貸金業法違反によって処罰対象になり得ます。

また、利息制限法や出資法(下記参照)の上限を超えた貸付はすべて違法あり、闇金とみて良いでしょう。

【利息制限法の上限】

借り入れ金額 利率上限
10万円未満 年率20%
10万円以上100万円未満 年率18%
100万円以上 年率15%

参考:利息制限法|第1条(利息の制限)

【出資法の上限】
出資法の上限は20%です。よって、利息制限法の上限と同じという認識で良いでしょう。

参考:金融庁|貸金業法のキホン

ちなみに、闇金業者が言うトイチ、トサン、トゴの年率は下記の通りです。

単利 複利
トイチ 365% 3142%
トサン 1095% 1441791%
トゴ 1825% 267504316%

上記の通り、桁が違います。この数字を見ただけでも闇金の利息の恐ろしさをご理解いただけるかと思います。

利息制限法の上限と闇金の場合との違いは下記の通りです。

利息制限法(20%) 約547円
トイチ 1万円
トサン 3万円
トゴ 5万円

※元金10万円を10日間借りた場合の利息

上記の通り闇金からの借り入れは利息の返済だけでも非常に危険です。

闇金の場合はもうお金を借りられないあなたに対しても、融資をするかもしれません。生活費が不足しているあなたからすれば、つい手を出してしまいそうになる気持ちはわかります。しかし、一度闇金と関係を持ってしまえば抜け出すことが非常に困難です。

闇金が普通のところからもうお金を借りられないあなたに対して融資を行うのは、どのような手段を用いてでもお金を回収できる自信があるからです。回収する過程では、厳しい取り立てや自分や家族、友人等に対する嫌がらせを行うことも考えられます。

もうお金が借りられなくても、かならず闇金業者以外のところからお金を工面するか、借金の根本解決をして解決を目指すべきでしょう。

参考:金融庁|違法な金融業者にご注意を!

MEMO
仮に利息制限法等の範囲で営業を行っていたとしても、反復継続的に貸金業を行う者が貸金業登録を行っていなければ、闇金業者です。絶対に関わりを持たないようにしてください。

「貸金業登録確認方法はこちら」

友人等から借り入れ

一般的な消費者金融等からもうお金を借りられなくても、友人からの借り入れは避けるべきでしょう。

あなたは今、借金の返済ができる状態にない、もしくは返済できなくなる可能性が高いためにもうお金を借りられない状況です。このような状況下で友人等からお金を借りてしまえば、友人との関係に亀裂が入ってしまう恐れがあるでしょう。

中には、お金を貸す・貸さない以前に、「お金を貸して欲しい」と言われた時点で縁を切ると言う方もいます。もしかすれば、あなたが友人に「お金を貸して欲しい」と伝えることによって関係が崩れてしまうかもしれません。

また、借りたお金を返せなくなれば友人から取り立てを受けたり、トラブルに発展したりする恐れも十分に考えられます。友達だからこそ、借金を依頼するのは避けたほうが良いでしょう。

個人間融資

最近ではSNSなどを介して個人間融資を手軽に行える状況になっています。個人間融資とは、その名の通り個人から融資を受けることを言いますが、借りる側が思わぬ形でトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあるので注意しなければいけません。

【個人間融資のトラブル事例】

  • ひととき融資
  • 個人情報漏洩
  • 悪質な業者からの借り入れにつながる
  • 保証金入金後に連絡が途絶える

それぞれのトラブル事例について詳しく見ていきましょう。

なお、たとえ個人間融資であっても、利息制限法や出資法の制限は受けます。また、たとえ個人が行っている融資であっても、それが反復継続的に行われているもしくは行う意思がある場合は、貸金業登録が必要です。

もしも、いずれかに違反している場合はすべて違法であり、トラブルに巻き込まれる恐れがあるので絶対に関わらないでください。

ひととき融資

ひととき融資とはお金を貸すかわりに「ひととき(性的行為)」を求める融資形態のことを言います。とくに女性の方が巻き込まれやすいトラブル事例のひとつです。

実際にお金を貸し、法外な利息を請求してもしもあなたが返済できなければ、ひとときを要求してくるケースもあります。初めからひととき融資を謳っているケースばかりではないため、注意しなければいけません。

また、中には融資の条件として下着の写真や裸の写真を要求してくることもあります。「写真を送ってお金を借りられるならば…」と軽い気持ちで送ってしまうと、その画像が拡散されたり、思わぬ形で使われたりする恐れもあるでしょう。

