借金100万円を返済する方法を解説!完済可能性を見分ける方法や利用できる債務整理を紹介

借金100万円を返済する方法を解説!完済可能性を見分ける方法や利用できる債務整理を紹介

「借金が100万円にまで膨れあがって返済する自信がない…」

「借金100万円を返済するコツを知りたい」

ある程度収入があるのになぜか100万円の借金を完済できない、あるいは、収入面に不安があるので総額100万円の返済が難しいなど、債務者の状況によって借金の返済可能性はいろいろです。

もちろん、債務者の家計事情から考えて完済を実現できそうならすみやかに完済を達成すべきですが、これ以上返済を続けても家計が厳しくなるだけなら現在の借金状況を根本的に見直す必要があります。

そこで今回は、借金100万円を返済するコツや、完済が難しい場合に利用できる債務整理について解説します。同時に、早期に効率的な方向性を見出すために借金100万円の完済可能性の見分け方も紹介するので、あわせて参考にしてください。

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この記事の監修者

近藤邦夫

司法書士法人 浜松町歩法務事務所」代表司法書士。 愛知県岡崎市出身。 昭和64年早稲田大学法学部卒業。 長年にわたり、債務整理を行い、 また宅地建物取引士の資格を生かし、不動産登記や商業登記も行なっている。

目次

借金100万円の返済可能性は事前に予測できる

借金返済中の債務者が最初にすべきことは、“現在抱えている借金を完済できるのか”を明確にすることです。

なぜなら、借金問題の解決はできるだけすみやかに対策をとるのが肝心だから。たとえば、100万円の借金を完済できる環境ならコツを押さえて早期に借金生活を終わらせるべきですし、その一方で、完済が難しいなら悪あがきをせずに債務整理にシフト変更すべきだと考えられます。

そこで、まずは借金100万円の完済可能性を見極めるポイントを紹介します。次の5項目から、今後の返済可能性を予測してみましょう。

  • 元本の減りが悪いかどうか
  • 返済期間が1年以上続いているか
  • 年収は300万円以上あるのか
  • 滞納経験の有無
  • お金の管理に自信はあるのか

項目ごとに内容を精査する必要があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

元本の減りが悪いなら完済は難しい

まずは、元本が減るスピードについてです。ある程度返済を継続している(つもり)にもかかわらず、借金総額が100万円から減らない(場合によっては増えてしまっている)のなら、今のままでは完済は難しいと考えられます。

毎月返済を続けているのに100万円の借金が減らない理由としては、次の項目が原因である可能性が高いです。

  • 利息が高い
  • リボ払いをしている
  • 毎月の返済額が少ない

たとえば、消費者金融1社から100万円を借り入れているときの利息条件が年利率15%だとすると、単純計算で1年間で発生する利息額は15万円です。

毎月の支払い額が低額な状態では、借金の残債はほとんど減らないという状況に追いこまれるでしょう。

注意
利息制限法の上限金利規制(利息制限法第1条)を前提にすると、1社から100万円を借りているよりも、2社から50万円ずつ借金をしている方が利息の分だけ損をする可能性がある(年利率18%までは合法な利息条件だから)。このように、債務者の借り入れ状況次第では利息だけでも深刻な状態になりうるので、返済計画はかならずチェックしよう。

また、リボ払いの手数料は消費者金融からの借り入れ以上に厳しい利息条件が課されるケースもあるので、毎月のリボ決済額が多ければ、リボ残債がどんどん膨れあがってリボ地獄から抜け出せなくなるリスクがあります。

以上のように、借金残債が100万円からなかなか減らない状態では、とても完済を目指せる状況ではありません。返済シミュレーションなどで完済目標を明確にしたうえで、抜本的なテコ入れが必要だと考えられます。

返済期間が1年以上続いているなら状況の見直しが必要

2つ目の見極めポイントは、返済期間について。返済期間が1年以上続いているのなら、いったん現在の返済状況の見直しが必要です。

もちろん、過度に家計に負担がかからずに返済を継続し、無事に元本が減って残債が100万円まで到達しているという状況ならば、近い将来に残りの100万円も返済できる可能性が高いので問題ありません。

その一方で、たとえば直近の1年間で”残債が120万円から100万円”までしか減っていない状況では、このペースでは完済までに数年必要なことが明らかです。

返済期間が長期に及ぶほど利息の負担は重くなりますし、万が一収入減少などの事情が発生したときには、滞納するリスクも生じます。

借金の返済期間は短いほど債務者の損害は少ないもの。返済期間が1年以上に及んでいる場合には、現在の返済計画を見直して、完済までのスケジュールを再確認しましょう。そして、完済が遠すぎると感じるのなら、債務整理などの方法をご検討ください

