「借金が200万円もあると結婚もできないのでは?」「まだ30歳だから借金200万円なんて余裕で返済できそう」など、同じ借金200万円を抱えていたとしても、債務者によって状況が異なるため、完済に向けたモチベーションも違ってくるものです。
確かに、ネットやSNSを調べてみると、「借金200万円なんて余裕で返済できる」「さすがに借金200万円はやばい」というように、同じ借金額でも人によって捉え方はさまざま。ただ、これだけを参考にすると、自分の返済状況を正確に把握できていない債務者にとっては、借金200万円が完済可能なのか否かを判断するのは簡単ではありません。
そうはいっても、借金問題は解決した方が良いのは当たり前のことです。特に、200万円の借金は決して少額ではありません。ただ言われた通りに返済を継続しているだけでは、いつまで経っても借金生活から抜け出せないでしょう。
そこで今回は、借金200万円の4つの解決法について解説します。あわせて、どのようにして借金200万円の解決法を選べば良いのか、200万円の借金を放置したままではどのようなデメリットが生じるのかなどについても紹介するので、ご自身の生活再建に役立てましょう。
目次
借金200万円への対処法を決めるのは完済可能性の有無次第
200万円の借金への対処法は全部で4つです。そして、どの対処法を選択するかは、「借金200万円を自分で完済できるか否か」という問いに対する答えによって変わります。
- 借金200万円を自力で完済できる場合 → リスク回避の注意点を押さえて返済スケジュールをこなす
- 借金200万円を自力で完済できない場合 → 3つの債務整理手続き(自己破産・個人再生・任意整理)から希望の手続きを選択する
つまり、これから200万円の借金問題解決に向けて動き出すのなら、債務者にとってのファーストステップは「自力完済が可能か」を判断すること。自力完済を目指せるなら返済工夫を凝らす、自力完済が難しいなら債務整理を利用する、という流れです。
そこで、まずは、借金200万円の自力完済の可能性をどのようにして判断すべきなのか、見極めポイントとして次の6点を紹介します。
- 年収は600万円以上あるのか
- 返済期間は1年以上つづいているのか
- 元本は着実に減っているのか
- 借金完済を目指す素養は備わっているか
- 滞納歴の有無
- 完済までモチベーションは維持できるのか
それでは、借金200万円の完済可能性を見極める6つのポイントについて、具体的に見ていきましょう。
年収600万円以下なら借金200万円の完済は難しい
借金200万円の完済可能性を判断する1つ目のポイントは「年収」です。年収600万円以下の状態で借金総額が200万円に及んでいるのなら、自力完済を目指すのは諦めて債務整理にシフトすることをおすすめします。
年収600万円が完済可能性の目安になる理由は”総量規制“が参考になるからです。
引用:1 お借入れは年収の3分の1までです(日本貸金業協会HP)
総量規制とは、債務者が返済能力を超えて貸金業者等から借入れるのを禁止するルールのこと。原則として、年収の1/3を超える借金を抱えると健全な生活を送りながら借金の完済を目指すのは難しいと考えられています。
たとえば、年収300万円の人なら借金は100万円まで、年収600万円なら借金は200万円まで、年収1,200万円なら借金は400万円まで、というのが完済可能性の目安です。
つまり、借金が200万円残っているのに年収が300万円、400万円しかない状況では、普通の生活を送りながら返済生活をつづけるのは危険だということ。年収600万円未満の人は借金200万円の自力完済を目指すのは難しいので、司法書士などの専門家に返済状況等を分析してもらうことをおすすめします。
返済期間が1年以上つづいているなら借金200万円の完済は再検討すべき
借金200万円の完済可能性を判断する2つ目のポイントは「返済期間」です。ひとつの目安として、返済期間がすでに1年以上つづいているのに借金残債が200万円ある場合には、このまま自力完済を目指すのはおすすめできません。