もしも相手から利息制限法を超える利息を要求されたり、実際に支払わなければ画像をばら撒くと脅された場合は、すぐに弁護士や司法書士に相談をしましょう。

個人情報漏洩

たとえ個人間融資であってもあなたにお金貸す側の人は、かならずあなたの個人情報を聞いてきます。過去には、免許証等の身分証持って、自分の裸の写真を送付させる悪質な事件も発生していました。

このような画像や流出する可能性や、あなたの個人情報を売却されてしまう恐れもあります。

とくに、お金を借りる際には住所や氏名、生年月日に加えて電話番号や勤務先の情報も得られます。万が一、あなたのこれらの情報が流出したり売却されたりしてしまえば、闇金業者等からしつこい連絡が来るようにもなるでしょう。

「お金に困っている人」という情報とセットであなたの信用情報を売却しようとすれば高値がつきます。詳細情報であれば1個人当たり数万円程度の値が付くことも珍しくはありません。それだけ個人間融資が危険であることを理解してください。

もうお金を借りられないからといって、どこの誰かもわからない人に個人情報を伝えて融資を受ければ、自分の人生を転落させてしまう要因にもなり得ます。

悪質な業者からの借り入れにつながる

個人間融資はあくまでも「個人」から融資を受けるものですが、あなたが騙されているだけという可能性もあるでしょう。と言うのも、個人を名乗った闇金業者にハマってしまう可能性があります。

もしも闇金業者からお金を借りてしまえば、非常に厳しい取り立てを受けたり嫌がらせを受けたりする恐れがあることは前述の通りです。

「個人だから安心」とか「個人だから闇金ではない」などと思わないほうが良いでしょう。相手が個人であっても法外な利息で契約をすれば闇金融ですし、無登録で貸金業を行っていれば闇金融です。

保証金入金後に連絡が途絶える

個人間融資を謳って詐欺を行う者もいるので十分に注意してください。個人間融資で詐欺を行う手口は、融資金額の数%を保証金として入金させ、その後に連絡が取れなくなります。

たとえばあなたが、個人から100万円の融資を受けようとした際、保証金として5%(5万円)の入金をするよう指示されたとします。あなたは、100万円のためにどうにか5万円を工面して相手に支払うことでしょう

しかし、あなたが保証金を入金した直後に相手と一切連絡が取れなくなってしまうのです。もうお金は借りられないどころか、新たに5万円という借金を抱えてしまう結果にもなりかねません。

もしも個人間融資で保証金を入れるよう促された場合には、ほぼ100%詐欺と思って良いでしょう。

万が一、あなたが騙されてしまった場合、あなたが持っている相手の情報次第では追求することもできるでしょう。ただ、費用対効果が見込めない分、基本的には泣き寝入りになると思っておいたほうが良いです。

このようなトラブルを回避するためにも、基本的には個人間融資でお金を絶対に借りないということを意識してください。もしも借りてしまえば、ほぼ確実にトラブルに巻き込まれると思っておけば良いでしょう。

給与ファクタリング

給与所得を得ている方で生活費が不足し、もうお金を借りられない状態になると「給与ファクタリング」という貸付制度の利用を検討される方がいます。この給与ファクタリングとは、給料日に手数料を含めて全額返済することを約束して融資を受ける制度です。

通常の貸金とは異なり、あなたが持っている給与債権を給与ファクタリング会社に買い取ってもらう仕組みです。要するに、あなたが確実に支払われることが確定している給与に対してお金を借りられる制度と思っておきましょう。

もうお金を借りられない方からすれば、とても魅力的なサービスに見えてしまうことでしょう。しかし、給与ファクタリングにて資金を調達するのはあまりおすすめできません。その理由は下記の通りです。

  • 手数料が高い
  • 返済できずにいると会社に連絡がいく
  • 生活が破綻する恐れがある
  • トラブルに巻き込まれる可能性がある

もうお金を借りられなくても、給与ファクタリングを利用するべきではない理由についても詳しくお伝えします。

手数料が高い

給与ファクタリングは手数料を高めに設定しています一般的に優良なファクタリング会社とされるところで15%〜20%です。厳しいところだと、50%程度の手数料を取るところもあり、手数料が非常に高いと言えるでしょう。

仮にあなたが給与ファクタリング会社から10万円を借りた場合は、給料日に11.5万円〜15万円のお金を支払わなければいけない計算です。

もちろんこれは、利息制限法や出資法といった法律に違反していることになります。ところが給与ファクタリングは、あくまでも給与債権の買取、売買であることから貸金業ではないという認識があるため適用されません。

MEMO
2020年3月には金融庁が「給与ファクタリングは「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」にあたるため、貸金業になる」と定めました。これにより、利息制限法や出資法に違反している業者はすべて違法です。

