「借りたお金は返さなければいけないのでは?」「返済しないと債権者に迷惑がかかるけど大丈夫?」などの不安・疑問はもっともです。確かに、契約を結んでお金を借りた以上、原則として債務者は約束通りに返済する義務を負っています。
ただ、国が認めた借金救済制度を利用すれば、誰でも合法的に借金問題の改善を目指せるということを覚えておきましょう。
そこで今回は、国が認めた借金救済制度である債務整理・過払い金返還請求とはどのような制度なのかについて解説するとともに、これらの制度を活用する際に司法書士などの専門家に依頼するメリットを紹介します。
借金の返済に追われて日々の生活さえ満足に過ごすことができない債務者の方は、今後の生活再建のためにお役立てください。
目次
国が認めた借金救済制度なら誰でも借金問題を改善できる
いついかなるときでも借金の返済義務から逃れられないとなると、債務者の生活・命が危険に脅かされることになります。
たとえば、今日・明日の食費や子どもの養育費さえ捻出できないような家計状況において、それでも借金の返済を最優先にしなければいけないものでしょうか?
確かに、無条件に返済義務の減免を認めてしまうと、お金を貸した側の債権者が不当に損害を被ることになります。ただ、債務者の状況を個別・具体的にみたとき、借金の減免を認めて生活再建のチャンスを与えるべき人たちも少なからず存在するのは明らかでしょう。
そこで、借金問題については例外的に国が介入できるという制度設計が行われており、一定の要件を充たす場合に、”債務整理・過払い金返還請求”を利用することが可能です。
ここからは、債務整理の3分類である自己破産・個人再生・任意整理と、過払い金返還請求の4つの制度についてそれぞれ見ていきましょう。あわせて、司法書士に手続きを依頼した場合の費用も紹介するのでご参考ください。
- 得られるメリット(減額効果など)
- メリットを得るための条件・代償としてのデメリット
いずれの制度にも長所・短所があるので、良いところだけに気をとられずデメリットにも留意しましょう。
国が認めた借金救済制度1:自己破産
自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務を免責してもらう債務整理手続きのこと。国が合法的に借金生活の終了を認めて、債務者を困窮状態から救済してくれる制度です。
それでは、自己破産の特徴について詳しく見ていきましょう。
自己破産のメリット
自己破産のメリットは次の2点です。
- 借金返済義務からの解放
- 無職でも利用できる手続き
自己破産の最大のメリットは、裁判所の免責許可決定が確定した段階で借金生活が終わりになるという点。これによって今後は借金の返済に頭を悩ませる必要はなくなります。
さらに、自己破産を利用するにあたって債務者の年収は一切問われません。無職・フリーター・正社員など、どのような雇用状態であったとしても、「借金の完済が難しい」といえる状態であれば、誰にでも自己破産を申し立てる資格が認められます。
自己破産のデメリット
“免責”という大きなメリットを得られる代わりに、自己破産には次のデメリット・条件が課せられます。
- 債務者名義の財産が処分される
- ギャンブルが原因の借金は免責されにくい
- 手続き中に制限事項がある
見落としてはいけないのが、自己破産を利用する債務者名義の財産はほとんどが処分対象になって、現金化された後に債権者に配当されるということ。「借金を免除してもらったうえに、今まで通りの生活ができる」というのでは、債権者とのバランスを欠くと考えられるのがその理由です。
また、ギャンブルが原因で借金を背負った場合には免責までのハードルが高くなったり(「免責不許可事由」に該当するから)、破産手続き中に職業制限を受ける仕事があったりなど、手続きを進めるうえでの弊害なども多数考慮する必要があります。
このように、“借金返済義務の免責”という大きなメリットを手にするためには、免責許可までのいくつもの壁をクリアする必要があるため、かならず司法書士などの専門家に依頼をしてください。
自己破産の費用・期間
債務者をめぐる財産関係の複雑さに応じて管財事件・同時廃止事件のいずれかの方法で手続きが進められることにはなりますが、おおよそのイメージとしては、準備期間・破産手続き・免責手続きに数カ月~1年程度の期間を要することになります。
そして、自己破産を司法書士に依頼する場合に必要な費用は次の通りです。
基本報酬 | 350,000円~ |
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参照:料金について(司法書士法人 浜松町歩法務事務所 HP)