なぜなら、借金は返済期間が長期化するほど債務者にとって損な取引だからです。返済期間が伸びるほど、債務者が負担しなければいけない利息が増えつづけるため、借金生活から抜け出して生活再建の道を歩みにくくなります。
たとえば、消費者金融などからの借入の場合、200万円の借金なら年利率15%の金利条件が設定されるのが一般的です。次のようなスケジュールで借金を完済できたとしても、債務者は借入元本以外にかなり高額の利息を支払わなければいけなくなります。
完済までの期間 | 毎月の返済額 | 最終的な利息総額 |
---|---|---|
12カ月 | 180,516円 | 166,194円 |
24カ月 | 96,973円 | 327,348円 |
36カ月 | 69,330円 | 495,888円 |
48カ月 | 55,661円 | 671,728円 |
60カ月 | 47,579円 | 854,770円 |
以上のように、200万円の借金を1年で完済したとしても利息は20万円近く発生します。また、家計への負担を考えて毎月の返済額を減らして5年の完済計画を作ったとすると、利息だけで80万円以上の負担を強いられることに。これでは、完済できたとしても、利息が家計に与える悪影響はかなりのものになるでしょう。
すでに返済期間が1年以上つづいている債務者は、返済期間分の利息を支払っている状況です。これ以上の利息の負担を避けたいのなら、債務整理で返済計画を作り直す・免責を狙うべきでしょう。
元本の減りが悪いなら借金200万円の完済を狙うのは難しい
借金200万円の完済可能性を判断する3つ目のポイントは「返済生活の進捗状況」です。
たとえば、着実に借金を減らして残債200万円の状況まで至っているのならこのまま完済を目指しても問題ありませんが、借金総額が200万円から減らない場合・減っても追加融資をして残債の増減を繰り返している場合には、自力で完済を目指すのではなく、債務整理を利用して状況の大幅な改善を狙った方が良いでしょう。
特に、以下のような方法で借入などの取引をしている場合には、元本の減りが悪い状況である可能性が高いです。該当する項目がある債務者は、債務整理を前向きにご検討ください。
- リボ払い
- 毎月の支払い額が固定化されるリボ払いは、返済長期化のリスクが高い取引です。キャッシングリボ・ショッピングリボにかかわらず、「毎月の家計管理が楽」という落とし穴に騙される可能性があるので注意しましょう。
- 少額の借入を複数社から並行している(多重債務状態)
- 一社あたりの借入額が少額だとしても、多重債務状態におちいると危険です。返済管理が難しいだけではなく、少しでも返済が滞りはじめると複数社全額分について遅延損害金などの滞納ペナルティが発生するリスクに晒されます。
- おまとめローン
- 多重債務を一本化して低金利条件・毎月の返済額の軽減というメリットがあるおまとめローンは、返済期間が長期化して借金生活から抜け出せなくリスクのある取引です。
借金200万円を自力完済するためには、積極的に元本自体を減らせる家計状況が不可欠です。利息の支払いだけで目一杯の状況なら、債務整理で返済状況にテコ入れすることをおすすめします。
ギャンブル依存の債務者は借金200万円の完済は難しい
借金200万円の完済可能性を判断する4つ目のポイントは「借金返済への適性」です。
借金の返済は誰にとっても苦しいもの。そうであるにもかかわらず、債務者自身に借金返済の適性が存在しない場合・借金返済には向かない性格の場合には、自力で完済を目指すのは難しいでしょう。
- ギャンブル・浪費・衝動買いなどをやめられない
- 株式取引・為替取引・先物取引などに手を出している
- お金の管理が苦手
- 自分に甘い・流されやすい性格
- 身近に借金問題を相談できる人がいない
特に注意しなければいけないのが、これらの項目に該当する場合、今後債務整理を利用する際にも支障が生じることがあるということ。
たとえば、ギャンブルや株式取引が原因で借金がふくれあがったときには自己破産で免責許可決定を獲得するまでのハードルは高くなります。また、家計管理が苦手で適切な生活再建プランを提案できなければ、個人再生・任意整理がうまくいかないリスクも避けられません。