参考:金融庁における法令解釈に係る紹介

返済できずにいると会社に連絡がいく

給与ファクタリングとは、給与債権を買い取る制度であるためあなたがファクタリング業者にお金を返さなければ、会社に連絡がいくことになるでしょう。

また、給与ファクタリングを利用する際には、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。2者間ファクタリングは、あなたとファクタリング業者が直接契約を締結する方法。

一方、3者間ファクタリングは間に会社をはさみ、会社から直接ファクタリング業者にお金を返済させる契約です。

一般的に、2者間ファクタリングであれば、会社にバレる心配はありません。しかし、給与はあなたの口座に振り込まれるため、あなたがファクタリング業者にお金を返済しなければ会社への連絡は避けられないでしょう。

MEMO
給与ファクタリングが「貸金業」と認められた以上、当然貸金業法の適用を受けます。ところが貸金業法21条(取り立て行為の規制)3項では「正当な理由なく債務者の勤め先に連絡をしてはいけない」と定められており、ファクタリング業者が会社へ連絡する行為が違法であるという見方もあります。

ファクタリング業者との間でお困りのことがある方は、すぐに司法書士や弁護士へ相談してください。

生活が破綻する恐れがある

もうお金を借りられないからといって、給与ファクタリングに一度手を出してしまうと、かならず生活が破綻します。というのも、この制度は手数料を支払って給与を前借りする制度です。

高い手数料を支払うことでお金を入手できるため、目先の生活等は工面できるでしょう。しかし、現実的に見れば1カ月以上の期間、少ないお金でやりくりをしなければいけないということです。

現在の生活費すら不足しているにもかかわらず、今後の生活費を工面できるのでしょうか?おそらく、今後のファクタリングを利用することになるでしょう。一生懸命働いて得た給与の一部を支払い、いつもより水準を落とした生活を強いられることになりかねません。

もし、どうしてもお金が必要でお金を借りられないならば、プライドを捨てて会社に前借りを依頼したほうが良いです。会社からの前借りならば、手数料を取られることもありません。

会社は労働者から請求があった場合には、期日前であっても給料の一部または全額を支払う義務があります。労働基準法によって定められているため、できるだけファクタリングの罠にハマらないためにも、会社へ相談することを心がけてください。

参考:労働基準法|第25条(非常時払)

トラブルに巻き込まれる可能性がある

給与ファクタリング業者の中には、闇金業者が紛れ込んでいる可能性があります。もしも誤って闇金業者と関係を持ってしまえば、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性は非常に高いです。一度でも闇金と関係を持ってしまえば、なかなか抜け出すこともできません。

そもそもファクタリング業者は貸金業と定められているため、貸金業登録を行っていなければ、すべて違法業者(闇金)です。また、手数料によっては利息制限法や出資法に違反している恐れもあります。

万が一、違法業者と関係を持ってしまえば、思わぬトラブルに巻き込まれたり、必要以上に金銭を請求されたりする原因になり得ます。十分に注意してください。

その場凌ぎの解決は絶対NG!お金を借りられないなら根本解決を目指すべき

もうお金を借りられなくても、その場凌ぎの解決を図るのはおすすめできません。そもそも「お金がない=お金を借りる」という思考から根本的に考え直すべきでしょう。

最後に、もうお金を借りられないときに検討すべき、3つの根本解決方法をお伝えします。

収支の把握・改善を目指すべき

もうお金を借りられないならば、お金を借りる方法を探すのではなく、収支の把握や改善を行ってください。これは、今からでもできることです。毎日の買い物の中でレシートをかならずもらうように意識し、1カ月でいくらの支出が発生しているのかをすべて洗い出しましょう。

そのうえで、収入と支出のバランスを確認してください。収入は毎月ある程度一定のはずです。そのため、収支の把握や改善を図るためには支出のほうがとても大切です。

主な生活費や通信費、食費や雑費等1円単位まで徹底的に確認するのです。たまに、自動販売機等でジュースを購入し、レシート発行されないときがあるかもしれません。そのようなときも、メモを残しておけば問題ありません。

とにかく使途不明金を0にすることを目指しましょう。そうして収支バランスを確認することで、かならず無駄な部分が見えてくるはずです。

たとえば、あまり利用していないサブスクリプション契約があったとか、コンビニで買い物していることが多かったなどなど。自分の支出を見える化することで、自ずと改善点が見えます。そこを無理のない範囲で意識をすれば、生活を改善していけるでしょう。

もうお金を借りられなくても、一般的な水準の生活を保てるようになるはずです。ただ、固定費(家賃や借金返済等)の支出が著しく多い方は、その部分の改善を図らなければいけません。場合によっては引っ越しや債務整理が必要になるでしょう。