年収300万円以下なら家計状況を見直すべき

3つ目の見極めポイントは、年収が300万円以上あるか、という点。

なぜなら、年収が300万円以下なのに借金残債が100万円を超えているということは、総量規制に抵触する危険な状態であると考えられるからです。

総量規制 年収 借金総額
引用:貸金業法について – 日本貸金業協会HP

総量規制とは、貸金業者からの借り入れに対する規制のことです。年収の1/3を超える借金はできません。借金総額が年収の1/3の金額を超えると、返済資金を用意するのが困難になり、日々の生活が危うくなるリスクがあります。

総量規制は、債務者が借金地獄に追い込まれないためのセーフティーネットであると同時に、返済状況が悪化していることの指標ともなるものです。

したがって、借金総額100万円の債務者が年収300万円以下なら危険な状態にあるといえるので、今すぐ返済計画を見直して債務整理を検討すべきタイミングだと考えられます。

注意
総量規制は「貸金業者」からの借り入れを対象にしたもの。銀行系のカードローンや信販会社のショッピングクレジットは含まれないので、”実質的に総量規制に抵触する”借金を背負うという事態が生まれる。「借金」と名のつかないものでも返済負担が生じるケースが少なくないので、家計見直しの際には注意が必要。

参照:1 お借入れは年収の3分の1までです – 日本貸金業協会HP

滞納した経験があるなら返済状況の再確認が必要

4つ目の見極めポイントは、過去に借金を滞納した事実があるかという点です。

借金の滞納癖があると遅延損害金の支払いに家計が圧迫されている可能性があります。

遅延損害金とは、延滞1日ごとに発生するもの。消費者金融などからの借り入れの場合には年利率20%で算出されるのが一般的なので、借金100万円の場合には延滞日数ごとに次のような負担がのしかかることになります。

  • 延滞1日:100万円 × 0.2 ÷ 365日 × 1日 = 約548円
  • 延滞1週間:100万円 × 0.2 ÷ 365日 × 7日 = 約3,836円
  • 延滞1カ月:100万円 × 0.2 ÷ 365日 × 30日 = 約16,438円

遅延損害金は、【借金元本 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日 × 延滞日数】の計算式で導かれます。

「1日あたり500円くらいなら大した負担ではないのでは?」と思われるかもしれませんが、少し気を抜いただけで簡単に毎月の返済額に匹敵する金額負担が発生するので油断をしてはいけません。

したがって、滞納癖がある人、家計管理が不十分で毎月の返済日に遅れることがある人は、家計状況を今一度見直して、完済まで滞納なく返済を継続できるのかを考えましょう。そして、返済継続が難しいと判断できるときには、滞納によるペナルティが深刻になる前に債務整理をご検討ください。

MEMO
借金の延滞日数が伸びると、遅延損害金以外にもペナルティが発生する。延滞が2~3カ月続くとブラックリストに登録されると同時に残債を一括請求。それに応じられないと、強制執行により財産・給与などが差し押さえられるリスクも生じる。延滞をしても良いことは何1つないので、借金生活ではかならず”滞納がない状況”を維持しよう。
参照:5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です – 日本貸金業協会HP

お金の管理に自信がないなら専門家を頼ろう

5つ目の見極めポイントは、お金の管理に自信があるかどうかです。

借金100万円を返済中の債務者のなかには、「家計管理が苦手だ」「ついつい浪費してしまう」「ギャンブルがやめられない」などというように、家計管理のうえで不安や悩みを抱えている人も少なくないはず。

家計を上手に節約する術を知っていたり、お金の管理意識が高ければ、借金100万円を返済するのは可能です。

しかし、返済までには一定の期間を要する以上、自分なりに自信をもって返済生活を歩めなければ途中で挫折をしてしまうリスクがあります。

返済継続の挫折とは、すなわち遅延損害金の発生などの経済的な負担に直結するもの。できるだけ完済までは挫折なく返済を続けなければいけません。

したがって、100万円を完済するまでモチベーションを維持できないという不安を抱えているのなら、すみやかに司法書士などの専門家に相談をして、今後の展望についてアドバイスを求めましょう