つまり、借金返済の適性がないままでは、自力完済だけではなく、債務整理もスムーズに進みにくくなるということです。今後の人生を意義のあるものにするためにも、今のうちから自分を律する気持ちを強くもって、借金問題解決に向き合いましょう。
滞納癖がある債務者は借金200万円の返済計画の見直しが必要
借金200万円の完済可能性を判断する5つ目のポイントは「滞納歴」です。過去に何度も借金の滞納歴がある場合には、借金200万円の完済を目指すのはおすすめできません。
なぜなら、滞納歴があるということは、その都度”遅延損害金”が発生しているということだからです。
遅延損害金とは、約定返済期日までにお金を用意できなかった債務者に課される滞納ペナルティのこと。延滞日数に応じて毎日遅延損害金年利率20%の割合で金銭負担が加えられるのが一般的です。たとえば、200万円の借金の場合には、延滞日数ごとに次の遅延損害金が発生します。
- 遅延損害金総額 = 借金残債総額 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日(366日) × 延滞日数
- 滞納1日:200万円 × 0.2 ÷ 365日 × 1日 = 約1,096円
- 滞納1週間:200万円 × 0.2 ÷ 365日 × 7日 = 約7,671円
- 滞納1カ月:200万円 × 0.2 ÷ 365日 × 30日 = 約32,877円
- 滞納2カ月:200万円 × 0.2 ÷ 365日 × 60日 = 約65,753円
つまり、延滞癖のある負債総額200万円の債務者は、たった1日滞納しただけで1,000円以上の経済的負担を被ることになります。
遅延損害金年利率は利率よりも高く設定されているのが一般的。これでは、いつまで経っても借金残債は減らないどころか、完済が遠のくばかりです。
したがって、過去に滞納歴ある債務者は今後も延滞状態におちいる蓋然性があると考えられる以上、自力完済ではなく債務整理がおすすめだと考えられます。
借金200万円の返済シミュレーションをクリアする自信がないなら返済方法を再検討しよう
借金200万円の完済可能性を判断する6つ目のポイントは「債務者自身の気持ちの問題」。実は、ここまで紹介した返済可能性の有無にかんする客観的なチェックポイントよりも、債務者の気持ちの問題がなによりも重要です。
なぜなら、借金200万円を完済するまでは、とても長く厳しい道のりを歩まなければいけないから。どこかのタイミングで心が挫けてしまうと、完済がどれだけ近づいたかに関係なく次のデメリットが生じることになります。
- 遅延損害金の発生
- 上述の通り、借金残債に応じて延滞日数が伸びるに比例して毎日金銭負担が発生する。
- 債権者からの取り立て
- 郵便物・電話などによる督促のほか、債権者からの連絡を無視すると自宅訪問という形で取り立てが実行されるおそれもある。お金を払えない債務者の精神面を圧迫するもの。
- 残債の一括返済を求められる
- 延滞期間が2カ月~3カ月に及ぶと、期限の利益を喪失したと扱われて、毎月の分割返済さえ許されなくなる。
- 信用情報に傷が付く
- 延滞期間が2カ月~3カ月になった段階で、ブラックリストに登録される。信用情報機関に事故情報が登録されてしまうので、クレジットカードが使えなくなる・子どもの奨学金の保証人資格を失うなど、日々の生活にも弊害が及ぶ。
- 強制執行が実行される
- 延滞が長期化した債務者に対しては、強制執行という法的措置によって強制的に債権回収が目指される。債務者名義の財産や給与が差し押さえられるので、家族や職場にまで迷惑がかかってしまう。
まずは、お手元の借入条件から完済までの返済シミュレーションをご確認ください。完済まで何年、毎月どれだけの金額を返済しつづけなければいけないかチェックしてみましょう。