なお、自己破産の詳細については、「自己破産とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
国が認めた借金救済制度2:個人再生
個人再生とは、裁判所で借金元本自体を減額してもらったうえで、原則3年で完済できる返済計画を作り直す債務整理手続きのこと。
自己破産のように借金返済義務がすべて免責されることはありませんが、次のように借金総額に応じて大幅な減額を期待できます(民事再生法第231条)。
- 100万円未満:全額弁済
- 100万円以上500万円未満:100万円まで減額
- 500万円以上1,500万円未満:借金総額の1/5まで減額
- 1,500万円以上3,000万円未満:300万円まで減額
- 3,000万円以上5,000万円未満:借金総額の1/10まで減額
それでは、個人再生の特徴について具体的に見ていきましょう。
個人再生のメリット
個人再生のメリットは次の2点です。
- 借金元本額を大幅に減額できる
- 住宅ローンの特則がある
個人再生の最大のメリットは、住宅ローンの特則を利用できるという点。本来、住宅ローンを契約通りに返済できなければ、マイホームに設定された抵当権等が実行されて自宅が処分されることになってしまいます。
ただ、債務整理を利用する場合に、常に自宅の処分を避けられないとなると、今まで築き上げてきた生活スタイル事態が奪われてしまうため、債務者が真の意味で救済されるとは言えないでしょう。
そこで、個人再生を利用するときに限っては、住宅ローン返済中の自宅にそのまま住みつづけたうえで、それ以外の借金についての大幅減額を認めるという道が用意されています。
個人再生のデメリット
個人再生のデメリットは次の3点です。
- 一定の安定的な収入が必要
- 家族に隠すのが難しい
- 手続き・要件が複雑なので債務者本人だけでは進めにくい
個人再生を利用するためには、裁判所から要求される複雑な手続きをこなさなければいけません。特に、今後3年間にわたる返済計画について裁判所から認可を受けるためには、給与状況などに関する正確な資料提出が求められます。
したがって、個人再生手続きを円滑に進めてすみやかに借金問題から救済してもらうためには、司法書士などの専門家に依頼することを強くおすすめします。
個人再生の費用・期間
個人再生は、再生計画案の作成・再生手続き・裁判所による認可という流れで進められ、約3カ月~半年程度の期間を要するものです。債務者の状況次第ですが、自己破産に比べると短期間で手続きを終えられるでしょう。
そして、個人再生を司法書士に依頼した場合に発生する費用は次の通りです。
基本報酬 | 400,000円~ |
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参照:料金について(司法書士法人 浜松町歩法務事務所 HP)
なお、個人再生の詳細については、「個人民事再生とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
国が認めた借金救済制度3:任意整理
任意整理とは、裁判所を利用せずに債権者と交渉を重ね、元本のみの分割払いの返済計画を作り直す債務整理手続きのことです。
自己破産・個人再生と比べると借金減額効果は弱いですが、柔軟に手続きを進めやすいという特徴があります。
それでは、任意整理の特徴について具体的に見ていきましょう。
任意整理のメリット
任意整理のメリットは次の3点です。
- 将来利息の発生を抑えられる
- 家族に知られずに利用しやすい
- 連帯保証人への迷惑を避けられる
任意整理のポイントは、将来利息の発生を抑えられるという点。債権者側との交渉次第ですが、多くのケースで和解契約成立後~完済までの利息の支払い義務が免除されます。
カードローンなどの借金の返済が苦しくなるのは、高利率で算出される利息が原因。なぜなら、どうしても【高い利息が発生 → 返済をつづけても元本が減らない → 返済が長期化する → 家計を圧迫する】という流れから抜け出すことができないからです。
利息の支払いが免除されたなら、債務者が支払うべきは借入れた元本のみ。任意整理は、「元本だけなら完済を目指せる」という債務者におすすめだと考えられます。
任意整理のデメリット
任意整理のデメリットは次の2点です。
- 債権者が応じてくれないと交渉さえできない
- 和解案成立後は原則3年は返済生活がつづく
交渉ベースで任意整理手続きを進めるということは、債権者に対する強制力が働かないということ。自己破産・個人再生とは違って裁判所を利用せずに手続きを進めるため、債権者が交渉に応じてくれなければ任意整理で和解を目指すことができません。