債務整理の実績がある専門家を頼れば、100万円の完済可能性を見極めたうえで、債務者1人ひとりにとって適切な方策を提案してくれるはずです。

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借金100万円を返済するにはコツを押さえよう

それでは、借金100万円を完済できる見込みがあるときに押さえておくべきポイントを紹介します。

完済を目指せる環境にある以上は、「できるだけスムーズに短期間で返済を終わらせる」ことが何よりの目標です。

最終的な利息負担額を減らせるように、次の4つのコツを視野に入れましょう。

  • 家計を節約する
  • 収入を増やす
  • 返済方法を見直す
  • 家族や親族の助けを借りる

それでは、それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。

家計を節約して返済しやすい環境をつくる

毎月の返済額は、債務者自身の収入の範囲内から捻出する必要があります。

したがって、支出を節約して家計に余裕ができれば、借金100万円の返済額を毎月用意しやすくなるはずです。

家計を節約するコツとしては、具体的に次のような方法が考えられます。

  • 携帯・スマホの料金プランなどの固定費の見直し
  • 生命保険などの解約
  • 自動車の所有を見直す
  • クレジットカードの利用をやめる
  • 家計簿やアプリで日々の支出をチェックする

携帯・スマホの料金プランなどの固定費を見直す

生活するにあたって不可欠な固定費項目はいくつか存在します。たとえば、携帯・スマホの使用料金、ネット回線、家賃、光熱費、子どもの習い事などです。

固定費を節約できれば、今よりも毎月かならず差額分だけ経済的な余裕が生まれるので、楽に借金返済生活を送ることができるでしょう。

特に、携帯・スマホの月額使用料金については、現在の使用状況などに応じたプラン変更をすれば大幅な節約効果を期待できます。提携しているネット回線に契約変更するなどの方法も有効活用して、家計に余裕をもたせましょう。

参照:家計管理の節約チェックポイント – 日本貸金業協会HP

生命保険などを解約する

将来に備えて生命保険などに加入するのは間違いではありませんが、借金の完済を最優先にすべき債務者にとって、現在契約中の各種保険がかならずしも必要とは限りません。付き合いなどを理由に加入してしまった不要な保険があるのなら、返済を楽にするために解約をご検討ください。

生命保険のなかには、解約返戻金が発生するものがあります。加入期間や返戻率次第では返戻金だけで借金100万円を完済できるケースもあるので、生活の再スタートに役立てましょう。

参照:解約する – 日本生命

自動車の所有を見直す

仕事や介護・生活用品の買い物などに自動車を使うのであればさておき、ほとんど自動車を使用するタイミングがないのなら、マイカーの所有も見直しましょう

自動車を所有しているだけで、ガソリン代・駐車場代・税金・その他維持費が必要。ローン返済中なら、毎月の支払いもあるはずです。

現在では、カーシェアなどの便利なサービスも用意されているので、借金を完済できるまでは自動車を手放すのも1つの選択肢になる場合があります。

クレジットカードの利用をやめる

クレジットカードは手元にお金がなくても買い物ができてしまうので、家計管理には不向きです。不要な買い物のリスクを避けられないので、借金を完済するまでは普段使いを避けましょう。

とはいえ、カード決済はポイントが貯まるなどのメリットもあるもの。すべてを現金払いに統一してしまうと、かえって家計にとってデメリットが発生しかねません。

そこで、効率的な借金返済を阻害せずにカード決済の利便性を享受するために、デビットカードを利用する方法が考えられます。

デビットカード
引用:デビットカードとは – 三井住友銀行HP

デビットカードとは、登録した銀行口座から決済時にすぐにお金が引き落とされる仕組みのカードのこと。口座残高を超える決済はできない構造なので、浪費の心配はありません。

現在ではクレジットカードと変わらないぐらい使える店舗数が多く、また、還元ポイントなども優遇されているケースもあるので、返済生活にてお役立てください。

参照:これからはデビットカードを利用しよう!デビットカードのおすすめポイントを解説 – JCB

家計簿やアプリで日々の支出をチェックする

支出の節約を効果的に行うためには、家計簿をつけたり管理アプリをインストールしたりして毎日のお金の流れを正しく把握するのがおすすめです。

お金を使うたびにチェックする習慣がつけば、お金の管理意識が高まるので、無駄な買い物が減るようになります。

借金の完済が近づきますし、完済後に生活を立て直すときにも、二度と借金をしないような体質改善を目指せるでしょう。

収入を増やして余裕をもって返済額を用意する

収入が増えればその分家計に余裕が生まれるので、毎月の返済額を余裕をもって準備できるようになります。

ただし、現在の仕事の兼ね合いがあるので無理をすると本業がおろそかになるリスクがあるので、無理のない範囲で次のコツを取り入れてみてください。

  • ①隙間時間で副業をはじめる(クラウドソーシングなどを利用)
  • ②自宅の不用品を売却する(フリマアプリなどを活用)
  • ③手当がつく資格を取得する
  • ④思いきって転職する