そして、「自分には何年も頑張る気力は残っていない」「今は大丈夫だけれど、来年子どもが進学する時期になると返済額にお金を回せるか不安だ」などのように、確実に完済まで頑張れる自信がない状況なら、すみやかに債務整理に切り替えることを強くおすすめします。
今無理をして数カ月返済を継続できたとしても、どこかで返済が滞るとすべての努力が無に帰すだけ。今後の返済シミュレーションに不安がある債務者は、司法書士等の専門家に今後の展望についてご相談ください。
借金200万円の完済を目指すなら6つのポイントを押さえて返済をつづけよう
それでは、借金200万円の自力完済を目指すという債務者のために、返済生活をスムーズに進めるためのポイントを紹介します。
次の6つのポイントを押さえれば可能な限りデメリットを押さえながら完済を実現できるでしょう。
- 毎月の家計管理を適切に行う
- 節約や収入アップで家計の循環を良くする
- 利息の発生を抑える工夫を実行する
- 家族・知人に助けを求める
- リスクのある取引に手を出さない
- ひとりで悩みを抱えず誰かに相談する
「借金200万円の完済を目指す」と決めたなら、途中で挫折してはいけません。返済が頓挫して途中で債務整理に切り替えるくらいなら、最初から債務整理を利用した方が得だからです。
それでは、借金200万円の自力完済に役立つ6つのポイントについて具体的に見ていきましょう。
借金200万円完済のコツ1:毎月の家計管理を適切に行う
借金200万円完済に向けた1つ目のコツは、毎月の家計管理を適切に行うことです。
毎月の収入・支出額が明確でなければ、返済額を確実に用意することができません。家賃・住宅ローン・光熱費・携帯電話利用料・保険料などの固定費から、食費・交際費・遊興費などの流動項目まで、家計簿や家計簿アプリなどを活用して「目で見て分かる状態」を作りましょう。
たとえば、日本貸金業協会のHPからでも、「家計バランスシート(月間)」のページで現状分析・改善プランを提案してもらえます。借金完済に向けたファーストステップとしてご活用ください。
借金200万円完済のコツ2:節約や収入アップで家計の循環を良くする
借金200万円完済に向けた2つ目のコツは、節約・収入アップで返済環境を整えることです。
支出を減らす・収入を増やすことができれば、毎月の返済が楽になるのは間違いなし。たとえば、次のような方法が考えられるので、着手しやすいものから実践してみましょう。
- 携帯・スマホの料金プランなどの固定費の見直し
- 生命保険などの解約
- 自動車の所有を見直す
- クレジットカードの利用をやめる
たとえば、固定費の節約は家計に大きな影響を与えるものです。月々数千円の節約でも、年間換算すると数万円以上を借金返済に回せることになります。
また、不要な生命保険は今すぐ解約すべきです。契約内容次第では解約返戻金が入ってくることもあるので、そのまま借金返済に充てれば大幅に返済状況は改善できるでしょう。
さらに、債務者にとって特に重要なポイントがクレジットカードの使い方。カード決済の利便性は言うまでもありませんが、クレジットカードを使う頻度が高くなると、どうしても「今使えるお金の範囲でやりくりする」という習慣がつきにくいからです。
デビットカードやチャージ式の電子マネーでも充分にキャッシュレス決済に対応できるので、利便性よりも家計管理の確実性を最優先に考えるようにしてください。
なお、自力完済に役立つ具体的な節約方法については以下のリンク先でも詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
借金100万円を返済する方法を解説!完済可能性を見分ける方法や利用できる債務整理を紹介借金200万円完済のコツ3:利息の発生を抑える工夫を実行する
借金200万円完済に向けた3つ目のコツは、利息の発生を抑えるような返済工夫を凝らすことです。
上述のように、借入時の融資条件にそのまま従うだけでは、債務者には高額の利息負担が発生することになります。
自力完済を目指す以上は、原則として借入時の利息条件を変更することはできませんが、債務者側で返済方法に工夫を凝らすことによって利息の発生を抑えて楽に完済までたどり着くことができるでしょう。