ただ、減額効果は弱いものの、デメリットも少ないのが任意整理の魅力です。実際、多くの債務者が任意整理を希望するという実態も。
したがって、債権者との交渉をスムーズに進めるためには、債務整理の実績が豊富な司法書士に交渉を依頼するのがおすすめです。債務者個人が交渉を申し出ても相手にされないリスクがありますが、専門家が窓口になった時点で態度を翻す債権者は少なくありません。
任意整理の費用・期間
債務者がどれだけの債権者を抱えているかにもよりますが、任意整理は他の債務整理手続きに比べて短期間で決着がつく傾向が強いです。準備期間を含めると、2カ月程度で手続きが終了することも少なくありません。
そして、任意整理を司法書士に依頼した場合の費用は次の通りです。
着手金 | 10,000円~ |
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報酬金 | 10,000円~ |
減額報酬 | 10%(債権者主張額からの減額分につき) |
参照:料金について(司法書士法人 浜松町歩法務事務所 HP)
なお、任意整理の詳細については、「任意整理とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
国が認めた借金救済制度4:過払い金返還請求
債務整理とあわせて押さえておくべき国が認めた借金救済制度として、”過払い金返還請求”が挙げられます。
過払い金とは、利息制限法の上限金利規制に反して返済をつづけたことに起因して、債務者が債権者に支払い過ぎていた利息のこと。出資法の改正によってグレーゾーン金利が撤廃されたため、過払い金返還請求によって債務者が債権者からお金を取り戻せるようになりました。
それでは、過払い金返還請求の特徴について詳しく見ていきましょう。
過払い金返還請求のメリット
過払い金返還請求のメリットは次の通りです。
- 借金残債より過払い金が高額 → 借金問題解決&お金が戻ってくる&ブラックリストへの登録なし
- 借金残債より過払い金が低額 → 借金残債を減らせる
過払い金返還請求のメリットは「お金が戻ってくる」ということ。長期間貸金業者等との取引関係がつづいている場合には、高額の過払い金を取り戻すことも可能です。
特に、借金残債よりも過払い金の方が多ければ、その時点で借金生活は終了します。わざわざ債務整理を利用しなくても借金問題を解決できる可能性があるということです。
したがって、債務整理を念頭に置くだけではなく、かならず専門家に過去の取引履歴をチェックしてもらったうえで、過払い金の有無を確認してもらいましょう。
過払い金返還請求のデメリット
過払い金返還請求をするデメリットは特にありません。なぜなら、過払い金返還請求の場面では、債権者側が「お金を返す立場」になるため、債務者との逆転現象が起こるからです。
ただし、過払い金が借金残債に足りない場合には、過払い金との相殺後の借金残債についての返済方法を検討しなければいけないという点にのみ注意が必要です。
したがって、過払い金返還請求を依頼した流れで、並行して今後利用すべき債務整理手続きについても検討してもらうとスムーズでしょう。
過払い金返還請求の費用・期間
過払い金返還請求は、取引履歴の確認、過払い金の有無のチェック、債権者への返還請求という流れで行われます。債権者側が素直に応じてくれた場合には2~3カ月程度でお金が戻ってきますが、和解に応じず訴訟に発展した場合には半年程度の期間が必要です。
そして、過払い金返還請求を司法書士に依頼した場合の費用は以下をご参照ください。
着手金 | 0円 |
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報酬金 | 19,800円 過払い金回収額の20% |
訴訟により回収した場合 | 25% |
参照:料金について(司法書士法人 浜松町歩法務事務所 HP)
なお、過払い金返還請求の詳細については、「過払い金返還請求とは何ですか?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
国が認めた借金救済制度は司法書士などの専門家に相談するのがおすすめ
実は、債務整理は債務者自身だけでも手続きを進めることができます。
ただし、手続きごとに定められている所定の様式を踏まえる必要があるだけではなく、手続きを進めるためにはその都度債権者と顔を合わせ、あるいは、裁判所に足を運ばなければいけません。
そこで、国が認めた借金救済制度を負担なく進めるために、司法書士などの専門家へ依頼することを強くおすすめします。
特に、司法書士などの専門家に依頼をすれば、次の6つのメリットが得られる点も魅力的です。
- 借金の悩みを「誰かに相談できた」という安心感を得られる