好条件の転職先がすぐに見つかるなら、借金返済及び今後の人生計画のために仕事をかえるのも1つの選択肢でしょう。

ただ、借金の返済・転職活動・普段の仕事を過不足なくやりきるのはかなり負荷がかかると考えられます。

その一方で、①~③の方法なら現在の仕事とも並行して行えるので、実践できそうなものを取り入れてみましょう。

借金総額100万円なら、毎月1万円ずつ余裕が出るだけでも完済日がかなり近づくはずです。

返済方法を見直して借金100万円の完済日を近づける

ここまで紹介したように、支出を節約して収入を増やす工夫を実践すれば、毎月の返済額を用意しやすい環境が整います。

そして、借金100万円の返済を目指す債務者にとってさらに重要なのが、返済方法を見直して完済日を近づける工夫をするということです。

なぜなら、完済日を前倒しできれば、その分だけ将来利息の発生を抑えられるから。現状の返済計画通りに完済した場合よりも負担を要する利息総額の大幅な減額が見込めます。

利息負担を減らすために役立つ返済計画の見直し方法とは、具体的に次の4つの項目です。

  • 毎月の返済額を増額する
  • 繰り上げ返済をする
  • 一括返済をする
  • 低金利商品に借り換える

毎月の返済額を増額する

毎月の返済額を増額すれば、その分だけ返済期間を短縮できます。

たとえば、借金残債100万円(年利15%)について、毎月の支払い額ごとに返済期間・発生する利息総額を確認してみましょう。

毎月の返済額 返済期間 利息総額
2万円 79カ月 579,052円
3万円 44カ月 301,674円
4万円 31カ月 206,514円
5万円 24カ月 157,936円
10万円 11カ月 75,025円

ここから分かるように、たとえば毎月の返済額を2万円から3万円に増額するだけでも、最終的な利息負担額は20万円以上減額できますし、返済期間も3年近く変わってきます。

金融機関ごとに毎月の返済額は自由に設定できるようになっているので、家計に余裕が生まれたタイミングで少しでも増額して、債務者側にメリットが生まれるようにこころがけましょう。

繰り上げ返済をする

繰り上げ返済
引用:繰上返済について – 八十二銀行

繰り上げ返済とは、毎月の返済負担額とは別に、翌月分以降の支払いを同時に行う返済方法のことです。

毎月の返済額は、”元本と利息”分の支払いに充てられますが、繰り上げ返済は借金元本額だけに充当されるので、返済期間を効率的に短縮できるというメリットが得られます。

繰り上げ返済分の貯蓄があるケース、ボーナスなどの臨時収入が入ったタイミングなどでご活用ください。

MEMO
繰り上げ返済をさらに進めて、残債を一括で完済すれば、その時点で借金生活は終わる。たとえば、マイカーを処分したり保険の解約返戻金などがまとまって入ったりした場合にご検討を。

低金利商品に借り換える

現在の100万円の借り入れの利息条件が厳しい場合には、低金利商品に借り換えることで発生する利息総額を抑えることができます。

たとえば、消費者金融系のカードローンの年利率は利息制限法の上限金利規制(利息制限法第1条)ギリギリに設定されていることが多いですが、このままでは完済までの利息負担額は重くなるばかり。これを、低金利条件の銀行系のカードローンなどに借り換えることができれば、最終的な利息負担額を大幅に減額できます。

たとえば、借金100万円を年利15%と5%のそれぞれの利息条件によって返済した場合の利息総額は次の通りです。

毎月の返済額 年利15%の最終利息総額 年利5%の最終利息総額
2万円 579,052円 123,661円
3万円 301,674円 78,851円
4万円 206,514円 58,214円
5万円 157,936円 46,303円
10万円 75,025円 23,589円