- 毎月の返済額を増額する
- 繰り上げ返済をする
- 一括返済をする
- 低金利商品に借り換える
毎月の返済額を増額するだけで利息発生額を抑えられる
毎月の返済額を増額するだけで、債務者負担の利息発生額を大幅に減額することができます。
たとえば、借金総額200万円の場合、毎月の返済額ごとの利息総額・返済期間は次の通りです(利息条件:年利率15%とする)。
毎月の返済額 | 返済期間 | 利息総額 |
---|---|---|
4万円 | 79カ月 | 1,158,176円 |
4万5千円 | 66カ月 | 937,563円 |
5万円 | 56カ月 | 789,895円 |
7万円 | 36カ月 | 489,779円 |
10万円 | 24カ月 | 315,885円 |
たとえば、毎月の返済額を4万円から4万5千円に増額するだけで、返済期間を1年以上短縮・利息総額も20万円以上節約できます。たった5千円の違いだけで大きなメリットがもたらされるのが明らかでしょう。
このように、毎月の返済額は借金生活の行く末を左右し得る重大なポイントです。消費者金融などの会員ページから簡単に返済額の変更ができるようになっているので、適切な家計管理のもと、できるだけ多めに返済額を設定して返済状況を改善しましょう。
繰り上げ返済・一括返済は借金生活終了を近づける裏技
繰り上げ返済とは、当月分の返済に加えて翌月分以降の返済も先に済ませてしまう方法、一括返済とは、借金残債をすべて一度に返済してしまう方法のことです。ボーナスなどのまとまった収入が入ったタイミングで実践すれば、かなり大幅に完済までの期間を前倒しすることができます。
特に、繰り上げ返済は債務者に有利な返済方法として注目すべき存在です。
引用:繰り上げ返済について – 八十二銀行HP
というのも、毎月の返済額の内訳は「借金元本/利息」の2項目にそれぞれ充てられているため、借金元本の減りがどうしても悪くなるという実情があります。これに対して、繰り上げ返済で支払う翌月分以降の返済はすべて「借金元本だけ」に充当されるもの。利息に回されるお金が存在しないので、借金をどんどん減らすことができます。
よほどのことがなければ一括返済は難しいかもしれませんが、少額からでも実践できる繰り上げ返済なら習慣化しやすいはず。貸金業者によっては1円単位から繰り上げ返済できるケースもあるので、契約書やHP等をご確認ください。
低金利商品への借り換えで融資条件自体を変更する
融資条件(利息条件)自体を変更して利息の発生額を抑える手法として考えられるのが、低金利商品への借り換えです。
たとえば、現在借金200万円を年利率15%で借入れているところを年利率5%の商品に借り換えできれば、同額の借金総額を債務者にとって有利な金利条件で返済できることになります。
2つの金利条件の違いがどれだけ借金200万円の発生利息額に影響を及ぼすかについては以下をご参照ください。
毎月の返済額 | 年利率15%の最終利息総額 | 年利率5%の最終利息総額 |
---|---|---|
4万円 | 1,158,176円 | 247,351円 |
5万円 | 789,895円 | 192,406円 |
7万円 | 489,779円 | 133,882円 |
10万円 | 315,885円 | 92,622円 |
15万円 | 201,700円 | 62,040円 |
このように、借入条件が変更されるだけで、債務者の経済的な負担は大幅に軽減されます。少しでも利息の発生を抑えて(同時に返済期間の短縮も可能)借金200万円の完済を実現したい債務者は、他社の低金利商品を探してみるのも1つの手段でしょう。
借金200万円完済のコツ4:家族・知人に助けを求める
借金200万円完済に向けた4つ目のコツは、家族・知人に助けを求めることです。
たとえば、借金200万円を親族などに立て替えてもらえれば、その時点で貸金業者との関係は終了します。あとは、親族との間で取り決めた条件に沿って返済をつづければ良いだけ。債権者が親族になるので、利息や返済期間などについて融通をきかせてもらいやすいはずです。