- 債務整理の依頼によって取り立てが停止する
- 専門家の経験を踏まえて適切な手続きを提案してもらえる
- 誰にも知られずに借金問題について相談できる
- 借金問題が深刻になる前に解決策を提案してくれる
- 債務整理費用の相談にも応じてくれる
それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
「誰かに相談できた」という安心感を得られる
借金の悩みを誰にも相談できずに孤独感に苛まれている債務者にとって大切なことは、誰かに悩みを告白して安心感を得ることです。誰にも相談できない悩みを抱えたままでは、解決に向けて前向きに動き出すための原動力さえ手に入りません。
もちろん、家族・知人に相談できるのならそれも大切なこと。ただ、借金問題は、「家族・知人だからこそ相談できない」類の悩みではないでしょうか。
司法書士などの専門家相手なら、プライベートな関係性がないからこそ素直に色々なことを話しやすいはずです。解決に向けて背中を押してもらえる存在を作るため、まずは専門家に話をすることからスタートしてみましょう。
司法書士以外にも相談できる公的機関は多数存在する
それでも、司法書士にいきなりコンタクトを取るだけの勇気が出ないという債務者は、他にも数々の相談機関が用意されているので積極的にご活用ください。
たとえば、借金問題で悩む債務者に用意された相談窓口としては、次のものが挙げられます。
- Webで利用できる借金減額診断(シミュレーター)
- 自治体主催の無料法律相談会
- 貸金業相談・紛争解決センター(日本貸金業協会)
- JCCO(日本クレジットカウンセリング協会)
- 全国銀行協会
- 金融庁
- 国民生活センター
- 日本学生支援機構
これらの電話相談などを利用すれば、借金にまつわる不安について対応してくれるはず。「とにかく不安だ」「まず何をすれば良いのか分からない」などの基本的なことからでも丁寧にアドバイスをもらえるので、利用しやすいと感じたものをご活用ください。
ただし、債務者の個別状況に応じた具体的なアドバイスができるのは司法書士・弁護士だけです。ここで紹介した無料相談では概略的なアドバイスしか期待できない点にご注意ください。
債務整理を司法書士に依頼すれば取り立てが止まる
国が認めた借金救済制度である債務整理を司法書士に依頼した時点で、債権者からの執拗な取り立てはストップします。
司法書士が債務者から依頼を受けた場合、最初に行う業務は、整理対象になる借金の債権者に”受任通知(介入通知)“を送付すること。受任通知には債権者によるすべての取り立て行為を止める効力があるので、これによって取り立ての圧力から解放されることになります(貸金業法第21条)。
返済のための資金を用意できない状況において、郵送・電話(場合によっては訪問)などの方法で取り立てが繰り返されるのは心理的圧迫感が強いもの。司法書士に依頼をして数日以内には債権者からの直接連絡を止められるのは大きなメリットだと考えられるでしょう。
自分で債務整理をするよりも早く取り立てが止まる
確かに、債務者自身だけで国が認めた借金救済制度を利用した場合にも、債権者からの取り立てを止めることができます。
ただし、専門家に依頼をしない場合、債権者からの取り立てが止まるのは実際に手続きがスタートしてから。具体的には、自己破産・個人再生なら裁判所に申し立てたとき、任意整理なら債権者に具体的な交渉を申し出たときになってからです。
つまり、司法書士に依頼をすれば債務整理の準備段階から債権者からの督促を回避できるのに対して、自分ひとりだけで手続きを進める場合には準備段階では取り立ては止まらないということ。これでは、厳しい取り立てを受けながら孤独のなか準備を進めなければいけません。
したがって、「いち早く債権者からのプレッシャーから逃れたい」と希望する債務者は、できるだけ早いタイミングで司法書士に相談に行くことを強くおすすめします。
個人間の借金では取り立てが止まらないおそれがある
受任通知の送付によって督促が停止するのは貸金業法の規定を根拠とするもの。つまり、貸金業法の規制が及ぶのは消費者金融などの貸金業者であることを踏まえると、貸金業者以外の個人からの借金については、受任通知を送付しても法的には取り立てを止めることができないということです。
もっとも、債務者が個人からの取り立てストレスで悩まされている場合、代理人である司法書士が債権者に対して督促を止めるように願い出ること自体は禁止されていません。
実際、数度専門家側から願い出ることによって督促を止めてくれる個人債権者は多いので、債務者個人だけで対応するよりも円滑に事態の鎮静化を図ることができるでしょう。
専門家の経験から債務者に適した手続きを提案してくれる