このように、年利率の違いによって、完済までに発生する利息負担額は大幅に変わります。

低金利条件への借り換えによって生活再建がしやすくなるはずなので、各社の商品を比較して完済までのイメージを作り直しましょう。

MEMO
低利率条件の商品に借り換えたうえで毎月の返済額を増額するなどの方法を組み合わせれば、さらに完済までのプロセスは債務者にとってメリットが大きいものに。返済までのスケジュールの組み方は工夫の余地が大きいので、「借金生活を終わらせたい」という明確な覚悟が出来たなら、本腰を入れて返済に取り組もう。

家族や親族の助けを借りる方法も視野に入れよう

毎月の返済額次第ですが、借金100万円を完済するには1年以上の返済期間をクリアしなければいけません。

すると、当初は完済を目指せる家計状況にあったとしても、子どもの教育費や仕事の事情などで家計がひっ迫して予定通りに返済を続けられないというケースもあるでしょう。

もちろん、家計に問題が生じたタイミングで債務整理にシフト変更する方法も生活再建にはふさわしい選択肢ではありますが、「せっかくここまで返済を続けられたのに…」と後悔する気持ちが芽生えるのは当然のことです。

このように、「どうしても完済を目指したいが貸金業者への返済は物理的に難しい」という場合には、家族・親族などの助けを借りる方法も検討してみましょう。

たとえば、”当月分の支払いだけがどうしても間に合わないなら1カ月分だけ融資してもらう”、”いったん金融機関からの借り入れを全額代わりに弁済してもらって後から家族に返済をする”など、柔軟な方法が考えられます。

家族・親族などからの借り入れなら利息条件なども優遇してもらえる可能性がありますし、何より貸金業者とのやり取りから生まれるストレスからも解放されるはず。生活面での不安などを話して気持ちも和らげられるでしょう。

返済中に挫けそうになったときには無料で相談できる機関を利用しよう

借金の返済中は、常に孤独感や不安がつきまとうものです。家族・親族に相談できれば簡単ですが、どうしても借金のことを打ち明けられないという債務者もいるでしょう。

その場合には、ひとりで悩みをかかえたままでいるのは避けるべきです。“誰かに相談できた”という事実があるだけでも債務者の気持ちは落ち着くので、次の相談機関などにお問い合わせください。

【注意!】借金返済のために他社からの新規借り入れはやめよう

借金100万円の返済中に注意をしなければいけないのは、毎月の返済額が用意できない状況になったとしても、決して他社から新規に借り入れをしてはいけないということ。

なぜなら、他社から借金をすると返済窓口が増えるので家計管理が難しくなりますし、場合によっては厳しい利息条件が課されるリスクもあるからです。

そもそも、他社からの借り入れを返済に充てるだけでは、債務者自身が抱えている借金総額は一切減っていません。返済日を1カ月猶予することに何の意味もないのでやめましょう。

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借金100万円の返済継続が難しいなら債務整理を検討しよう

「現在の家計状況では借金100万円を完済できない」「これ以上の返済を続けると日常生活に支障をきたす」というのであれば、無理をして今まで通りに支払いを続けるのではなく、できるだけ早期に債務整理を検討しましょう。

債務整理を利用すれば、現在の返済状況を見直せます。任意整理・自己破産・個人再生のどの手続きを利用するかによって改善方法は異なりますが、少なくとも現状よりは生活が落ち着くはずです。

それでは、残債100万円について債務整理を利用したときにどのようなメリットが得られるかについて、それぞれ確認していきましょう。

注意
手続きごとに一般的な特徴はあるが、収入や借金総額・家族構成などの諸条件次第で”債務者にとって適切な手続き”は異なる。手続き選択は生活再建のポイントになるので、債務者自身だけで判断するのではなく、事前にかならず司法書士などの専門家へ相談しよう

任意整理なら借金100万円の将来利息をカットできる

任意整理とは、将来発生する利息を免除して元本だけの返済に切り替える債務整理手続きのことです。

借金総額が100万円の場合、毎月の返済額ごとに完済までに発生する将来利息は次の表の通り。任意整理を利用すれば、これらの将来利息の支払いがすべて免除されることになります。

毎月の返済額 将来利息=任意整理でカットできる金額
2万円 579,052円
3万円 301,674円
4万円 206,514円
5万円 157,936円
10万円 75,025円

たとえば、現在毎月2万円ずつ返済しているのなら、完済までに発生する利息は579,052円です。ただ、任意整理を利用すればこの利息総額を全額免除。「本来支払う必要があった利息負担がなくなる」という意味合いで家計を助けてくれます。