また、確実な返済生活を送るためには、家族のサポートも不可欠でしょう。もちろん、家族に借金のことを告白しにくいという気持ちは当然のことですが、毎月確実に返済額を用意するためには、家族全員の節約意識を欠かせません。
家族・知人はあなたの味方です。自力完済を目指すと決めたのなら、味方になってくれる人のサポートを得ながら、一緒に完済まで歩んでもらいましょう。
借金200万円完済のコツ5:リスクのある取引に手を出さない
借金200万円完済に向けた5つ目のコツは、どれだけ返済が苦しくなったとしてもリスクのある取引には手を出さないということです。
借金総額200万円を完済するまでには最低でも数年の期間を必要とします。期間中に「今月は予定外の出費が重なったせいでどうしてもお金を用意できない」「怪我・病気が原因で仕事ができなくなってしまった」ということもあるでしょう。
しかし、次に挙げる方法は債務者を今よりも深刻な返済状況に追いこむだけのものです。絶対に利用してはいけません。
- 闇金からの借入
- 審査なしで融資してくれる業者は闇金の可能性が高いです。すぐにお金を手に入れられたとしても、違法利息・厳しい取り立てリスクに晒されるため絶対にかかわらないでください。
- ネット・SNSなどの個人間融資
- 近年、SNSなどで個人間融資を募集する声が増えています。しかし、これらの存在は闇金と繋がっている可能性が高く、また、個人情報の漏洩リスクにも晒されることになるので利用してはいけません。
- その他取引リスクが高い融資手法
- 「簡単にお金が手に入る方法」として募集されている手法には落とし穴しかありません。たとえば、給料ファクタリング・現金化・口座やスマホの売買・年金担保融資などはすべて危険です。
借金200万円の自力返済を目指した以上は、本来なら完済まで努力するべきです。しかし、状況次第では完済が難しくなることもあるはず。
そのようなときは、「完済」というゴールにこだわりすぎてはいけません。司法書士などの専門家に相談すれば、返済途中からでもあなたに合った債務整理手続きへスムーズに移行してくれるので、遠慮なくご相談ください。
借金200万円完済のコツ6:ひとりで悩みを抱えず誰かに相談する
借金200万円完済に向けた6つ目のコツは、借金返済生活の苦しさを相談できる相手を見つけることです。
返済生活は孤独で辛いもの。時として、完済までの道のりに心が挫けて後ろ向きな気持ちになってしまうこともあるでしょう。
そのようなときに、あなたの不安・悩みを相談できる相手がいるだけでも励まされるものです。家族・知人などに相談するのも良いですし、どうしても身近な人に相談できないのなら、次の第三者機関に相談すれば借金問題の苦悩を丁寧にくみ取ってアドバイスをくれるでしょう。
- 貸金業相談・紛争解決センター(日本貸金業協会)
- 日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)
- 国民生活センター・消費生活センター
- 金融庁の相談窓口
- 日本司法支援センター(法テラス)
- 日本司法書士連合会
他にも、お住まいの自治体主催の無料法律相談会や私設NPO団体などが借金問題の相談を受け付けてくれる場合もあります。
返済生活に集中しているとどうしても視野が狭くなりがちですが、あなたが考えている以上に手助けをしてくれる存在はたくさんあるので、困ったときには積極的にお問い合わせください。
借金200万円の完済が難しいなら司法書士に債務整理を相談しよう
つづいて、借金200万円を自力で完済するのが難しいという債務者に向けたアドバイスです。
具体的な方法として考えられるのが債務整理。国が認めた借金救済制度なので、合法的に返済状況を改善することができます。
そして、債務整理を利用する際には、司法書士に手続きを相談するのがおすすめ。なぜなら、司法書士への依頼によって次の3つのメリットが得られるからです。
- 自分にぴったりの債務整理手続きを選択してくれる
- 司法書士に債務整理を依頼すれば取り立てが止まる