司法書士に国が認めた借金救済制度を相談すれば、債務者の状況・希望を踏まえたうえで、適切な手続きを選択してくれます。
そもそも、「どの債務整理手続きがベストな選択肢であるか」という問いに対する正解は債務者ごとに異なるもの。どのメリットを選択して、どのデメリットを回避したいのかなど、債務者ごとに希望もいろいろでしょう。特に、借金問題を解決したいと意気込む債務者は各手続きのデメリットを見落としがち。メリットばかりに注目すると手続き選択を誤るリスクが生じます。
数多くの借金問題を解決してきた専門家に依頼をすれば、専門家自身のノウハウ・経験を活かして適切な進路を示してくれるので、自分だけの判断で手続きを選択してはいけません。
なお、債務整理のデメリット・リスクについては以下のリンク先で詳しく解説しています。手続き選択の際にご参考ください。
債務整理をするリスクってある?債務整理をすることで起こるリスクとデメリットを解説誰にも知られずに借金問題を相談できる
家族・職場・知人などに隠したまま借金の不安を抱えているという債務者は意外と多いもの。
司法書士は守秘義務を負っているため、債務者本人以外に「借金のこと・相談に来たこと・債務整理を利用したこと」など、いかなることも口外しません。したがって、司法書士に債務整理を依頼すれば、誰にも知られずに借金問題解決のきっかけをつかむことができるでしょう。
なお、家族・会社などにばれることを懸念している債務者は、以下のリンク先をご参照ください。ばれずに借金問題を解決するコツなどについて解説しています。
借金が家族や会社にばれる原因は何がある?誰にもばれずに借金問題を解決する方法を紹介家族の協力を得た方が生活再建の道は歩みやすい
ただし、債務整理を利用して現実的に借金問題をクリア・生活を立て直すことを考えたとき、少なくとも同居家族には借金のことを正直に告白することをおすすめします。
その理由は、次の通りです。
- 家族は敵ではなく味方
- 同一生計で暮らす家族は債務者自身の味方です。家族の協力を得られた方が家計の立て直しを進めやすいでしょう。また、せっかく債務整理で返済状況を改善できたのに、家族に隠し通すことに気を取られると、生活再建に集中できません。
- 債務整理利用後はブラックリストに登録されるのでばれやすい
- 債務整理後5年~10年は信用情報に傷が付いた状態に。すると、債務者名義のクレジットカード(当然ながら家族カードも)が使えない・スマホ端末代金の分割払い不可・ローンを組めない・奨学金の保証人資格を失うなど、現実的な問題に直面せざるを得ません。このような状況が想定される場合にはいずれ家族に借金のことを知られることになるため、早い段階で自分から正直に話をした方が無難です。
隠し通すことに固執すると適切な債務整理手続きを選択できない
さらに、「これから債務整理をしよう」という段階において家族に隠すことを念頭に置いてしまうと、債務整理手続きの選択肢が狭まってしまうというリスクがある点にも注意が必要です。
たとえば、自己破産で借金返済義務の免責を狙うには、財産処分というデメリットを受け入れなければいけません。マイホームは手放さなければいけませんし、20万円を超える預金も処分対象です。同居家族には隠し通すのは不可能に近いでしょう。
また、自己破産・個人再生では官報への掲載を避けられません。実際上の問題として官報を家族・職場の人が確認することはあり得ないとは考えられますが、知られるリスクがあるのは事実です。
つまり、誰にもばれずに借金問題を解決することを最優先課題にしてしまうと、任意整理しか選択できる手続きがなくなってしまうということ。たとえば自己破産が適切なケースでも、これを避けて任意整理にこだわることに意味がないのは明らかです。
したがって、債務整理の借金救済制度としての真価を発揮するためには、「家族にばれるかばれないか」を気にする必要がない状況を作ってしまうのが適切だと考えられます。
司法書士は家族への話し方についてもアドバイスをしてくれる
司法書士に相談をすれば、家族への伝え方についてもアドバイスをもらえるでしょう。
債務整理の実績が豊富な司法書士には、過去にいろいろなパターンの借金問題を解決したという経験・ノウハウがあります。
伝え方ひとつで家族の納得・協力を得やすくなるので、債務者が抱えている不安は何でも相談してください。
借金問題が深刻になる前に解決策を提案してくれる
司法書士に債務整理を依頼することによって、借金問題が今以上に深刻化することを防ぐことができます。
もし国が認めた借金救済制度を利用せずに借金の返済が滞ってしまうと、次のデメリットが生じ得る点に注意が必要です。
- 遅延損害金が発生する
- 債権者からの厳しい取り立てに頭を悩まされる