いずれにせよ、お金を借りなければいけない状況、もう借りられない状況を変えるためには収支バランスの確認は必要不可欠です。

仕事を増やして収入を増やすべき

もうお金が借りられないならば、収入を増やす努力をしてください。たとえば、勤務時間を増やしたり、残業時間を増やしたりすれば良いでしょう。

会社的に就業時間の増加が難しいならば、副業を検討すれば良いでしょう。就業時間終了後の1時間でもお金に変えられれば、確実な収入アップに繋がります。

収入を増やすことができれば、無理にお金を借りなくても確実に生活を立て直せるでしょう。

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債務整理で借金の根本解決を目指すべき

収支バランスの確認を行った結果、多額の借金が原因で生活が破綻している方、あるいはなんらかの事情で収入を増やせない方は、債務整理を検討してください。

債務整理とは、あなたが現在抱えている借金を減額したり免責(免除すること)したりする手続きです。債務整理には下記の3種類ありますが、いずれの手続きも借金を解決するためには有効です。

任意整理
任意整理とは、債権者と直接交渉をして利息のカットや返済計画の見直しをしてもらう債務整理手続きです。任意整理交渉がうまくいくことで、あらゆる利息をカットできるため、総支払い金額を軽減できます。

さらに、毎月の返済負担額を軽減できる可能性があるため、もうお金を借りられないと悩まれている方も、余裕のある生活を取り戻せる可能性があるでしょう。

ただし、任意整理は交渉手続きであるため、債権者側が応じなければ減額できないというデメリットがあります。とはいえ、多くの債権者は任意整理に応じてくれるので、まずは当事務所へご相談ください。

個人再生
個人再生とは、借金の返済が困難であることを裁判所に申し立てて、借金を大幅に減額してもらう債務整理手続きです。任意整理と同じく、手続きをしても借金は残りますが、任意整理以上に減額を見込めるのが特徴です。

また、個人再生は法的手続きであり、あなたの持っている一定以上の財産を換価処分(換金して処分すること)しなければいけません。しかし、住宅ローン特則を利用することで住宅ローンを残しておけるのが特徴です。

住宅ローンが残っているけど借金を大幅に減額したいという方は、個人再生を検討されてみてはどうでしょうか。

自己破産
自己破産とは、あなたが抱えているすべての借金を免責(免除すること)する債務整理手続きです。消費者金融等からの借り入れはもちろんのこと、友人や家族からお金を借りている場合もすべて精算できるのが自己破産の特徴です。

すべての借金を生産してまた0からリスタートしたいと考えている方は、自己破産がおすすめです。

自己破産は他の債務整理とは異なり、借金をすべて精算する手続きであるため、債権者に多大な迷惑をかけてしまいます。その分、あなた自身も多くのデメリットを被る恐れがあるのでその点は把握しておいたほうが良いでしょう。

もしも自己破産を検討されているならば、まずは司法書士等へご相談されてみてはどうでしょうか。

多額の借金を抱えているが故にお金を借りなければいけない状況にある方や、もうお金を借りられない原因が借金によるものである方は、債務整理を検討してください。債務整理をすれば今の苦しい生活から確実に抜け出すことができるでしょう。

現状で債務整理費用がなくても大丈夫です。司法書士事務所では、分割払いにも対応しています、どうしても用意が難しいようなら、法テラスを利用すれば良いです。お金がないからといって諦める必要はありません。まずは当事務所までご相談ください。

まとめ

今回は、もうお金を借りられないときはどうすれば良いのか?についてお伝えしました。

一般的な消費者禁輸等からの借り入れが難しい方であっても、行政の生活福祉資金貸付制度生活サポート基金の利用でお金を工面できます。しかし、結局借金を積み重ねるだけであるため、あまりおすすめはできません。

また、もうお金を借りられない状況の人でも「簡単にお金を借りられる場所」として、闇金や個人間融資、給与ファクタリング等があるとのことでした。これらはいずれもトラブルに巻き込まれることが多いため、あまりおすすめはできません。

とくに、闇金や個人間融資は絶対に手を出すべきではありません。万が一手を出してしまえば、法外な利息を請求されたり、思わぬ形で個人情報等が漏洩してしまう恐れがあるでしょう。

最悪の影響を防ぐためには、絶対に違法業者や個人から借り入れをしないことです。このことさえ徹底していれば、危険性を回避できるでしょう。

最後に、もうお金を借りられないときの対処法についてもお伝えしました。まずは自身の収支バランスを確認し、どうしても不足するようならば、収入を増やす努力をしたり債務整理を検討したりすれば良いでしょう。

まずは、お金がないからといってお金を借りる方向に考えることを、やめてみてはどうでしょうか。少ない資金の中でどのように工面していこうか?その方向で考えることによって、きっと今後の生活が変わってくることでしょう。

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