- 過払い金返還請求の可能性もチェックしてくれる
それでは、債務整理を司法書士に相談するメリットについて具体的に見ていきましょう。
司法書士に相談すれば自分にぴったりの債務整理手続きを選択してくれる
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3種類の手続きが用意されているため、自分でどの手続きを選択するのかを決めなければいけません。
ただ、各手続きにはメリット・デメリットが存在するため、何の知識もない債務者自身が選択するのは簡単ではないでしょう。
債務整理のノウハウが豊富な司法書士なら、債務者の状況・希望を前提として、生活再建にぴったりの方法を選択してくれます。
それでは、各債務整理手続きの特徴、各手続きを利用すれば借金200万円がどのように改善されるのかについて具体的に見ていきましょう。
任意整理なら将来利息をカットできる
任意整理とは、裁判所を利用せずに債権者と直接交渉することによって今後の返済計画をもういちど作り直す債務整理手続きのこと。
債権者がどこまでの交渉に応じてくれるかは司法書士の力量次第ですが、一般的には次のような内容で和解契約が成立することになります。
- 将来利息の支払いを免除
- 借金元本だけを原則3年~5年で完済する
たとえば、借金200万円の債務者が任意整理を利用すれば、月々の返済額は次のようになります。
完済までの期間 | 月々の返済額 |
---|---|
3年 | 約5万5千円 |
4年 | 約4万2千円 |
5年 | 約3万3千円 |
借金総額が200万円にものぼる債務者の場合、債務整理利用前の現在の返済状況では、月々の返済額が5万円以上の場合がほとんどのはず。
つまり、任意整理を利用すれば、毎月の返済額を今までよりも減額できるうえに、返済期間の短縮・今後の利息負担額をゼロにできるため、月々の返済がかなり楽になるでしょう。
ただし、任意整理を利用する場合には、このようなメリットを手にする代償として次のデメリットが発生する点にはご注意ください。
- 任意整理のデメリット
- ・元本の返済は継続しなければいけない
・任意整理後に借金を返せないと再交渉の余地がなくなる
・他の債務整理に比べると借金の減額効果が弱い
・約5年ブラックリストに登録される
なお、任意整理については、「任意整理とは何ですか?」でも詳しく紹介しています。費用面・手続きの流れについて気になる方はぜひご参照ください。
個人再生なら借金200万円自体を減額できる
個人再生とは、裁判所を利用して借金元本額の減額を目指す債務整理手続きのこと。手続きの特徴として「住宅ローン特則」が用意されているので、住宅ローン返済中のマイホームを手放さずに借金問題を解決したいと希望する債務者におすすめの方法です。
将来利息の免除しか狙えない任意整理とは異なり、個人再生では借金元本自体の減額が狙えるのが魅力的。たとえば、借金200万円の場合は返済総額を100万円まで圧縮可能なので、個人再生計画案認可後は100万円だけを原則3年で分割払いすれば良くなります。
個人再生のデメリットは次の通りです。元本の減額・マイホームを手元に残せるというメリットと比較衡量したうえで、手続き選択をご判断ください。
- 個人再生のデメリット
- ・安定した給与を得ている必要がある
・借金総額が100万円以内だと元本の減額は受けられない
・所有する財産が多いと充分な減額を受けられないリスクがある
・約5年~10年ほどブラックリストに登録される
なお、個人再生については、「個人民事再生とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
自己破産なら借金200万円が免責される可能性がある
自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務の免責を狙う債務整理手続きのこと。個人再生・任意整理とは異なり、免責許可決定が確定した段階で借金生活は終了します。いわば、どうしても借金返済を継続できない債務者に与えられた「最後の救済措置」という位置づけです。