- 分割払いが認められなくなり、残債を一括請求される
- 強制執行が実行されて財産などが差し押さえられる
契約通りに借金を返済しつづけるだけでも高い利息の負担で苦しめられているにもかかわらず、万が一滞納することになるとさらに深刻なペナルティが課されてしまいます。これでは、いつまで経っても借金問題を解決できないでしょう。
国が認めた借金救済制度を利用すれば、このような滞納ペナルティをすべて回避できます。リスクマネジメントの観点からも債務整理は有用だと考えられるので、ぜひ前向きにご検討ください。
債務整理費用の相談にも応じてくれる
「司法書士の力を頼りたいけれども相談料が不安だ」「毎月の返済さえ苦しいのに債務整理の費用なんて用意できない」など、借金問題の解決を希望していても、そのために必要な費用面について不安を抱える債務者は少なくありません。
しかし、借金問題に力を入れている司法書士の場合、費用面について次のようなサポート体制を整えてくれています。
- 相談料無料
- 初期費用0円
- 費用の分割払い可
- 受任前に費用体系を明示
参照:料金について(司法書士法人 浜松町歩法務事務所 HP)
これから債務整理をスタートしたいという債務者が特に押さえておくべきポイントは、相談料が無料だという点です。
本来、司法書士・弁護士などの専門家に法律相談をするには30分あたり数千円~の相談料が発生します。ただ、借金問題で苦しんでいる債務者にとっては相談料は相当の負担のはず。「相談料を用意できないことが原因で債務整理に踏み出せない」という債務者が数多く存在するのも事実です。
しかし、借金問題に力を入れている専門家は、各債務者が置かれている厳しい現状を充分に理解しています。そこで、相談料を無料にすることで、借金苦で困っている債務者たちが利用しやすい環境を整えているというわけです。
したがって、債務整理を依頼する専門家選びに困っている人は、「相談料が無料かどうか」を指針に事務所選びをすると、ノウハウの豊富な専門家にたどりつきやすいでしょう。
法テラスの費用立て替え制度を利用できる場合がある
引用:費用を立て替えてもらいたい – 日本司法支援センター法テラス
債務整理を専門家に依頼するとなると、どうしても着手金・実費・報酬金などの費用の発生を避けられません。
もちろん、専門家サイドでも分割払いなどに臨機応変に対応してくれるケースも数多く存在しますが、次の3つの要件を充たす債務者については、法テラスの費用立て替え制度がおすすめです。
- 収入・資産等が一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとは言えないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
この制度を活用すれば、債務整理で発生した着手金等の費用について法テラスが専門家に立て替え払いをしてくれて、後から債務者が法テラスに分割払いをすることが可能となります。
「債務整理を利用したいが費用を捻出するのが難しい」という債務者は司法書士・法テラスなどに直接お問い合わせください。
なお、法テラスの民事法律扶助制度の詳細・債務整理費用の支払いが難しい場合の対処法については以下のリンク先でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
債務整理費用が支払えない場合はどうする?費用が用意できなくても債務整理をする方法を解説借金問題は早期解決が鍵!国が認めた借金救済制度の相談は司法書士まで
国が認めた借金救済制度を活用すれば、ほとんどの借金問題の解決を目指すことができます。今日・明日の生活費さえ苦しい状況に追いこまれているのなら、合法的な借金減免制度を積極的に活用して生活再建を目指すべきでしょう。
もっとも、借金問題は日々深刻になるもの。悠長に構えたままでは、利息・遅延損害金の負担が増えるだけではなく、強制執行が実行されるなどして回復し難い損害が生じるおそれがあります。
したがって、国が認めた借金救済制度を利用するのなら、できるだけ早いタイミングで動き出すのがおすすめ。まずは司法書士などの専門家に相談をして、自分が進むべき生活再建のステップを示してもらいましょう。
なお、いきなり司法書士に直接問い合わせる勇気が出ないという債務者には借金減額診断(シミュレーター)がおすすめです。Webから無料で今すぐ利用できるサービスで、数日以内に司法書士から詳しい生活再建手法についての相談を受けられます。詳しくは以下のリンク先にて解説しているので、あわせてご一読ください。
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