ただし、任意整理では和解案成立後から3年~5年で完済できるスケジュールが組まれるのが一般的です。つまり、借金100万円の場合なら、36カ月~60カ月で元本の完済を実現しなければいけません。

したがって、毎月の返済額に換算すると、借金総額100万円なら任意整理後は毎月3万円程度の返済が必要になるので、現在よりも毎月の返済額が増えるケースもあるということです。

つまり、任意整理は「そもそも返済を続けるのが難しい」という債務者には不向きな債務整理だと考えられるので、この場合には自己破産の利用を検討しましょう。

なお、任意整理の具体的な手続きの流れ・メリット・デメリットについては、「任意整理とは何ですか?」をご参照ください。

自己破産なら借金100万円の返済義務の免責を狙える

自己破産とは、裁判所の免責許可決定を得られた限りにおいて借金の返済義務が帳消しになる債務整理手続きのことです。

任意整理のように、手続き終了後も返済が続くということはありません。これ以上返済を続けるのが難しいという債務者にはおすすめの債務整理だと考えられるでしょう。

ただし、誰でも自己破産を利用できるというわけではなく、要件やデメリットを考慮すると、次の項目に該当する人には自己破産は適していない可能性が高いです。

  • 収入などを総合的に考慮すると完済可能性が認められる
  • ギャンブルや株式・為替取引などが原因で借金を抱えた
  • 過去7年以内に自己破産の経験がある
  • 処分される債務者名義の財産が多い
  • 破産手続き中に職業制限を受ける仕事に就いている
  • 養育費・慰謝料・税金の滞納分など、免責の対象外の借金が多い

このように、自己破産を利用して借金問題を解決するには、いくつもの注意点を考慮しなければいけません。「自己破産とは何ですか?」のなかで自己破産利用時の注意点などを詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

個人再生なら住宅ローンの特則を利用できる

個人再生とは、借り入れ総額に応じて借金元本額を大幅に減額しうる債務整理手続きのことです。

将来発生する利息の免除しかできない任意整理とは異なり、大幅な減額効果を期待できる点にメリットがあるとされます。

また、個人再生なら住宅ローン返済中の自宅を手元に残したまま借金問題を改善できるので、自己破産のように現在の生活環境を変更する必要もありません。

ただし、借金総額が100万円の債務者にとっては、個人再生を利用する際には留意しなければいけないことがあります。なぜなら、個人再生の最低弁済基準額(減額後もかならず返済が必要な金額)は次のように定められているからです。

100万円未満の場合:負債額全部
100万円以上500万円未満の場合:100万円
500万円以上1,500万円未満の場合:負債総額の5分の1
1,500万円以上3,000万円以下の場合:300万円
3,000万円を超え5,000万円以下の場合:負債総額の10分の1

個人再生手続について – 裁判所HP

つまり、借金総額が100万円の債務者は、個人再生を利用しても返済総額が変わらないので、”任意整理以上の減額効果”を得にくいということです。

もちろん、住宅ローンなどへの配慮ができるなどのメリットを重視して個人再生を利用するという選択肢も間違いではありませんが、詳しくは司法書士などの専門家までお問い合わせください。

なお、個人再生の具体的な手続きの流れ・メリット・デメリットについては、「個人民事再生とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

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借金100万円を抱えて将来の見通しが立たないなら専門家に相談しよう

借金100万円を抱えている現状において、債務者がまず考えなければいけないのは、「自分には借金を完済できるのか」ということです。

この記事で紹介した見極めポイントから完済を実現できると判断するのなら、利息の負担を軽減できるようなコツを取り入れつつ、できるだけスムーズに完済までたどりつきましょう。

その一方で、「今すぐ借金生活から抜け出したい」「これ以上は返済を続けたくない」「自分にできる努力はやりつくした」と考えるなら、今すぐ債務整理に踏み出してください。債務整理への着手が早いほど選択肢も多く、また、状況改善までのプロセスが楽になるはずです。

ただし、債務整理を利用する場合には、専門家のアドバイスを事前に求めるようにしましょう。なぜなら、債務者本人では適切な債務整理手続きを選択するのは簡単ではないですし、万が一誤った手続き選択をしてしまうと、自分が望むような形で生活再建のプロセスを歩めなくなるからです。

司法書士などの専門家に依頼をすれば、プロの目線から客観的な分析をしてくれると同時に、債務者が抱える不安にも丁寧によりそってくれます。どうぞお気軽にご相談ください。

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