「借金生活を終わらせられるなら、自己破産を選択するのが当然なのでは?」と疑問に思う債務者もいるでしょう。確かに、メリットの大きさだけを考えると、個人再生・任意整理を選択することに意味がないように思うのは当然のことです。
ただ、自己破産には次に挙げるように大きなデメリットが存在することを見逃してはいけません。これらのデメリットを受け入れてもなお借金生活の終了を希望する場合にのみ”自己破産による借金免責”という大きなメリットは手に入れられるものです。
- 自己破産のデメリット
- ・(自由財産以外の)債務者名義の財産が処分される
・養育費や罰金など、一部の非免責債権に分類される借金は免責されない
・ギャンブルが原因の借金など、免責不許可事由が存在すると借金が残る(別途、「裁量免責」という制度を利用できる)
・破産手続き中、職業制限を受ける資格・仕事がある
・約10年、ブラックリストに登録される
なお、自己破産については、「自己破産とは何ですか?」で詳しく解説しています。手続きの注意事項を含めてご参照ください。
司法書士に債務整理を依頼すれば取り立てが止まる
司法書士に債務整理を依頼するメリットとして、債権者からの取り立てがストップするという点が挙げられます。
債務者からの依頼を受けた司法書士の最初の仕事は、債務整理の対象になる借金の債権者に対して”受任通知(介入通知・債務整理開始通知)“を送付すること。受任通知には以下の内容が記載されるため、債権者は債務者に直接連絡を取ることができなくなります。
- 司法書士が代理人になる旨
- 直接の取り立ての停止を求める旨
- 債務整理手続きが終了するまで支払いを停止する旨
- 消滅時効の「承認」ではない旨
- 取引履歴の請求
これによって、債務者本人が消費者金融等の貸金業者と直接かかわりをもつことはなくなります。
早期に債権者からのプレッシャーからの解放を希望するのなら、司法書士に依頼をして債務整理を進めるのがおすすめです。
司法書士に借金問題を相談すれば過払い金返還請求の可能性もチェックしてくれる
過払い金返還請求とは、債務者が債権者に払い過ぎていた利息を取り戻す法的措置のこと。利息制限法に違反する融資条件で取引をしていた場合・10年以上貸金業者との間で取引が継続している場合などでは、過払い金返還請求によって借金問題を解決できる可能性があります。
過払い金の発生額が大きければ、わざわざ債務整理を利用する必要もありません。また、取引状況次第では、手元にお金が戻ってくる可能性も。
司法書士に借金問題を相談すれば、過去の取引履歴から債務整理だけではなく過払い金返還請求の可能性もチェックしてくれるので、より幅広い選択肢から借金問題解決を期待できるでしょう。
なお、過払い金返還請求については以下のリンク先でも詳しく解説しています。「どうすれば過払い金の有無を調べられるのか」などの調査方法や過払い金の有無の目安についても触れているので、あわせて参考にしてください。
過払い金がいくらあるか調べる方法は?戻ってこない場合の借金問題の解決方法借金200万円の解決を目指すならすみやかに司法書士に相談しよう
200万円の借金は高額です。できるだけ早期に解決に動き出さなければ、今後の人生の選択肢を大きく狭めることにもなりかねません。
大切なのは、「自力で完済できるか」をしっかりと見極めること。自力完済が可能なら返済に工夫を凝らして完済を実現する、自力完済が難しいのならすみやかに債務整理に移行して返済状況を改善するのがおすすめです。
ただ、なかには現在の借金状況がどれだけ深刻か分からないという人も少なくはないはず。そのような債務者には、「借金減額診断(シミュレーター)」がおすすめです。
こちらの「借金減額診断(シミュレーター)」は、ネットから無料で簡単に、自分の返済状況の深刻さ・今後の返済可能性をチェックすることができるもの。司法書士からの本格的なアドバイスにもつなげられるので、借金生活からの脱却のファーストステップとして積極的にご活用ください。
借金減額診断(借金減額シミュレーター)は怪しい?減額診断を使うと借金が減額出来るのか?徹底解説